
【アメリカンフットボール部】ALL GRIFFINS
1985年。関学大との激闘に敗れて以来、甲子園ボウル出場から遠ざかっている明大アメリカンフットボール部〝グリフィンズ〟。櫻井亮新監督を据えた今季、古豪復活の軌跡を追う。
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春季オープン戦事前インタビュー(後編)/大澤舜主将
アメリカンフットボール 2023.04.20チームをけん引してきた強力なエースが抜けた今シーズン。指導体制を一新し、新生〝ALL GRIFFINS〟で4月23日に開幕する春季オープン戦に挑む。 後編は大澤舜主将(情コミ4=都立三田)のインタビューです。(この取材は4月16日に行われたものです) ――春季オープン戦を1週間後に控えた現在のチーム状況はいかがですか。 「今日の練習を見てもオフェンス、ディフェンス、キッキングともに詰めの甘い部分が見られるので、今のままではいい形で試合を迎えられないと思います。開幕まで残り4、5日程度しか練習できませんが、もっと細かいところまで詰めていかなければいけないなと考えています」 ――昨年度の秋季リーグ戦を振り返っていかがですか。 「結果的には関東3位に終わりましたが、試合内容を振り返ってみるとやはり1位の早大や法大に対しては結構な力量の差を見せつけられたなという感じがあります。一応上位には入りましたが、多分誰一人として満足していなくて、これからもっと細かいところまでこだわっていかないと上には上がれないのかなというふうに思っています」 ――冬の間に意識して取り組んできたことはありますか。 「チームとしてはキッキングに課題がありました。昨年度はオフェンス、ディフェンスの完成度を上げることに時間をかけたため、キッキングの練習にあまり時間を割けていなかったのですが、今年度は多くのコーチの方が来てくれたので、コーチと共にキッキングの完成度を上げることを特に意識してやってきました」 ――今年度のチームの特徴は何ですか。 「先輩後輩関係なく仲良くやれていることは一つの特徴だと思います。それは結構僕の目指すところで、積極的にチームに関与していければ全体としてのレベルも上がっていくし、将来的にも僕たちが抜けた後でもいいチームになるかなと思っているのでそこら辺を心掛けています」 ――プレー面での強みを教えてください。 「昨年度に比べて突出したスター選手はいませんが、その分ディフェンスで言えば、みんなで止めようということだったり、オフェンスだったらみんなで最後までやり切って出そうということができているので、一人一人の力は大きいものではないですが、いい意味でみんな仲良くやれていますし、全員の力が合わさったときは爆発力があるのではないかなと思います」 ――今年度入部の1年生の動きを見ていかがですか。 「実力のある選手が大勢いて、おそらく今年度の春のオープン戦から結構試合に絡んでくる選手が多いと思うので期待しています」 ――特に期待している選手は誰ですか。 「2年生のRB高橋周平(文2=足立学園)です。足も速く、キレキレのカットバックもあって、まだ2年生ですが活躍してもらわないと困るぐらいには思っているので試合で暴れてほしいなと思っています」 ――目指す主将像を教えてください。 「僕はチーム全体とコミュニケーションが取れる主将にはなりたいと思っています。僕自身、そもそもあまり実力で選ばれた主将ではないと思っているので、やはりチーム運営とかにもこだわっていきたいなと考えていて、学年関係なく、プレイヤー・マネジャー・スタッフなどに関係なく、僕自身がいろんな話をして、コミュニケーション取ることでいいチームを作っていけたらなと思います」 ――今年度から櫻井亮新監督(平23商卒)が指揮を執ることになりましたが、〝学生主体〟の活動方針は継続されていくのでしょうか。 「今年度から〝学生主体〟というよりは、〝学生主導〟という形に変わってきていると思います。今年度から明大OBのコーチが多く来てくださっていて、そういった人たちがコミュニケーションを取りながら僕たちの意見を尊重してくれて今のチームが作れているので、完全に僕たち主体という感じではなくて、大人に意見をもらいながら僕たちが作っていくといった感じです」 ――春季オープン戦ではどのような点を意識して臨みますか。 「もちろん全試合で勝つことを目標にしていますが、点差よりも、試合の内容にこだわっていきたいと思います。どんなに点差をつけても相手のミスに助けられていては実力を出せたとは言えないので、もっと試合内容にもこだわって激しい試合にしていきたいと考えています」 ――改めて今年度の目標を教えてください。 「TOP8に所属しているからには学生日本一を目指さないわけにはいかないので、まずは春のオープン戦で細かいところまで詰めて、学生日本一を達成できるように頑張っていきたいと思います」 ――ありがとうございました。 [菅波陸哉] ※写真は明大アメリカンフットボール部提供READ MORE -
春季オープン戦事前インタビュー(前編)/櫻井亮監督
