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200メートルで木村颯が4位入賞 明大短距離の意地見せる/日本学生対校選手権
競走 2023.09.18ついに迎えた日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)最終日。明大からは200メートル準決勝に2人が出場した。木村颯太(法4=明星学園)は自身にとって2年ぶり2度目となる200メートルの決勝に駒を進め、4位入賞を果たした。 ◆9・14~17 第92回日本学生対校選手権(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)[4日目]▼男子200メートル準決勝 1組 木村颯 1着 20秒82 決勝進出 2組 木村稜 3着 21秒04 ▼男子200メートル決勝 木村颯 4位 20秒95 最高学年として短距離部門を引っ張ってきた木村稜主将(政経4=乙訓)と木村颯。その2人が日本インカレ最終日、そろって男子200メートルに出場した。 1組目で出走した木村颯は周囲を圧倒する走りを見せた。コーナーを抜け直線に入った段階で集団から抜け出すと、勢いもそのままに他の追い上げを許すことなくフィニッシュ。最後は余裕を持ってゴールしながらも自己ベストを更新し、決勝進出を決めた。 2組目の木村稜は大会を通してこれが4本目のレース。疲労が残る中でも、昨年度の日本インカレで同種目2位入賞を果たした実力者は冷静だった。「決勝に残りたいとかトップを取りたいという思いはあったけれど、そういった気持ちは極力抑えて今までやってきたことを出そうという考えで走った」(木村稜)。スタートから、トップとは少し離れた状態でホームストレートに突入する。ただ、予選でも後半に追い上げを見せた木村稜はこのレースでも力強いスパートを発揮した。直線に入った段階で前を走っていた藤澤(岩手大)に追い付きほぼ同時にゴール。「ゴールした瞬間は勝ったと思った」(木村稜)と手応えを感じながらも3着に終わった。2着の藤澤との差はわずかに0.003秒。1000分の1秒の世界で戦う彼らの明暗が分かれた瞬間だった。 迎えた決勝の舞台。木村颯は低い姿勢から抜群のスタートダッシュを決めると得意のコーナーで周囲を引き離していく。「前半80メートルくらいまでは今できる最高の走りができた」との言葉通り、コーナーを抜けトップで直線に飛び込んできたのは木村颯だった。しかし「ハムストリングがけいれんして一度失速してしまった。そこからはうまく立て直せたけれど、その分結果は少し悪かった」(木村颯)。後半3人の選手にかわされてしまい、目標としていた表彰台獲得はかなわなかった。それでもケガが多かった4年間を踏まえ「何とか及第点くらいで終われたのでそこは自分を褒めてあげてもいいかなと思う」と悔しさをにじませつつ、充実感も口にした。 4年間を通してケガに苦しんだ木村颯と、関東学生対校選手権で肉離れを起こした木村稜。明大を代表する2人はこれまで共に苦難を味わいながらも4年間を締めくくる大舞台で結果を残してみせた。残された期間でさらなる高みを目指す彼らの姿は必ずや周囲の選手にいい影響を与えるはずだ。近年力を付けている短距離部門。その強さの理由を垣間見た最終日の戦いだった。 [松原輝] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
清水ラストレース 200メートルはW木村が予選通過/日本学生対校選手権
競走 2023.09.17熊谷で行われた日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)3日目。男子200メートルでは原田真聡(文1=東農大二)、木村稜主将(政経4=乙訓)、木村颯太(法4=明星学園)の3人が出場し、木村颯、木村稜の2人が準決勝に進んだ。また男子1万メートルW決勝では引退レースとなった清水海地(理工4=長野日大)が13位という結果であった。◆9・14~17 第92回日本学生対校選手権(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)[3日目]▼男子200メートル予選 1組 6着 原田 21秒42 4組 2着 木村颯 20秒91 準決勝進出 5組 1着 木村稜 20秒98 準決勝進出 ▼男子1万メートルW決勝 清水 13位 44分59秒50 長田 途中棄権 近藤 失格 2日目の入賞ラッシュに続く形で始まった3日目。明大は200メートルと1万メートルWに合わせて6人が出場した。200メートルの予選に出場した木村稜は華麗なスタートダッシュから加速に乗り、向かい風0.6メートルの中20秒台の1着で予選を通過。