
【スケート部(フィギュア部門)】Kiss&Cry2023
昨年度はインカレで男女アベック優勝を果たした明大フィギュア部門。今年度、新たに菊地竜生(政経1=目黒日大)、元榮愛子(商1=目黒日大)を加えさらなるパワーアップを求めて高みを目指す。氷上では華麗な演技で観客を魅了する選手たち。本企画では、その活躍の裏にある思いや素顔に迫っていく。
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(14)シーズン直前インタビュー 堀義正
フィギュアスケート 2023.09.22長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権(以下、インカレ)の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。 (この取材は9月4日に行われたものです) 第10回は堀義正(政経4=新渡戸文化)のインタビューです。 ――最近の調子はいかがですか。 「最近の調子はまずまずで、良くも悪くもといったところが目立つのですが、細かいところであったりエッジワークの使い方などは前の試合よりは精度が上がりつつあるのかなと自分では思っています」 ――げんさんサマーカップが終わってからの期間はどのように練習されてきましたか。 「大きいことと言ったら明治合宿があったんですよ。強化合宿があって、そこに参加させていただいたことで、チームみんなで練習するわけでモチベーションも上がりましたし、ジャンプ、スピン、ステップの面においても全てがブラッシュアップできたかなと思います」 ――インスタグラムの投稿などからもチームの仲の良さがうかがえますが、その点に関してはいかがですか。 「ものすごい仲が良くて、男子と女子で別れるのではなくて男子女子混ざっての仲の良さも目立つところではあると思うので、そういうところも今回練習が一緒で練習時間も多かったです。そういった中で一緒に仲間意識がある中で練習したことで、より一層みんなもやる気、モチベーションとかは上がっていたのではないかと僕の目線からは見えました」 ――チーム仲の良さというのは例年よりも部練の回数が多いことが要因ですか。 「そうですね。1カ所に部員全員が集まるということが前はほとんどなかったので、そういう機会を作ることで、みんなホームリンクが違うので1カ月後とかにジャンプここまで精度上げてきたんだとか、小さな点だけでもお互いの刺激になると思うのでこういう機会は増やしていこうかなと思っています」 ――主将としてチーム全体を見ていかがですか。 「今ものすごい良い状態で、仲がいいですし、一人に固執した部というわけではなくて部全体で一人一人にいいところがあって、足りないところがあればチーム全体で補い合えるような、一致団結したチームだと自分からは見えます」 ――主将として具体的にされていることはありますか。 「前主将の山隈太一朗さん(令5政経卒)みたいな主将としての威厳というのが自分にはまだないんですよ。そういうキャラクターでもないし、そういう風格も元々持ち合わせていないですし。合宿でのミーティングの際に、みんなに対して『山隈太一朗くんみたいに主将たる威厳を見せるよ』みたいな感じで言ったので、今からですよね。インカレに向けて主将としてみんなを支えてあげられるような大きい背中の持ち主になっていければいいなという願望ですね」 ――昨シーズンを振り返っていかがですか。 「全試合ボロボロではあったのですが、反省点がしっかり残るような試合が多かったと思います。ラストシーズンになるのですが、悔いのないように。やり切れなかったという思いを残さないように昨シーズンがあるから今年頑張れたよねというシーズンにしたいです」 ――シーズン後インタビューの際には『ジャンプを戻したい』とおっしゃっていましたが、ジャンプの調子はいかがですか。 「正直そこまで大きな変化はないのですが、最初の方に言った通り細かい精度とかは上がってきていると思います。そういうところを上げていくと、成功確率とかそういうところにも直結してくるかなと思うので、地道な努力というのを残り少ないオフシーズンで決めていければいいかなという感じです」 ――スピンやステップなどに関してはいかがですか。 「スピンは明治合宿でかなり監督から強化してもらって実践しているところもあるので、まずまずだとは思います。ステップとか表現面に関しては、まだ曲に食われている感じが自分の中に残っているので、1カ月かけて自分になじませていければいいかなという風に思っています」 ――SP(ショートプログラム)は、今シーズンから新たにプログラムを変更されていますが、その点に関してはいかがですか。 「前回のインタビューでもお話しさせていただいた通り思い出のあるプログラムではあるので、そういうことを考えても、ノーミスはしたいですし、まだ全然自分の中ではSPは滑り切れていない実感はあるので、シーズン初戦までには滑りこなして、シーズンを通してより良いプログラムにしていければいいかなという風に思っています」 ――衣装は何かイメージされているものはありますか。 「自分の使ったことのない色を使いたかったので赤というのを相談させていただいてチョイスはしました。特に意識とかは持っていなかったんですけど、直感みたいなところがあって、色を見せてもらったときに『この色いいわ』ってなってそういう感じなんですよね。あえて言うなら、『My Way』という曲で、ジプシー・キングスという方たちが歌ってて、それが結構ラテン調なので、カラッと爽やかではあるけど情熱的に見せたくて赤みたいなのはあるかなと思います」 ――SPとFS(フリースケーティング)、それぞれの仕上がり具合はいかがですか。 「SPは仕上がり具合で言ったら6、7割ぐらい。FSに関してはまだまだ5割、6割ぐらいです」 ――SP、FSの今できている点と、これから仕上げていかないといけない面をそれぞれお願いします。 「SPに関してはジャンプがハマるようになってきました。強化していかないといけないなと思う点はスピード感であったり、軽快さがまだ足りないので、そういうところを強化していきたいなと思います。FSの方はもちろんジャンプもそうですし、ステップもそうですし、SPをやりすぎて、まだFSの方がそこまで練習できていないです。本当に今日明日からはFSの方をものすごいかけて、強化していってというところですかね。だからFSは、いいところといえばスピンがちゃんとできているぐらいで、今から全部やっていかないといけないという感じなのでちょっと焦りはあります」 ――SPと、FS、それぞれの見どころをお願いします。 「何と言ってもSPは、スピード感が途切れないところですかね。ずっと動いてステップを踏んでいるところが見どころかなと思います。FSの方が結構タフなんですよね。途切れないステップなので、FSもSPも頭から終わりまでずっと途切れないステップというところが見どころではあるかなと思います」 ――シーズン開幕を控えての今の心境はいかがでしょうか。 「割と落ち着いていて、ラストシーズンということもあるんですけど。だからこそ緊張とかもするかなと思うんですけど、今まで以上に楽しんでいきたいなと思っています」 ――今シーズンの目標をお願いします。 「全日本選手権に出場して笑顔で終わりたいので、全日本選手権に出場することです」 ――最後にファンの方へメッセージをお願いします。 「僕が大きい試合に始めたのが大体小学校2年生からなので、その頃から応援してくださった方もいますし、僕のことを途中で見つけてくれて応援してくださった方もいますし、いろんな方が僕のスケート人生に関わってくださって、応援してくださってとても感謝しています。ラストシーズンに懸ける思いは特にはないんですけど、いいものをお見せして最後に皆さんにも笑顔で終わって送り出してほしいので、ラストシーズンに悔いのないように頑張ります。応援よろしくお願いします」 ――ありがとうございました。 [冨川航平] (写真は本人提供)READ MORE -
(13)シーズン直前インタビュー 岡部季枝
フィギュアスケート 2023.09.22長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。 (この取材は9月14日に行われたものです) 第9回は岡部季枝(法4=新渡戸文化)のインタビューです。 ――大学院に進学して環境が変化したと思いますが、いかがですか。 「学部の時よりも勉強の方が忙しくなり、春学期中は全然練習できなかったです。夏休みに入ってからも同じようにまではいかないですが、やっと練習に毎日行けるようになって、そこから1ヶ月ぐらいたって、少し調子が戻ってきたかなという感じです」 ――大学を3年で早期卒業して、大学院に進学した理由を教えてください。 「元々法曹志望で、なるべく早く次の段階に行って法曹の仕事に就きたかったので、早期卒業という道を選びました」 ――春学期は1日をどのようなスケジュールで過ごしていましたか。 「本当に1日中勉強してたので、本当に全然練習に行けなかったです。朝は大体1限から授業が入っていて、毎日1限で午前中には必修の授業が終わるので、午後は自習室の自分の席でずっと勉強するという感じの生活でした」 ――昨シーズンを振り返っていかがですか。 「東日本学生選手権に行きたかったのと、 腰のケガの影響で練習が足りず、いい演技ができなかったのが悔しいなと思うところがあったので、 今シーズンは、東日本選手権(以下、東日本)にまず進むことを目標として、いい演技をすることができればいいなと思っています」 ――腰のケガの具合は現在いかがですか。 