
【ラグビー部】ONE MEIJI
「日本一の集団を作る」(廣瀬雄也主将・商4=東福岡)。今年度、創部100周年を迎える明大ラグビー部。その大きな節目の年に、もう一度強い明治を体現し5年ぶりの王座を奪還すべく、掲げたスローガンは『ONE MEIJI』。選手、スタッフ、ファン全員が一つのチーム〝MEIJI〟となり日本一を目指す。本企画では廣瀬組の日本一までの軌跡を追っていく。
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(7)「日本一になるにふさわしい組織をつくっていきたい」不京大也 新体制インタビュー
ラグビー 2023.04.07昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。 第7回は、不京大也(営4=明大中野八王子)主務のインタビューをお送りします。(この取材は3月22日に行われたものです) ――主務とはどのような役割ですか。 「全体的には監督の下についてチームの運営の部分を主導して、チームのマネジメントを行うというような形です。例えば、ヘッドコーチや監督とスケジュールを作ったり、メディカルの方やSCの方など、チーム内ではいろいろな専門の方たちの間に入ってその調整役を執り行うといったことをやっています。チーム外では協会関係だったりホテル関係だったり、遠征のスケジュール関係だったりそういった部外の人との連絡をしたりするのも主務の仕事です」 ――入部のきっかけを教えてください。 「元々選手をやっていて大学でも選手を続ける予定だったのですが、セレクションで落ちてしまって、サークルにはいるか他競技の体育会に入るかいろいろ迷っていました。ですが当時の監督からレフェリーをやらないかと誘っていただいて、それでも少しは迷っていましたが、高い目標、すごい舞台を目指して頑張りたいという思いと付属出身で明治大学ラグビー部への憧れもあったので、最終的には日本一を目指す組織に入って自分を高めたいという思いで入部を決めました。1、2年生の時には大変なこともかなりあって、他の選択肢を選んでいたらどうなっていたのだろうと思うことも少しはありましたが日本代表やプロの世界の最前線で活躍してきた方々の側で仕事をする、日本一を目指す組織の中でいろいろな仕事をさせてもらうというなかなかできない貴重な経験をさせてもらっていますし、やりがいを感じる日々を過ごしています」 ――試合にはどのような意識で臨んでいますか。 「本当に責任のあるポジションだと思っているので、もしかしたら試合前は選手以上に緊張しているかもしれないです(笑)選手ももちろん緊張していると思いますが、それと同じようにしっかりと準備して緊張感を持ってやっていますね」 ――これまでで印象に残っている試合はありますか。 「一番は一昨年の帝京との(全国)大学選手権の決勝です。自分は2年からコーチだったのでグラウンドに立ち、国立競技場でウォーターボーイとして入らせてもらって、自分が選手のままだったら絶対立てなかった場所だなとその時はすごく思いました。日本一が目の前の試合で、結果は負けてしまいましたが、スクラムだったりラインアウトだったり、FWコーチなのでそのようなところで負けてしまったことは来年に生かそう、次に向けて頑張ろうという思いと悔しさも含めていろいろな感情が混ざり合った試合でした。あとは去年の(選手権の)早稲田戦ですね。本当に悔しくて、なんで負けてしまったんだろうとあの時は全然気持ちの整理がつかなかったです。ペナルティーが2つ連続したりだとかPGを2つ取られてその点差で負けたみたいなところもありますが、そういったところで責任を感じた試合でもありました」 ――主務として意識していきたいことはどのようなことですか。 「一番は日本一を目指す環境をつくるということです。準備をいいかげんにやっているチームや細かいところにこだわれないチームは絶対に日本一になれないと思うので。そのようなところを主務として先導しながら、日本一を目指す組織として体現していきたいと思いますし、少し抽象的ですが組織として日本一を目指すというところをやっていきたいなと思います」 ――4年生はどのような学年ですか。 「一番に思うのは全員がリーダーシップを持った学年だなということです。本当にどんな場面でも誰でも全体に対して声を掛けられることができて引っ張れる人間がいるなと思っていて、あとはすごく仲がいいですね。自分も1、2年の頃は一人暮らしをしていたのですが、3年から寮に入って、一緒に寮生活をするようになり、すごく仲がいい学年だなと思いますね。学年会の雰囲気だったりとか一緒にご飯を食べていても思う事ですし、一緒にいて安心するのでそれが下級生にも伝染していって、いいチームになればいいなと思います」 ――今年度脅威になるチームなどはありますか。 「チームとしてはやっぱり帝京ですよね。去年もボコボコにスクラムで負けていますし、今年もそのメンバーも残っていますし、そういった部分で今年も春からフィジカルの部分を強化しています。