
【スケート部(アイスホッケー部門)】FACE OFF~アイスホッケーの新たなる挑戦~
昨年度、4年ぶりのインカレ王者に輝いた明大アイスホッケー部門。大学アイスホッケー界をけん引する存在である明大は、今年度も〝常勝明治〟の姿を見せられるか。本企画では、連覇を目指す選手たちの声をお届けする。
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(10)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 主催者・安田桂太朗さん
アイスホッケー 2023.07.12大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間をつくり上げた選手、監督、主催者の方へのインタビューをお届けする。 第5回は、主催者の安田桂太朗さん(Connecticut College)のインタビューです。(この取材は7月4日に行われたものです) ――まずは無事に終わって数日経った今の心境をお聞かせください。 「まずは何も大きなトラブルなく、選手のケガもなく終えることができたのは、いろいろな方の協力があってのことなんですけど、そこが一番ほっとしています。心境としては、当日1200人くらい来ていたんですけど、あれだけのお客さんが来てくれたことに達成感がありますし、試合が終わった後にインスタやツイッターでの反響がすごくて、そういうのを見てやって良かったなと感じています」 ――愛知ではチケットが残り2日くらいで多く売れたとおっしゃっていました。今回のチケットの売れ行きはいかがでしたか。 「全席自由席で値段が一緒ということもあって、早く買おうっていう選択は多くないだろうと、名古屋の時と同じで最後の1週間が勝負になるだろうなと考えていました。その中でも最後の2日間は、300枚くらい売れたんじゃないかな。正確な数字は分からないですけど、そのくらい売れてそれだけ多くの方に買っていただけたのはうれしいですし、選手も残り数日でプッシュしてくれたので感謝しています」 ――クラウドファンディングも成功していましたが、実施しようと考えた経緯をお聞かせください。 「クラウドファンディングは今回初の試みで、名古屋の時は地元で知り合いの方からスポンサー企業の獲得はできていたんですけど、東京はそのような方がいませんでした。企業の方にコンタクトを取っても東京での実績がないので、企業さん的にも信ぴょう性がなくて難しいところがあって。そこで何ができるか考えたときにあったのがクラウドファンディングで、一般の方々からも支援を募ってご協力いただいた形なんですけど、目標額であった50万円を締め切りの3日前に達成できて感謝しています」 ――支援してくださっていたスポンサー企業もありました。 「うちのスタッフが頑張ってくれて美容関係の商品を販売しているお店から『ぜひ応援させてください』と言っていただけました。クラウドファンディングサイトから商品を割引して買えるようにさせてもらったので、うちのスタッフと代理店の方には感謝しています。あとサンエスオルクスは愛知県でアジアリーグに所属するプロチームをつくろうとしている団体で、僕たちももともと愛知で活動していた団体なので『そこはぜひとも応援したい』と言ってくださいました」 ――リハーサルではどのようなことを確認しましたか。 「1週間前に僕とスタッフの1人で23時くらいにリハーサルをしに行って、音響やライトの確認。あとは映像がどのように映るかを東伏見のリンクの方に協力してもらって確認しました。東伏見のリンクに行ったこともなかったんですけど、リンクの方も協力的で要望をいろいろ聞いてくださったので、スムーズに運営できたのはそのおかげかなと思います」 ――試合当日の動きはいかがでしたか。 「リハーサルは試合1週間前にやったんですけど、機材を入れたのは前日なんですよ。前日の夕方にスタッフが全員集まって、搬入をするところから始まって、夜に最終ミーティングを行って、当日の朝9時くらいにリンクに向かって、そこからのぼりの設置やパンフレットの用意をしました。あと東伏見のリンクは映像をパソコンに移さないといけなくて、結構な重さの動画なのでそれを入れたり、選手のユニホームの設置やスポットライトやスモークの準備をしたり、時間は結構ギリギリでした。13時半くらいに選手が到着予定だったので、それまでに準備は終わらせて、選手が到着した後はミーティングをして、ボランティアの方たちとミーティングをして、最後に監督の方たちとミーティングをして。もともと14時45分に開場だったんですけど、14時20分にはとてつもない待機列ができてしまったので、熱中症なども懸念してリンクの方と交渉して14時半から開けていいということになりました。14時半からイベントの受け付けを始めて、開場が早まったことでスムーズにできたのかなと思います」 ――試合前のミーティングではどのような話をしましたか。 「このようなイベントは選手ありきのイベントなので、第一に協力してくれてありがとうということと、選手に全面的にスポットライトが当たっているイベントでこのような機会はこれまでなかったので、しっかり楽しんでほしいというのは選手たちに伝えました。ボランティアの子たちにもアイスホッケーを盛り上げるために協力してほしいということを伝えさせていただきました」 ――ボランティアはどこかの大学生の方ですか。 「大東大の子たちが来てくれました。過去2大会愛知県の試合に出てくれている子で、その子自身スポーツの運営に興味がある子で『ぜひ手伝わせてください』と言ってくれていたので。前回の話のインターン制度に近いように現場の裏側の仕事を知ってもらうことはあまりない機会なのでお願いして、他の子たちはもともとアイスホッケーが好きだったり、すでにチケットを買ってくれていた子たちも協力してくれて、いろいろな子がいました」 ――たくさんの観客が来ていることを実際に見た時はどのような気持ちになりましたか。 「すごくうれしい反面、運営やばくないかと(笑)。心配もあったんですけど、ボランティアの子たちも優秀で、うちのスタッフも仕事ができる人ばかりなので、本当に周りに助けられました。最初にこのイベントを公開した時は正直、人が入るか不安で『GOAT Challenge Cupって何なの』っていうところから入るので。実績が東京ではない中で、個人的にすごく心配でそれこそチケットもクラウドファンディングも最初は微妙な感じだったので。でも当日長蛇の列を作るくらいお客さんがたくさん集まってくれたというのは主催者としては本当にうれしく思いました」 ――監督はどのような経緯でお願いしましたか。 「僕が三浦優希選手(Iowa Heartlanders)と面識があって、今回のことをいろいろ相談させてもらった中で、これだけの選手が集まるなら監督もアイスホッケー界で知名度の高い方にやっていただきたいと思っていました。そこで三浦さんから『平野さん(裕志朗監督・Abbotsford Canucks)ならアイスホッケー普及のために協力してくれると思うよ』と、つなげていただきました。僕から今回のイベントの説明をしてお願いしたら『アイスホッケー普及のためなら何でもします』ということで協力してくださいました。相馬選手(秀斗監督・H.C.栃木日光アイスバックス)は僕の兄が駒大苫小牧高の同期で仲も良かったので、そのつながりもあってお願いしました。相馬選手は国内のエリート街道を進んできた選手で、駒大苫小牧高で全国優勝をして、明大でも全国優勝をして今バックスでもアシスタントキャプテンをやっているすばらしい方です。お願いしたら二つ返事で相馬選手も快諾してくれたので、お二人には感謝してもし切れないと思っています」 ――今回のイベントを通して大変だったことはありますか。 「やっぱり僕たちはエンターテインメント性に力を入れているので、当日のパンフレット、のぼり、ポスターは僕がデザインしていて、演出の動画とかは兄が作ってくれているんですけど、いろいろ細かい作業が多くて大変でした。著作権が大丈夫か、プロフィールが間違っていないかとか、東伏見のリンクのサイズで一番かっこよく見せるにはどういう映像でどのくらいの長さがいいのかとかを細かくミーティングして。これって正解がないというか、極めようと思えばいくらでも極められる作業なので、動画に関しては試合の前日まで練って編集していました。たかが当日の2分とかかもしれないんですけど、どこまでこだわりを持つかは重要視していて、それをやり切れたことに達成感はあったんですけど、やはり一番大変だったかなと思います」 ――今回のイベントで良かったことや、手応えを感じたことはありますか。 「アイスホッケーって特殊で首都圏にチームがずっとなくて、西武がなくなって今やっと横浜GRITSが出てきたけど、首都圏で見る機会がなかったのは他のスポーツだと考えられないことだと思うんですよ。アジアリーグは北海道、青森、栃木ってあって今やっとグリッツが出てきて少しずつ変わってきているんですけど、少しもったいないなと感じていました。その中で今回東京で開催できたのはアイスホッケー界にとっても良かったかなと思いますし、愛知とは比べものにならないくらいの注目度だったので、東京ならではの強みといいますか、良かった点かなと思っています。僕が描いている未来図では、1年目はアンケートを取って市場調査、2年目は赤字がでないような経営下での試合開催、3年目は東京に進出して1000人っていうのを企画書に書いていて、4年目は1年で何回か試合を行って5年目からはパッケージ化して全国に流すっていうのを思い描いています。