同じく、木村颯も20秒台で予選を突破する。一方で2日目に400メートルで入賞した原田は前日の疲れもあってか、惜しくも準決勝には届かなかった。 1万メートルWの決勝では長田隼人(商1=松山工)、近藤岬(理工2=十日町)、そして大学陸上最後のレースとなる清水の3人が出場。長田はレース序盤から積極的に先頭集団に食らいつくも途中で裏太ももがつってしまい、無念の途中棄権。また、近藤も後半まで上半身と下半身をうまく連動させリズム良く歩みを進めていたが、最後の1周で反則を取られてしまいまさかの失格。次の大会である国民体育大会に向けて「県を背負って頑張れるようにやっていきたい」(近藤)と前を向いた。「最後まで歩き切れるようペースを調整した部分は、今までの経験が生きた」と語った清水は、自分のペースで歩き切り13位でフィニッシュ。「(明大での4年間は)主体的に物事に取り組んでいく力を培えた」と、競技面だけにとどまらない成長を遂げた清水。レース中は気負わず純粋に楽しむ姿があり、試合後も思い残すことのないすがすがしい表情を見せてくれた。 17日の注目は男子200メートルの準決勝に出場する木村稜、木村颯の木村コンビ。最後の日本インカレとして出場する2人はどんなレースを見せてくれるのか。4年間チームをけん引してきたスプリンターたちの活躍を期したい。[大橋英晃] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
快挙達成! 4×100メートルRで3位入賞/日本学生対校選手権
競走 2023.09.16日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)2日目が行われた。明大からは3種目に出場。そのうち2種目で明大新記録を樹立するなど明大競走部の歴史に新たな1ページが刻まれる日となった。 ◆9・14~17 第92回日本学生対校選手権(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)[2日目]▼男子100メートル準決勝 1組 木村稜 棄権 2組 松下 5着 10秒44 ▼男子400メートル準決勝 2組 原田 2着 46秒35(明大新) 決勝進出 ▼男子400メートル決勝 原田 8位 48秒54 ▼男子4×100メートルR決勝 松下、木村颯、川津、木村稜 3位 39秒03(明大新) 多くの準決勝、決勝種目が行われた大会2日目。男子100メートル準決勝には木村稜主将(政経4=乙訓)と松下かなう(法3=大分東明)が出場を決めていたが、木村稜はこの種目を棄権し今季絶好調の後輩に思いを託した。先輩の思いを胸にスタートラインに立った松下。号砲が鳴ると低い姿勢から躍動感ある大きなストライドで加速していく。そのままスピードに乗りたいところだったが後半の伸びが足りず5着でフィニッシュ。「ベストコンディションではなかった。大きな大会でも自分の走りができるようにしたい」(松下)と初めての日本インカレは悔いの残る結果になった。続いて男子400メートル準決勝に登場したのは期待のホープ・原田真聡(文1=東農第二)。決勝進出を目標に掲げ挑んだレースでは、前半遅れるも最終コーナーを回ってから真価を発揮する。粘り強い追い上げを見せ2着に入り着順で決勝進出を決めた。また、自身の持つ明大記録も更新。「自分の強みが発揮できたことがタイムにつながった」(原田)。その後行われた決勝はハードスケジュールの影響もあり、スピードを上げ切ることができず8位でゴールしたが「これからは決勝に出るだけでなく戦える選手になりたい」(原田)とその目は既に未来へと向いていた。 この日明大勢最後の種目となった男子4×100メートルR決勝。予選で明大記録を更新し勢いに乗るチームはアンカーを木村稜に変更した。「みんなで頑張りたいと思ったので100メートルを棄権してリレーに絞った」(木村稜)と仲間思いの主将の言葉に周りが応えた。1走の松下から2走の木村颯太(法4=明星学園)へバトンが渡ると軽やかな走りで前との距離を詰めていく。3走の川津靖生(法1=明星学園)が抜群のコーナーワークを見せバトンはアンカーへ。4人の思いが詰まったバトンを左手に主将が意地の力走を見せる。前年度優勝校である筑波大を0.04秒の差でかわし見事に3位入賞。予選で更新した明大記録をさらに0.23秒更新した。最後の日本インカレとなる木村颯は「みんなの総力で何とか目標を達成できて良かった」と喜びをかみ締めた。 大会3日目には男子200メートルに木村稜、木村颯、原田が出場。そして男子1万メートルWには今大会が引退レースとなる清水海地(理工4=長野日大)ら3人が出場する。躍進の一日となった大会2日目を超える活躍を期待したい。 [島田五貴] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