例年はスクラムをこの時期は試合形式でばんばん(スクラムを)組んだりはしなかったのですが、今年は何本も組んでいますし、そのような部分で少し帝京を意識しながらこのシーズン過ごしています。そういった意味で春の帝京戦がまず一番の大きな一戦になると思いますね。5月の初旬くらいからシーズンが始まって、6月の末くらいまでの2カ月間、毎週試合があってしんどいシーズンが続くと思いますが、その期間は本当に気が抜けない1日が続きますし、この春シーズンはケガ人が出てきたりだとかU―20がいなかったりなどで誰かがいないとかいう事態もあると思うので、チーム力がかなり試される期間なのかなとは思います」 ――今年度の目標を教えてください。 「チームとしては日本一です。今年は100周年でもあり、あまりそこは意識せざるとも意識してしまう部分だと思うので(笑)でも100周年というのは関係なく、4年間としての集大成で、今までの悔しい気持ちもありますし、今年は絶対に日本一を取りたいなと思っています。個人としては日本一に導きたいっていうのが一番大きいですかね。日本一になるためには自分は主務としてもそうですし、FWコーチもやっていますし、レフェリーもやっていますし、責任重大なポジションだなとは思っています。日本一になる組織というのを常に意識しながら、自分の中で日本一になるにふさわしいと思う組織をつくっていきたいです」 ――ありがとうございました。 [廣末直希] ◆不京 大也(ふきょう・だいや)営4、明大中野八王子高レフェリーとしての顔も持つ不京主務。リーグワンの入替戦担当を務めることも。「ゆくゆくはリーグワン、そしてレフェリーとしてワールドカップに立つという夢をかなえるために一つでも上のカテゴリーに絡んでいけるように頑張りたい」とのこと。READ MORE -
(6)「FWだけでも点が取れるようなチームに」為房慶次朗 新体制インタビュー
ラグビー 2023.04.06昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。 第6回は為房慶次朗(文4=常翔学園)選手のインタビューをお送りします。(この取材は3月18日に行われたものです) ――昨年度を振り返っていかがですか。 「やはりベスト8で早稲田に負けてしまったのが心残りで悔しいです」 ――昨年度は帝京大戦、早大戦と勝負どころでのスタメン入りが多かったと思います。振り返っていかがですか。 「スクラムのところでもっと僕がリードできたのかなと思います。やはり帝京とスクラムをした時に負けていると感じたので、そこはもっと成長できるなと感じました」 ――具体的にどのような部分で負けていると感じましたか。 「負けるときは感覚的にわかります。この辺(肩の周り)が結構痛くなるんですよ。帝京の時はずっとそうでした。あとは、最初のヒットで他のチームに比べて帝京はめっちゃ重いのでそこで感じますね」 ――スクラムで勝つためにはどういう力が必要だと思いましたか。 「今まではスクラムは個々の強さに頼る部分が多かったので、今年は8人まとまって組むということを意識していて、それしかないと思います」 ――スクラムを組む上で為房選手が意識していることを教えてください。 「僕的には3番がしっかり前に出て、そこに1、2番がついてくるのが理想です。3番が出ないと絶対スクラムは勝てないので、そこは一番前に出ようと意識しています」 ――為房選手が今年度目指すプレーヤー像を教えてください。 「3番でスクラムだけ組んでいたらいい訳ではないのでやはりフィールドプレーでも、ボールキャリーでもチームを引っ張っていける選手になりたいなと思います。ボールキャリーの練習を練習後にやって、あとはフィットネスの時に一番速く走るというのを意識してやっています」 ――今年度目指すFW陣のチーム像を教えてください。 「やはりFWだけでも点が取れるようなチームにしていきたいですね。FWがしっかりボールキャリーの強さを持ってゲインして、そこにBKがどんどん回していくみたいな。そうなったら勝てると思うので」 ――4年生のFW陣には高校時代に主将経験のある選手が多く、みんながチームに声を掛けていると聞きました。 「そうですね。ハドルを組んだ時とかは全員で声を掛けるようにしてます。みんなが声を掛けて、注意もしたりしていますね」 ――新体制が始まってから4年生同士で話し合う機会はありましたか。 「最初の方は結構話し合いました。どういうチームにしたいかとか、スローガンのこととか。去年負けてしまったのでどうしたら優勝できるか、ここの部分が弱いから今年はもっとやっていこうという話がありました」 ――具体的にどういう課題が挙がりましたか。 「サイズ、パワーですね。やはりそれが全然足りなくて、負けなかったところもありましたが、そこで上回られて帝京にも負けてしまったので、そこはコーチ、選手全員共通で意識を持っていますね。なので、サイズアップをチーム全体で取り組んでいて、負けない体づくりを意識してやっています」 ――今年度はどのようなチームですか。 