「腰のケガは完治したので、今は大丈夫です」 ――夏休みの期間、どのように取り組んでいましたか。 「練習時間が限られているので、限られた時間の中で、自分の計画を立てている目標通りに進められるように、毎回の練習をきっちり頑張るということを意識して取り組んでいました」 ――現在の調子はいかがですか。 「今の調子は、少しずつ上がってきて、SP(ショートプログラム)の方は完成に近づいてきていい感じになってきたところなのですが、FS(フリースケーティング)がまだまだなので、あと1週間ですけどしっかり調整していきたいと思います」 ――全体的な仕上がりとしては何パーセントぐらいか教えてください。 「全体としてはまだ50パーセントぐらいです」 ――SPの見どころを教えてください。 「SPは前のシーズンと同じ『フォレスト・ガンプ』で、見どころは、ジャンプが好きでできればダイナミックに跳びたいなと思っているので、そこを見ていただけたらいいなと思っています」 ――FSの見どころを教えてください。 「(FSは)ずっと前から使っている『エクソジェネシス』です。曲が一番盛り上がるステップのところが自分は好きで、うまく表現するように取り組んでいるので、そこを見ていただけたらなと思います」 ――衣装についてのこだわりがあれば教えてください。 「衣装は去年と一緒なのですが、SPは羽があるような白い衣装で、映画のシーンでその羽がひらっと出てくる場面があって印象的だったので、そういう衣装にしてもらいました」 ――最近の練習ではどのようなことを意識して取り組んでいますか。 「合宿が8月末にあって、そこでハーネスをやってもらって跳ぶ感覚をつかんだので、その感覚を生かして、 練習でハーネスなしで、ハーネスがあったときのように跳べるように意識してジャンプすると結構成功率がいいなと思うので、意識しています」 ――合宿で成長を感じた部分があれば教えてください。 「合宿の前は本当に何にも跳べない状態で行ったのですが、合宿中にもだいぶアクセルとかは跳べるようになって、トリプルはまだですが、帰ってきて1、2週間のうちにサルコーもトーループも跳べるようになって、曲にも徐々に入るようになってきているので、そこは成長したかなと思います」 ――今シーズンの目標を教えてください。 「今シーズンの目標としては、まず東京選手権(以下、ブロック)で21位までに入って、東日本に進むことです。そして、ブロックでも東日本でも、自分としても納得できるいい演技をすることが目標です」 ――ありがとうございました。 [髙橋未羽] (写真は本人提供)READ MORE -
(12)シーズン直前インタビュー 松井努夢
フィギュアスケート 2023.09.22長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権(以下、インカレ)の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。 (この取材は9月7日に行われたものです) 第8回は松井努夢(政経4=関西)のインタビューです。 ――明大合宿はいかがでしたか。 「合宿は、予定よりも練習が増えてしんどかったです」 ――練習が多かったのですか。 「氷上練習の時間が多くてかなりきつかったですが、いい練習になりました。男子と女子で分けて練習する予定でしたが、他の合宿に行く人もいて人数が少なかったので、エンドレスで曲をずっとかけていくという練習をしました」 ――合宿で一番楽しかったことを教えてください。 「一番楽しかったことは毎年恒例のリレーです。チーム分けをしてチーム対抗でリレーしたことが楽しかったです」 ――最高学年の立場から見た部の雰囲気はいかがでしたか。 「自分たちが一番先輩ではあったのですが、正直あまりそういう実感がなくて『もうあっという間だな』という感覚を持ちました。僕らの同期がもう今年度でラストシーズンということはあまり実感がないです。ただ今回の合宿では4年生がみんなそろいました。今まで必ず誰かしらいなくて会えなかったのですが、今回は真凜ちゃん(本田真凜・政経4=青森山田)が初日だけ顔を出してくれて、4人しっかり合宿で集まったのが初めてだったので、それはうれしかったです」 ――昨シーズンはどのようなシーズンでしたか。 「昨年度は慌ただしい1年でした。慌ただしい1年であり、自分にとってすごく大きく変化した年でもあったし、悔しい年でもあったし、でも一番頑張った年でもありました。アイスダンスをやったことで、シングルも相乗効果ですごく良くなったと思います。アイスダンスをやっていなかったら、シングルも昨年度の東日本(選手権)であそこまでの結果にはいかなかったと思います。だからアイスダンスをやって良かったと思うし、組んでくれたパートナーにも、感謝しています」 ――最近のコンディションはいかがですか。 「悪くはないです。悪くはないけれどもっと(調子を)上げていけるなという感じです」 ――スケート靴はいかがですか。 「靴はもう完全に慣れました。『あれ、もう柔らかい』みたいな感じです。合宿で氷に乗っている時間が長かったのが良かったかなと思います」 ――今シーズン一番頑張りたいことは何ですか。 「まだインカレに一度も僕は選ばれたことがないので、もう4年目のラストチャンスですが、インカレに出たいなと思います。もちろん全日本選手権(以下、全日本)にも出たいです。そのためにやはり体力面で鍛えてジャンプの質を、今はかなり上がってきましたが、まだまだだと思うので、もっと鍛えたいです」 ――特に見てほしいところを、SP(ショートプログラム)とFS(フリースケーティング)それぞれについて教えてください。 「SPもFSも持ち越しですがどちらも気に入っています。曲も全て気に入っていて、SPは、最初の出だしの振り付けも好きだし、スピードに乗りやすいところも好きです。SPもFSもイナバウアーをジャッジの前でしっかり強調してできたらいいなと思うので、そこを見てほしいですし、FSではやはり最後のステップの音ハメも見てほしいです」 ――ラストシーズンとなる今シーズンはどのような気持ちで臨みたいですか。 「今年度で最後の集大成だと思って、全日本に出たいし、インカレでも選ばれるように他の試合でポイントを稼いで、もうやり切りたいと思います」 ――今年度の目標を教えてください。 「4年間変わらずの目標ですが、全日本に出ることです。アイスダンスで出られたので、シングルでも出て、悔いなく終わりたいです」 ――特に力を入れたい練習は何ですか。 「スピンのレベルなど、確実に取れるところの練習や、全てのジャンプをはめる練習をしたいです」 ――ありがとうございました。 [新村百華] (写真は本人提供)READ MORE -
(11)シーズン直前インタビュー 堀見華那
フィギュアスケート 2023.09.20長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権(以下、インカレ)の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。 (この取材は9月7日に行われたものです) 第7回は堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)のインタビューです。 ――最近の調子はいかがですか。 「60パーセントぐらいです」 ――60パーセントは理想的な調子なのでしょうか。 「昨シーズンの今ごろよりはいい感じで、プログラムに入れようと思っているジャンプは跳べるのであとは曲で跳べるようにするだけという感じです」 ――スピンやステップはいかがですか。 「スピンは昨シーズンよりは良くなっていて、ステップもSP(ショートプログラム)は継続なのでSPは動けるようになってきています。FS(フリースケーティング)は今年作ったので今はFSの比率を多くして練習しています」 ――最近はどのような練習をしていますか。 「最近は朝と夜の2回練習しています。夏休みはとりあえず1日にSP、FS1回ずつはジャンプ入れる入れない関係なしに曲を1回通して体力をつけるようにしています」 ――体力はもう心配ないですか。 「FSはまだ後半の方はしんどいです。SPはいいんですけど、やっぱりFSがずっと私の課題なのでそこを重点的に練習しています」 ――オフシーズンの間はどのような練習をしていましたか。 「オフシーズンも特に何かが変わったというわけではなくて、朝練習行って昼間学校がない時は昼間少し滑って、また夜。オフシーズンの時、5月6月ぐらいはジャンプの調子が全体的に良くなかったので、まず跳べるように戻すというところでジャンプはいっぱいやっていました」 ――ジャンプの調子には波がありますか。 「いつも波がありますが、6月ぐらいにちょっと感覚が良くなってきて、ちょっと体調悪いというか体の調子悪そうだなというときも全く跳べないということはなくなりました」 ――これまでは体の調子が悪いときは跳べなかったですか。 「ずっと去年の11月ぐらいから足が痛かったのもあったりして、全然トリプル一つも跳べていない時があったのでそこから戻すのを、ちょっとしたスランプみたいになっていて、そこから頑張ってオフシーズンの間に戻そうと思って前向きにやっていました」 ――今はトリプル何種類跳べますか。 「4種類跳べます。でも今度の試合で入れようと思っているのは3種類でそれでしっかりまとめられたらいいなと思っています」 ――どんどん構成は上げていくのでしょうか。 