予選通過者が続出 幸先の良いスタートに/日本学生対校選手権
競走 2023.09.15今年度のトラック競技を締めくくる日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)が開幕した。初日の400メートル予選が終わった時点では3名が準決勝に進出。蒸し暑ささえも吹き飛ばす快走を見せた。残す4×100メートルR予選は3着でのフィニッシュとなるも、明大記録を更新する走りを見せタイムでの決勝進出を決めた。 ◆9・14~17 第92回日本学生対校選手権(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)▼男子100メートル予選 1組 松下 3着 10秒43 準決勝進出 2組 川津 6着 10秒65 7組 木村稜 3着 10秒41 準決勝進出 ▼男子400メートル予選 5組 原田 3着 47秒08 準決勝進出 ▼男子4×100メートルR予選 5組 松下、木村颯、川津、中谷 3着 39秒26(明大新) 決勝進出 100メートル予選は松下かなう(法3=大分東明)、木村稜(政経4=乙訓)の2名が準決勝への切符を獲得。松下は今季5度も自己ベストを更新する快調ぶりで、先月開催された日大競技会では100メートルの明大記録を塗り替えるほどの実力の持ち主だ。今年度は3年生にして初めての日本インカレの舞台となったが、物おじすることなく後半でぐんぐんと加速し3着でフィニッシュ。今大会でもその好調ぶりは健在だ。一方で木村稜は関東学生対校選手権で足を負傷してから、これまでリハビリに取り組んできた。すでに練習はケガをする以前のものへと戻っているが、万全とはいえないのが現状である。そうした中で挑んだ今大会。華麗なスタートダッシュを決めるも、徐々に後方との距離が縮まっていく。しかしながら最後は粘り抜き、意地の準決勝進出を勝ち取った。400メートル予選には原田真聡(文1=東農大二)が出場。最後の直線に差し掛かると、トップに躍り出た友田(東京理科大)を追う白熱した展開に。横一線の争いから原田、川北(びわこ成蹊スポーツ大)が抜け出すも追い付くことはできず。それでも3着で着順通過を果たした。 個々の走力だけではなくチームの協調性も勝利のカギとなる4×100メートルR。それらがうまく合致したのが今レースであった。1走には今シーズン上り調子の松下を置き、初手からチームを勢いづける。そのまま2走の木村颯太(法4=明星学園)へスムーズにバトンがつながり、勢いは衰えることなく3走の川津靖生(法1=明星学園)へ。100メートル予選では惜しくも予選敗退に終わってしまったが、ここでは上級生から受け継いだバトンをしっかり4走の中谷颯汰(農1=相洋)へとつないでいく。そして力強い走りで最後の直線を駆け抜けると、3着でゴールイン。彼らは息の合ったバトンパスで勝利を呼び寄せただけではなく、明大記録更新という副産物をも手に入れた。 明大勢の快進撃はまだまだ序章に過ぎない。2日目には1日目で予選を通過した者たちが準決勝、決勝へとさらに駒を進めていく。ここで生き残るのは誰なのか。より過熱していく戦いから一瞬たりとも目が離せない。 [石井遥]※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
馬場が中距離ラストレース 地元で優勝飾る/愛知選手権
競走 2023.07.18馬場勇一郎(政経4=中京大中京)にとって、中距離ラストレースとなった今大会。ホクレン・ディスタンスチャレンジ2023(以下、ホクレン)の4大会に続く連戦となったが「とにかく勝ちにこだわろう」と最後のレースに挑んだ。地元・愛知県での開催に多くの人が応援に駆け付ける中、圧巻の走りで優勝を果たした。 ◆7・16 愛知選手権(パロマ瑞穂北陸上競技場) ▼男子1500メートル予選 2組 馬場 3分54秒36 1着 ▼男子1500メートル決勝 馬場 1位 3分55秒01 中学3年次に馬場がたたき出した800メートル1分52秒43の日本中学記録は、現在も破られていない。「過去の記録なのでもう関係ないかもしれないが『勝って当たり前』の中で競技をするのは、正直逃げたいなと思う時もあった」。記録保持者という肩書きは重圧に感じることもあったが、トラックで世界を目指せる中距離種目に魅力を感じ、大学までとことんこだわってきた。その中距離種目も7月で一区切りと決め、ホクレンでは自己記録の更新に挑んだ。