「僕らの学年はすごく仲良いですし、元気な奴が多いです。試合でもどんどん元気出してやっていけるチームだと思います」 ――主将、副将のお二人はどういう方ですか。 「どういう方、、、。廣瀬はああ見えてお茶目なところがありますし、嶺二郎(山本・法4=京都成章)も怖そうに見えて怖いんですけど(笑)。二人とも真面目なのでそこはちゃんと引っ張ってくれるなと思います」 ――今年度は4年生で後輩指導も大事な役割になりますが意識していることはありますか。 「やはり僕ら4年生が声を出して引っ張っていかないといけないと思います。まだ1年生は雰囲気とか分からないじゃないですか。だから僕たちが雰囲気づくりを意識して取り組んでいます」 ――理想の先輩像はありますか。 「みんなと仲良くできたらいいですよね。学年関係なく仲良くしたいですし。あだ名とかで呼ばれても全然いいので(笑)。基本ため、ためちゃんって呼ばれていて、後輩からはためさんって呼ばれてますね」 ――最後に今年度の抱負をお願いします。 「明治大学に入って選手権優勝していないので、絶対選手権優勝したいと思います」 ――ありがとうございました。 [安室帆海] ◆為房 慶次朗(ためふさ・けいじろう)文4、常翔学園高、180センチ・108キロ愛犬の名前はぶちゃとくま。期待のプレーヤーを伺ったところ、朝島燎夏(法2=正則)選手とのこと。「かわいらしいんですよ。明治大学の最終兵器です」READ MORE -
(5)「大学日本一のスタンドオフを目指していきたい」伊藤耕太郎 新体制インタビュー
ラグビー 2023.04.05昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。 第5回は伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)選手のインタビューをお送りします。(この取材は3月22日に行われたものです) ――最高学年になり心境の変化はありますか。 「昨年からチームを引っ張るという意識でやっていました。試合中のチームをまとめるところは、今年も引き続きやっていきたいです。今年は最高学年で、明治の強い文化というところを練習に対する取り組み方やプレーで見せていけるように新しく意識していきたいです」 ――幹部の方々やスローガンを決めるにあたって、どのような話し合いをされましたか。 「幹部は4年生の投票で決めました。スローガンを決める中でたくさん話し合って『ONE MEIJI』にスローガンが決まってから、文化を引き継いでいくという意味と選手だけではなくスタッフやファンの方々やOBの方々全員が一つになれるようにと意味を込めました。最高学年というところで、これからの100年しっかり明治が強くあるためにいい文化を引き継いでいけるような1年にしたいと話し合いました」 ――昨シーズンを振り返るといかがですか。 「2年生から出させてもらって、試合にも慣れて、チームのことにも気を配れるようになっていい感じできていました。でも、最後にケガをしてしまったのが悔しかったです。ケガしてから、本当に意識しながらケガをしない体作りをしています」 ――選手権はケガで出場できず客席で見ていましたが、その時のお気持ちを振り返るといかがですか。 「明早戦で内容良く勝てたので勝てるだろうと思っていたのですが、やはりその慢心という気持ちが全員にあって、一つのゴールに対する執着心や勝ちたいという気持ちが早大に負けたというのは、グラウンド外から見て思いました。4年生も最後だったので悲しかったですがこの100周年を迎えるにあたっては良かったのではないかと思います」 ――昨シーズンで印象に残る試合を教えてください。 「もちろん秋に出場した試合は全部良かったのですが、春の帝京大に勝った試合は僕自身一度も帝京大に勝ったことがなかったので印象に残っています。初めて帝京に勝って、とてもうれしかったです」 ――今年度のチームの雰囲気はいかがですか。 「春にしては、今まで過ごしてきた中でとてもいい感じです。100周年ということもあってみんな意識高く練習に取り組めています。とてもいい雰囲気でできているのかなと思います」 ――弟の伊藤龍之介(商1=国学院栃木)選手が明大に進学されることはいかがですか。 「最初明大に行くことになった時は、一緒に寮生活するので『うわっ』となりました(笑)。入ってきてからは、お互い気を遣わずにいるのかなと思います。これまで一度も学年がかぶることがなかったので、初めてラグビーを一緒に練習して楽しいというのが一番の感想です」 ――弟の伊藤龍選手はどのような方ですか。 「性格も真反対で、弟は高校ジャパンでもバイスキャプテンをやっているのでとてもチームをまとめる力があり、リーダーシップのある性格です。そういうところをずっと尊敬しています」 ――個人的に期待している選手はいますか。 「もちろん弟は期待していますが、部屋っ子の吉田爽真(情コミ3=国学院栃木)、小椋健介(情コミ2=桐蔭学園)、竹之下仁吾(政経1=報徳学園)は期待しています。