そういった意味では名古屋でやっていたものを東京にアレンジして持ってきて、今回これが成功したから次は何をしようかって考えた時に、これをパッケージ化して全国に流す準備を始めようと個人的には思っているので、東京が初開催で成功したのは僕らのプランの中では重要なポイントだったので、手応えを感じています」 ――今回見つかった課題はありましたか。 「リンクの周りにルール説明のQRコードを貼っていたんですけど、それに気づいている人はあまりいなかったのかなと感じています。今後やっていくにあたって、アイスホッケー関係者だけじゃなくて新規のお客さんを獲得しないといけないと考えた時に、根本的にアイスホッケーってなんなのっていうところにフォーカスを当てても良かったのかなと思っています。初めて見る方も置いていかれないような方法も探っていかないとなと思いましたし、技術面ではゴールが入ったときの映像はあったんですけど、それを選手の映像にするとか、ゴールシーンのハイライトをすぐ流すとかまだまだやりたいことはたくさんあるので、ファンファーストの気持ちは忘れずにファンの方がどうやったら楽しめるかを考えています。あとは北米だとアイスホッケーの試合以外にもサブ要素がたくさんあるので、地元のお店と提携するなど輪を広げていきたいとは思います」 ――今後に向けての意気込みをお願いします。 「今回、アイスホッケー界の光を少し見られたのかなと思っていて、もちろん未来のある才能ある選手がいるのはもちろんなんですけど、それを応援してくださる方の多さに驚きました。日本のアイスホッケー界は厳しいことを言われていますが、まだまだ伸びしろがあるというか、まだまだここから巻き返せるなと思ったので、どんどん輪を広げていって全国各地でアイスホッケーを見に行こうという流れをつくっていきたいと思っています。これからもいろいろな人に支えてもらいながら頑張っていきたいなと思います」 ――ありがとうございました。 [倉田泰]※写真はご本人提供READ MORE -
(9)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 平野裕志朗監督、相馬秀斗監督
アイスホッケー 2023.07.12大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間を作り上げた選手、監督、主催者の方へのインタビューをお届けする。 第4回は、平野裕志朗監督(Abbotsford Canucks)、相馬秀斗監督(令元法卒)、のインタビューです。 平野監督――今回どのような経緯で監督を引き受けることになりましたか。 「アイスホッケー界を盛り上げるためのイベントだと聞いて、自分もアイスホッケー界を盛り上げるためならなんでもお手伝いできたらいいなとは思っていたので、参加することに決めました」 ――今回の企画について聞いた時の印象はいかがでしたか。 「もちろんいいことだと思いました。前回名古屋とかでもやっていたっていうのを聞いて、しっかり東京っていう大都市に持ってきて、いろいろな人が見に来られる環境をつくることはいいことだと思うので、今後も続けていってほしいなと思います」 ――監督として試合前は選手たちにどのような声をかけました。 「海外組の監督をやっていたので、日本の選手たちがどうこうではなくて、海外でやっている意地だったり、何か意識の違いだったり、一つのパックに対する強さ。絶対負けないっていう気持ちを見せなさいっていうところは、自分も海外でプレーをしている身として、相手にも味方にもお客さんに見せるべきだと思ったので、試合を通して言い続けていました」 ――試合前の会場でのインタビューで井口選手(藍仁・商2=埼玉栄)に警戒しているとおっしゃっていました。日本の大学生はいかがでしたか。 「人数が少ない部分もあって、体力的にそれぞれのプレーができなかったっていうところはあると思います。藍仁のプレーも、パックを持った時に何かするんじゃないかっていうワクワク感は見ている人たちに伝えられていたかなと。一つ一つ細かいところでスキルを出せていたと思うので、見ていて楽しかったのではないかなと思います」 ――今回来てくださった観客の方々に一言お願いします。 「こういったオフシーズンで選手が集まれる環境があって、皆さんそこに足を運んでくれるのはすごいありがたいことだと思いますし、こういったイベントがどんどん増えていって、応援している方がまた来たいって思えるような試合をプレーしている側はどんどんやっていきたいと思います。またそういった機会があれば、ぜひ足を運んでいただいて、日本のアイスホッケー界はこれからだと思うので、応援していて良かったと思ってもらえるようにこっちも頑張るので、これからも応援をお願いしますと伝えたいです」 相馬監督――まずはこの企画を聞いた時はどのような印象がありましたか。 「高校の同期が運営に携わっていたので、こういうイベントもなかなかない中で自分に託してくれるっていうことで喜んで引き受けさせていただきました」 ――個人的に注目していた選手はいらっしゃいました。 「やっぱり佐藤優くん(Torpedo Nizhny Novgorod)とか榛沢力くん(Sacred Heart University)とか代表の合宿で何度か一緒にプレーはしている選手でしたが、試合形式で見るのは初めてだったので楽しみでした」 ――明大で注目していた選手はいらっしゃいましたか。 「やっぱ井口くんは(年代が)被っていないし、試合も見たことなかったので今日はプレーを見られて良かったです。これからが楽しみな選手でした」 ――他大の選手とセットを組む際に意識したことはありますか。 「みんなスキルがある選手ばっかりで、誰と組んでもいい感じでやってくれるとは信じていたので、あまり考えすぎず決めていました」 ――試合を振り返っていかがでしたか。 「こっちの学生はあんまり氷の上に乗っていなかったみたいなので、コンディション的にはあまり良くなかったかもしれないんですけど、みんな楽しんでやってくれたので良かったです」 ――海外の選手の動きはいかがでしたか。 「僕自身も勉強になるプレーだったり、やっぱり落ち着きとかゲームメイクとかホッケーIQはすごく高いなと思っていました」 ――会場の雰囲気はいかがでしたか。 「僕が学生の時はこんなに人が入って試合することはなかったので、恵まれている環境だなと感じました。あとは、このぐらいの観客を今のプロのリーグでも入れられるように盛り上げていきたいなと思います」 [新谷歩美、倉田泰]READ MORE -
(8)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 榛澤力、佐藤優、古川逸暉、村上レイ
アイスホッケー 2023.07.12大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間を作り上げた選手、監督、主催者の方へのインタビューをお届けする。 第3回はFW榛澤力(Sacred Heart University)、FW佐藤優(Torpedo Nizhny Novgorod)、FW古川逸暉(Collingwood Blues)、DF村上レイ(Lone Star Brahmas)のインタビューです。 榛澤――出場経緯を教えてください。 「僕らの世代でということだったので若い世代を盛り上げるようなイベントができたらいいなと思っていました。そこで呼んでもらえたので協力できることは協力しようと思いました」 ――試合内容を振り返っていかがでしたか。 「夏のこの時期は日本の大学生が練習していない時期で自分たちもシーズンインまで少し時間があってベストの状態ではありませんでした。その中で緩い試合ではなく、メリハリのある試合になり、見ている人も楽しんでくれたと思うのでよかったです」 ――日本とアメリカのアイスホッケーの違いは何でしょうか。 「アメリカのリンクより日本のリンクの方が横にも縦にも広いため、日本の方がパス回しやスペース使うことが上手だなと感じました。守りも動く距離が長くなるのでリンクを使った特徴的なホッケーに日本は慣れていて、スキルの違いを感じました」 ――印象に残った選手はいらっしゃいますか。 「昔から知っているのですが、井口選手(藍仁・商2=埼玉栄)です。足が速く、スキルもあって良い選手です。見せ場をつくられてしまったので上手だったという印象です」 ――観客の皆さんに一言お願いします。 「暑い中、お忙しい中にも関わらず、お金を払って当日見に来てくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。とても盛り上げてくださって選手一人一人がわくわくできたと思います」 ――ありがとうございました。 佐藤――日本のリンクでプレーしていかがでしたか。 「久しぶりに東伏見の舞台でプレーしたので最初は少し慣れなかったのですが、だんだん感覚もつかめてきて最終的には良いプレーができたので良かったです」 ――印象に残ったプレーや選手はいらっしゃいますか。 「角丸選手(陸斗・中大)のシュートはやはり良いコースに入ったなと思います。序盤であの遠くからのシュートはすごいと思いました。村社君(海莉・文2=埼玉栄)は見るたびに上手になっていて本当にあのディフェンスはすごいと思います。昔は止められなかったのですが、お互いに成長できていると感じました」 ――結果についてはいかがでしたか。 「第3Pはなかなか点が入らず、そこだけ少しマイナスだと思いました。もっと点差が開けばもっと盛り上がったと思います。来年度、また機会があれば参加できたらもっと良い試合を見せられるようにしたいです」 ――試合前にチームで話し合ったことはありますか。 「少しガチでいこうと思ったので自分は相手のチームには話しかけませんでした。ですが、試合が終わった後はナイスゲームと集まって言いました」 ――観客へのメッセージをお願いします。 「こんな暑い中でも会場に来てくださってありがたいです。