
【アメリカンフットボール部】ALL GRIFFINS
1985年。関学大との激闘に敗れて以来、甲子園ボウル出場から遠ざかっている明大アメリカンフットボール部〝グリフィンズ〟。櫻井亮新監督を据えた今季、古豪復活の軌跡を追う。
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秋季リーグ戦開幕前インタビュー(後編)/山口翔副将×廣長晃太郎
アメリカンフットボール 2023.09.02勝負の季節がやってきた。昨年度の関東学生1部秋季リーグ戦は3位に終わった明治大学グリフィンズ。今年度は櫻井亮新監督のもと〝ALL GRIFFINS〟を掲げ、甲子園ボウル優勝を狙う。本特集では、チームの核となる6名の注目選手インタビューを前・中・後編にわたってお送りする。 後編はWR#10山口翔副将(国際4=箕面自由学園)、RB#39廣長晃太郎(商3=箕面自由学園)のインタビューです。(この取材は8月29日に行われたものです) ──春期オープン戦を振り返って収穫はありますか。山口 「去年とメンツがガラッと変わったので最初は上手くいかないこともあるかと思ったのですが、下級生がどんどん押し上げてきてくれたのでとても勢いのあるチームになれたと思います」廣長 「チームのことは翔くんが言ってくれたので、個人的にRBも含めて、自分たちは若いのでいろいろ試行錯誤しながら去年からの課題をつぶせたすごくいい春シーズンでした」──去年の秋季リーグを振り返っていかがですか。山口 「一昨年度とあまりメンツが変わっていなかったのでユニット力はすごく高かったです。ですが、早大に負けたり法大に負けたりと詰めの甘さも出てしまったと思うので今年の秋はそういった反省点をなくしていきたいと思います」廣長 「僕は1年生の頃から試合に出させてもらっていて、2年生の秋も出させてもらっていたのですが、その中で少し慢心というか自分の中でちょっと調子乗っていた部分がありました。それもあって、結果もなかなかついてこず、自分のミスで試合を負けさせてしまったりなど結構チームに迷惑をかけることが多かったなというのが率直な感想です。環境は今と全然違うのですが、よく悪くもそこで失敗できたのが今の自分に繋がっているかなと感じているので、そういった部分で自分の成長につながった秋シーズンだったと思います」──夏の間にオフェンス陣で意識して取り組んできたことを教えてください。山口 「どうしてもスポーツは、出ているメンバーだけでいいプレーを出そうとなってしまうと思うのですが、今年はオフェンス全体としても若いメンバーが多いので、試合に出ていないベンチにいるメンバーも含めて結構声を出したりしてチーム一丸となることを意識してきました」廣長 「RBとして言えば、セカンドエフォートといって、タックルされても倒れないというところを心がけてやってきました。そのために、常に一つ一つの動作の中でその後のプラス5ydを駆け抜けたり、1ydでも前にということを心がけながらずっと練習してきたので、秋はそれを出せればいいなと思います」──今年のチームのストロングポイント、見どころを教えてください。山口 「それこそ他大はあまりメンツが変わっていないので、さっきも言ったのですが、その分(明大は)去年とは違って爆発力というか勢いに乗ったら止まらないところは見どころかと思います」廣長 「似通ってしまうのですが、やっぱりフレッシュさはあると思うので、最初からアグレッシブにやっていけるのはいいかなと思います。なので、その部分を前面に出していければ全部いい方向につながっていくと思います」──夏合宿について感想や印象に残っていることをお願いします。山口 「4年目で初めて行ったのですが、すごい大変そうだなと(思っていました)。実際大変で、携帯の自由時間もあまりなくほとんどずっとアメフトしていてしんどかったのですが、隙間時間にみんなで卓球したりなど普段は長い時間一緒にいることがない通いの子も含めて長い時間みんなと一緒にいたので、絆が深まりました。各ポジションでも最後に写真撮影したりしていてすごい仲良くなっているなと思いました。