みんなポテンシャルある部屋っ子たちなので、全員が試合に出られると思います」 ――選手としてこの1年どう成長していきたいですか。 「この1年が終わったら次のステージがあるので、そこで活躍できるように個人のスキルはもっと上げていきたいと思います。昨年は、スタンドオフの中で高本幹也選手(東京サントリーサンゴリアス)がずば抜けて上手かったです。周りにも良いスタンドオフもいますが、そこに負けないような大学日本一のスタンドオフを目指していきたいです」 ――日本一になるために個人的に必要なものを教えてください。 「スタンドオフは相手から狙われるポジションなので、そこで毎回ゲインを切られてしまうと、相手の良いアタックに捕われてしまいます。ディフェンスの部分は去年も一昨年もずっと課題にしているところではありますが、より一層強いハートを持って挑まないといけないなと思います」 ――今年度は東日本大学セブンズ大会5連覇がかかっていますがいかがですか。 「伊藤宏明ヘッドコーチから『勝ちにいきたい』と言われて、出ることにしました。4年生は僕だけなので、しっかり下級生を引っ張っていけたらなと思います」 ――春への意気込みをお願いします。 「春はもう1度帝京大と戦うチャンスがあるので、そこを個人的にはターゲットにしています。何があっても勝ちにいきます。秋は一発勝負ですが、春はいろいろと試していけたらと思います」 ――ありがとうございました。 [井垣友希] ◆伊藤 耕太郎(いとう・こうたろう)商4、国学院栃木高、176センチ・82キロ部屋っ子を決める時、あえて弟は選ばなかったそう!「どうせ家で一緒になるので、そこは取らずに(笑)」。READ MORE -
(4)「信頼できる選手になりたい」池戸将太郎 新体制インタビュー
ラグビー 2023.04.04昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。 第4回は池戸将太郎(政経4=東海大相模)選手のインタビューをお送りします。(この取材は3月22日に行われたものです) ――昨年度を振り返ってみていかがですか。 「チームとしては春いい形でやれた試合もあって良かったのですが、夏に体調不良者が出てやはりチームの雰囲気やラグビーの質もなかなか上がりづらかったです。なかなか調子がでなくてそのまま秋のシーズンに入って、徐々に良くなっていった部分はありましたが流石に遅かったという感じでした。1年を通していい流れではチームを作れなかったという印象です。個人としては大きなケガをしないで出られましたが、うまくいかないことも多かったのでもっとラグビーを見て勉強するべきだったなと思いました。戦術的なものを知る部分もまだまだ足りなかったという1年でした」 ――ラグビーを知るということは、自分が出ていない試合を見るということですか。 「明治の試合というよりは、日本代表の試合や海外の試合、リーグワンの試合など高いレベルの選手で同じポジションの人がどのような動きをしているのかを見るという感じです。特にアイルランドが好きで、あんなラグビーをしてみたいなと思います」 ――昨年度の選手権準々決勝の早大戦では、スタメンでの出場となりましたが振り返ってみていかがでしたか。 「技術的にもメンタル的にも戦術的にも力不足だなという思いしかなかったです。雰囲気にのまれてしまったところもありました。秩父宮(ラグビー場)も実際にプレーしたのは初めてで慣れていなかったし、ジンクスも頭の中でどこかにあって集中しきれなかったと思います」 ――昨年度はスクラムハーフを経験されましたがその経験はいかがでしたか。 「やって良かったです。他のハーフと比べたら全然ですが、将来スタンドもハーフもできるのはいいと思うので。あのレベルでスクラムハーフをやれたのは経験としてやって良かったと思います」 ――実際に経験してみて、スクラムハーフとスタンドオフは具体的にどのような違いがありましたか。 「全然違います。全部のポジションのポイントに行ってパスするので、体力的にも違います。パスの仕方も違います。スタンドオフはキャッチしてパスですが、スクラムハーフは地面からのボールをパスなので。そこの技術は全然違います。とても難しいです」 ――昨年度は紫紺での出場機会が増えましたが、どのような成長につながりましたか。 「まだまだ足りないなと思ってはいますが、スタメンではなくてもコンスタントに試合に出られました。2年前や3年前は試合に出られない時も多くて、なかなか大舞台の経験がなかったのであまり自信にもつながりませんでしたが、去年はある程度の経験は積めたと思います。1番成長できたのは経験値ですね」 ――寮長になった理由を教えてください。 「もともと副寮長だったので、そのまま寮長になりました。(副寮長になったのは)3年生になる時に副寮長を決める話し合いをして、みんなから『やってくれ』と言われました。僕もやってみたかったのでみんなからの後押しを受けてやりました」 ――みんなから推薦された理由を教えてください。 