選手たちも本当に頑張っていましたし、この試合を楽しんでくれたことを願います。こんなにトップ選手が集まる機会なんてないので来年度にまた選手も進化してもっと良い大会にできるよう、アイスホッケー界を盛り上げていけたらと思います」 ――ありがとうございました。古川――試合前はどのような話がありましたか。 「平野さん(平野裕志朗監督・Abbotsford Canucks)から少しアドバイスがあり、それぞれ話し合って楽しもうという雰囲気がありました」 ――日本大学生オールスターと対戦していかがでしたか。 「展開が早く、このリンクをよく練習で利用していると思うのですが、使い方がよく分かっているなと思いました。こちらは慣れていない分、そこは少し弱かったと思います」 ――対戦して印象的な選手はいらっしゃいましたか。 「井口や村社はやはり頑張っていたなと思いますし、みんなそれぞれ良かったと思います」 ――観客の皆さんへ一言お願いします。 「遠くから来てくださり、ありがとうございました。これはまだまだ序章といいますか、これからみんな日本代表の試合に出るようになると思うので、また見に来てほしいです」 ――ありがとうございました。 村上――会場の雰囲気はいかがでしたか。 「最高でした。中学2年生くらいで留学したので、日本でプレーすることがほとんどありませんでした。しかし、会場の雰囲気は本当にアメリカにいる時と同じくらいの歓声で良かったです」 ――同じ中学校でプレーされていた三浦選手(稜介・政経4=駒大苫小牧)についてはいかがでしたか。 「三浦さんは後輩思いの本当にいい先輩です。氷上でも常に全力ですし、毎日高いモチベーションをもって練習されていて、スキルも高い選手なのですごかったです」 ――日本大学生オールスターはいかがでしたか。 「最初にスピードがとても速くて、すばしっこいなと思いました。あとは長い距離のパスをつないでチャンスをつくって、ディフェンスは少し後ろに引いて守らないといけないので、すごくやりづらかったです」 ――今日のご自身の得点を振り返っていかがでしたか。 「パワープレーの5人対3人の状況で、佐藤さんが時間をつくって、自分に良いパスが来ました。スペースができて誰もプレッシャーに来ておらず、打ったら入ったという感じです」 ――今回来ていただいた観客の皆さんに一言お願いします。 「来てくださってありがとうございますという気持ちと、普段は日本のファンの皆さんを前にプレーをできることはないので、本当に良い経験になりました」 ――ありがとうございました。 [覺前日向子、倉田泰、原田青空]READ MORE -
(7)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 井口藍仁、村社海莉、角丸陸斗、朝比奈大心
アイスホッケー 2023.07.11大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間をつくり上げた選手、監督、主催者へのインタビューをお届けする。 第2回はFW井口藍仁(商2=埼玉栄)、DF村社海莉(文2=埼玉栄)、FW角丸陸斗(中大)、DF朝比奈大心(営1=埼玉栄)のインタビューです。 井口――試合が終わった今の心境を教えてください。「久々にやった割には結構できたと思います。全然、遊び感覚でやっていたので(笑)。楽しかったので良かったです」 ――事前インタビューでは「角丸選手と一緒にやりたい」と言っていましたがやってみていかがでしたか。「ずっと小さい頃から知り合いで、ローラースケートとか小さい頃一緒にやっていて親同士も仲が良いです。それで久々に組んでみたくて実際に組めたのでやりやすかったです」 村社――印象残った選手、プレーはありますか。「事前取材をしていただいた時に『佐藤優選手(Torpedo Nizhny Novgorod)たちを止める』って言ったんですけど、今回佐藤選手とルーズパックのせめぎ合いの時に少し自分が体で勝てたところが自信にはなったと思います」 ――試合結果についてはどのように感じていますか。「結果としては大敗しましたが、控え室に入った時に『自分たちにもできるんじゃないか』というのがあったので、そういう意味では海外勢にも負けない部分があると認識できた試合だったと思います」 角丸――まずはこの企画を聞いた時どのように感じましたか。「まず大学生の方が企画したっていうのを聞いて率直にすごいなと思いました。これだけの人を集められる集客力がすごいなと」 ――他大の選手とも組んだセット間のコミュニケーションはいかがでしたか。「フォーメーションというか、どういうフォアチェックでいくかはちょくちょく話しながら、プレーごとに『こここうした方が良かったね』みたいな会話は少しありました」 海外大学オールスター朝比奈――本日の試合で大学初ゴールとなりましたが、どのようなことを心がけていましたか。 「スペースがあったらそこに入って、貪欲に点を取りにいく気持ちでいけたらなと思っていたら良い感じにゴールを決めることができました」 ――普段は明大でプレーしていますが、今試合は海外所属選手オールスターチームとして出場した中で、対戦相手で誰か印象に残った選手はいますか。 「やはり明大の選手たちは一つレベルが抜けていたので止めるのも苦労しましたし、自分はすごいチームで普段やらせていただいていることを実感しました」 ――ありがとうございました。 [杉田凜]READ MORE -
(6)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 丸山詳真、中村柊志綺、石川涼
アイスホッケー 2023.07.09大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間をつくり上げた選手、監督、主催者の方へのインタビューをお届けする。 第1回はFW丸山詳真(商4=北海道清水)、GK中村柊志綺(政経4=北海道清水)、GK石川涼(中大)のインタビューです。 丸山――試合にはどのような気持ちで臨みましたか。 「今日は勝ち負けよりもイベント自体が盛り上がって成功できたらいいなと、その手助けができるように心掛けました」 ――普段とは違うセットでの試合はいかがでしたか。 「普段は対戦相手として試合をしている選手と味方でやって、心強い部分もあったし、新鮮味があってずっと楽しかったです」 ――今日のプレー全体を通していかがでしたか。 「海外の選手と対戦して、細かい部分だったり技術的な部分だったりと海外選手のレベルは高いなと感じました。それでも日本の大学生が劣ることなく試合ができていたかなと思います」 ――海外チームの印象はいかがでしたか。 「パックを持っていない選手の動きだったり、得点を決めたときの気持ちがとても伝わってきたのですごいなと感じました」 ――海外チームの選手の中で一番印象に残った選手はどなたですか。 「榛澤選手(力・Sacred Heart University)が一番印象に残りました。彼とは高校まで一緒にプレーをしていたというのもあり、スピードや状況判断、パックのコントロール力など細かいプレーの一つ一つがうまいなと感じました」 ――訪れた観客に一言お願いします。 「アイスホッケーは世間的にみたらマイナースポーツだけど、こういうなかなかないイベントにわざわざ足を運び、応援をしてくださってありがたいですし、今後もアイスホッケーの発展に向けて引き続き応援していただけたらなと思います」 中村――試合を振り返っていかがでしたか。 「今日は個人的にはかなり悪かったので、もう少しできたら良かったなとは思いました」 ――相手で印象に残った選手はいらっしゃいましたか。 「佐藤選手(優・Torpedo Nizhny Novgorod)や榛澤選手は目立っていたかなと思います。佐藤選手は力強さとかスピードとか、テクニックもそうですし、大学にはいないようなすごい選手だなと思いました。榛澤選手はスキルが高い選手で、パスとかで際立っていたかなと思います」 ――今回の試合で見つかった課題はありましたか。 「オフ期間で調整できてなかったということはあるのですが、スケーティングとか細かいところが今日は雑だったのかなと思います」 ――海外と日本のホッケーの違いは感じましたか。 「海外の選手は一言で言うと、力強いことが印象的でした」 ――観客の皆さんにメッセージをお願いします。 「今日はいっぱい来てくださって、会場を盛り上げてくれてありがとうございましたと伝えたいです」 石川――会場の雰囲気はいかがでしたか。 「思ったよりお客さんが入っていて始まる前からわくわくして、すごく楽しんで試合に臨むことができました」 ――試合前はどのような話がありましたか。 「寄せ集めというか初めてのチームなので、とりあえず楽しむことを一番に盛り上げて頑張ろうと話がありました」 ――試合途中からの出場で難しさはありましたか。 「そうですね。リンクに乗るのも1カ月ぶりで、しかもアップが終わって体も冷えていたので。あとはリンクの状況も良くなくて、出だしの1本目(のシュート)で1失点したんですけど何とかその後は抑えられたので、難しかったけど良かったと思っています」 ――海外勢のシュートを受けてみていかがでしたか。 「アメリカのリンクは狭く、すぐにシュートを打ってきたり、展開がとても早かったので、いつもより一歩早く動くように意識していました」 ――来場した観客の方々に一言お願いします。 「今日の試合は日本が負けてしまったんですけど、とても面白い試合展開だったので、今後もホッケーを見る機会があったらぜひ見に来てほしいなと思います」 ――ありがとうございました。 [倉田泰、阿部倖明]READ MORE -
(5)GOAT Challenge Cup事前インタビュー 三浦稜介×石川涼