オフェンスディフェンス関係なく信頼関係もプレーで大事なので、そういう面に関しては他では収穫できない良い経験になったのかなと思います」廣長 「個人的にはめちゃくちゃしんどかったかなというのがあって、ずっと詰め詰めで、午前も午後も練習漬けで、夜はミーティングして、終わって寝たらもう朝練習が始まってみたいな生活でした。僕は結構影響力のある人間なので、1年生に距離を置かれていると感じる部分も多々あったのですが、同じ部屋に1年生がいたりしてコミュニケーションをとる機会が多かったので、だいぶ距離は縮められたかなと思います。すごくタイトでしんどい期間ではあったのですが、横もそうですけど、縦のつながりもだいぶ結束が強くなったのでとても有意義な夏合宿になりました」──現在のチームの雰囲気を教えてください。山口 「良くも悪くも上下関係が全然厳しくないので、どの学年でも自分から発信する子がいっぱいいていろいろな角度から声が上がってとても柔軟な感じです」廣長 「若いチームで試合経験が少ないのはありますが、その分すごく挑戦しようという姿勢は今ある雰囲気かなと思います。まだ試合が始まっていないのでミスしてもいいし、今出られるチャンスがあれば、すぐにみんなが向かっていくのがすごく見られるので泥臭さが出てきたと感じます」──副将として意識していることを教えてください。山口 「僕個人としては一喜一憂しないことですね。常に誰がどれだけいいプレーをしてもどれだけ悪いプレーをしても、何が起こったとしても、感情に波を出さないことです。副将とオフェンスリーダーをやっているので僕がぶれたらあかんかなと。みんなが喜んでいる時も僕はあくまでも一定で感情を出さないようにしています」──オフェンスのキーマンを教えてください。山口 「もちろん廣長です。高校が一緒なのですが、ここ落としたら負けるという場面やここでとっておかないと後々きついという場面で点に繋げてくれるプレーをしてくれるのが彼なのでそこはすごく信頼しています。あとはQB#15新楽圭冬(商2=都立戸山)です。今年から正QBになったのですが、QBでチームが変わってしまうので、 これからも成長すると思いますが、2年生ながらも司令塔としてのポジションをきちんとできているのかなと思います」──廣長選手が何か意識していることはありますか。廣長 「先ほども言ったのですが、自分は影響力があると思うのでチャンスがあれば常にビッグプレーを取りにいくことを心がけています。自分のプレーでチームの雰囲気や盛り上がりが変わってくると思うので、 そういう部分を意識しているのと、あとは常に勝ちにだけこだわってやっています。いくらタッチダウンを取ったとしても、最後に笛が鳴った時に相手のタッチダウン数が多かったらそっちの方が勝ちなのでそこまで気を抜かないことと、自分ができていてオッケーじゃなくてチーム全体としてできていないとだめっていう空気や基準を作ることに関しては影響力があると思うので、一応気にしながらやっています」──お二人は高校の先輩後輩の間柄ですよね。山口 「僕たちは小学校からアメフトをやっていて、別のチームでしたが一緒のリーグでやって、お父さん同士も知り合いでしたし、顔見知りでした。高校で一緒になって、一時期一緒のポジションにいたりとか、高校3年生の頃は僕がQBをやっていて廣長がRBでプレーしていました」廣長 「ミーティング中も練習中もずっと横にいましたね」山口 「みんなの前で話さないといけないときも、考えるのが苦手だったので廣長に考えてもらっていました(笑)」──ずっと仲がいいのですね。廣長 「言い争う時もあります。フットボールでお互いいろいろ考えることがすれ違ったりで言い合うこともあるのですが、結局どっちも勝ちたい気持ちは一緒でそこに向かって必死にやっているみたいな感じですね」 ──最後に秋の目標を教えてください。山口 「日本一ですね。