「みんなが言うには年下からなめられないし、怖いからみたいです(笑)そこは自分でも後輩との距離感が(寮長に)合っているかなと思っていました。自分で言うのは気持ち悪いですが(笑)」 ――寮長というポジションで難しいことはありますか。 「遅刻の注意をしたりするのでそこはプレッシャーになります。覚悟がいるところだなと思います。しっかりみんなに言って、自分も緊張感を持って生活するのが大変ですね」 ――自分が寮長になって変えたいことはありますか。 「変えたいのは、汚い寮に住むのか綺麗に整理整頓された寮に住むのかという生活水準や質の部分です。関係なさそうですがラグビーに通じるところはあるし、心持ちに自然につながってくると思うので、住みやすい寮をつくることや先輩後輩の距離感などを良くしていきたいです。質の高い寮生活にしてもらうためにやるのが目標ですね」 ――今年度の注目選手を教えてください。 「部屋っ子の吉田輝雅(政経3=東海大相模)ですね。今年出られるチャンスもあるし、僕もずっと見てきているので直属の後輩として注目したいなと思います」 ――池戸選手個人としては、今年度のスローガン『ONE MEIJI』にどのような意味があるか教えてください。 「僕的にはファンやスタッフ共に一つになるという意味もありますが、部員一人一人が明治のプライドを持つということで『ONE MEIJI』という意味があるのかなと思います」 ――個人的にはどのような選手になりたいですか。 「一番はシンプルに勝たせられる選手です。勝利に導ける判断やプレーができる選手になりたいし、信頼できる選手になりたいです。大事な場面でパスやキックがしっかりできるというのを見せて、信頼できて勝たせられる選手になれたらいいなと思います」 ――今年度の意気込みをお願いします。 「チームとしてはしっかり1年通して進化を遂げて、上のレベルに上がっても満足しないで優勝につなげられたらいいなと思います。個人としてはスキルアップだったり体を強くしたり、妥協をしないで優勝するためにやっていけたらいいなと思います」 ――ありがとうございました。 [豊澤風香] ◆池戸 将太郎(いけど・しょうたろう)政経4、東海大相模高、180センチ・89キロ 昨年から実家で2匹の猫を飼い始めた池戸選手。「マロンちゃんとジルちゃんという名前です。本当にかわいいです(笑)」READ MORE -
(3)「チームで一つになりたい」山本嶺二郎 新体制インタビュー
ラグビー 2023.04.03昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。(このインタビューは3月15日に行われました) ――これまでの3年間を振り返っていかがですか。 「ずっと優勝を目標にやってきたのですが、なかなか結果が出ませんでした。僕は結構メンバーに入れていただいて、3年ではいろんな仕事を任されるようになったのでその分悔しい思いをしました」 ――最高学年になって変わったことを教えてください。 「そこまで大きくは変わっていないですが、昨年度あまりできていなかったことを今年度はしっかりやろうということを4年生で話したので、そのような部分を切り替えています」 ――具体的にどのようなことを話ししましたか。 「少しコロナの制限が緩くなるのに合わせて、寮が汚くなるなど私生活でも緩くなってきている部分が見られたので、今年度は身の回りからしっかりしようと話しました」――副将に抜擢(ばってき)された時の気持ちを教えてください。 「キャプテンになるのは僕か雄也(廣瀬・商4=東福岡)となっていたので、当然キャプテンを務める覚悟はできていました。雄也とも『どっちがキャプテンになっても大丈夫やな』と話していたので、副将という立場にプレッシャーはあまり感じていないです」 ――理想のリーダー像を教えてください。 「『フォロワーシップ』という言葉を僕の中でとても大事にしています。『リーダーシップ』はよく聞くと思いますが、それは雄也みたいなキャプテンの存在です。僕はあんまり導いたり引っ張ったりするのは苦手なので、周りを連れて行く、周りを巻き込んで下から(主将を)支えることを目標にしたいです」 ――『ONE MEIJI』に込められている思いを教えてください。 「明治がファンやスタッフも含めて一つになりたいという意味で『ONE MEIJI』にしました。でも僕としては、1番はチームでありたいです。下のチームがあまりチームに関わってこないなどが1番の問題だと思っています。昨年度から気を付けていましたが、今年度は特に僕たちがしっかり関心をもって下のチームの子に教えたりとか、僕たちが引っ張っていったりすることで、もっと応援されるのではないか、チームに関わってくれるのではないかと思っているので、そういうことを大事にしています」 ――ロックとして意識していることを教えてください。 「やはりロックはあまり目立つポジションではないですが、見られてなくても実は努力してるというところが、ロックのいいところというか、僕の気に入っているところです(笑)。