アイスホッケー 2023.07.02アイスホッケー界を盛り上げるため企画されたGOAT Challenge Cup。海外で挑戦を続ける日本人選手オールスターと、日本で活躍を見せる大学生オールスターの戦いが幕を開ける。今回は、駒大苫小牧高でチームメイトであった三浦稜介選手(政経4=駒大苫小牧)と、中大の石川涼選手にご参加いただき、今大会への思いを伺った。 ――今回の対談に対する率直な感想をお願します。三浦:海外勢とか、日本を代表するトップクラスの選手が集まっているのに、自分たちでいいのかなというふうには思いました。石川:他大学の新聞部の取材というのもなかなかない経験なので、すごく貴重な経験になるのと、こういう高校の同期との対談っていう感じもなかなかないので、すごく楽しい、いい機会になるんじゃないかなというふうに思いました。 ――お二人は普段から連絡を取り合うなど、試合以外での交流はありますか。三浦:基本的に仲悪いのでないです(笑)。っていうのは嘘で、一緒に買い物に行ったりとか。南大沢のところにアウトレットあるじゃないですか。自分がベッドで寝ていたら、電話がかかってきて今何してるって。石川:いやそれ逆ですね(笑)。三浦からしょっちゅう急に電話がかかってきます。 ――お二人は駒大苫小牧高出身ですが、高校以外で一緒にプレーをする機会はありましか。石川:小学生の時に5,6年で一緒のチームになって、中学でも選抜で同じになったくらいですかね。三浦:小学校はいろいろ合同チームになったりするので、毎年組み合わせの学校が変わったりして、たまたま5,6年で一緒になったという感じでした ――一緒にプレーをしていた時のそれぞれの印象を教えていただけますか。三浦:眼鏡をかけていた印象しかないです(笑)。印象はそんな言葉が出てこないですけど、ただただうまいっていうそれしかないですね。あとは家も近いので遊びに行ったりゲームをやったり、ホッケー以外の交流も多いとは言わないですけど、多少はありました。石川:最初の印象は眉毛が濃かったことですかね(笑)。まあでも、5年生の時に最初に一緒になって、その学年で1番目、2番目を争うくらい上手かった選手でした。しかも、家にホッケーのゴールがあったりして、そういう練習とかも熱心にやっていた印象です。三浦:使ったことあるか分かんないけどね。 ――今の石川選手への印象で何か変わったことはありますか。三浦:お互い代表とかいろいろ経験していく中で、さらにレベルアップをしていて、眼鏡をかけていた時期から考えると、すごいキーパーになったなっていうのは思います。 ――大学での試合では石川選手から点数を取ることはありましたか。三浦:大学に入ってからしょっちゅうあるので。石川:たまたまです。たまたま多いだけです。三浦:やっぱり僕も同期と対戦して点数入れることは、自分的にもうれしいものがあるので、そういう時はゴール前に行ってニヤってしたりは、ルーティンとして行うようにしています。 ――今の三浦選手への印象で何か変わったことはありますか。石川:高校はずっと味方だったので、対戦相手になった時に改めて三浦選手の強みを感じることはあります。あとは三浦選手が同期からゴールを決めるっていうことを言っていましたけど、逆にシュートを止めるっていうのも試合中は意識しています。まあでも、三浦選手は敵になったら厄介だなっていう印象がありますね。 ――石川選手から見た三浦さんの強みはどのようなことがありますか。石川:プレーが粘り強いのですぐにパックを取られないですし、シュート力も持ち味だと思うので、ゴールに向かって来て積極的に打ってくるのが敵としては厄介だなという風に感じます。 ――お二人が駒大苫小牧高で印象に残っていることはありますか。三浦:ありすぎるので、ちょっと時間ください。でも陸トレですかね。もう一回やりたいかと言われたら別にやりたくないですけど、その陸トレが今にすごい生きているのかなというのは正直感じるので、また1日とか1週間とか戻れるなら、また昔の仲間と一緒にやりたいなっていうのがあります。石川:とにかくよくあんなきついことをやっていたなっていうのは卒業後に改めて感じています。もちろん監督の指導の下、厳しかったというのはあって日本一という目標のためにやっているという一貫性があったので。高校時代はそういうことは考えられなかったんですけど、卒業してちょっと余裕ができた時にふと、きつい中にもちゃんと理由があったんだなっていう風に思います。 ――それぞれの大学への印象があればお願いします。石川:明治はよく言われると思うんですけど、チャラいです。試合中の雰囲気とかも、ちょっとなんかヘラヘラしているじゃないですけど、ところどころにそういう感じはあって。でもそれが大学の特有の感じっていうかそれもあるんですけど、それプラスで一人一人すごいスキルがある選手ばっかりっていう感じです。思いもよらないパスとか、独特の崩し方をしてくるのでキーパーとしてはすごく守りにくいし、一人一人がすごくうまい選手の集まりだなっていう風に感じています。三浦:率直に言えば頭のいいチームだなと感じています。明治は一人一人の個々のスキルを全面に出して戦うっていうのを売りにしていて、中央はもちろんスキルが高い選手もいっぱいいるんですけど、得点力がないような選手とかもうまく周りがサポートしてあげてその選手も活躍できるような組織づくりが中央はうまいなと思っています。東洋とか明治とか法政とか早稲田とかにはない頭の良さっていうのが突き出ているとは思います。 ――今回の大会に出てほしいというのはどのように伝えられましたか。三浦:もともと運営の安田桂太朗さん(Connecticut College)と食事に行く機会があったんですけど、そこでこういう大会を開催しようと思っているから協力してほしいみたいな感じのことを言われて。よく考えられていたし、ホッケーを盛り上げたいっていう熱い思いを感じて、面白そうだったので出てみようかなと。石川:僕も三浦と一緒で、運営の安田さんとは小学校の時に同じチームで元々知り合いだったんですけど、LINEのほうで連絡が来ました。安田さんは名古屋出身なんですけど、中央に名古屋出身の後輩がいて、その子つながりで連絡が来て、こういう企画があるっていうのを知って、今までにないような企画でたくさん人が入るような手の込んだ企画だし、すごく貴重な経験になりそうで楽しそうだなというふうに思ったので、今回参加することにしました。 ――日本の今のアイスホッケー界についてはどのような印象がありますか。三浦:最近というか、ずっと男子はオリンピックに行けないし、人気がなくて野球とかサッカーに比べて全然劣るスポーツで。でも、本場でアイスホッケーを見たら一番面白いスポーツだなという風には思うので、ちょっと日本で流行っていないのがもったいないと思いつつも、海外とのレベルの違いっていうのもすごいありますし、そこは日本のホッケー界がどうこうというよりは、下の世代の自分たちがもっと押し上げていかないとホッケー界は変わっていかないと思うので今回のイベントを盛り上げたいな、というふうに思います。石川:もちろん三浦が言っていたように、海外との差はすごくあったんですけど徐々に海外のプロリーグとかレベルの高いところでプレーするような日本人選手が増えてきているので、それは日本のアイスホッケー界にとっていいニュースだと思っています。そういうところをうまく活用して、アイスホッケーが日本でマイナーなのは本当にもったいないことだと思うので、日本にアイスホッケーを広めていってほしいとは思いますね。 ――今回の企画では試合での演出にこだわっていると伺いました。お二人がこれまで見た中で印象的な演出はありますか。三浦:あんまり海外の演出とかは見ないのでこれといったものがないんですけど、ユニバーシアードは試合前の練習から演出があって、音楽のボリュームというのもいつもの東伏見の試合前の2倍3倍くらいあって、それだけでも観客も選手も盛り上がっていたので印象に残っています。石川:僕は好きな試合前の演出があって、NHLという北米の世界最高峰のホッケーリーグがあるんですけど、ベガスゴールデンナイツの試合前の演出がすごく個人的にかっこいいと思ってそれが一番好きです。国内でいうと横浜GRITSの演出が一番、熱いのではないかなと。三浦も言っていた音響がすごくて、爆音でリンクに響いていて実際に観に行ったことがあるんですけど、臨場感があってより選手がかっこよく見える感じがしました。 ――観客が多くいる中での試合はいかがですか。三浦:ぶっちゃけ緊張はしますね。今回は海外勢がメインだとは思うんですけど、自分たちの試合を見に来てくれている人がいるっていう誇りをもって臨むので、緊張よりその気持ちが勝っているかなと感じます。石川:僕も緊張はしますけど、それよりわくわくする感じのほうが強いです。観客が多い試合というのは雰囲気が全然違ってくるので、その中で試合ができると思うとわくわくしています。人がたくさん入っていると、見る側もプレーする選手たちも普段とは違う雰囲気を感じることができるので、ホッケーをやっていて楽しいですし、観客が多いと楽しいです。 ――同じチームで一緒にプレーをするのが楽しみな選手はいますか。三浦:中央の角丸選手です。プレーが一目見てうまいなと思ったのもそうですし、これまで知らない選手だったのでいつか一緒にやりたいなと感じていたのでうれしいです。石川:僕は三浦くんです。高校の同期なのでまた一緒にプレーできるのはうれしいですし、他に挙げるとすれば井口藍仁選手(商2=埼玉栄)ですかね。何度も対戦はしていて、とても厄介な選手なので味方にいたらと思うと楽しみです。 ――相手チームで対戦が楽しみな選手はいますか。三浦:榛澤力(Sacred Heart University)と佐藤優(Torpedo Nizhny Novgorod)ですかね。