惜しくも更新とはならなかったが、7月8日の網走大会で3分44秒76を記録し「今の力を全て出し切ることができた」。 最後の大会となった愛知選手権では「地元の後輩や今まで応援してくれた人へ、自分が最後までやり切った姿を見せたかった」と勝ちにこだわった。予選を1着でゴールし、迎えた決勝。ラスト800メートルを過ぎてから周りをふるい落とすというプラン通りにレースを展開する。馬場を応援する声が競技場に響く中、最後は後続を突き放し、勝ち切る強さを見せた。ラストレースでの優勝に思わずガッツポーズ。「やり切った充実感でいっぱい」と喜びをかみしめた。 中学時代から取り組んできた中距離種目への挑戦は一区切りとなるが、ここからは10月14日の箱根駅伝予選会(以下、箱根予選会)に向けて新たな挑戦を始める。大学駅伝への出場経験はないが「やるからには最後まで上を目指していきたい」。その思いで、仲間と共に競技生活最後の半年に挑む。 [覺前日向子] 馬場勇一郎(政経4=中京大中京)試合後のコメント馬場――プレッシャーや緊張はありましたか。 「勝って当たり前っていうプレッシャーは少なからずありましたね。でもそれは中学記録が出てからずっと背負いながらやってきたので、ラストレースは勝ちにいくことだけを考えて走りました」 ――7月で5大会に出場しましたが、連戦は大変でしたか。 「自分で出たいと思って監督に志願したので、強い気持ちで臨みました。たくさんの応援をしてくれる人、中学生も来てくれたし、陸上を頑張ればあんなふうに終われるんだよと地元で見せたかったので頑張れました」 ――中距離をここで一区切りにする理由を教えてください。 「一つは、タイムを出すには7月がピークなのでそこでスパッと決めて、そこから新しい挑戦をゼロからしたかったというのがあります。また、自分の走力では全然厳しいところがあるとは思うんですけど、自分が中距離から(駅伝へ)挑戦することは、結果以外のところでもチームのためになると山本佑樹駅伝監督や山本豪副監督からも言われていて。自分がチームのために何かできるんだと目的を見出せたので最後頑張ろうと思って決めました」 ――中距離種目を続けてきた原動力は何ですか。 「とことん上を目指したかったので、駅伝は国内ですが世界を目指せるトラックの中距離種目にこだわってやってきました。世界には自分は全然届かなかったですが、上には上がいて誰もやっていないことに挑戦したかったという思いがあったので、そこがすごく魅力でここまでやり切れたのかなと思っています。また、豪さんをはじめ、多くの方が自分の目標をサポートしてくださったので、とても感謝しています」 ――箱根駅伝を目指すことを決めたタイミングはいつですか。 「大学1年生の頃から『目指せるぞ』と豪さんから言われていて、少しは意識しましたけど、低学年ではあくまでも中距離の練習の中で長距離をやっていただけでした。本格的に意識したのは自己ベストを更新した昨年10月のアスレチックスチャレンジカップからで、そこから今年7月のホクレンが終わった後は箱根駅伝を目指そうと考えていました」 ――これからの意気込みを教えてください。 「やるからには上を目指していきたいので、箱根予選会に向けてまずは自分がチームの上位で走れるように頑張っていきたいと思います。出場できるかは分かりませんが目指すことは大事だと思うので、最後は仲間や4年間一緒に過ごしてきた同期と頑張ります」READ MORE -
吉川響、杉ら好順位 夏合宿に向けて弾みをつける/富士裾野トラックミート
競走 2023.07.17裾野市と同市陸上競技協会によって開催された第2回富士裾野トラックミート。前半シーズンを締めくくるレースということもあり、明大からは多くの選手が出場した。5000メートルでは杉彩文海(文4=鳥栖工)、綾一輝(理工1=八千代松陰)が2位、3位に。1万メートルでは吉川響(文2=世羅)が1位に輝くなど、勝負強さが光った大会となった。 ◆7・15 第2回富士裾野トラックミート(裾野市運動公園陸上競技場)▼男子5000メートル1組 尾ノ上 15分56秒24 14着 ▼男子5000メートル2組 佐久間 15分04秒37 6着 三井 15分15秒25 11着 山内 15分26秒01 18着 ▼男子5000メートル3組 井坂 14分42秒34 4着 古井 14分48秒68 6着 吉川陽 15分12秒81 18着 新谷 15分12秒85 19着 ▼男子5000メートル4組 堀颯 14分21秒92 2着 窪田 14分35秒55 5着 石堂 14分47秒85 11着 山本 15分11秒31 15着 ▼男子5000メートル5組 杉 14分16秒93 2着 綾 14分25秒41 3着 大湊 14分39秒07 6着 ▼男子1万メートル1組 新野 31分27秒81 15着 ▼男子1万メートル2組 吉川響 29分45秒29 1着 室田 30分20秒04 8着 曳田 30分34秒82 9着 男子5000メートルには明大から計15人が出場。