だからおごらずに自分のできることをしっかり全てこなして、次の仕事、次の仕事という感じでやっています。ドンキーワークやダーティーワークと言うこともあるのですが、そういうところを今年もしっかりやっていきたいなと思っています」 ――今年度の個人としてのテーマを教えてください。 「フィジカルですね。昨年度は、フィジカルは負けてはいないですが勝ってもいないという印象だったので、今年度はサイズアップをして、“前へ”という言葉を体現できるようにフィジカルを強化したいです」 ――春シーズンはどのようなシーズンにしたいですか。 「あまり勝敗にこだわるというより、最後の優勝につながる春シーズンにしたいです。だからまずは土台作りというか『明治が今年一番大事にすることは何か』ということを示していけたらいいなと思っています。でも中途半端にはしたくないので、結果にこだわるというより内容にこだわっていきたいです」 ――1年間を通してどのような選手になりたいですか。 「副将という立場を任せていただいたので、まずは雄也をしっかりサポートするということと、やはり100周年ということで雄也もプレッシャーがあると思うので、そこの部分でも雄也をサポートしてあげたいです。あとは僕たちが1年生の時の4年生である(箸本)龍雅さん(令3商卒・現東京サントリーサンゴリアス)たちの代は本当に偉大な存在だったので、下級生にとって常にそのような存在でありたいなと思います」 ――ありがとうございました。 [森口絵美理] ◆山本 嶺二郎(やまもと・れいじろう)法4、京都成章高、191センチ・110キロ好きな食べ物は甘いもので、趣味はコーヒーを入れること。「甘いものが好きなのでコーヒーと一緒に飲んでみたらコーヒーにハマりました(笑)」READ MORE -
(2)「全員で日本一の集団を作る」廣瀬雄也主将 新体制インタビュー
ラグビー 2023.04.02昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。 第2回は廣瀬選手のインタビューをお送りします。(この取材は3月17日に行われたものです) ――昨年度を振り返っていかがですか。 「チームとしては、コロナなどがはやってしまいあまりチームとして活動することができていなくて、そのままぶっつけ本番のような形で(関東大学)対抗戦に挑んでしまったので少し悔いが残っています。ただあまり練習できていなかった割には、帝京大戦の前までは自分たちのラグビーを体現できていたのですが、帝京大、早大はそれでは勝てない相手でもっと夏にチームが一つにならないと勝てないということは感じました。個人としては、今まではプレーに波があったのですが昨年度は安定してプレーできたと思います。ようやく12番らしいプレーができ、キックも高い成功率で自分らしさを確立できたと思います」 ――12番らしいプレーとは具体的どのようなプレーですか。 「10番、12番が波のない安定したプレーができないと明治のラグビーは体現できないと思っています。僕の調子が良かったり悪かったりすると周りも機能しなくなってしまうので、去年は常に自分のパフォーマンスの80パーセントから90パーセントのプレーを出せていてよかったと思います」 ――最上級生になって変わったことはありますか。 「いつもだったら上に先輩がたくさんいて頼る人がいたのですが、自分たちがもう頼られる側の存在になったということが大きな変化です。みんなの中では、特に変わったことはなくただ時間がたつのが早いという話はしていて、4年生になったからといって何かを変えることはなく、自分たちの学年のカルチャーや雰囲気を下級生たちに落とし込めたらいいと思います」 ――主将はどのように決めたのですか。 「まず主将の人数などの体制を決めて、主将が1人、副将が1人に決まったのですが、そこから主将にふさわしい人物や主将に求めるものなどを4年生全員で話し合いました。そして出た意見にふさわしい人は誰かとなった時にみんなで推薦して、自分が1番数が多かったので自分が主将に決まりました」 ――4年生が求める主将とはどのようなものだったのですか。 「まずプレーでしっかりとチームを引っ張って、相手の流れでも主将1人のプレーで流れをつかむことができる人という意見が挙がりました。それと主将は私生活も必ず見られると思うので、当たり前のことが当たり前にできてみんなに信頼されている人が主将になるべきだという意見もありました」 ――主将を任されたときの心境はいかがでしたか。 「みんなから推薦されて決まったのでプレッシャーはすごく感じました。自分が3年間してきた行動がみんなに認められて主将に選ばれたので、100周年というのもあって相当プレッシャーはあります。ただそれと同時に、一日一日がどのような1日になるのか楽しみだという思いもあります」 ――100代目主将ということに意識するものはありますか。 「本当に巡り合わせといいますか、100代目の主将というのは自分にしか経験することができないことなので運もあると思います。