優は1度、同じチームでプレーしたことがあるんですけど、その2人は本当にレベルが違うので楽しみっていうより怖いとか緊張するなっていう気持ちの方が強いかもしれないです。石川:僕も同じ2人です。2人ともレベルが高いところでやっていて、佐藤選手はKHLっていうロシアのプロリーグでしっかり活躍しているし、そのようなレベルで通用する選手のシュートを受けるのは楽しみです、不安も少しありますけど、このような経験はなかなかできないので楽しみです。 ――海外チームの方とは普段、交流はありますか。三浦:それこそ力とは去年、日本に帰ってきた時に一緒に練習して今後どうするのかとか話したり、あとはレイ(村上選手・Lone Star Brahmas)とはDMで話したりするくらいですかね。石川:直接連絡を取るとかはないですけど、安藤優作選手(New Mexico Ice Wolves)とか村上レイ選手とかは同じ苫小牧出身で対戦したり、同じところで練習したりしていたので。あとは力も1度同じチームになったことがあったので、会ったら軽く話すかなっていう感じです。三浦:あの一ついいですか。今、石川が出身を苫小牧と言っていたんですけど、石川の出身は鵡川町っていうところなので苫小牧と一緒にはしないでほしいです(笑)。石川:別にいいでしょ、そこは(笑)。 ――どのような試合展開になると予想していますか。三浦:何とか頑張ってスター選手たちに負けないように。もちろんスピードとかもいつも大学リーグでやっているよりはるかに速いと思うので1P、2Pは頑張って耐えて、3Pで勝負していきたいなと考えています。石川:僕も守る時間が多くなるのかなと考えています。でもそのようなスキルの高い選手たちの攻撃を受けることもいい経験になりますし、守り抜くことができれば試合が盛り上がると思いますし、さらにこっちが勝てれば展開としては面白いのかなと思うので海外組の引き立て役にならないように勝ちたいと思います。 ――試合への意気込みをお願いします。三浦:めったにこのような機会はないと思うので、楽しむところは楽しんで、でも勝ちにこだわらないといけないと思うので、いい準備をして試合に臨みたいなと思います。石川:初めて東京でこのような試合をするイベントなので楽しみなので、いいパフォーマンスをして盛り上げて、見に来てくれた人にアイスホッケーを好きになってもらって、これをきっかけに徐々にアイスホッケーが人気になってほしいなと思っています。 ――ありがとうございました。 [聞き手・杉田凜、倉田泰]READ MORE -
(4)GOAT Challenge Cup事前インタビュー 井口藍仁×村社海莉×佐藤優×古川逸暉
アイスホッケー 2023.07.01アイスホッケー界を盛り上げるため企画されたGOAT Challenge Cup。海外で挑戦を続ける日本人選手オールスターと、日本で活躍を見せる大学生オールスターの戦いが幕を開ける。今回は、埼玉のジュニアチームからチームメートであった井口藍仁(商2=埼玉栄)と村社海莉(文2=埼玉栄)。さらには2人と同じ埼玉のジュニアチームから、海外で挑戦を続ける佐藤優選手(Torpedo Nizhny Novgorod)と古川逸暉選手(Collingwood Blues)にもご参加いただき、今大会への思いを伺った。 ――皆さんは同じ埼玉のチーム出身ですよね。佐藤:自分は3歳から小学5年生、11歳まで埼玉のウォリアーズでプレーしていました。古川:僕は千葉でアイスホッケーを始めて、横浜に行って最後に埼玉で1年くらい、小学6年生と中学1年生の1学期くらいまでやっていました。 ――一緒にプレーされていた時の村社選手への印象についてお聞かせください。佐藤:村社くんは福岡で元々やっていて、小1の時に埼玉に移籍してきて。当時のウォリアーズは人が少なくて、小学校低学年の時も5人か6人ぐらいしかいなくて、幼稚園生も大会に出ていました。村社選手は当時そこまでうまいとは思わなかったんですけど、自分が海外から帰ってくるたびにうまくなっているのを感じています。大学に行って代表メンバーに入ったり、昔では想像できないぐらいうまくなっているなと。彼の持ち味は味方を使ったプレーだったりシンプルなホッケーだったり、視野が広いのでそういうところは昔からうまかったです。古川:海莉は1年しか一緒にやっていなくて、性格は昔からあんまり変わってないんですけど、プレーはどんどんうまくなっているなと感じていて、大学も明治でいい大学に行ったなと思っていました。 ――一緒にプレーされていた時の井口選手への印象についてお聞かせください。佐藤:井口くんは小さい頃からすごく知っている選手で、親が同じ高校に通っていたこともあって、ホッケーをやる前から知り合いでした。それでホッケーを始めて一緒のチームになったんですけど、小さい頃からずっとうまい選手でした。特に彼の持ち味のハンドリングは当時一緒にプレーしていた時は、今まで見たことないぐらいのうまさでした。彼がずっと練習していたからっていうのもあると思うんですけど、そこが一番印象的でした。古川:藍仁は昔から上手ですよね。天才みたいな感じで。たしか小学3年生の頃、ウォリアーズに30対0で負けた試合があって、それを見た時にこいつやばいなと。一緒のチームでやった時もうまいなという印象でした。佐藤:34対2じゃなかった?古川:34対2だわ。藍仁と優が15点ずつくらい決めていたんですよ。藍仁と優がきっかけで、ホッケーを本気でやり始めました。 ――一緒にプレーをされていた時の佐藤選手への印象についてお聞かせください。古川:ほんとにバケモンだなと。あの時はシュートをまともに打てる子も見たことがなかったので、優はそれこそ年代を引っ張っていく選手という印象がありました。井口:佐藤選手は一緒にプレーしていた期間が長かったです。1個上だったんですけどすごくて、小さい頃の北海道遠征に行った時の動画とかを見ても1人だけ全く動きが違う人がいるなという感じでした。性格は結構やんちゃだったので、しょっちゅう喧嘩していたんですけど、一緒にいて楽しかった思い出があります。村社:佐藤さんはすごく上手な印象が強いです。1人で持っていって決めて、1人で全部完結させるので本当に僕たちはチームなのか、俺の存在はこのチームに必要なのかっていう気持ちにさせられるくらいうまい印象です。 ――一緒にプレーをされていた時の古川選手への印象についてお聞かせください。佐藤:かぶってないよね、ウォリアーズでは。古川:そうだよね。たまに優がロシアから帰ってきた時に、助っ人で入って一緒のラインでやったり、帰ってきた時に練習で一緒になったりくらいだよね。佐藤:昔から古川選手のことは知っていて、違うチームで対戦した時に嫌な選手だなと感じていましたし、この選手うまいなと。彼のいいところはやっぱりガツガツしたプレー、ガッツのあるプレーで、さらにスキルが高い選手なので一緒のラインでプレーできるか分からないですけど7月2日が楽しみです。やっている環境はみんな違うけど小さい頃から一緒にやっていた選手が活躍しているのはすごいなと思っています。井口:古川選手は1回対戦をしていて、その時には圧勝しちゃったんですけど、その後同じチームに移籍してきて仲は良かったです。でも古川選手とは、同じチームにいても試合中とかしょっちゅう喧嘩をしていました。一緒にアメリカ行った時も違うチームの人にちょっかいかけたりして。プレーだと古川選手もハンドリングがうまくて、さらに今は体もゴツくて体幹も強くて当たり負けないような体になっていて、昔とは結構変わったなって感じがします。村社:自分は本当に短い期間しか一緒にやっていなくて、昔のイメージなので本当に合っているか分からないですけど、佐藤くんと同じ感じで、本当に1人で持っていくタイプでしたね。それで結構外しているイメージが強かったです(笑)。古川:ちょっと村社くんこのzoomから外してもらっていいですか(笑)。村社:今のは冗談で、ここにいる自分以外ハンドリングが日本アイスホッケー界でトップなんですよ。幼少期から自分はこの3人のハンドリングを見てきたので、練習しようかなとは思っていたんですけど、やっぱりしないんですよね(笑)。そしたらどんどん置いていかれていて、でもみんなと一緒にプレーできて楽しかったです。 ――埼玉を出てからの経歴についてお願いします。佐藤:自分は小5でロシアのKrylia Sovetovていうジュニアチームのトライアウトに受かって5年間プレーをして、その後にフィンランドの Kiekko-Vantaaというジュニアチームで1年間プレーをしました。その次の年はカナダのCHLっていうジュニアプロのリーグのQuébec Rempartsというケベックのチームで1年間プレーして、次の年にアメリカのLincoln Starsというチームで2年間プレーをしていました。昨シーズンはロシアに戻って、Torpedo Nizhny Novgorodというロシアのプロチームでやっています。古川:最初はカナダのトロントに行って、有名なNHL選手もプレーをしていたマイナーリーグ、子どものリーグで5年やって、その後移ってその時は榛澤力選手(Sacred Heart University)とも試合をしたりしました。去年はカナダのジュニアAでやってチャンピオンになって、今シーズンはアメリカでやる予定です。 ――海外に行くことを決めたきっかけはありますか。佐藤:自分がロシアに行くきっかけとなったのはワシリー・ペルーヒンさんという元日本代表でも監督をされていた方に小学校低学年のころ出会って、その方にチームとかも紹介してもらってロシアに行くことを決めました。あとは父が元々ソ連のホッケーが好きだったというのもありました。自分以外は北米、アメリカとかカナダへ行くと思うんですけど、あんまり他の人がやっていることをやるのが好きじゃないのでロシアに行こうと思ったのもあります。