アメリカンフットボール 2023.04.19チームをけん引してきた強力なエースが抜けた今シーズン。指導体制を一新し、新生〝ALL GRIFFINS〟で4月23日に開幕する春季オープン戦に挑む。 前編は櫻井亮監督(平23商卒)のインタビューです。(この取材は4月16日に行われたものです) ――監督就任の経緯を教えてください。 「私は弊部OBとなりますが、岩崎恭之前監督の下、4年次は主務として、卒業後はコーチとして11年間、主に運営面等を間近で学び、対応しながら苦楽を共にしてきました。その中で、岩崎前監督の意向やOBの先輩方と調整していくうちに『悲願の学生日本一、甲子園ボウル優勝を達成できる組織をつくる』ことが必要であると考え、監督を拝命させていただきました」 ――監督就任時の課題というのはどういったものがありましたか。 「ありきたりですが、ここ数年間はコロナ禍での活動ということもあり、学生とコーチ間での意思疎通がうまくいかないことが主な課題でした。LINEが主な連絡手段となっていますが、手軽で便利な一方で、文字だけのためニュアンスが若干変わったり、ボタンの掛け違いがあったりということです。そのため、LINEだけでなく、電話やzoomで顔を見ながら、そして対面でのコミュニケーションを積極的に取る体制作りをしました。私自身も、現役時は野崎和夫元総監督と毎日5時間程度電話でグリフィンズの考え方や心構えを指導していただいていたのでコミュニケーションは必須であると考えています」 ――今季の新しい取り組みというのはありますか。 「今のところ、2点新しい取り組みを行っています。1点目はチームに関わる人間で共通した考え・方針を持つためにチーム理念を設定したこと、2点目は選手の個人能力向上のため、ポジションコーチを増員したことです。特に2点目については、就任時に周囲から外部コーチを招聘(しょうへい)すべきだという意見もありましたが、同期の高橋輝HCと話をし『今一度、Xリーグや社会で活躍していた若手OBに戻ってきてもらい、グリフィンズに還元してもらうのが良いのではないか』ということになり、実際に私たちの後輩8人がコーチとして戻ってきてくれました。引き続き、指導体制強化には力をいれていきたいと思います」 ――コーチを増やしたことによる変化というのは実感できますか。 「能力の向上に関しては個人差がありますが、まずは聞ける・学べる体制を整えられ始めていることがチームにとっては大きいです。コーチ間でも、定期的にミーティングを行い、ポジションごとでの課題共有や今後の対策などを話し合うことで常にベクトルを合わせて活動するよう努めています」 ――先日のオービックシーガルズとの合同練習はいかがでしたか。 「Xリーグの最上位のチームと同じ時間・空間を共にさせていただくことに意味があると思い、設定していただきました。もちろん第一線の選手たちのプレーや能力を吸収することは大切ですが、練習への取り組む姿勢や時間配分、最後までやり切ることなどは、能力うんぬんではなく、学生個々人が今すぐにでも八幡山で意識してできることだと思うのでそういった点から学ばせていただく貴重な機会となりました」 ――監督と選手の年齢が近いですが、意識していることはありますか。 「学生とコミュニケーションを密に取り、学生が考えていること、コーチ陣が考えていることに齟齬(そご)が生じないようチーム運営することを心掛けています。特に、主務の平松大河(情コミ4=日大藤沢)とは毎日頻繁に電話をしており、学生とコミュニケーションは取りやすい体制になっているかなと思います」 ――今年度の注目の選手を教えてください。 「QBの3人になります。昨年度までは、吉田拓郎(令5法卒)がQBとしてオフェンスを率いました。そのため、柏崎倖太(商4=明大中野八王子)、水木亮輔(商2=千葉日大一)、新楽圭冬(商2=都立戸山)の伸びしろがチームの伸びしろだと思うので、切磋琢磨(せっさたくま)して頑張ってほしいなと思います。現状ではどんぐりの背比べなので、これから始まる春季オープン戦の終盤に設定させていただいた早大、立命大との試合を誰に任せられるか、3人で争ってほしいです」 ――昨年度主力の4年生が抜けた穴というのは大きいですか。 「要所の選手が抜けてしまったことは事実ですが、そこはコーチ陣も認識しているため危機感をもって指導してくれていたり、低学年からコンスタントに出場しているRBの廣長晃太郎(商3=箕面自由学園)や高橋周平(文2=足立学園)がチームを鼓舞してくれたりしています。また、WRの山口翔(国際4=箕面自由学園)は、昨年度試合に出場していた4年WRたちも彼に頼っていた部分は大きいですが、最終学年でさらに花を咲かせるため、現状に甘んじず、より高みを目指してくれると期待しています」 ――入ってきた新入生の印象はいかがですか。 「スポーツ推薦で入学してきた選手は、練習にも慣れて活動してくれています。まだ線が細い部分はありますが、秋季リーグ戦には出場してくる選手は多くいると思います」 ――大澤舜主将(情コミ4=都立三田)はいかがですか。 「今年度の4年生は非常に個性豊かで、多様な考えを持っている子たちが多くいます。そのため、一般入部で試合に出ている選手で視野を広く対応してほしいと考え、大澤に主将を依頼しました。ここ数年の大枝弘平(令5政経卒)や村田幹太(令4営卒)などとは、また違ったタイプの主将ですが、主務の平松、副将の今熊力丸(政経4=佼成学園)、山口と共に、日々試行錯誤しながら今年のチームの色を出してくれています」 ――今年度の意気込みをお願いします。 「今年度で創部89年目、来年度90周年を迎えます。諸先輩方が築き上げてきてくださった歴史があって今があることを改めて認識し、グラウンドでグリフィンズのフットボールを体現して一戦一戦大切に臨んでいきます。ご声援のほどよろしくお願い致します」 ――ありがとうございました。 [澤尚希]READ MORE