厳しい湿度の中でのレースだったが、多くの選手が積極果敢なレースを展開した。中でも力強さを見せたのが4組に出走した堀颯介(商2=仙台育英)。「組トップを狙っていた」と勝負に徹する走りで最後の競り合いを制し見事2着でフィニッシュ。全日本大学駅伝予選会(以下、全日本予選)の苦い思い出を払拭するきっかけとなるレースとなった。またメインレースとなった5組には現主力候補の杉、綾らが出走。杉は「やはり組トップを狙うことを意識した」と、2分50秒切りのハイペースなペースメーカーに積極的に挑む。最後は惜しくも垂れてしまい山川(駒大)の後塵を拝す形となったが、14分16秒93とまずまずのタイムでレースを終えた。 小雨が降り始め、コンディションが厳しくなってきた中で行われた男子1万メートル。メインレースである2組には吉川響、室田安寿(情コミ2=宮崎日大)らが出走した。中でも圧巻の走りを見せたのは吉川響。「最初から先頭集団で走ることは意識していた」と序盤から全日本予選のような集団を引っ張るレースを展開し、集団をコントロール。さらにその後抜け出したペースメーカーに唯一反応し、粘りの走りで後続との差を一気に広げ、1着でフィニッシュ。厳しい湿気があったにも関わらず、昨年度櫛田佳希選手(令5政経卒・現NTT西日本)が打ち立てた29分53秒05の大会記録を更新する見事な走りとなった。 「できるだけ前半戦トラックレースで出遅れた選手がここで合わせられるように」(山本佑樹駅伝監督)。合宿前最後のトラックレースという位置付けだった今大会。今回のレースで得た課題を胸に夏合宿へ挑み、秋以降の飛躍へつなげたい。 [菊地隼人] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
法大に敗れるも収穫多数 いざ勝負の夏へ/明大対法大定期大会
競走 2023.07.1073回目の明大対法大定期大会が開催された。男子5000メートルでは東原豪輝(政経3=大阪)が1位でフィニッシュし、明大を勢いづけた。その後も徐々に蒸し暑く天候が不安定になる中で、3人の選手が自己ベストを更新する走りを見せた。その中でも神戸毅裕(営1=明星学園)は自己ベストを更新し、優勝を達成。今大会の敢闘賞を獲得した。法大に敗北こそ喫したものの、収穫の多い大会となった。 ◆7・9 第73回明大対法大定期大会(法大陸上競技場)▼明大――2位 51点 ▼男子5000メートル 1位 東原 14分17秒90 3位 鈴木 14分26秒79 5位 児玉 14分39秒37 ▼男子1500メートル 2位 吉川陽 3分53秒12 3位 杉田 3分53秒40 5位 佐久間 3分56秒93 ▼男子100メートル 1位 神戸 10秒58 2位 木村颯 10秒58 4位 竹尾 10秒65 ▼男子砲丸投げ 4位 木村稜 8m17 ▼男子走幅跳 3位 竹内 6m64 ▼男子400メートルH 4位 小林真 53秒06 ▼男子400メートル 4位 佐田 50秒13 ▼男子4×100メートルR 神戸、鷹羽、木村颯、中谷 DQ 暑さへの懸念から、中・長距離種目は午前中に行われた。明大の切り込み隊長となったのは5000メートルに出場した東原だ。同レースで走ることとなった児玉真輝(文4=鎌倉学園)と鈴木祐太(文3=鎌倉学園)の走りにも刺激され、見事1位でフィニッシュ。「収穫は最後に勝ち切れたところ。課題は中盤や暑い中での粘り強さ」と冷静に自身のレースを振り返った。1500メートルでは杉田真英(農4=佐久長聖)が自己ベストを更新し3位入賞。このレースを「スピードが身に付いてきて、夏に練習を積めば秋以降もしっかり走れると思う」と振り返り、今夏の鍛錬へと意気込んだ。同じく1500メートルで自己ベストを更新した佐久間大河(商1=鹿児島城西)は「ラストのキレが少し足りないので、そこを強くしていきたい」と自身の課題を見つめた。来たる長距離シーズンに向け、この夏でさらに飛躍する選手たちから目が離せない。 男子100メートルには木村颯太(法4=明星学園)、竹尾拓真(農2=明星学園)、神戸が出場した。接戦を繰り広げ、ほぼ同時にフィニッシュした木村颯と神戸のタイム差はわずか0.002秒。神戸はレース後「タイムは関係なく自分の走りをすることを意識していたが、正直なところすごく勝ちたかった」と笑顔を見せた。選手たちの深い関係性とチームの雰囲気の良さが伝わる一幕であった。そして明大対立大対校大会と同じく専門外の砲丸投げに出場した木村稜主将(政経4=乙訓)は、前回から記録を4cm伸ばし総合得点の押し上げに尽力した。