うちは学生主体ってうたわせてもらっていますが、どんなスポーツにしろ強いと言われるところはすごい名将がいるとか指揮官がしっかりしているとかあると思うのですが、僕の中では強いところが勝つのではなくて、勝つやつが強いと思っていて、結局勝てば問題ないと思うので勝つことです」廣長 「個人としては、日本一のユニットの中で自分がちゃんと活躍することが目標です。その中で数値的な目標は、この関東学生アメリカンフットボール連盟の中でリーディングラッシャーになって1番走っている選手になりたいです。来年のことを考えてもそこでなっていかないといけないのかなと思うので、そういう記録的な部分で明大のRBが1位になれてそこでちゃんとチームが勝っている状況になればそれが僕の1番の理想であり目標です」──ありがとうございました。[加藤菜々香]READ MORE -
秋季リーグ戦開幕前インタビュー(中編)/今熊力丸副将×山下遼太
アメリカンフットボール 2023.09.01勝負の季節がやってきた。昨年度の関東学生1部秋季リーグ戦は3位に終わった明治大学グリフィンズ。今年度は櫻井亮新監督のもと〝ALL GRIFFINS〟を掲げ、甲子園ボウル優勝を狙う。本特集では、チームの核となる6名の注目選手インタビューを前・中・後編にわたってお送りする。 中編はDL#99今熊力丸副将(政経4=佼成学園)、DL#91山下遼太(文3=関西大倉)のインタビューです。(この取材は8月29日に行われたものです) ――春季オープン戦を振り返っていかがですか。今熊 「秋の日本一という目標に向けて、課題であったり収穫であったりと色々な部分が見えたオープン戦になったかなと思います。(収穫とは)今まで試合で満足に見れていなかった選手も試合に出られて、どれくらいできるのかを見ることができたという点は秋に向けて大きかったと思います」山下 「個人としては前半の試合はあまり良くなかったのですが、後半になるにつれて自分のプレースタイルを見いだすことができたり、秋に向けてしたい動きを確認したりできたと思います。チームとして見ると、自分はまだ3年生なのですが、後輩や同期が結構活躍してきてチーム内で競争ができていると思います」 ――昨年度の秋季リーグ戦を振り返っていかがですか。今熊 「去年は初戦の日大戦で負けてしまって流れに乗れない部分があったので、今年は、もちろん全試合大事ですが特に初戦にかける思いというものはありますし、3年までと大学最後となる今年ではまた違った心持ちがあります」山下 「去年の秋はまだ2年生ということもあって、結構がむしゃらにやっていて頭をクリーンにできていませんでした。今年はその点を反省して秋に向けて準備してきたのでそこを頑張るということと、昨年度1位の早大と2位の法大にあと一歩のところで勝てなかったので、今年は絶対に負けないというパッションを持って頑張りたいと思います」 ――今年度に入りチームとして、個人として意識して取り組んできたことはありますか。今熊 「去年と比べて一番違うことはコーチがいることで、戦術をはじめメンタル面などでも支えていただいたりと刺激を受ける部分が多く、成長できていると思います」山下 「自分は器用貧乏な部分があり突出した能力がないのですが、突出した能力を出すよりも、何でもオールマイティーにできるほうがいいと思ったので、そこをコーチと相談しながら、日々少しずつ吸収して取り組んでこられているかなと思います」 ――夏合宿を終えていかがですか。山下 「夏を通して本当に朝から晩までフットボールのことしか考えないという時間があったので、自分のことを見つめ直す時間もありましたし、コーチの声に響かされて僕らはもっとやらなければいけない、僕らはもっとできるということに気づくことのできた夏合宿になったと思います」 ――今年度のディフェンス陣のキーマンは誰ですか。今熊 「1人挙げるとしたらDL#90森洸介(法3=佼成学園)かなと思います。個人的に付き合いが長いですし、ポジション的にも隣で、今年のフォーメーション的に彼の働きが重要になってくるので期待しています」 ――昨年度に比べて今年度のチームの特徴を教えてください。今熊 「人が違うので雰囲気の違いはありますが、根本的な部分は変わっていないと思います。