古川:優と藍仁と、海莉はいたか覚えてないですけど、小学4年生くらいの時に1回トロント遠征に行っているんですよ。その時結構いいメンツで行って、佐々中学人(東洋大)とか、大竹広記(営3=白樺学園)とかうまい人が結構いたんですけど、トロントマルボロスっていうチームに30-0くらいで負けて。佐藤:そんなに取られたっけ?古川:たぶんそのくらいだったよ。その経験が衝撃でしたね。それで少しずつカナダに行くようになって、たまたまカナダにホッケー留学をしようとしていたらそのリーグに入れちゃったというか。そのリーグの、さっき言ったトロントマルボロスっていう強くて伝統のあるチームからオファーが来たのでカナダにした感じです。 ――海外生活で大変だったことや日本との違いはありましたか。佐藤:自分がロシアに行った当時は、ロシア語も話せなくて言葉の壁っていうのが一番大変でした。あとはプレーに関しても認めてもらうまでが大変で、チームに入ったは入ったんですけど、日本と比べてレベルの高い選手がいっぱいてチーム内の競争が激しかったので、当時は試合に出られるかどうかって感じでしたね。でも慣れてくるにつれて言葉もプレーの方も安定してきて、そこからは楽しかったです。埼玉でやっていた時は練習が週2回しかなかったけど、ロシアでは毎日のように練習をしてすごくいい環境でできたのが幸せでしたし、楽しかったです。古川:僕は私生活では恵まれた環境でやっていたんですけど、ホッケー面では優と同じような大変さがありました。それこそトロントはカナダの中で一番ホッケー人口が多い都市なので、一緒にプレーをしていたラインメイトは今NHLでやっていたり、ドラフトされたりっていう選手が多かったです。毎年プレーするチームは変わっているんですけど、優と同じでスポットを取るのも大変ですし、ドラフトイヤーがカナダでは一番大事なんですけど、みんなチームメートより自分優先って感じでやっていましたね。あと僕も言語は大変でした。 ――日本でプレーをしている2人から見た、日本と海外のアイスホッケーの違いについて教えてください。村社:自分はそこまで海外に行く機会はなかったのですが、日本とはうまい人の数が違って、セットに入るだけでも大変なのですごく刺激を受けています。井口:環境がまず違うと思います。向こうはスキルの練習も多くて、それに合ったコーチとかもいて、全くシュートを打たない練習とかもあります。あとは周りのレベルもそうじゃないですか。身長とかも全然違うので。 ――今回、この4人で試合ができると聞いた時はどのように感じましたか。佐藤:まず、このような形で試合をする機会なんて今までなかったので、素直にうれしい気持ちと、昔チームメートだった3人とまた一緒の舞台でプレーできることを楽しみにしていました。井口:チームは一緒だったけど、2人とも途中でいなくなってしまって、そこから深い接点がなくてこの4人での対戦はなかったので楽しみです。 ――海外のお二人はどのように連絡が来たのですか。佐藤:運営側からこういう試合が行われるって連絡が来て、自分は迷うことなくいいですよと返事をしました。日本でプレーする機会なんかめったにないので、幼なじみの子や家族、親戚となかなか試合を見に来られない人、あとは日本のアイスホッケーファンの方々に見てもらえますし、日本のアイスホッケー界が低迷している中で自分たちがいいプレーをして、日本のアイスホッケー界がもっと盛り上がってくれたらいいなと思っているので、今回の話を聞いて自分はそういう気持ちで受け入れました。古川:僕はカナダにいた時に主催者の方から連絡が来ました。基本夏は日本に帰っていないけど、たまたま日本に帰る予定があったので、どういう感じなのか分からないんですけど、出てみようかなと。日本であまり試合をしたこともなかったので。 ――海外のそれぞれのリーグの盛り上がりは日本とは違いますか。佐藤:日本の試合は見に行ったことがないから分からないですけど、海外はやっぱりファンもいて、自分のチームは3000~3500人くらいのリンクサイズなんですけど、毎試合満員になります。古川:うちのチームは毎試合2000人くらい入るんですけど、ホームの試合はやっぱりすごく盛り上がりますよね。 ――明大のお二人は、相手チームで対戦が楽しみな選手はいますか。井口:自分は同年代の人たちです。相手に3人4人くらいいるので、その人たちと対戦するのが楽しみです。村社:今いる佐藤さんや古川さんです。昔一緒にやっていた人と試合できるっていうのは自分にとっても楽しみです。2人は自分と試合するために帰ってきているようなもんだと思うので(笑)。これが俺だっていう感じで試合では全部止めます! ――同じチームで一緒にプレーをするのが楽しみな選手はいますか。村社:自分は床さん(法大)が楽しみです。U-20の時は床さんと一緒にやっていたので、もう一回できるって思うとすごくうれしいかなと。井口くんは角丸陸斗選手(中大)って言っていました。角丸くんは自分と一緒に海外に行った仲間なので、久しぶりに一緒にできてうれしいと今おっしゃっています。井口:はい。そうです。 ――海外チームのお二人は相手チームや同じチームでプレーするのが楽しみな選手はいますか。佐藤:みんな知っている選手ばかりですし、誰かピックするのは本当に難しいです。代表で一緒になった選手や、昔一緒のチームでプレーしていた選手ともう一度やるのは楽しみですし、みんなとプレーできるのが楽しみです。古川:僕は日本代表とかに行ったことがないですが、代表に選ばれている子が多いチームだと感じています。そういう人たちと一緒にプレーするのが楽しみです。 ――試合展開はどのようになると思いますか。村社:佐藤さんはトレーニングを毎日のようにやっているらしくて。ただでさえうまいのに、さらにそこからトレーニングしている人と戦ったらぼこぼこにやられる気がします。でもこっちには世界の井口がいるので、そこに期待しています。佐藤:本当に分かんないな。村社:絶対そっちが押すでしょ。佐藤:何対何になるかは来てもらわないと分からないし、予想もできないです。予想するのが難しいくらいいいゲームができたらいいなって。やっぱり自分はガチでやりたいと思っていて、そうしないとせっかく来てもらうお客さんも楽しめないですし、いい大会にして来年もできるようにしたいです。古川:僕はこっちでもトレーニングをして準備しているので、本気でいこうと思っています。海莉のところだけは3倍くらいガチでいこうかなって(笑)。とりあえず試合展開は分からないですね。カナダはリンクが日本より小さいので、短期戦だったらこっちが有利ですけど長期戦だったら日本の選手のほうが強いんじゃないですかね。まあでも海外組に一票で。井口:自分たちが勝ちます! ――最後に今回の試合への意気込みをお願いします。佐藤:こんな機会はこれまでなくて、日本のアイスホッケー界のためっていう、それをモットーにこの大会が開かれたと思うので自分たちがいい試合をして盛り上げられればと思っています。初めてアイスホッケー見に来る人もいると思うので、そういう人たちにも興味を持ってもらえればいいなと思います。古川:脅しじゃないですけど超本気でいきます。当日は僕のゴールたくさん見られると思うので。村社:いいの?そんなこと言っちゃって。古川:いやほんとにシーズン中と同じくらい準備して行こうと思っているから。佐藤:ちなみに何ゴール何アシストを。古川:そこはちょっとプレッシャーかけすぎなんで(笑)。でも楽しみにしてもらえたらなと思います。井口:自分は観客がたくさんいるので1点は決めます。ゴールパフォーマンスをしたいので。村社:自分はフォワードじゃないので、佐藤選手や井口選手みたいに点を決めるかって言われるとそうではないと思っています。でも佐藤選手や海外のうまい選手を止められるように頑張りたいです。日本のディフェンダーがどこまで海外のうまい人を止められるかっていうのをみんなに見せられたらなと思っています。 ――ありがとうございました。 [聞き手・覺前日向子、倉田泰]READ MORE -
(3)GOAT Challenge Cup事前インタビュー 丸山詳真×中村柊志綺
アイスホッケー 2023.06.29アイスホッケー界を盛り上げるため企画されたGOAT Challenge Cup。海外で挑戦を続ける日本人選手オールスターと、日本で活躍を見せる大学生オールスターの戦いが幕を開ける。今回は、北海道清水高でチームメイトであった丸山詳真主将(商4=北海道清水)と、中村柊志綺(政経4=北海道清水)に今大会への思いを伺った。 ――このイベントの開催を聞いた時の心境はいかがでしたか。丸山:(アイスホッケーは)プロ選手やアジアリーグの試合以外で人がたくさん集まるイベントがあまりありません。もともと昨年度までこのイベントは愛知県で開催していたらしいのですが、その映像を見た時は東京で実現できたらアイスホッケー界にとっても大学生にとってもいい経験になりますし、興味深いと感じました。中村:普段は競い合うだけの試合しかしていないのですが、アイスホッケーを盛り上げていこうというイベントに初めて参加するということで、面白いなという印象が最初にありました。楽しみにしています。 ――お二人は世代別日本代表に選ばれることが多く、昨年度もユニバーシアードに出場されましたが、日本と比べて観客は多いのでしょうか。中村:昨年度のユニバーシアードが開催されたアメリカはアイスホッケーの人気がかなり高いので、決勝になると観客は多かったです。特にアメリカ対カナダが決勝だったのですが、観客が満員くらいいるのではないかと思いました。アジアリーグに比べても多かったです。 ――日本のプロのアジアリーグにどのような印象がありますか。丸山:やはりアイスホッケーはずっと続けてきた競技ですし、競技に対しての気持ちはずっと昔から変わっていません。