「上げられたらいいなと思っています。ただ、やっぱりミスをしないことが大事だと思っています」 ――昨シーズンを振り返っていかがですか。 「昨シーズンはその時はすごく一生懸命やっていたんですけど、今振り返るとモチベーションがちょっと下がっていたというか『インカレも自分は出られないし』みたいな感じでした。足が痛かったのもあってどうしようというのをずっと抱えながらやっていて、あまり練習に集中できなかった部分もあったので、なんとなく模索している間に終わってしまった感じです」 ――今のスケートをやるモチベーションを教えてください。 「今のモチベーションは今シーズンは自分が頑張ればインカレに出られそう、人数も少なくなったので出られるのではないかなと思っているので、それに出たいなと思っています。あと2年しかなくなってきたというのがあって、モタモタしている場合ではないというか、あと2年しかないんだからスケートに全振りして。昨シーズンまでは学校のこととか遊びのこととかいろいろなものに手を出してしまったので、今シーズンはスケート比率を上げてスケートに集中しようというのができています」 ――大学卒業の時期に引退することは前から決めていましたか。 「大学に入った時は全然これから大学だから引退とかいう文字は全然なかったんですけど、やめるなら4年生でやめようかなぐらいでした。4年生で競技を続けるというのも自分の身体的にも大変だし、違う世界を見たいなという気持ちの方が今は高まってきたので、大学4年生で後悔なくというかやり切ったと思えるようにこれから頑張りたいと思っています」 ――2年生のときよりもスケートの比率を上げた理由やそのきっかけを教えてください。 「シーズンが終わった時に、昨シーズンの試合がうまくいかないことの方が多くて、それはなんでだったんだろうというのを考えました。シーズンの時は試合ばかりでとりあえず滑って練習するしかない感じなので立ち止まって考える時間はあまりないですが、終わってから考えた時に朝と夜練習は行っているけれど、氷の上に乗ってるだけだなというのを感じました。毎日ちょっとしたことでも、例えば『このジャンプを3回連続で降りる』とか小さい目標でいいから一つずつ一日一日目標を立ててやっていることがないからただ滑っているだけかなとなり、それは結果もついてこない練習をしていたかなと思いました。昨シーズンは、日中は学校にも行っていましたが遊びにも行ってとかゼミのこととかで、他の陸のトレーニングとかそういうのを全くやっていなくて。他にももうちょっとできた、高校生の時はもうちょっとやっていたなみたいなのがありました。上京する前はお母さんとかが全部連れて行ってくれていたりサポートしてくれていたので、自分で行こうとすると足が重たくなるところがありました。そういうのを1回見直したところがきっかけで『このままじゃダメだしこんな感じで終わりたくないな』と思ったのでそこがきっかけです」 ――今のスケートの強みを教えてください。 「楽しそうに滑るところですかね(笑)。ジャンプとかは全然自分にあまり自信がないので、ジャンプとかそんなにできないですけど、それでも他のジャンプ以外のスピンとか、右回りをやっている人はあまりいないと思うし、そうですね。すぐスピンとかも対応できるバリエーションを持っていたりとか、あとはまあどんなことがあってもスケートを好きって思っているので、それで楽しく毎日練習して諦めないということですかね。ちょっと難しいですね(笑)」 ――SPは継続の中で昨シーズンから変えた部分はありますか。 「昨シーズンから変えた部分はスピンです。一つレベルがこのままだと4にならないというのを見つけたので、ちょっと変えただけですね。でも試合の前に1回ブラッシュアップで振り付けの先生に見てもらうので、試合直前ですけどこれからやる予定です」 ――表現面に関してはいかがですか。 「表現面はジャンプもそうなんですけど、表情とか顔の向きとか、練習のことが試合に出ると思っています。今年はビデオを撮って客観的に見るというのを昨シーズンよりやっています」 ――それによる変化はあったのでしょうか。 「自分でやっている感じだと音に合わせてやっているけれどちょっと遅れていたり、もうちょっと早く、早く動いているつもりだけど見てみたら全然遅いみたいなこともあるので、そこは良くなったかなと思います。気付くということがまず大事なので」 ――今のSPの仕上がり具合はいかがですか。 「SPは毎回ノーミスできるわけではないですが、たまにノーミスができる感じで、80パーセントぐらいですかね。この間のげんさん(げんさんサマーカップ)はけっこうSPが良くて、スピンでレベルが取れていなかった部分があったので、そこを直して、ジャンプは日によるので『今日跳べない、今日は跳べる』とかそういうところに一喜一憂せずに試合に合わせられたらいいなと思っています」 ――東京選手権(以下、ブロック)までにどれぐらいまで持っていきますか。 「ノーミスできると思うのでSPはノーミス目指しています」 ――FSの曲名と選んだ理由を教えてください。 「曲は『ラ・ラ・ランド』で選んだ理由としてはいろいろな人が滑っていて、それを見るとやっぱりいいなというのと曲がすごく好きで、好きなものを。今まではちょっと違うやったことないものを選んでいましたが表現が難しかったりとか、自分の滑りに合っている曲とか好きなものだと心から楽しんで滑れるのでそっちを今回は重視して選びました。最近『ラ・ラ・ランド』を使う人がすごくいっぱいいるというわけではないので、いいかなと思いました」 ――プログラムの見どころを教えてください。 「中盤に長めのイナバウアーが入っていてその時に音にも合っているので、そこが一番の見どころです。昨シーズンよりはイナバウアーが長めに入っているのであとスパイラルやコレオシークエンスです。そこまではゆっくりな感じでずっと曲調がスローで最後にステップで終わりますが、そこはけっこうノリノリで楽しく元気にという感じの曲を入れていて、そのメリハリがポイントです」 ――今の仕上がり具合はいかがですか。 「FSは50パーセントぐらいですね」 ――ノーミスはまだという感じですか。 「そうですね、まだノーミスはしてなくて最初にループが2本入っていますがそこが鬼門で全然跳べないんですよ。いつも曲がない時に2本続けて跳ぶ練習をしていますが、曲ではやっぱりなぜかタイミングが変わっちゃったりとか、やるぞという気持ちが強過ぎるので軽く跳びなさいといつも言われます」 ――そこを跳べなかったら後に引きずるのでしょうか。 「後半はコレオシークエンスを挟むのでけっこう切り替えやすいプログラムだなと思っているのでそこまで引きずることはないです。あとは体力、後半のジャンプは絶対体力だと思っているので、そこは何回も何回もやるしかないです」 ――ブロックまでにどれぐらいまで持っていきますか。 「ブロックはループ絶対1本目は降りたくて、2本目は降りられたらいいなという感じで。後半はそんなに難しいジャンプは入っていないので、1ミスぐらいで、あまりノーミスって言うと意気込んでしまうので1ミスぐらいで収められたら。次東日本(東日本選手権)に進むことが目標なので、1ミスまでならセーフかなと思っていますが、気持ちはノーミスででもそんなに意気込み過ぎずにいきたいなと思っています」 ――明大合宿の雰囲気はいかがでしたか。 「合宿はすごく昨シーズンよりきつくて滑る時間が倍でみんなヘトヘトという感じでした。1年生が入ってきて去年多かった4年生が抜けたので、人数が少なくて寂しい感じがありました(笑)。人数が少ないから練習時間が多くなったというのもあって、去年まで分けていたところを分けると少なくなるからみんなでやろうみたいになって、みんなで全部の時間を滑るという感じで、1日6時間とか滑ってみんなヘトヘトでした(笑)。でもみんなけっこう仲良くなったかなと思います。1年生の2人もけっこうしゃべりました。女子男子でそれぞれみんな同じ部屋だったので」 ――今の明大の雰囲気はいかがですか。 「雰囲気はいいと思います。部練の時もみんな集中してしゃべったりするわけではなく、けっこう部練は積極的にみんな参加してくれるし、部での取り組み、合宿とかに関してもけっこう前向きでいいと思います。あまり部練しか集まる機会ないですけど、楽しくやっています」 ――夏休みらしいことはしましたか。 「この間友達とドライブに行きました。(ドライブお好きですよね)ドライブ好きです。運転免許を取って今は車があるので車で練習に行ったりとかしています。けっこう運転する機会が多くなって、この間はさわやか(げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか)を食べに行きました」 ――3年生でキャンパスが変わってから神保町でどこか行きましたか。 「ご飯屋さんが多いですよね。週に1回友達とご飯を食べる機会があってそのときに、何回か開拓しようとなってカレーを食べに行ったりとか喫茶店に行ったりとかしました」 ――シーズン開幕を前に今の心境を教えてください。 「今は試合が近くなってくるとできなかったときにすごく焦りみたいなのが練習の中で出てしまって、そこからどうしようとなると全然何も跳べなくなってしまったりとかもありますが、あまり考え過ぎてもよくないよというのも言われたので、あまり『試合だ』みたいな感じに思わずに毎日の目標を、1日を進んでいって試合に挑みたいなと思っています」 ――今シーズンの目標を教えてください。 「今シーズンはインカレに出場して大学の成績に貢献することと、FSを今まであまりノーミスしていないのでFSノーミスしたいです。それをクリアして全日本(全日本選手権)が見えたら、行けたらいいなとは思っていますが、とりあえず今自分のできる最高の演技というのを1回でもいいのでやるというのが目標です」 ――ありがとうございました。 [堀純菜]READ MORE -