副将としてもディフェンスリーダーとしてもやはり自分がもっと前に出て引っ張っていかなければいけないなと思います」山下 「雰囲気はとてもいいと思います。どう改善すればいいのかをロジカルに考えることができて、4年生のみなさんも人がいいので大好きで、後輩の僕たちもこの人たちのために頑張ろうと自然に思えるのでそういった意味でもとても雰囲気はいいと思います」 ――副将としてチームを率いるうえで意識していることはありますか。今熊 「僕たち4年生が中心にやらなければいけないのはもちろんですが、プラスで1、2、3年生も一緒になってチームを作っていければとは思っているので、チーム全員で日本一に向かっていけるように、自分は声掛けであったり準備であったりということを意識しています」 ――今熊選手の印象を教えてください。山下 「こんなにアメフトに詳しくてこんなにアメフトが好きな人はいないですし、この人が言ったことは絶対正しいと思えるくらいとても信頼出来て、とても頼りになる先輩です」 ――ディフェンス陣で掲げている目標はありますか。今熊 「〝For The Team〟という言葉をディフェンス陣では掲げています。アメフトはオフェンス・ディフェンスだったり、ポジションだったり、ユニットだったりとチーム内でも色々分かれることが多いですが、ビックプレーも地味なプレーもすべてはチームのためにという意識を持とうという思いからこの言葉をディフェンス陣の目標に掲げています」 ――秋季リーグ戦のターニングポイントはどの試合になりますか。今熊 「正直、全部大事というのが本音ですが、特に昨年度敗れた早大、法大に対しては個人的に3年間の秋季リーグ戦で勝利したことがないので、最後は勝って終わりたいと思っています」 ――秋季リーグ戦開幕を直前に控えた今チームの雰囲気を教えてください。山下 「3年生はもちろんですが、最近はすごい1、2年生もとても頑張っているなと思います。プレー以外でも雰囲気作りであったりですとか、自分にしかできないこと探したりしていて、下からも突き上げて頑張っているという感じなので、このまま一体感をもっていければもっといいチームになるのではないかと思います」 ――最後に秋季リーグ戦への意気込みをお願いします。今熊 「日本一になるだけですね。自分が今までやってきたことを全て出し切って、両親やコーチなどお世話になった多くの方々に恩返しできるように頑張りたいと思っています」山下 「今3年でもうそろそろ結果を出したいなと思っているので、ビックプレーを出して、あとは今熊さんと一緒にプレーできる最後の機会なので、今熊さんに100点だと褒めてもらえるように(笑)頑張りたいと思います」 ――ありがとうございました。 [菅波陸哉]READ MORE -
秋季リーグ戦開幕前インタビュー(前編)/大澤舜主将×新楽圭冬
アメリカンフットボール 2023.08.31勝負の季節がやってきた。昨年度の関東学生1部秋季リーグ戦は3位に終わった明治大学グリフィンズ。今年度は櫻井亮新監督のもと〝ALL GRIFFINS〟を掲げ、甲子園ボウル優勝を狙う。本特集では、チームの核となる6名の注目選手インタビューを前・中・後編にわたってお送りする。 前編はDB#2大澤舜主将(情コミ4=都立三田)、QB#15新楽圭冬(商2=都立戸山)のインタビューです。(この取材は8月29日に行われたものです) ――春季の振り返りをお願いします。大澤 「個人としては春季を通してインターセプトを1本だけ、結構チャンスがあった中で1つしか取れませんでした。最近DBの中でも「もう少しボールをこだわっていこう」というのを言っているので、個人としては足りなかったなと思います。あとはタックルの精度も夏の間でコーチたちといろいろ取り組んできたので、秋はいい形で迎えたいです」新楽 「2年生が主体となって試合に出られたのが良かったです。個人としても、春シーズンを通して1本目で出場して、精神的にも成長できたと思います」 ――夏の練習はいかがでしたか。