ですが、大学生になって多くを理解していく中で日本の今のアイスホッケー界は経済的にチームの運営が厳しく、競技を引退する時に今後どうするかとその先のことまで考えておく必要があります。アイスホッケーだけで生活ができるわけではないので、そこが盛り上がりに欠ける要因の一つだと思います。中村:アジアリーグを見に来てくれる方は結局、アイスホッケーに関わる人が多いなと感じています。関わっていない人がもっと来てくれるようにしないと、アイスホッケーが普及して盛り上がっていかないのかなと思います。 ――今回対戦する海外チーム所属のオールスターのメンバーを見た第一印象はいかがでしたか。丸山:高校の世代別日本代表で一緒のチームでプレーしていたり、試合で対戦したメンバーが大半です。みんな海外に行ってアイスホッケーをしていて懐かしく、楽しみだなと思いました。中村:海外組の選手はアイスホッケー界で有名な選手が多く、普段対戦することができない相手なのでそういった人たちと試合できることは楽しみだなと思います。海外のホッケーと日本のホッケーの違いを肌で感じることは今後に向けていい経験になると思います。 ――海外で競技をする選手と日本の選手との違いは何でしょうか。丸山:海外で競技をする選手たちは日本と比べてチーム内での競争率がすごく高いです。結果を残せないと残っていけない世界でみんなプレーしている選手ばかりなので、ここぞというシーンや勝負どころで強いと感じています。 ――海外で競技をする選手のシュートはどのような印象がありますか。中村:日本の選手がワンテンポ待って打つという感じだとすると海外の人はためも短く、打てるところで打つ、見えたらすぐに(シュートを)狙う印象があります。あと、練習に対する姿勢も違うと思います。 ――お二人と同じ北海道清水高出身で今回対戦相手となる榛澤力選手(Sacred Heart University)とは今でも連絡を取られていますか。丸山:普段の生活の中で連絡をしたりとか、アメリカから帰って何週間くらいかは東京にいたりするので、遊びに行ったり今回のことも含めて連絡はしました。中村:特別連絡したわけではないのですが、久しぶりに一緒にアイスホッケーできることが懐かしく、楽しみに思います。 ――丸山選手は榛澤選手と中学次から一緒にプレーされていますが、どのような印象がありますか。丸山:中学次からずっと一緒のセットで組ませてもらっていました。スピードもありますし、すごく周りを見ているというイメージがあり、自分がここで欲しいというタイミングでパスをくれたり、パックのキープ力も人一倍ありました。自分とはタイプの違うプレーをする選手なので、連携が取れていたと思います。中学次から自分でも自分を生かすことができるし、人を生かすプレーもできるように考えていて、頭を使ったプレーが多い選手だなと思いました。 ――中村選手は榛澤選手と中学次は別のチームでしたが、何か印象はありましたか。中村:同じ地区だったので中学時から何度も対戦をしています。同じ地区の中では本当に頭一つ抜けていてゲームメイクや得点力、パスも上手で試合中は本当に意識していました。 ――丸山選手は小学次で軽井沢から北海道に行かれましたが、その経緯を教えてください。丸山:小学次から北海道の選手のプレーを見たり、試合を一緒にしていく中で競技を行う環境の違いを感じました。その頃からアイスホッケーの選手になりたいという目標があり選手のほとんどが北海道出身だと気付いたので、自然とこの先アイスホッケーを続けていくのであれば北海道に行きたいという気持ちがありました。 ――他に対戦することが楽しみな選手はいますか。丸山:やはりずっと競技を続けてきたら、名前を知っているメンバーが多いので、もちろん初めて試合をする人もいますし、そういった面で特定の誰かではなく全員が楽しみだなと思います。 ――中村選手はキーパー目線でどの選手のシュートが楽しみでしょうか。中村:昔一緒にプレーしたことはあるのですが、佐藤優選手(Torpedo Nizhny Novgorod)は日本人として初めてのKHL選手で活躍もしているので、今どんなプレーをするのか楽しみです。 ――日本の大学オールスターで同じチームで戦う選手の印象はいかがですか。丸山:普段大学リーグや関東の大会で何回も対戦してる相手なのでどのようなプレーをするのか分かっています。そのため、普段異なるチームでプレーしている選手たちと同じチームになったらどうなるのかという楽しみはあります。中村:自分はキーパーで一緒にセットを組むことはないのですが、大学リーグで活躍している選手と実際にプレーし、味方になることはとても心強いと思います。 ――このような大会の開催はモチベーションのアップにつながりますか。丸山:やはりこの企画の目的の一つはアイスホッケーを知らない人に来てもらってアイスホッケーを盛り上げたい意味合いがあります。そういった面でも普段見に来てくださる人もそうですし、普段見ない人も見に来てくれることはモチベーションになります。中村:このようなイベントが初めてなので、本当に楽しみだなと思います。オールスターに呼んでいただいて、すごい選手たちの中でプレーできることはモチベーションにつながっていると感じます。 ――最後にイベントに向けて意気込みをお願いします。丸山:これまでアイスホッケーを続けてきて、このような経験をすることはほとんどないので本当に楽しみながらプレーしたいです。その中で試合をするからには勝ち負けにこだわっていきたいです。個人的な成果を得たりというより、イベントを通じてアイスホッケーが面白い、今後も応援したいと思ってもらえるよう精一杯プレーできればと思います。中村:海外組のスター選手が揃う中で、自分がどれだけできるのか挑戦することがで楽しみですし、しっかり力を発揮して日本の大学生もできるとアイスホッケー界に見せていきたいです。単純にこのような機会がないのでしっかり自分たちも楽しんで、見ている人にも楽しんでもらえるそんな機会にしたいです。 ――ありがとうございました。 [聞き手・倉田泰、編集・原田青空]READ MORE -
(2)GOAT Challenge Cup主催者・安田桂太朗さんインタビュー
アイスホッケー 2023.06.28安田桂太朗さん(Connecticut College)が大学在学中に立ち上げたGOAT Challenge Cup。このイベントが今後のアイスホッケー界にどのような影響をもたらすのか。これまでの取り組みから今後の展望。さらには海外での生活についてもお話を伺った。 ――安田さんの経歴についてお聞かせください。 「僕は愛知県出身で幼少期から愛知でアイスホッケーをやっていて、その後アイスホッケーのために北海道に移り住みました。その時には三浦選手(稜介・政経4=駒大苫小牧)とも一緒にプレーをしていて、小学校卒業してから1年目はカナダ、その後アメリカに留学をしました。今はアメリカの大学に通っていて、あと1年そこで過ごす予定です」 (写真:ボードを掲げるファンと写真を撮る安田さん)――アメリカの大学ではどのようなことを学んでいますか。 「経済学と金融学を専攻していて、その中でも特にスポーツマネジメントに興味がありました。その授業ではアイスホッケー以外の運営方法を学ばせてもらったり、地元スポーツチームのボランティアをしたりしていました」 ――大学での1日のスケジュールを教えていただけますか。 「アメリカは文武両道が厳しくて、9時から16時までは授業があるので朝は7時くらいに集合して筋トレとか氷上以外のトレーニングをやっています。授業が終わって氷上練習が1時間半から2時間あって終わるのが20時くらいになるんですけど、授業の課題が毎日出るんです。なので、そこから23時くらいまで学校の図書館でみんなと勉強をして日付が変わるくらいに就寝という感じです。自分の時間はほとんどないですけど、土日は試合後に学校が開いているパーティーとかがあるので、そこで息抜きをしています」(写真:アイスホッケー以外の面でも充実した生活を送る安田さん) ――アメリカで一番印象に残っていることをお願いいたします。 「やはり、たくさんの観客の中でアイスホッケーの試合ができることです。大学のリンクで試合をするんですけど、ホームの時は応援の声がすごいですし、逆にアウェーだと相手の罵声とかも聞こえてきます。それがプレーヤーとしてはたまらない状況で、このために海外に来たんだなというのは今でも感じます。ものすごい熱い感じとか、リンク一周観客で埋め尽くされる状況っていうのは日本だとあまりない環境なので」 ――GOAT Challenge Cupを開催しようと思ったきっかけについてお聞かせください。 「アイスホッケーはアメリカやカナダが本場で、もちろん日本のアイスホッケーのレベルと北米のアイスホッケーのレベルは差が多少あるんですけど一番の違いとして、アイスホッケーの運営力やエンターテイメント性にあまり日本はフォーカスを置いていないなと感じました。アメリカに留学をして規模の違いを感じ、そこをもう少し工夫したり、アメリカの仕組みなどを取り入れたりしたら、もっと観客が増えるんじゃないかなというのもあって、アイスホッケー界は試合を開催するという動きがあまりなかったので、とりあえず地元の愛知で何かできないかなと、2021年に始めました」 ――北米の試合中のイベントで印象に残っているものはありますか。 「あっちは規模が違うので、観客がセンターラインからシュートを打ってゴールに入ったら景品で車がもらえるとか、四輪バギーを2台セットして競争するとかもありました。あとは、バブルサッカーを氷上でやるとか、スクリーンに有名人に似ている観客を映すとかも印象に残っています」(写真:NHLの試合。巨大スクリーンや観客数など規模の違いが分かる) ――GOAT Challenge Cupという名前の由来を教えていただけますか。 