監督も100周年の監督ですし、自分も100周年の主将ですし、山本(嶺二郎・法4=京都成章)も100周年の副将ですし、プレッシャーもありますが僕たちにしか経験できないこの1年間を貴重な経験だと思って、一日一日をかみ締めて頑張っていきたいです」 ――今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込められた意味を教えてください。 「選手とスタッフとファンが一つになって日本一の集団を目指す。そしてその先に僕たちが目指す日本一が待っているかもしれない。ずっと日本一ばかりを追い続けてきたのですが、それ以前の問題ができていないと日本一は取れないと思います。日本一の集団を目指した先に、僕らが目指し続けてきた結果としての日本一が待っているという意味が込められています」 ――今年度のチームは廣瀬選手から見てどのようなチームですか。 「雰囲気はすごくいいと思います。ラグビーはまだあまりしていないので強みなどは分からないのですが、強みにしていきたいのはFWのフィジカルの部分。そこは絶対に負けてほしくないので、僕はBKですがしつこく言っていこうと思っています。今年は誰も止められないFWのチームにしたいです。そしてFW任せにするのではなく、BKもしっかりとサイズアップしてBKも誰も止められない、会場の雰囲気や試合の流れもつかんでいけるような勢いを大事にしたいというのがあるので、それを今年のチームのカルチャーにしていきたいです」 ――今年度の目標を教えてください。 「『ONE MEIJI』にも込められた日本一の集団を作ることをしっかりとやって、部内だけでなくファンの方々も明治のファンということで見られているので、紳士的でいなければいけないと思います。日本一のチームを僕たちから作っていくことでその先に結果としての日本一もあると思うので、まずはその日本一のチームを作って最終的には日本一を奪還する。そして上のチームだけではなくジュニア戦もBチームもCチームも、みんなが応援されるようなチームを作り上げていきたいです。かなりきれい事にはなってしまいますが、それぐらいを目指さなくては日本一は取れないと思っているので、理想のチームを作り上げていきたいと思っています」 ――春シーズンの目標を教えてください。 「勝ち負けというよりは、自分たちに合ったラグビーを見つけることを目標にしていきたいです。これは自信持ってやることができる、これだけは絶対に勝てる、といった自分たちの強みを見つけたいです。そして、その強みを夏にしっかりと伸ばして対抗戦に臨めるようにしていきたいです」 ――ありがとうございました。 [久保田諒] ◆廣瀬 雄也(ひろせ・ゆうや)商4、東福岡高、179センチ・92キロ地元福岡県のおすすめスポットは糸島。「糸島で食べるカキは本当に絶品です。ぜひ行ってみてください!(笑)」READ MORE -
(1)「関わる全ての人が幸せになれる瞬間をつくる」神鳥裕之監督 新体制インタビュー
ラグビー 2023.04.01昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。 第1回は神鳥裕之監督(平9営卒)のインタビューをお送りします。(この取材は3月20日に行われたものです) ――昨シーズンを振り返っていかがですか。 「思うような結果ではなかったのは当然です。特に4年生に素晴らしいかたちで結果を残してあげることができなかったのは、監督として本当に申し訳なかったという気持ちでいっぱいです」 ――昨シーズンの収穫と課題を教えてください。 「収穫は、結果が出てない以上見つけるのは難しいです。最後の試合の早大戦で、早大に勝負に対する執念や目に見えないハングリーな部分を見せられました。我々が勝ち抜くためにはこのような部分を出していかないと勝てないということを学ばせてもらったのが収穫かなと思います。一方で、課題はたくさん出てきます。収穫は目に見えないメンタリティーの部分ですが、課題はどちらかというとテクニカルな部分です。まず明大と言ったら、セットプレー。ここはもう一度胸を張れるようなものにしないといけないと1年通して感じていました。選手権で早大に負けた試合は、自分たちのプライドをスクラム関連では見せることができましたが、我々が目指しているところは〝大学一番のセットプレー〟です。帝京大学との試合ではかなりやられたという印象があるので、もう一度この大学界で強いセットプレーに戻さないといけないのは一つの課題ですね」 ――今年度のチームの方針を教えてください。 「100周年という大きな節目で、過去4シーズン日本一から遠ざかっている。我々としては不本意なシーズンが続いている中で、どうやってこの節目の年に成功に導くのかと考えたときに、新たなチャレンジや今までにない発想という観点が必要になってくるというのは理解しています。ただ、こういう時こそ先人たちが築き上げてきた100年の伝統を大いに活用すべきです。立ち返る場所があるというのは我々の強みです。