大澤 「8月の頭には合宿に行くことができて、4年目にして初めての合宿だったのですが、1日をアメフトに注ぎ込むという生活を5、6日間やって、学年やポジションの垣根を超えた信頼関係が構築できたと思いますし、オフェンス、ディフェンス共に夏合宿を通して雰囲気やプレーの面で成長できたと思います」新楽 「大学に入って初めての合宿でしたし、コーチがいる夏が初めてでした。QBは特にコーチが厳しくやってくれて、練習後もトレーニングしたり練習のちょっとした隙間にも追い込んでくれて、そこは自分たちだけではできなかったものだったと思うので、夏をより濃いものにできて、特に精神的に成長できたと思います」 ――QBコーチからはどのようなことを教わったのですか。新楽 「技術的な部分、プレー中の視野であったり、体の使い方を覚えるトレーニングを豊富に教えてくれます。今までは球を手だけで投げている感覚がありましたが、全身を使ったトレーニングをやったことで、少しの力だけで強い球を投げられるようになりました」 ――お互いの印象はいかがですか。大澤 「2年生が主将のサポート役に就くのですが、それを新楽もやってくれています。詰めが甘いところはあるけど(笑)。ちょっと気を抜いている時とかは僕が口酸っぱく言うようにしています」新楽 「いやまあ、愛のムチだと思っています(笑)」 ――プレーの面ではいかがですか。大澤 「新楽が1年生の頃は、逃げるのが上手いQBという印象が強く、正直パスの脅威はそれほどありませんでした。でも2年目になってコーチからの教えや、他QBとの拮抗(きっこう)した1本目争いというところに感化され、パスの精度も上がってきて、今年は積極的に奥へ投げるようになりました。かつ、1年目からの走って逃げるというところを武器にしているので、やりづらさを感じるQBかなと思います」新楽 「大澤さんはパスカバーが上手く、ボールに対する執着心を感じます。空いていると思って投げたら、素早く入ってきてインターセプトされてしまいます。あとは、同じ一般入試で入ってきてキャプテンにまでなったというところは見習っていきたいです」 ――お二人とも一般入試で入学し、グリフィンズに入部しようと思ったのはなぜですか。大澤 「7個上の兄が明大でプレーしていて、試合をよく見に行っていて、やりたいなと思っていたからです」新楽 「僕は全く大学でアメフトを続けるつもりなかったのですが、高校時代マネジャーをやっていた岡田京香(政経2=都立戸山)に誘われて、体験会に行ったらめちゃくちゃ雰囲気が良く、このチームなら楽しいかもと思って入りました」 ――今年のディフェンスのキーマンは誰ですか。大澤 「ディフェンスは、DL#99今熊力丸(政経4=佼成学園)とかは有名で実力者ですけど、あとは飛び抜けた才能はいないのかなと。だからこそ笛が鳴るまでやりきって、個人に頼らずにチーム全員で止めるというところを秋のシーズンで見せたいです」新楽 「DLだったら圧倒的に今熊さんです。ランも完全に止められてしまうし、パスの時も隙間から入ってきてサックされてしまいます。あとはLB#6深尾徹(政経3=啓明学院)さん。パスカバーがうまいのはもちろん、ランへの反応の速さが異常すぎて相手にいたら嫌だと思います。DBには大澤さんがいるので、それぞれのポジションに脅威となる選手がいるのがディフェンスの強みかなと思います」 ――オフェンスに関してはどうですか。新楽 「若い選手が多く、特にRB#39廣長晃太郎(商3=箕面自由学園)さんと#21高橋周平(文2=足立学園)のランは見応えがあります。あと今年は体感的に、パスをより多く投げようとしていて、そこは僕とか#13水木亮輔(商2=千葉日大一)のQBとしての技量が試されるところかなと思います。パスユニットの中心はWR#10山口翔(国際4=箕面自由学園)さんで、キャッチが上手いのはもちろん、捕球後のコース取りは見ていてわくわくするし、本当に最後にボールを託せるような存在かなと思います」 ――やはり山口選手には1番ボールを投げやすいですか。新楽 「投げやすいです。他にも、WR#19後藤航太郎(政経1=南山)は好きなタイプのレシーバーです。