(10)シーズン直前インタビュー 大島光翔
フィギュアスケート 2023.09.20長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。(この取材は9月9日に行われたものです) 第6回は大島光翔(政経3=立教新座)のインタビューです。 ――最近のコンディションはいかがですか。 「そうですね、合宿でケガをしたのですが、元気に順調にきている感じです。頭を打ってしまって、ついこの間まで滑れていなかったのですが、思ったより感覚もすぐ戻って、あとは体力も戻ってくれればという感じです」 ――ケガはどのようにして起こりましたか。 「僕も正直あまり記憶がないので僕は分からないですが、4回転を締めて軸が曲がったまま落ちてきて頭を打ったと聞いています。記憶を取り戻してからの記憶は少し飛んでいるところがある感じです」 ――滑ることのできない期間はどれくらいありましたか。 「2週間は安静にしていてと言われたので、ついこの間まではあまり練習もせずにいました。基本、動いてすらいなかったみたいな感じで。つい先日、氷に乗るようになった感じです」 ――東京選手権も近づいている中で氷に乗ることができなかったということで、気持ちとしてはいかがでしたか。 「最初から全日本選手権(以下、全日本)しか見ていなかったので、ブロックが近いという焦りは少なからずありますが、全日本には間に合うと思っているのでその焦りなどはあまりないです」 ――氷に乗ることのできない間、退屈に感じたり早く滑りたいと思ったりすることはありましたか。 「もちろん早く滑りたい気持ちはありましたし、合宿で詰めて練習していた分、もったいないなと思ったりもしましたが、焦ってもどうしようもないといいますか、焦って取り返しのつかないことになったらそれだけは嫌だったので。父親も大きいケガを経験している人なので、そういうケガについてはした後にどれだけ後悔するかを自分に教えてくれていて自分も分かっていたので、そこは『ケガして滑れなかっただけだし』『2週間我慢すればいいだけだし』みたいに、そんなネガティブに捉えずポジティブに毎日過ごしていました」 ――合宿は明大以外の合宿に参加した形ですか。 「中野先生(中野園子先生)の合宿に参加しました。父がもともと中野先生とつながりがあって、うちのチームは毎年ありがたいことに参加させてもらっていて、今年は東京の岡島功治先生と新横浜の佐藤紀子先生のチームが途中から参加していました」 ――合宿ではどのようなことをしましたか。 「普段にはないようなハードな合宿だったので、氷に乗っている時間も普段よりも長くて、練習内容もハードでしたし、陸トレの時間も氷の練習時間と同じくらい設けられていました。体力強化が一番というのと、周りに坂本花織選手(シスメックス)や三原舞依選手(シスメックス)、壷井達也(神戸大)、三浦佳生(目黒日大)、住吉りをん(商2=駒場学園)などがいたので、高いレベルで練習できたのかなと思います」 ――合宿で強化したいとしていたところはありますか。 「一番重点を置いていたのは体力強化の面です。普段、走り込みなどはしないのですが、合宿中はホテルからリンクまで毎朝、練習前と練習後に走って行ったり、陸トレもそこから1時間半やって、そこから氷の上だったり、氷の上でもパワースケーティング、クロスだったり走るトレーニングをこなして、曲かけも普段より回数多くこなしていたので、一番は体力強化になるのかなと思います」 ――合宿参加前と参加後で変わったところはありますか。 「自分のプログラムに自信がついたのは間違いないかなと思います。あれだけたくさん滑り込みをしたので絶対に良くなっているという自信はつきました」 ――取り組まれてきた4回転ジャンプについて、今はどのような状況ですか。 「本当に合宿で完成させるつもりで合宿で良くなってはいたのですが、練習できなかったのもあって今はまだ4回転の練習はできていないです」 ――4回転ジャンプは何種類練習していましたか。 「合宿では3種類練習していました。サルコウとループとルッツやっていました。(ルッツが一番完成に近いのですか)そうですね。一番ルッツが得意で自信がありますし、ルッツに重点をおいてやっています」 ――今までの練習の中で4回転ジャンプを成功したことはありますか。 「まだないです」 ――今シーズン、4回転ジャンプをいずれか入れる予定はありますか。 「そうですね、自分的には試合でやりたい気持ちがすごく強いので、でもやはり昨シーズンから学んでいる完成していないジャンプは点数にならないというのがあるので、完成していないと入れられないとも思います。そこはなんとしてでも完成させて試合でやりたい気持ちは強くあります。4回転をやるためには絶対に失敗しない3回転ジャンプが必須で、その3回転ジャンプで質を上げて加点をもらいにいかないといけないのは本当に感じているので、そういう部分も重点的に、後半に3回転ジャンプが詰まっているのでそこの3回転ジャンプは失敗しないように練習しています」 ――昨シーズンを終えた時点で感じていたスケートの課題を教えてください。 「昨シーズンは全体的に見るとどうしてもジャンプの安定感がなかったなというのがまず一つと、ジャンプだけでなくスピンやステップのレベルも試合ごとにばらつきが出ていて、そこも安定感が足りなかったと思います。本当に上位の人は自分の武器を持っていてそこだけは絶対に外さないというのが一つはあるので、自分はスピンやステップ、ジャンプの全てが安定せずにシーズンを過ごしていたなと感じています」 ――今シーズンのSP(ショートプログラム)について教えてください。 「スーパーマリオの映画の曲から2曲使っています。すごく話題になった曲でもありますし、マリオのあのテンポの曲を聞いて知らない人はいないと思うので、見ているお客さんに親近感を持って演技を楽しんでもらえるようになるのではないかと思いこの曲をチョイスしました」 ――げんさんサマーカップでのSPを振り返っていかがですか。 「内容としてはジャンプの面では大きなミスなく終えられて良かったなと感じていましたが、スピン全てでレベルを取りこぼしていたので点数につながらなかったと思っているので、あの演技に満足しているかと言われたら全然課題ばかりだなと感じていました」 ――SPの見どころを教えてください。 「曲は誰が聞いても分かるような面白い曲を使わせてもらっているので、お客さんも楽しめる内容だと思いますし、最後のステップの曲はザ・マリオみたいな感じなので、笑って最初から最後まで見ていただけたらなと思います」 ――衣装はどのようなものになりますか。 「マリオではなくクッパみたいな怪獣をイメージしています。まだ仮でデザインなどはできていないので自分もまだ分かっていないです。そのままいけば赤ではない衣装になります」 ――FS(フリースケーティング)の『ムーラン・ルージュ』は、振り付けはどれくらいの期間で行いましたか。 「5日間です。プログラムの最初から始めて、その日にできるところまでやるというのを5日間やった感じです。1日4、5時間はやっていました」 ――プログラムについて、振付師の方や曲をどのように決めたのか教えてください。 「振付師さんを先に決めて、振りを決めながら曲を決めながらみたいな感じで、振り付けしながら曲も作っていただいていた感じです。シェイリーン・ボーンさんは世界的な振付師の方ですし、一度は自分もお願いしてみたい気持ちがあって、今年チャンスがあったのでお願いしました。シェイリーンさん自身がスケートがすごく上手なので、振りを付けてもらうだけではなく、彼女の表現力やスケーティングですごく勉強になる部分がたくさんありました」 ――FSは3曲の編成ですが、なぜその組み合わせになったのかをお聞きしたいです。 「シェイリーンさんに振り付けを担当してもらって、僕も初めてだったのでどういう要領で振り付けをするか分かっていなくて、すごく奇遇なお願いだったので曲もまだできずにスタートした感じで。曲もシェイリーンさんのフィーリングで作りながら、そこに振り付けを付けながらという感じで。本当に感覚的にあのようになったのかなと思います」 ――『ムーラン・ルージュ』でプログラムを作ることは事前に決まっていましたか。 「事前にシェイリーンさんと相談して、どんなテーマがいいか話し合いをして、結果『ムーラン・ルージュ』になった感じです。自分の違った一面を見せたいとお伝えして、でも初めての振り付けだったので自分の希望を伝えるというよりかはお任せした感じではあります」 ――このプログラムに対してシェイリーン・ボーンさんがおっしゃっていたことを教えていただけますか。 「先生も僕の振り付けをするのはもちろん初めてのことだったので探り探りだったのですが、自分がこの曲をどう解釈してどう表現するかというのを軸にこのプログラムを踊ってほしいということを言われました」 ――FSを練習してきて今回のプログラムの良さや難しさで感じたことがあれば教えてください。 「すごくエネルギッシュな振り付けなので1年では足りないくらいの詰め込みというか、すごく詰め込んだプログラムなので、どこが完成なのか自分ではまだ分かってはいないのですが、完成形にもっていくのは今でも苦労している部分で。