中には思うように結果を残すことができず、悔しさをにじませる選手たちもいた。しかし、彼らもまたおのおのの課題を見つめ直し、それを今後の道しるべの一つとしていた。自身の結果の良しあしにかかわらず、猛暑の中で最終種目まで声援を送り続け、一丸となって戦った選手たち。その姿からはチーム明治の結束の強さが感じられた。 今大会は各選手が自身の強みと課題を再確認し、今後につながる機会となった。9月には全日本学生対校選手権、10月には箱根駅伝予選会などさらに大きな大会も控えている。明大競走部の今後を左右し得るこの夏。選手たちはそれぞれの目標に向けて努力を積み重ね、さらなる進化を遂げるに違いない。 [春田麻衣] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
続々と自己ベスト更新 優勝逃すも奮闘/明大対立大対校大会
競走 2023.07.042連覇中だった明大対立大対校大会。多くの選手が自己ベストを更新するも、総合力で立大に及ばず2位に終わった。 ◆7・2 第44回明大対立大対校大会(セントポールズ・フィールド)▼明大――2位 50点 ▼男子3000メートル 3位 室田 8分13秒08 5位 児玉 8分25秒53 6位 加世堂 8分33秒63 ▼男子800メートル 3位 田邉 1分55秒60 4位 三井 2分01秒95 ▼男子400メートル 1位 荒澤 48秒42 2位 佐田 49秒14 ▼男子200メートル 2位 木村颯 21秒38 3位 川津 21秒65 5位 竹尾 22秒03 ▼男子4×400メートルR 2位 荒澤、神戸、田邉、佐田 3分16秒45 ▼男子砲丸投げ 2位 木村稜 8m13 5位 飯島 7m08 6位 神戸 6m03 ▼男子走幅跳 1位 宮川 5m96 最初のトラック競技となった男子3000メートル対抗では、室田安寿(情コミ2=宮崎日大)が出走。「後半ペースが上がったところで勝負できなかった」と反省を見せるも大幅に自己ベストを更新した。男子3000メートルオープンに出場した東原豪輝(政経3=大阪)は「最初からうまくペース配分できた」と明治内トップの組2着でゴール。久しぶりのレースで自信につながる走りを見せた。教育実習から戻った杉彩文海(文4=鳥栖工)も練習不足ではあったが箱根駅伝区間賞の意地を見せ組1着でレースを終えた。男子400メートル対抗では、好調のルーキー荒澤朋希(営1=明大中野)が自己ベストを更新し1位でフィニッシュ。山本佑樹駅伝監督も「みんな伸び伸び走ってくれた」と振り返った。 両校の選手総出の応援の中行われた最終種目の4×400メートルR。序盤から拮抗(きっこう)したレースだった。前半はわずかにリードしていたものの、後半に抜かされてしまう。あと少し及ばなかったが、最後は佐田龍昇(法2=大分東明)が猛烈に立大を追い上げ大熱戦となった。 結果としては2位だったが、来週には明大対法大定期大会が、翌週には富士裾野トラックミートがあり、その先には夏合宿も控えている。秋以降、厳しい夏を乗り越えさらにレベルアップした競走部を期待したい。 [加藤菜々香] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
無念の10位で本戦出場逃す/全日本大学駅伝対校選手権関東学連推薦校選考会
競走 2023.06.19ケガから復帰したエース・児玉真輝(文4=鎌倉学園)や箱根駅伝(以下、箱根)で3区4位の走りを見せた森下翔太(政経2=世羅)、期待のルーキーである綾一輝(理工1=八千代松陰)が健闘するも、総合10位で予選通過はかなわなかった。伊勢路への切符を手にすることはできず、現実を突き付けられるかたちで今大会を終えた。 ◆6・17 第55回全日本大学駅伝対校選手権関東学連推薦校選考会(相模原ギオンスタジアム) 10位 明大 4時間00分20秒02 復活が待たれていたエースの児玉は1組目に出場。「急ピッチで間に合わせたので焦りや不安はあったが、割り切って気合で頑張った」。スローペースで進む大集団の前方に位置取り、自身のペースを刻み続ける。残り2000メートルを切り他大がスパートをかける中、児玉は焦らず虎視眈々(たんたん)と機会を待つ。そしてラスト1周の鐘が鳴ると一気に集団を抜け出し、1組目3着という好成績でレースを終えた。同組に出場した甲斐涼介(情コミ3=宮崎日大)も苦しい局面での粘りを見せ、組16着に食い込んだ。2組目に出場した尾﨑健斗駅伝主将(商3=浜松商)は関東学生対校選手権後、ケガの影響で思うように練習ができず苦しいレース展開を強いられた。しかし主将としてのプライドを感じさせる走りを見せ、組17着でフィニッシュ。