体が大きいのと、少しずれても手を伸ばしてキャッチしてくれるので投げやすいですね」 ――大澤選手が練習で対戦していて強いと感じるオフェンス選手は誰ですか。大澤 「1人あげるなら、TE#89金子航大(政経2=千葉日大一)です。身長が高いのでボールの競り合いが強いです。加えて、彼の1番の武器はブロックなのですが、体が大きいし手が長く、つかむ力も強いので当たるとどうしようもできないなと感じます」 ――秋季リーグ戦で1番大事になってくるのはどの試合ですか。大澤 「昨年度の初戦、東京ドームでの日大戦が、本当に自分のミスで負けたような悔しい試合でした。今年度開幕戦で当たる東大も、できれば初戦で当たりたくなかった相手で、なにをしてくるかわからないのが1番怖いところですが、初戦を大切に勝ちにいきたいと思います」新楽 「初戦ももちろん大事ですし、それ以外だと2戦目、東京ドームでの試合も大事だと思います。相手の立大が4年生に主力を揃えていて強いというのもあるし、なにより東京ドームという普段やれない舞台で勝利を収めることができたということがチームにとって大きな意味を持つのではないかなと思います」 ――最後に秋季リーグ戦への意気込みをお願いします。大澤 「昨年度の悔しさを胸にこれまで練習してきたので、今年度こそは悲願の日本一を達成します。応援のほどよろしくお願いします。」新楽 「春季の自分はランが目立っていてパスの精度は低かったので、パス精度の高い秋季にしたいです。また、TOP8の他QBは名が知れている人たちばかりですが、僕や水木はそうではないので、今年の秋で存在感を残せるよう頑張りたいです」 ――ありがとうございました。 [澤尚希]READ MORE -
春季オープン戦事前インタビュー(後編)/大澤舜主将
アメリカンフットボール 2023.04.20チームをけん引してきた強力なエースが抜けた今シーズン。指導体制を一新し、新生〝ALL GRIFFINS〟で4月23日に開幕する春季オープン戦に挑む。 後編は大澤舜主将(情コミ4=都立三田)のインタビューです。(この取材は4月16日に行われたものです) ――春季オープン戦を1週間後に控えた現在のチーム状況はいかがですか。 「今日の練習を見てもオフェンス、ディフェンス、キッキングともに詰めの甘い部分が見られるので、今のままではいい形で試合を迎えられないと思います。開幕まで残り4、5日程度しか練習できませんが、もっと細かいところまで詰めていかなければいけないなと考えています」 ――昨年度の秋季リーグ戦を振り返っていかがですか。 「結果的には関東3位に終わりましたが、試合内容を振り返ってみるとやはり1位の早大や法大に対しては結構な力量の差を見せつけられたなという感じがあります。一応上位には入りましたが、多分誰一人として満足していなくて、これからもっと細かいところまでこだわっていかないと上には上がれないのかなというふうに思っています」 ――冬の間に意識して取り組んできたことはありますか。 「チームとしてはキッキングに課題がありました。昨年度はオフェンス、ディフェンスの完成度を上げることに時間をかけたため、キッキングの練習にあまり時間を割けていなかったのですが、今年度は多くのコーチの方が来てくれたので、コーチと共にキッキングの完成度を上げることを特に意識してやってきました」 ――今年度のチームの特徴は何ですか。 「先輩後輩関係なく仲良くやれていることは一つの特徴だと思います。それは結構僕の目指すところで、積極的にチームに関与していければ全体としてのレベルも上がっていくし、将来的にも僕たちが抜けた後でもいいチームになるかなと思っているのでそこら辺を心掛けています」 ――プレー面での強みを教えてください。 「昨年度に比べて突出したスター選手はいませんが、その分ディフェンスで言えば、みんなで止めようということだったり、オフェンスだったらみんなで最後までやり切って出そうということができているので、一人一人の力は大きいものではないですが、いい意味でみんな仲良くやれていますし、全員の力が合わさったときは爆発力があるのではないかなと思います」 ――今年度入部の1年生の動きを見ていかがですか。 