課題が山積みというか、できていない部分がいっぱいあるので、それは練習からやり応えがあるなと感じています」 ――FSの見どころはどこですか。 「今まで自分がチャレンジしたことのないジャンルの曲だと思うので今までとは違った自分の一面が見られる、見てもらえるように、スローな場面であったり緩急だったりというのをこれまで以上にはっきりさせたり、エモーショナルな振り付けがいっぱいあるので、そういう部分を見ていただけたらなと思います」 ――オフシーズンのお話に戻りますが、プリンスアイスワールド2023-2024横浜公演への出演を振り返っていかがですか。 「その時はジョジョ(『ジョジョの奇妙な冒険』)をやらせてもらって、初めてエキシビションという感じのプログラムをアイスショーでお客さんの前で滑らせてもらうことができて、宙返りもプログラムの中ですることができ、自分的には新しいチャレンジであっという間のアイスショーだったなと思います」 ――プログラムの選曲理由をお聞きしたいです。 「あれも自分がアニメを見てすごくはまって好きというのが一番ですね」 ――ジョジョはアニメも漫画もあると思いますがアニメで見たのですか。 「アニメです。(ジョジョの作品のどんなところが好きですか)他にも好きな作品はいっぱいあるのですが、アニメの作画が異質な感じで己の道を行っているなという感じがして、色使いや絵の使い方、本当に奇抜な感じですごくいいなと感じましたし、BGMがすごくかっこいいものばかりで感動しました」 ――プリンスアイスワールドで高橋大輔さんと同じ回に出演されていました。その後に競技界引退を発表されましたが、どのように受け止めましたか。 「いちファンとしては競技会で見られない寂しさはもちろんあります。でもこれからアイスショーなどでスケートを見られるので、競技会で見られない寂しさ半面、ここからプロとしてもしかしたらジャンプとかも見られるかもしれないという楽しみ半分です」 ――大島選手にとって高橋大輔さんはどのような存在ですか。 「シンプルに一番の憧れの存在です。今でも変わらないです。最初は滑りや演技に夢中になって好きになっていって、そこから最近ありがたいことにご一緒する機会が増えて、そのような機会で感じる高橋選手の人のよさ、あのレベルのトップ選手が親身になって僕たちの話を聞いてくれたりするので、そういうところが本当に素晴らしい人間味だなと思って、どこを見ても素晴らしい人だなと思います」 ――まもなく東京選手権が始まりますが、今シーズンに掲げる目標を教えてください。 「全日本で12番以内に入って強化選手に戻るのが目標ですね」 ――強化選手に戻って日本代表として試合に出ることを見据えていますか。 「そうですね、そこが一番の目標です」 ――日本代表として国際大会に出るのが目標ということで、大島選手は国際大会をどのような大会と捉えていますか。 「自分はまだ一度も海外の試合に出たことがなくて、ジュニアの時に2回選考されましたが時期が悪くて2年ともなくなってしまったので、そこには未練といいますか憧れという思いが強いです。日本を背負って海外の試合に出たいという思いは誰よりも強いと思います」 ――海外の人にも自分のことを知ってもらいたいですか。 「もちろんそれもありますし、何がと言われたら一番はジャパンジャージーが着たいというのが一番ですね」 ――大学生のうちにその願いをかなえたいところですか。 「そうですね、かなえたいというよりかなえる気で練習していますし、それを目標に頑張っています」 ――成績を残すために今のご自身に必要なものは何だと考えていますか。 「安定感が今一番自分に必要なものだと思っています」 ――応援してくださる皆さまに向けてメッセージをお願いします。 「本格的なシーズンがいよいよ始まるなという気持ちで自分も皆さんと同じでわくわくした気持ちでいっぱいです。初戦から高いレベルで試合ができるので、自分がその中でどれだけいい演技をしてどれだけの点数が取れるのかという部分に期待してもらって、自分自身も、見ている皆さんも楽しんでもらえたらなと思っています」 ――ありがとうございました。 [守屋沙弥香] (写真は本人提供)READ MORE -
(9)シーズン直前インタビュー 佐藤駿
フィギュアスケート 2023.09.19長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。 (この取材は9月11日に行われたものです) 第5回は佐藤駿(政経2=埼玉栄)のインタビューです。 ――現在合宿中と伺ったのですがどういった合宿ですか。 「主催とかは特にないんですけど、個人的にやっているみたいな感じです。埼玉であまり練習ができないので、岡山に来てクラブとしては一人みたいな感じで合宿しています」 ――スケートを頑張っていらっしゃったと思うのですが、夏休みに楽しいことはありましたか。 「カナダの方にブラッシュアップをしに行ったんですけど、その時に向こうの現地にいる日本の友達と、ブラッシュアップだけでなくて観光とか遊んだりしたのが思い出です」 ――明大スケート部の合宿はいかがでしたか。 「練習時間がすごく多くて4時間とか6時間とかありました。今回ちょっと人数も少なかったので、ずっと曲かけ練習をしているみたいな感じでハード過ぎる合宿でした。練習時間はたっぷりあるからみたいな感じで、もうひたすら練習でした」 ――思い出に残ったことはありますか。 「夜中にみんなで集まってトランプしたりとか、ブラックジャックをしたりとか結構そういうのが楽しかったです」 ――それでは東京選手権が間近に控えていますが改めて今シーズンのプログラムを教えてください。 「SP(ショートプログラム)は『リベル・タンゴ』になっていて、タンゴの曲です。FS(フリースケーティング)はヴィヴァルディの『四季』で『春』『夏』『秋』『冬』を全部入れたという感じで、『冬』メインの曲になっています」 ――振付師さんはギヨーム・シゼロンさんと伺ったのですがどのような経緯でお願いすることになったのですか。 「元々今回、海外の振付師さんにお願いしたいなと思っていたんですけど、ちょうどそう思っていた時に連盟の方に紹介していただいて、お願いしてみたいですという風になって決まりました」 ――北京冬季五輪金メダルの実績をお持ちの方だと思うのですが、実際に振り付けを受けた時の感想などはありますか。 「すごく緊張してたんですけど、振り付けも本当に一から丁寧に教えてくださって、本当に最初に会った時から雰囲気がもうすごく良くて、すごく楽しく振り付けをできました。でも、一つ一つの振りが難しいというか、やはりスケーティングがすごく上手なので、簡単な動きでもすごく難しいなという風に感じましたし、もっとやっていかなければいけないなと思いました」 ――海外の振付師さんと話す時は通訳の方を介して話すのですか。 「通訳の方はいないんですけど、スケート用語が結構多くて、スケート用語は共通だったりするので意外と大丈夫です。あとは動きで教えてくれるのでそのあたりは大丈夫でした」 ――『四季』の曲の編成で『冬』をメインにしたのはどのような理由があったのですか。 「海外の振付師さんにお願いしたんですけど、その時に自分から『この曲やりたい』と出したんですけど、いやなんか合ってないんじゃないという風に言われて。それで振付師さんが出してくれた曲がヴィヴァルディの曲で、これがいいんじゃないかとなりました。2シーズン前に『夏』をSPで滑っているので、『夏』は滑っているから他の『冬』をメインで作ってほしいとお願いしたら、その『冬』がメインになりました」 ――『夏』と『冬』を滑ってみてどちらが滑りやすいなどありますか。 「どっちもすごく好きな曲ですしどっちも滑りやすいなと思っているんですけど、『冬』の方が滑りにくいって言い方はあれですがちょっと大変というか、曲が盛り上がるところが多いのでそこはすごく難しいなと思いました」 ――『リベル・タンゴ』を選んだきっかけは何ですか。 「今まで使ったことのない曲を滑りたいなと思っていたので、去年タンゴ系をやりたいなと言っていたんですけど、それがちょっと通らなかったので、今年はタンゴをやってみたいなと先生に言って、そしたら先生の方から曲をいろいろ選んでくださってそれにしました」 ――注目して見てもらいたい部分はありますか。 「(『四季は』)すごく盛り上がっていく曲になっているので、後半のステップとかコレオシークエンスの流れを見てほしいなと思っています。SPは特に出だしを見てほしいです」 ――佐藤選手がアイスショーで『リベル・タンゴ』を初披露された時にファンの方からかなりの反響があったと思いますが、ご自身ではどのように感じていますか。 「スケーティングとか表現力も意識してやろうかなと思って、ジャンプじゃなくてそこをずっと練習していたので、そこを評価してもらえてすごくうれしいなと思いました」 ――ジャンプ以外のところをずっと練習していたというのは、昨シーズンが終わったタイミングですか。 「そうですね、5月ぐらいにカナダの方に振り付けに行ったんですけど、その時にスケーティングのことを教わったので、そこから毎日復習を続けていって、かなりスケーティングが伸びたかなと思います」 ――今回のプログラムの振り付けをこなす上で苦労した部分はありますか。 「(『四季』は)ステップがすごく難しいです。曲がすごくテンポの速い曲なので、それに合わせるのがすごく大変だなと思いました」 ――まもなくシーズンが始まりますが、今シーズンはどのようなシーズンにしていきたいですか。 