この組でより苦戦を強いられたのは、箱根後の連続したケガの影響もあり、対策し切れなかった堀颯介(商2=仙台育英)。大舞台で実力を発揮することができず、悔しさをにじませた。 2組目終了時点で明大は9位。予選突破のためにはさらに順位を上げていかなければならない。重要な3組目を任された吉川響(文2=世羅)は第2集団を引っ張り続ける。後半に差し掛かるにつれ徐々に後続に追い抜かされてしまうが「粘ってラストスパートで勝ち抜くプランを考えていた」。吉川の作戦もはまり、29分台を記録し7着と健闘した。ペース変動が激しいレースとなった3組目。大きなレースの経験が浅い溝上稜斗(商3=九州学院)にとっては厳しい戦いとなった。希望は各校のエースが集まる4組目を走る森下と綾に託された。序盤から綾が積極的に前に出て自分のペースで走り続ける。途中で第2集団に吸収されるも、その集団の先頭には森下の姿が。「非常に走りづらい中で森下さんが前に出てくれて、何が何でも付いていくと覚悟を決めた」(綾)。綾は森下の真後ろに食らいつき、2人で第2集団を引っ張るかたちでレースは進んだ。最終的にチームの順位を上げることはできなかったものの森下は28分台をマークし、綾も自己ベストを更新する走りで予選会を締めくくった。 今大会の結果から、明大は16大会連続となる全日本大学駅伝出場の機会を逃すこととなった。しかし、突き付けられた現状を誰よりも重く受け止めた選手たちはもう今後を見据えている。「残るは箱根一本になってしまったが、ここから箱根駅伝予選会までの数カ月間の僕たちの変化や、どう立ち上がっていくかを見てもらいたい」(尾﨑)。なんとしても紫紺の襷をつなぎ続けるために、この敗戦を糧に再起を誓う。 [春田麻衣] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
入賞続出 ルーキーの活躍が光る大会に/日本選手権兼U20日本選手権
競走 2023.06.044日間にわたり行われた今大会。U20男子400メートルでは原田真聡(文1=東農大二)が会心の走りで準優勝。他にも多くの1年生が入賞し、チームとしても頼もしい結果となった。 ◆6・1~4 第107回日本選手権兼U20日本選手権(ヤンマースタジアム長居)[1日目]▼U20男子200メートル予選 3組 川津 1着 21秒27 決勝進出▼U20男子1500メートル予選 1組 乙守 4着 4分12秒19 決勝進出 2組 加世堂 5着 3分51秒06 決勝進出▼男子1500メートル予選 2組 馬場 6着 3分50秒47▼U20男子5000メートル決勝 綾 4位 14分07秒74 大湊 9位 14分33秒43 [2日目]▼U20男子1500メートル決勝 加世堂 6位 3分48秒57 乙守 7位 3分49秒19▼U20男子3000メートルSC決勝 小林周 7位 9分04秒10 鬼塚 11位 9分15秒20▼U20男子200メートル決勝 川津 4位 21秒42 [3日目]▼U20男子400メートル予選 2組 原田 1着 47秒07 決勝進出 [4日目]▼U20男子400メートル決勝 原田 2位 46秒97 台風の接近により大雨の中で行われた1日目と2日目。コンディションは最悪かのように思われたが、多くの選手が入賞を果たし健闘を見せた。U20男子200メートル予選では、川津靖生(法1=明星学園)が他を寄せ付けない圧巻の走りで1位通過。決勝では華麗なスタートダッシュを決め、得意とするコーナリングで差をつける。しかしその位置をキープし切れず4位でゴールイン。「スピードが出ていても体力がなければ意味がないので、持久力や体力を付けていきたい」。川津の表彰台入りはもう間もなくのところまで来ている。 男子1500メートル予選には馬場勇一郎(政経4=中京大中京)が出場。明大からは唯一のシニアでの日本選手権出場を果たしたが、全国レベルの戦いで思うように記録が伸びず。集団の前方に付けたもののラストスパートで脱落し、無念の予選敗退となった。U20男子1500メートルでは乙守勇志(政経1=大阪)と加世堂懸(商1=仙台育英)がともに決勝へ進出。前半は集団の中で順調にペースを刻んでいたが、ラスト1周で他大の追い上げに食らいつくことができず。それでも入賞圏内でレースを終え、大舞台で好成績を残した。「全国大会で結果を残すことが競技人生の中で少なかったので、入賞できてほっとしている」(加世堂)。来たる駅伝シーズンに向けて、今後は長距離でも記録を伸ばしていきたい。 U20男子5000メートル決勝では、綾一輝(理工1=八千代松陰)が積極的な走りで表彰台入りを狙う。序盤からトップに躍り出るとレースの流れを意のままにコントロール。しかし3000メートル付近で青木(国学院大)が飛び出したことで第2集団に。