「実力のある選手が大勢いて、おそらく今年度の春のオープン戦から結構試合に絡んでくる選手が多いと思うので期待しています」 ――特に期待している選手は誰ですか。 「2年生のRB高橋周平(文2=足立学園)です。足も速く、キレキレのカットバックもあって、まだ2年生ですが活躍してもらわないと困るぐらいには思っているので試合で暴れてほしいなと思っています」 ――目指す主将像を教えてください。 「僕はチーム全体とコミュニケーションが取れる主将にはなりたいと思っています。僕自身、そもそもあまり実力で選ばれた主将ではないと思っているので、やはりチーム運営とかにもこだわっていきたいなと考えていて、学年関係なく、プレイヤー・マネジャー・スタッフなどに関係なく、僕自身がいろんな話をして、コミュニケーション取ることでいいチームを作っていけたらなと思います」 ――今年度から櫻井亮新監督(平23商卒)が指揮を執ることになりましたが、〝学生主体〟の活動方針は継続されていくのでしょうか。 「今年度から〝学生主体〟というよりは、〝学生主導〟という形に変わってきていると思います。今年度から明大OBのコーチが多く来てくださっていて、そういった人たちがコミュニケーションを取りながら僕たちの意見を尊重してくれて今のチームが作れているので、完全に僕たち主体という感じではなくて、大人に意見をもらいながら僕たちが作っていくといった感じです」 ――春季オープン戦ではどのような点を意識して臨みますか。 「もちろん全試合で勝つことを目標にしていますが、点差よりも、試合の内容にこだわっていきたいと思います。どんなに点差をつけても相手のミスに助けられていては実力を出せたとは言えないので、もっと試合内容にもこだわって激しい試合にしていきたいと考えています」 ――改めて今年度の目標を教えてください。 「TOP8に所属しているからには学生日本一を目指さないわけにはいかないので、まずは春のオープン戦で細かいところまで詰めて、学生日本一を達成できるように頑張っていきたいと思います」 ――ありがとうございました。 [菅波陸哉] ※写真は明大アメリカンフットボール部提供READ MORE -
春季オープン戦事前インタビュー(前編)/櫻井亮監督
アメリカンフットボール 2023.04.19チームをけん引してきた強力なエースが抜けた今シーズン。指導体制を一新し、新生〝ALL GRIFFINS〟で4月23日に開幕する春季オープン戦に挑む。 前編は櫻井亮監督(平23商卒)のインタビューです。(この取材は4月16日に行われたものです) ――監督就任の経緯を教えてください。 「私は弊部OBとなりますが、岩崎恭之前監督の下、4年次は主務として、卒業後はコーチとして11年間、主に運営面等を間近で学び、対応しながら苦楽を共にしてきました。その中で、岩崎前監督の意向やOBの先輩方と調整していくうちに『悲願の学生日本一、甲子園ボウル優勝を達成できる組織をつくる』ことが必要であると考え、監督を拝命させていただきました」 ――監督就任時の課題というのはどういったものがありましたか。 「ありきたりですが、ここ数年間はコロナ禍での活動ということもあり、学生とコーチ間での意思疎通がうまくいかないことが主な課題でした。LINEが主な連絡手段となっていますが、手軽で便利な一方で、文字だけのためニュアンスが若干変わったり、ボタンの掛け違いがあったりということです。そのため、LINEだけでなく、電話やzoomで顔を見ながら、そして対面でのコミュニケーションを積極的に取る体制作りをしました。私自身も、現役時は野崎和夫元総監督と毎日5時間程度電話でグリフィンズの考え方や心構えを指導していただいていたのでコミュニケーションは必須であると考えています」 ――今季の新しい取り組みというのはありますか。 「今のところ、2点新しい取り組みを行っています。1点目はチームに関わる人間で共通した考え・方針を持つためにチーム理念を設定したこと、2点目は選手の個人能力向上のため、ポジションコーチを増員したことです。