「ジャンプじゃなくて、スケーティングを重視というかそこを伸ばしていきたいです。4回転の種類も増やしたいなと思っていたんですけど、まだそれよりもやるべきことはあるかなと思って、スケーティングだったりスピンの部分を伸ばしていって、そこにジャンプがついていけばいいかなという風に思っています」 ――以前4回転サルコウにも挑戦してみたいとおっしゃっていましたが現在どのような感じですか。 「一時期は良かったんですけど、またあまり良くない感じになって、結構調子のいい悪いが激しくて。それもあってサルコウはちょっと断念して、今はループを練習しています。まだまだうまくはいってない感じです」 ――それでは現在SPの構成はどのように考えていますか。 「すごく今考えていて、ループをやってみたいとは思っています。長年やってきてSPにルッツはあまり良くないんじゃないかということになって、入れるなら多分フリップが一番いいと思うんですけど、フリップだと僕の場合エッジエラーを取られてしまうことが多いので、ループがベストなのかなと今はちょっと思っています」 ――ループを入れてみてのSPのプログラムの完成度はどのような感じですか。 「ループを入れて練習してるんですけど、まだ一回もSPはノーミスできていないです。フリップとかだとノーミスの演技はできているんですけど、ループを入れるとまだ一度もノーミスの演技はできてないので、ループはちょっとどうなんだろうなというのは正直思っているんですけど、今日ちょっと練習やってみて、無良先生(無良崇人先生)からいろいろ教わってそこで少し良くなりました」 ――FSについてはいかがですか。 「去年よりはさすがにいい演技を目指していきたいなと思っています。ジャンプの構成も本当は4回転4本とかにしたかったんですけど、まずは4回転3本で練習していって5コンポーネンツをそれで上げられたらいいのかなと思います」 ――東京選手権まで残り2週間を切りましたがどのような心境ですか。 「まずはある程度ジャンプは抜きにして、プログラムのスケーティングなどの完成度はまあ上がってきているなと自分ではちょっと感じているので、5コンポーネンツの評価が上がっていればいいかなと思っています」 ――演技構成点やスピン、ステップに重点を置きたいと思うようになったきっかけはありますか。 「何個かあるんですけど、国別対抗戦で一番近い場所で最終グループの演技を見たんですけど、僕に足りない部分、他の選手と大きく違うところはそこかなと改めて実感したので、そこから今シーズンはスケーティングとか頑張らないといけないなと改めて思って、その時にカナダに行ったりというのがあったおかげで、スケーティングだったりを頑張ろうと思いました」 ――現在はどのような練習をされていますか。 「結構前まではジャンプばっかりだとか曲かけ練習とかが多かったんですけど、もう今は30分はスケーティングという風に決めていて、30分間はカナダでやったことだったりとか、合宿でやったスケーティングを主にやっていって、そこからジャンプなりステップなりをやってから曲かけという練習を今は心掛けてやっています」 ――今シーズン新たに挑戦したいことはありますか。 「一応新しい4回転に挑戦したいというか入れたいなという思いはあります。あとはステップ、スピンオールレベル4を取れる試合を増やすことですね。なかなか全部レベル4を取るのはジャンプよりも僕的にはすごく難しいことだなと思っています。0.いくつの世界なので、そういったことがすごく大切になってくると思うので、そういう取りこぼしがないような試合を増やしていきたいなと思っています」 ――今シーズンの目標を教えてください。 「目標はまず全ての試合で、グランプリシリーズだったり全日本選手権だったりとかで去年よりも高い順位を目指していきたいです。一番の目標は、全日本選手権で去年表彰台に上れなかったので、表彰台に上ることを目標にして頑張っていこうと思っています」 ――ファンの方に向けてのメッセージをお願いします。 「今の段階ではケガなく来られているので、今後もケガのないようにしていきたいと思っています。あとシーズンはそろそろ始まるんですけど、全ての試合で自分の満足できるような、そして観客の皆さんに楽しんでいただけるような演技をできるように頑張っていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします」 ――ありがとうございました。 [布袋和音] (写真は本人提供)READ MORE -
(8)シーズン直前インタビュー 住吉りをん
フィギュアスケート 2023.09.19長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。 (この取材は9月13日に行われたものです) 第4回は住吉りをん(商2=駒場学園)のインタビューです。 ――夏の明大合宿には参加されましたか。 「していないです。コーチのチームの方での合宿が被ってしまったので、そちらに参加しました。盛岡に行って、坂本花織ちゃん(シスメックス)などと、コーチの中野先生(中野園子先生)の合宿に参加させてもらいました。初めて参加したこともありきつかったのですが、いつもの練習と違うメンバーだし、違う内容だったので楽しかったです」 ――収穫したものはありましたか。 「やはりジャンプです。何がなんでも降りる、成功させる。形だけではなくて、何としてでも降りるという粘り強さみたいな練習ができたので、花織ちゃんの強さはそこなのかなと感じました」 ――フィギュアスケート以外ではどんな夏休みでしたか。 「ほとんどスケート漬けだったのですが(笑)、友達と少しだけ、1泊2日で旅行に行きました。あとは誕生日を友達にも家族にも祝ってもらいました」 ――お酒は飲みましたか。 「飲みました。でも想像より弱かったです(笑)」 ――今シーズンのSP(ショートプログラム)について、今の完成度や目指しているものを教えてください。 「インドらしい手の表現が一番難しいところで、本当に小さな角度の違いでインドらしさが薄れてしまいます。そこを今、一つ一つ細かいところを練習していて、ついおとといまでブラッシュアップしてもらっていました。ブラッシュアップも、定期的にしてもらっていますが、完成度としてはまだまだで、半分ぐらいかなというところです。試合も重ねながら、調整していけたらなと思っています」 ――インドの動きを取り入れることにあたって、映画などを参考にされていますか。 「ミーシャ(ミーシャ・ジーさん)が送ってくれたインド舞踊があって、それはクラシックなインド舞踊ではなくてモダンインディアンなのですが、それを参考にしています。最近のインド舞踊をボリウッドと言うのですが、ボリウッドの教室の先生に動きを見てもらったりもしました」 ――FS(フリースケーティング)についてはいかがですか。 「大々的に振り付けが変わった部分もあるので完全に滑り込めるようにしたいと思っています。この半年でかなり滑り込む練習ができてきたかなと思っていて、FSの方が今は自信がある状態です」 ――東京夏季大会では4回転ジャンプの着氷をしましたが、4回転ジャンプについていかがですか。 「ジャンプ単体での練習では確立がものすごく上がっているのですが曲をかけた時の練習で入れるというところを今一番重点を置いて練習しています。このシーズンに入ってからは、その曲の中でいかに確率を上げるかという練習になるかなと思っています」 ――やはり単体で跳ぶのとは体力的に違いますか。 「体力的には、(プログラムの)2本目なのでそんなに疲れているところではないのですが、どうしても気持ちの問題だったり、タイミングの取り方のちょっとしたズレみたいなのが出てきてしまうかなというところです」 ――跳ぶために意識していることはありますか。 「回転のつけ始めが遅くなってしまって、後ろに引っ張られることが多いので、とにかく上半身の動きを早くすることを一番意識しています」 ――今シーズン特に力を入れたい試合はありますか。 「やはり全日本選手権(以下、全日本)かなと思っています。昨年度グランプリシリーズ(以下、GP)は自分なりに頑張れたのですが、全日本で一番悔しい思いをしたので。もちろん、GPで手応えをつかむために成長の試合にはしたいですが、それを一番発揮するのが全日本かなと思っています」 ――昨シーズンGPでは2戦連続で表彰台に立ちましたが、世界で戦うのはどのような感覚なのでしょうか。 「昨シーズン、3位に入ることはできていましたが、どちらも自分のベストな演技、その結果だったわけではないので、自分の持っているものを全て出し切ることができたら、本当にもっと上を狙えると思っています。ベストではない演技で3位だったということはもっと上に行けるし世界で戦えるなと、そういう意味での自信が持てました」 ――具体的には今、何が足りていないと思いますか。 「昨シーズンはずっと、試合になると体が思うように動かなくて、メンタルの部分で結構苦しみましたが、今シーズンはその点がかなり克服されて、試合も自信を持って練習と同じような体の動かし方ができるように改善していけている実感があるので、このままいけたらまた違う結果になるかなと思っています」 ――今シーズンはシーズン開幕前から試合経験が多く結果も出てきていますが、気持ちとしてはいかがですか。 「試合にたくさん出た理由として昨年度の課題、試合の本番になった時に力が出し切れないことを克服するためというのがあったので場数を踏もうと思いました。