粘り強い走りで懸命に前を追うも、なかなか距離を縮められない。ラストスパートで他大に競り負け、惜しくも表彰台入りはかなわなかった。「悔しい気持ちもあるが、それ以上に初めて大学のレースで出し切れた。これから何をするべきかを自分で分かっているので、これで終わるのではなく、今後もしっかり取り組んでいきたい」。関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)では後半に失速し、悔しさをにじませた綾。その思いをバネに挑んだ今大会では見事4位入賞を果たし、全日本大学駅伝予選会につながる一戦となった。同種目に出場した大湊柊翔(情コミ1=学法石川)は9位でフィニッシュ。入賞にはあと一歩及ばなかった。 鬼塚大翔(政経1=学法石川)と小林周太郎(営1=伊賀白鳳)はU20男子3000メートルSC決勝に出場。着々とレースは進んでいき、残り1000メートルで集団が分裂し始める。鬼塚はそのペース変化に乗り切れず徐々に前との差が開いていくも、小林周が先頭集団で粘り強い走りを見せる。ラスト1周でさらに集団は縦に伸び、小林周も先頭集団から脱落。ともに他大のラストスパートにペースを乱され、課題が残る結果となった。「8分台が出せたらというのはあったので、少し物足りなさは感じた。ここからは気持ちを切り替えて長い距離に行ってくれたらいい」(山本佑樹駅伝監督)。今回の経験を糧に、次戦ではさらなる好記録を狙いたい。 前日とは打って変わり、気持ちの良い青空の下で行われたU20男子400メートル。出場した原田は関東インカレで自己ベストを更新し、今勢いのある選手の一人である。今大会でもその圧倒的な実力で自己記録を塗り替え、予選を全体の中でもトップの記録で通過。優勝候補として挑んだ決勝では、残り100メートルで勝負を仕掛ける。直線に入るや否や加速し始めると、先頭に飛び出した。しかし外側から迫る冨永(順大)に抜かされ、2位でフィニッシュ。優勝とはならなかったが、予選に続き決勝でも自己ベストを更新。「優勝を狙っていたので正直悔しい気持ちもある。前回の関東インカレの反省を生かして後半に耐える練習を積んだので、そのときよりはうまく動くことができた」。前回大会の結果を分析し練習を重ね、念願の46秒台を達成。しかし「まだ大学では戦えるようなレベルではない」と闘争心を垣間見せた。原田の快進撃は今後も続いていく。 全国レベルの大会でも好成績を収めた選手たち。「特にU20の若手を多く出せたので、これから勢いをつけるという意味では、いいきっかけになったレースだと思う」(山本駅伝監督)。トラックでのレースが盛んになってくる、これからの時期。明大の未来を担うルーキーに注目だ。 [石井遥] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE
特集記事 SPECIAL
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【競走部】紫魂不撓
昨年度の関東学生対校選手権で見事1部残留を成し遂げた競走部。今年度は主将・木村稜(政経4=乙訓)を中心にさらなる高みを目指す。特に長距離ブロックは、あと一歩手が届かなかった箱根駅伝シード権に向け、エース・児玉真輝(文4=鎌倉学園)を中心にチーム一丸で取り組む。旅路は険しいかもしれない。だが、紫魂を胸に、不撓不屈の精神で走り続けた先にはきっと輝かしい栄光が待っている。特集ページ〝紫魂不撓〟ではそんな明大競走部の1年間を追い続ける。READ MORE -
【競走部】明鏡紫水
今こそ古豪・明大の意地を見せる時――。今年度の競走部は関東学生対校選手権での1部残留に向け、3部門のさらなる飛躍が求められる。特に「チームを一から強くしたい」(小澤大輝主将・政経4=韮山)と長距離部門は箱根駅伝のシード権獲得を最大の目標にする。今年度も紫紺の襷が輝く瞬間を明スポが追い掛ける。READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
1907年創部。練習場所は八幡山グラウンド。〝競技を通じての社会に貢献できる人材育成〟をモットーに練習に励む。短距離部門、競歩部門は関東インカレで優勝者を数多く輩出。特に競歩部門は日本選手権20km競歩で入賞など好成績を残している。長距離部門は、第1回箱根駅伝に出場した4校「オリジナル4」のうちに含まれ、過去には多数の優勝を誇る古豪。2005年には14年ぶりに出場を決めた。鎧坂哲哉選手(平24営卒・現旭化成)などが在籍した12年には総合3位。以来は常連校として名をはせており、シード権獲得や上位入賞を目指す。過去には多くの実業団選手を送り出している。