特に2点目については、就任時に周囲から外部コーチを招聘(しょうへい)すべきだという意見もありましたが、同期の高橋輝HCと話をし『今一度、Xリーグや社会で活躍していた若手OBに戻ってきてもらい、グリフィンズに還元してもらうのが良いのではないか』ということになり、実際に私たちの後輩8人がコーチとして戻ってきてくれました。引き続き、指導体制強化には力をいれていきたいと思います」 ――コーチを増やしたことによる変化というのは実感できますか。 「能力の向上に関しては個人差がありますが、まずは聞ける・学べる体制を整えられ始めていることがチームにとっては大きいです。コーチ間でも、定期的にミーティングを行い、ポジションごとでの課題共有や今後の対策などを話し合うことで常にベクトルを合わせて活動するよう努めています」 ――先日のオービックシーガルズとの合同練習はいかがでしたか。 「Xリーグの最上位のチームと同じ時間・空間を共にさせていただくことに意味があると思い、設定していただきました。もちろん第一線の選手たちのプレーや能力を吸収することは大切ですが、練習への取り組む姿勢や時間配分、最後までやり切ることなどは、能力うんぬんではなく、学生個々人が今すぐにでも八幡山で意識してできることだと思うのでそういった点から学ばせていただく貴重な機会となりました」 ――監督と選手の年齢が近いですが、意識していることはありますか。 「学生とコミュニケーションを密に取り、学生が考えていること、コーチ陣が考えていることに齟齬(そご)が生じないようチーム運営することを心掛けています。特に、主務の平松大河(情コミ4=日大藤沢)とは毎日頻繁に電話をしており、学生とコミュニケーションは取りやすい体制になっているかなと思います」 ――今年度の注目の選手を教えてください。 「QBの3人になります。昨年度までは、吉田拓郎(令5法卒)がQBとしてオフェンスを率いました。そのため、柏崎倖太(商4=明大中野八王子)、水木亮輔(商2=千葉日大一)、新楽圭冬(商2=都立戸山)の伸びしろがチームの伸びしろだと思うので、切磋琢磨(せっさたくま)して頑張ってほしいなと思います。現状ではどんぐりの背比べなので、これから始まる春季オープン戦の終盤に設定させていただいた早大、立命大との試合を誰に任せられるか、3人で争ってほしいです」 ――昨年度主力の4年生が抜けた穴というのは大きいですか。 「要所の選手が抜けてしまったことは事実ですが、そこはコーチ陣も認識しているため危機感をもって指導してくれていたり、低学年からコンスタントに出場しているRBの廣長晃太郎(商3=箕面自由学園)や高橋周平(文2=足立学園)がチームを鼓舞してくれたりしています。また、WRの山口翔(国際4=箕面自由学園)は、昨年度試合に出場していた4年WRたちも彼に頼っていた部分は大きいですが、最終学年でさらに花を咲かせるため、現状に甘んじず、より高みを目指してくれると期待しています」 ――入ってきた新入生の印象はいかがですか。 「スポーツ推薦で入学してきた選手は、練習にも慣れて活動してくれています。まだ線が細い部分はありますが、秋季リーグ戦には出場してくる選手は多くいると思います」 ――大澤舜主将(情コミ4=都立三田)はいかがですか。 「今年度の4年生は非常に個性豊かで、多様な考えを持っている子たちが多くいます。そのため、一般入部で試合に出ている選手で視野を広く対応してほしいと考え、大澤に主将を依頼しました。ここ数年の大枝弘平(令5政経卒)や村田幹太(令4営卒)などとは、また違ったタイプの主将ですが、主務の平松、副将の今熊力丸(政経4=佼成学園)、山口と共に、日々試行錯誤しながら今年のチームの色を出してくれています」 ――今年度の意気込みをお願いします。 「今年度で創部89年目、来年度90周年を迎えます。諸先輩方が築き上げてきてくださった歴史があって今があることを改めて認識し、グラウンドでグリフィンズのフットボールを体現して一戦一戦大切に臨んでいきます。ご声援のほどよろしくお願い致します」 ――ありがとうございました。 [澤尚希]READ MORE