「GOATはアメリカで使われる単語で、スポーツ界でいうと、大谷翔平選手だったり、イチロー選手だったりがアメリカでGOATという風に言われています。スポーツ界で何かしら史上最高のプレイヤーであったりとか、史上最高のイベントであったりとか、そういったものを表すために使われるのがGOATという単語です。日本のアイスホッケー界で一番盛り上がるイベントをつくりたいと思って、その名前を取りました」――運営スタッフは大学生の方が中心となっているのですか。「そうですね。基本的には大学生が中心です。僕がこのプロジェクトでいいなと思っている部分はいろいろなことが経験できることです。例えばマーケティングやインスタグラムの動画編集や画像編集などのテクノロジー系の仕事もあります。あとは、資金を獲得するための営業という仕事もあって、将来のための経験としてはいいスタートアップではないかと考えています。多少なりともミスはありますが、その中でしっかりと学生が成長できると思いますので、基本的な学生に声を掛けてやってもらっています」――今回は日本の大学オールスターと、海外に挑戦している日本人選手の対戦というこれまでにない組み合わせです。この対戦カードで開催しようと思ったきっかけをお聞かせください。 「まず一つはアマチュアレベルの選手にスポットライトを当てている機会がすごく少ないな、という風に感じたからです。若手の選手ですごい上手い選手が多いというか、もっと注目されてもいい選手がたくさんいるという風に前から思っていました。あとは僕自身、留学をしている中、日本でプレーをする機会や試合をする機会が全然なくて、人目に付く機会がすごく少なかったんです。でも日本の大学生にも負けないくらい、海外で頑張っている選手がたくさんいて、そういった選手のプレーを日本で見られないのはすごくもったいないなという風に感じたからです。最後は本当に日本の大学生も含めて、海外の選手たちもぜひやりたいという風に言ってくれて。日本のアイスホッケー界を俺らで盛り上げるという強い気持ちが選手たちからもすごく感じられたので、最終的に決断したのはやっぱりそこだったかなと思います」 ――アイスホッケーを初めて見る方とかもいると思うんですけど、特に注目の選手をお願いします。 「難しいですね(笑)。でも海外チームだと、佐藤優選手(Torpedo Nizhny Novgorod)はまず絶対に挙げたい一人で、彼は11歳くらいの時からロシアに留学して、その後フィンランドやアメリカ、カナダで本当にいろいろなところに渡っていました。日本にはいないプレーヤーというか、海外仕込みのプレーヤーという風に一番感じるのはおそらく彼です。それに続くというか、引けを取らないのが榛澤力選手(Sacred Heart Univ.)と安藤優作選手(New Mexico Ice Wolves)。榛澤選手は日本代表にも入って活躍もしていますし、しかもまだアメリカの大学で1年生が終わったばかりで、これからあと3年あるって考えると、本当にとんでもないなという風に感じています。安藤選手は世代のトップを走ってきた選手で、U―18、U―20日本代表でキャプテンを務めて優勝をして、アメリカのジュニアリーグの1部に常に所属していた選手なので、ぜひ見てほしいです。というか僕も見たいぐらいの選手なので、その3人はちょっと別格かなと個人的には思います」 ――明大の選手で注目の選手はいらっしゃいますか。 「明治は去年のインカレで優勝しているので、必然的に選手が多くて今回、8人くらい入っていると思うんですけど、その中で挙げるとすれば、三浦選手と丸山選手(詳真主将・商4=北海道清水)と井口選手(藍仁・商2=埼玉栄)です。井口選手は僕が一緒にプレーをしたことがあるんですけど、彼のスキルは海外選手に引けを取らないというか、なんなら海外の選手よりすごいぐらいなので、井口選手のスキルに注目したいです。三浦選手はご存知の通りいつも冷静なプレーヤーで、どちらかというとゲームを組み立てるタイプの選手なので、三浦選手が各大学のトッププレーヤーとどのようなプレーをするのか楽しみです。丸山選手は生粋の点取り屋みたいな感じなので、それがどこまで海外チームに通用するかというのはすごい楽しみです」――今回のイベントが成功した後の展望についてお聞かせください。 「一つはパッケージ化をしたいというのがあります。今回は愛知で作ったパッケージをもとに東京でいろいろやっているんですけど、東京での開催が成功したら様々な地域。それこそ北海道もそうですし、関西の地域とかでお話をいただいていているので、こういった動画編集のノウハウであったりとかもいろいろ伝えていきたいなという風に思ってますし、各地域の横のつながりを増やしていけたらと考えています。あとはインターン制度です。アイスホッケー界でインターンをやっている人ってそこまで多くないと思うんです。アメリカの大学生は、必ず夏はみんなインターンをするんですよね。それはすごく面白いなというか勉強になりますし、そういったものをGOATを通して経験してほしいです。そういった人材をGOATから輩出して、その人たちが将来のアイスホッケー界に還元していくような有意義なサイクルをつくり出していきたいです」 ――最後に今回のイベントの見どころと意気込みをお願いします 「見どころとしましては、普段見ることのできない海外チームの選手と、大学側はトップ大学の選手が集まって一緒にプレーをするということで、非日常的な試合をお届けできるかなと思っています。目標はGOAT Challenge Cupという名前の通り、史上最高と言われるような試合をつくることです。来場した皆さんがまた来たいなとか、またアイスホッケーを見たいなと思ってもらえるように。また、今後のアイスホッケー界に光を当ててくれるような試合にできたらうれしいです」 ――ありがとうございました。 [倉田泰]※写真はご本人提供READ MORE -
(1)アイスホッケー界を盛り上げる新たなる挑戦 GOAT Challenge Cupとは
アイスホッケー 2023.06.287月2日、アイスホッケー界を盛り上げるべく〝史上最高〟の選手たちが東京に集結する。今回は主催者である安田桂太朗(Connecticut College)さんに取材を行い、GOAT Challenge Cupについてお話を伺った。 近年、日本のアイスホッケー人気は低迷していると言わざるを得ない。日本のトップリーグであるアジアリーグも、クラブチーム化や新型コロナウイルスの影響によって厳しい経営状態が続いている。昨年度インカレ優勝を果たした明大であったが、4年生の中でアジアリーグに進んだ選手は1人もいなかった。そのような現状に危機感を覚え、立ち上がったのが今回のGOAT Challenge Cupの主催者でもある安田さんであった。 安田さんは愛知県でアイスホッケーを始めるが、より良い環境を求めてアイスホッケーの本場である北海道へ移住。さらに小学校を卒業後、海外への留学を決意した。アメリカの大学で現在もプレーを続ける中で、日本とのレベルの違いは実感したものの、一番の違いとして実感したのが試合の運営力。「日本ではエンターテインメント性より、試合を開催することだけが目的になっているように感じた」。アメリカでは四大スポーツの一つとしても数えられるアイスホッケー。トップリーグであるNHLはもちろん、大学の試合でも観客で席が埋め尽くされ大きな歓声に包まれる。「大学にリンクがあって、冬になるとアイスホッケーを見に行くことが文化のようになっている」。さらに各ピリオド間の製氷時間でも、観客が参加できる企画を実施したり、スクリーンで映像を流したりといった工夫が施されているため、観客が退屈している時間が少ない。このような本場の雰囲気を取り入れたら、見てくれる人が増えるのではないか。そのような考えから2021年に大学生を中心として、GOAT Challenge Cupが発足した。 「愛知県で満員になるほどの観客を集められたことが自信になった」。2人の兄が愛知県のチームでプレーしていることもあり、1年目は愛知県で試合を企画。無料で開催をし、日本のアイスホッケーの需要や、観客が何を求めているかなどの情報収集に力を入れた。2年目はアンケートなどで得た、液晶画面のサイズや音割れといった技術的な課題を改善。すると、観客が1年目の500人から700人へと増加し、満足度も80%を超えるほどの高評価を得た。そして、3年目となる今年度は東京へ進出。しかし地元の愛知県とは違い、知り合いがほとんどいない中でのスタートとなった。さらに、対戦カードもこれまでにない組み合わせであったため、選手に直接連絡を取り地道なステップを踏むことに。それでも、開催に向け安田さんを突き動かしたのは選手たちの熱意であった。「両チームの選手たちが積極的に協力してくれて、アイスホッケー界を盛り上げたいという強い気持ちを感じた」。最終的にはロシアのプロリーグやアメリカの大学1部リーグに所属する選手など、世界トップレベルの選手を集めることに成功。日本からも、トップレベルの大学に所属する主力選手が一堂に会することとなった。 「GOAT Challenge Cupという名前の通り、史上最高と呼ばれるような試合をつくりたい」。これまでに培ってきた映像技術や演出などを駆使し、前例のない試合開催を試みている今回のプロジェクト。「東京での開催が成功したら、パッケージ化をして日本各地で開催できるようにしたい」。東京での開催がゴールではなく、さらなるアイスホッケー界の発展も視野に入れている。今回の試みがアイスホッケー界を盛り上げる第一歩になることは間違いない。一流プレーヤーたちが本場の演出を取り入れた会場で渡り合う姿を見られることが今から待ち遠しい。 [倉田泰]※写真はご本人提供 GOAT Challenge Cupのインスタグラムはこちらから。 安田桂太朗さんへのインタビューはこちらから。READ MORE