試合を練習と捉えるのはいいかどうかは分かりませんが、場数を踏むことによって試合での気持ちのコントロールの仕方を練習することができたので、たくさん試合に出て良かったなと思っています」 ――スケートを練習していて嫌になることはありますか。 「今日(練習に)行くのが面倒くさいなとか、疲れたなということはあるのですが、スケート自体が嫌、ということはないです。リンクに行けば結局練習をやり過ぎてしまうくらいです」 ――モチベーションは何ですか。 「何か難しいことにチャレンジする練習みたいなのが一番好きなので、もちろん、できることを淡々とコツコツ練習するのも好きは好きなのですが、スケートは、できないものが絶対になくならないので。ジャンプだけでなくて、スピンもスケーティングも、とできないものが一生あるスポーツだから楽しいのかなと思います」 ――自分の強みは何だと思いますか。 「元々きれいな所作ときれいなスケートが強みだったのですが、そこに今年度はスケーティングの力強さを出せるように佐藤紀子先生にすごく見てもらって、そこを強化しています。一歩が伸びるだけではなくて、力強く伸びるスケートを今年度自分の強みに追加できたら、できそうだなと思っています」 ――何を変えたから力強くなったというのはありますか。 「重心が浮いてしまうと、軽く見えてしまいますが重心を下に下げて氷をしっかりつかんでいるようにするところが、大事な感じです」 ――最後にファンの方にメッセージをお願いします。 「私がずっと思っていることとしては、ファンの人が私の演技を見て、勇気を得たり、頑張ろうと思ってもらいたいです。FSでも最後の最後まで力強く滑るように、頑張っているので、滑りだったり表情だったりから、勇気を持ってもらえたらうれしいなと思います」 ――ありがとうございました。 [新村百華]READ MORE -
(7)シーズン直前インタビュー 江川マリア
フィギュアスケート 2023.09.19長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。(このインタビューは8月27日に行われたものです)第3回は江川マリア(政経2=香椎)のインタビューです。――これまでの練習状況を教えてください。 「オフシーズンの期間は福岡に帰ったりもして、2月あたりは少しだけゆっくりしていました。それでもずっと練習はしていて、新しいプログラムを作ったり、ジャンプの精度を上げたり新しいことをする期間でした」――昨シーズンから成長できた部分はどこですか。 「昨シーズンからジャンプの精度というか、出来栄えをいいものにする練習をしていました。昨シーズンは全てのジャンプをいいものにはまだできていなかった感じがするのですが、今シーズンは自分の中できれいなジャンプというか、すごく自分のものにできているなという感じがするので、そこの辺りが少し成長できたかなと思います」――今シーズンSP(ショートプログラム)とFS(フリースケーティング)両方を変更した理由は何ですか。 「そうですね、シンプルにSPもFSも、昨年度は継続のプログラムだったので、新しいもので滑りたいなというのもあって、どちらも変更しました」――今シーズンのSPについて教えていただけますか。 「SPは『River Flows In You』という、ピアノがメインのしっとりとした曲なのですが、周りの選手で使っているのを見たのもそうですし、すごく私がこの曲が好きで。一番は、自分が好きだなと思う曲でどんな風に自分を表現できるのだろうというのも、すごく興味がありました。それで、先生に相談してみたら『いいんじゃない』と言われたので、この曲にしました」――こだわったところはどこですか。 「SPの曲は鈴木明子さんに振り付けてもらいました。初めてお願いしたのですが、一つ一つのポーズなどにバレエっぽい動きが多いです。手や足を伸ばしたりして表現する動きが多いのですが、少しでも肩が上がっていたり、手がしっかり伸びていなかったりしたら、それが目立ってしまうというか、あらが目立ってしまうような感じなので、丁寧に丁寧に、一つ一つの動きを滑るのを心掛けています」――衣装について教えてください。 「スカートの形が少し変わっていて、切れ端をたくさん繋げた感じのスカートなのですが、滑ったり回ったりする時にすごくきれいに広がってくれるのでそれがお気に入りです。あとは元から柄がついているスカートの生地を選びました。プログラムが水のようなものを意識した感じなので、それが現れるような生地を選んでみました」――FSについて教えていただけますか。 「FSは『O』というプログラムで、鈴木明子さんの代表曲で有名な曲だと思うのですが、これは宮本賢二先生に振り付けしていただきました。今までの自分のいいところも生かしつつ、新しい部分を見せられるようなプログラムになっているかなと思います。まだSP以上にFSは自分の中でモノにできていない感じがするので、これから、もうシーズンまであと1カ月ぐらいしかないですが、それまでにだんだん仕上げていければいいなと思います」――どんなプログラムですか。 「最初しっとりしたところから始まって、だんだん盛り上がっていくようなプログラムなので、全体のつくりは昨年度のプログラムと似ているのですが、曲のジャンルがかなり違います。途中でラテンっぽい感じの曲調が入っていたり、2回ぐらい盛り上がるパートがありますが、1回目がジャンプに入る前ぐらいなので、一番はジャンプに集中してその曲の表現がおろそかにならないように、表現もですし、スピードも両立しながら曲を表現するのが難しいところだなと思います」――新しいプログラムを練習するうえで苦労したことはありますか。 「SPとFSのうちどちらかを変えるというのはこれまで結構あったのですが、どちらも変えるというのはかなり久しぶりだったので、まずはどちらのプログラムにも慣れるというのが大変でした」――現時点での感触はいかがですか。 「昨年度がどのような感じだったかあまり覚えていないので何とも言えないのですが、今のところはすごくいい感じでシーズンに向けて調整できてきているかなと思います」――今のプログラムの完成度はどのくらいですか。 「SPはやはりFSよりも早く振り付けたというのもあって、出来上がりに近い感じになっているかなと思います。FSはまだジャンプがメインになっている部分があって、曲を表現し切れていない感じがあるので、FSを特に頑張らないといけないかなと思います」――今シーズンのご自身の強みは何だと思いますか。 「ここ3回ぐらい大会に出てきて、やはり一つ一つのジャンプの出来栄えなどがかなり評価されているのかなという感じがするので、そこをもっと磨きつつも、ジャンプとジャンプのつなぎなどまだすごく甘い部分がたくさんあるので、そこをもっと詰めていけたらいいなと思います」――今の調子はいかがですか。 「いいと思います。ちょうど東京夏季大会が終わって、そのまま明大の合宿もあったり、かなり滑り込めているというか、夏に今いい感じに形になろうとしてきているので、昨年度以上にプログラムに慣れて自分のものにするだけではなくて、もう一歩レベルアップした形にできるのではないかなという感じがしています」――明大合宿はいかがでしたか。 「今年度はきつかったですね」――昨年度とは違いましたか。 「はい。昨年度よりも人数が少なかったので、いつもは合宿の中で取った貸し切りを男女で分けて滑っているのですが、今回は少なかったので一緒にしようとなって。その分練習時間も倍になったので少しきつかったのですが、曲をかけての練習がたくさんできたので、すごくいい機会でした」――恒例のリレーはいかがでしたか。 「今年度は人数が少な過ぎて、何かドラマがあることもなくすんなり勝って負けてという感じだったので、ちょっと来年に期待かもしれないです(笑)」――夏休みはどのように過ごしましたか。 「振り返ってみたら大会ばかりあった感じがするのですが、大会終わりに京都で観光したり、オフも少し入れながら、練習できたので良かったのかなと思います」――大学に入学して2度目のシーズンですが、学業との両立はできていますか。 「そうですね、少し2年生は気が緩んでいるので、もう少し頑張らないといけないかなと思っています。もちろん学校に行くだけでは駄目なので、後期は前期よりももっと試合も増えてきつくなってくると思うのですが、昨年度の経験を生かしながら要領良くできたらいいなと思っています」――シーズンが本格的に始まるのを目前にして、どんな心境ですか。 「早いなと思います。いくつか試合があったので、その試合に向けてやらなきゃという感じでやってきたら、もう東京選手権まで来てしまったという感じです。あっという間に来たという感じは、昨年度と変わらないですね。でも今はすごくいいコンディションですし、調子もかなりいい状態ではあるので、このままシーズンまでもっとレベルアップできたらいいなという感じです」――今シーズンの目標を教えていただけますか。 「今シーズンはやはり全日本選手権(以下、全日本)に出場して、その全日本の中でベストを尽くすことです。そのためには昨年度と同じことをやってもおそらく目標には届かないので、昨年度よりももっともっと自分の中で成長できるポイントを見つけて、小さいことからでも挑戦していけることが増えたらいいなと思っています」――最後に、応援してくださる方々へのメッセージをお願いします。 「いつも応援ありがとうございます。昨年度は本当に全日本で悔しい思いをしました。東京選手権と東日本選手権は取れましたが、やはり自分の中で全日本が良くなかったというのがすごく悔しかったです。一番いい舞台で一番いい演技ができるように、今年度はもっと成長した姿をお見せできるように頑張りたいなと思っているので、応援よろしくお願いします」――ありがとうございました。 [増田杏](写真は本人提供)READ MORE -
(6)シーズン直前インタビュー 元榮愛子
フィギュアスケート 2023.09.18長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。 (このインタビューは9月14日に行われたものです) 第2回は元榮愛子(商1=目黒日大)のインタビューです。 ――春学期を終えて大学生活はいかがですか。 「最初は大変だったのですが、友達もできて、最近は楽しめているかなという感じです」 ――夏休みはどのように過ごしましたか。 「夏休みはほとんど練習でした」 ――明大の合宿はいかがでしたか。 「合宿ではいつもよりもたくさん曲をかけての練習ができました。今まででこんなに練習したのは久しぶりというくらいたくさん練習できて良かったです」 ――ケガの調子はいかがですか。 「完全に治ってはいませんが、最近はしっかり練習できています。ケガの期間はまた滑りたいなと思いましたし、もう1度試合に出たいなと思っていました」 ――今年度出場した大会を振り返っていかがですか。 「最初の大会(リリーカップカナガワ)はとても緊張してしまってあまりうまくできなかったのですが、2回目(サイニチホールディングス杯)と3回目(関東サマートロフィー)は少し試合に慣れたというのもあって、うまくできたかは分からないのですが、少し落ち着いてできるようになっていて、そこは成長しているかなと思います」 ――大会を終えてから何を意識して練習しましたか。 「夏の大会(関東サマートロフィー)でかなりスピンのレベルを取りこぼしてしまったので、そこを少し練習して、頑張らなければなと思いました。あとは、やはりジャンプが飛べないので、そこをもっと頑張らなければと思いました」 ――今シーズンのプログラムで使用する曲名を教えてください。 「SP(ショートプログラム)は『ピアノ協奏曲第2番』という曲で、FS(フリースケーティング)が『ブラック・スワン』という曲です」 ――選曲理由を教えてください。 「SPは先生が選んでくださいました。FSは長く使っている曲です。これはかなり激しい曲で、やったらうまくできるかなと思い自分で選んだのですが、激しいのが大変で苦労しました」 ――どういった衣装ですか。 「SPは紺色の衣装です。FSは黒で、ブラックスワンをイメージしています」 ――見どころを教えてください。 「SPはゆっくりとした曲なので、あまり今まではやってこなかった優雅な動きができたらいいなと思っています。FSはSPとは違って、力強い感じなのでそこを表現できたらいいなと思います」 ――練習で苦労したところはありますか。 「SPは今まであまり柔らかい曲調の曲をやったことがなかったので、ゆっくりの曲調に合わせて動くのにかなり苦戦しました。FSはやはり体力が持たなくて、すごく疲れるので苦労しました」 ――FSの曲は長く使っているとおっしゃっていましたが、今までと違う部分があれば教えてください。 「ジュニアから使っているのですが、ジュニアの時は(曲が)少し短くて、シニアになると曲が長くなっていて、表現力が増せるように頑張っているので、そこが見せられたらいいなと思います」 ――演技ではどういったところを見てほしいですか。 「スピンが最近あまりうまくなかったのですが、夏に少し練習してうまくなったかもしれないので、そこを見てもらえたらうれしいです」 ――今季のプログラムを練習する中で印象に残っている指導者のアドバイスがあれば教えてください。 「合宿の時に監督には、スピンのレベルを取るための回数などを指導していただきました。自分のコーチには、SPは柔らかく手を使うように言われたり、FSは『本当にやりすぎなくらい力強くやってね』と言われたのが印象に残っています」 ――仕上がりはいかがですか。 「すごく仕上がっている感じでは全然ないです。正直まだあまり仕上がっていない感じです」 ――スピンやジャンプの調子はいかがですか。 「調子もあまり良くはないのですが、もう少し上げていけたらと思っています」 ――シーズン初戦を来週に控えた今の心境を教えてください。 「もう本当にあっという間に来ちゃったな、頑張らなきゃという感じです」 ――今シーズンの目標を教えてください。 「自分ができることをしっかりとやって、試合で自分の力を出せたらいいなと思います」 ――ファンの方へメッセージをお願いします。 「私の演技をもしも見ていただく機会があれば、少しでも心に残れるような演技ができるように頑張りたいと思います」 ――ありがとうございました。 [堀口心遥] (写真は本人提供) READ MORE -
(5)シーズン直前インタビュー 菊地竜生
フィギュアスケート 2023.09.18長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権(以下、インカレ)の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。 (この取材は9月13日に行われたものです) 第1回は菊地竜生(政経1=目黒日大)のインタビューです。 ――大学生活はいかがですか。 「大学に入って勉強などすごく大変な部分もありますが、勉強を通してスケートにも生きているなと思います。気持ちの面で、何事にも真剣に取り組むっていう姿勢がスケートにもすごく通じるなと感じます。また、ユーチューブを姉と一緒にやっているのですが、スケートのことだけではなく、明治大学で学んだ知識なども生かしてさまざまなことを発信していくために頑張っています」 ――大学の授業でどういったところに関心がありますか。 「具体的な内容というよりかは、大学での学び方といいますか、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力などを養って将来に生かしていきたいなと思っています」 ――大学に入って、これまでとは変化したことはありますか。 「リンクを移籍したということがあって全く新しい環境でやっています。最初は慣れなくて、大学も新しいリンクも慣れるのはすごい大変だなというのは感じていたのですが、今5カ月たって慣れてきたのでそこは良かったと思います」 ――大変だったことはありましたか。 「去年の全日本から強化選手を外れてしまい、NTC(競技別強化拠点)が使えないということもあって練習量が減ったりなど大変な部分もありました。でも最近は勉強とも両立しながら神宮外苑スケート場でも一番上のクラスに入れたので、うまくやっていけていると思います」 ――昨シーズンまでを振り返っていかがですか。 「昨シーズンからコーチを変えて、自分の足りない部分、スケーティングスキルなどを磨いてきました。『新しい自分』を表現してそれを試合で発揮できるようにしていきたいと思っています」 ――新しいコーチの方や振付師の方に関してはいかがですか。 「振り付け師の方も今まで1人の方にずっとやっていただいていました。(今シーズンから変更になって)挑戦というか、新しい自分を見せられるように頑張っていきたいなという気持ちがあります」 ――8月には明治大学のチームメイトと合宿がありました。得られたものはありましたか。 「やはり先輩方と一緒に練習することができて、佐藤駿(政経2=埼玉栄)先輩などの滑りを近くで見ていてすごく自分の練習のためになると思いました。自分にすごいプラスになったので、そういったところで今後試合でも結果につながっていけばいいなと思います」 ――どういったところがプラスになりましたか。 「ジャンプもそうなんですけれど、経験や表現力、手や体の使い方が自分に足りないものだと思っていたので、それを間近で見ることができて参考になりました」 ――東京夏季大会のSP(ショートプログラム)では『進撃の巨人』の楽曲に乗せた演技を披露されました。選定理由をお聞かせください。 「元々、『進撃の巨人』というアニメはすごく好きだったというのと、その好きな曲をスケートで表現したいという気持ちがあったので選びました。『進撃の巨人』が好きな方は多いと思うので、そういう意味でもこの演技にしました」 ――具体的にどういった描写をスケートで表現したいと思っていますか。 「巨人に圧倒され支配される悲しさや、それに立ち向かっていく勇気などです。そういった感情の浮き沈みを表現したいと思っています」 ――FS(フリースケーティング)はいかがでしたか。 「FSはSPとはまた違って勢いのある、力強さのある演技を目標にして滑りました」 ――改めて今シーズンのSP、FSでの見どころを教えてください。 「SPは自分の使いたかった、好きなアニメの楽曲を使用します。いろいろな悲しさや怒り、立ち向かう勇気といった感情をしっかり全身で表現していくところが見どころになります。FSはSPとはまた違った味を出して、あふれる疾走感と力強さを表現したいと思っています」 ――間もなくシーズンが本格的に始まります。現在の調子はいかがですか。 「4回転もだいぶ安定してきています。試合で4回転とトリプルアクセルをしっかり着氷できるようしたいです」 ――今シーズンの意気込みをお願いします。 「今シーズンはジュニアでの出場が最後なので、全日本ジュニア選手権で表彰台に登れるように、悔いを残さないように頑張ります」 ――ありがとうございました。 [橋本太陽] (写真は本人提供)READ MORE