うまくいかなくなった時や迷った時に、自分たちが何者かと立ち返られる場所があるチームは日本の大学スポーツを見ていてもあまりないと思います。〝前へ〟であったり〝重戦車FW〟であったりは1日1年で築き上げたイメージではないので、100年を紡いでくれた先輩方の大事な財産をやはり生かすべきというところで、我々の立ち返る場所というものを軸にやって行こうとなりました」 ――立ち返る場所を選手たちに示すときにどのような工夫をされていますか。 「選手たちに『君はどう思う。明治の立ち返る場所ってなんだ。明治の強みってなんだ。明大ラグビー部ってなんだ』とストレートに問いました。そうすると、みんな同じようなことが返ってきて『FWが強い。重戦車。前へ』などたくさん出てきました。やはりそこに対する思いというのは、時代が変わってもみんな同じだと確認できた瞬間でしたね」 ――今年度の〝重戦車〟はどのようにしていきたいですか。 「強くて大きいというイメージをお持ちだと思いますので、体をひとまわり大きくするということをこの春チャレンジしています。ただ100年を紡いできた伝統の中には、昔のラグビーと現代ラグビーの違いも当然あります。例えば、私が大学時代の時は『とにかく大きくなれ。ご飯を食べて大きくなればいい』と言われた時代です。今はラグビーの競技力が上がってきているので、我々なりの100周年に向けた現代版重戦車を作ろうとしています。いわゆる強さと大きさを兼ね備えながら速さも持つハイブリッドな重戦車です。ただ食べて寝て体を大きくするのではなく、食べて大きくして脂肪を作らずにかつスピードを作る。今はまず体を大きくして、見た目も含めてブヨブヨした体ではなく、しっかりとした体作りに重点を置いてやっています」 ――今年度のチームの雰囲気はいかがですか。 「昨年度の主力選手だった4年生たちがたくさんいて、戦力的には充実したメンバーがそろっていると思うので、非常に期待値が高いチームになるだろうと楽しみです。当然、昨年試合に出ていたから今年も活躍できるとは約束できる状況ではないですし、いくらいい素材がそろっていても、勝ち抜ける甘い世界ではないので、いろいろなメンバーたちがレギュラー争いに加わるような、そのような刺激を期待したいと思います」 ――昨年度の春はメンバー争いが激しいという印象でした。今年度のメンバー争いはいかがですか。 「総力を高めていくことがやはりチーム力を高めていくことに直結すると思います。もともとは試合に出続けているような選手が集まっているチームなので、春シーズンはできる限り多くの選手にチャンスを与えたいというのはチームの方針としてあります。でも、だんだんチームというのは固まっていくものなので、どこかのタイミングになったらばちっとメンバーが固まると思いますが、できる限り競争を活性化させていきたいと思いますね」 ――選手一人一人と関わる上で大切にしていることを教えてください。 「これから全員と面談をしていきますが、できるだけポジティブに声掛けしていきたいと思います。100周年を迎えることで過度にプレッシャーをかけたくないと思いますが、黙っていても周りから注目されることが多くなると思います。逆にそこは受け入れて、誰もが経験できない特別な時間を思い切り楽しめるくらい、前向きな言葉をできる限り掛けていきたいと思います」 ――監督から見て、新幹部の方々はそれぞれどのような方ですか。 「一言で言うと、責任感があります。一人一人のキャラクターによっても違いはありますが、チームにコミットして責任感ある人が集まったので、全く心配していないです。ただ、このメンバーたちだけにプレッシャーやきつさを背負わせることにならないようにこの100周年という大きな機会に全員でこの時間を楽しみながら乗り越えていく時間をつくってあげたい。あなたたち一人で背負うことはないと廣瀬たちに伝えました」 ――今年の注目選手はどなたですか。 「全員と言いたいところですが、FWで言えば中山律希(政経4=天理)。最上級生の自覚が出て『サイズアップ』というテーマにも非常にコミットして、とても体も大きくなっています。個人的に楽しみにしている選手の1人です。BKで言えば、池戸(将太郎・政経4=東海大相模)。寮長で、昨年はスクラムハーフと慣れないポジションも担いながら、最後は本職のスタンドオフで悔しい思いをグラウンドで経験しました。本当に持っている能力も高いですし、また伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)という同級生のライバルもいます。彼が成長してくれることでチームに幅ができる感じがあり、寮長としてもラグビー以外の面でもしっかり管理してほしいという期待も込めています」 ――新入生のリクルートについては、どのように決められましたか。 「どんなにいい選手でも、残念なかたちでここに来る選手は極力少なくしたいと思いますが、当然あります。我々としては、可能な限り明大ラグビー部で頑張りたいという選手を一番取りたいというのは一つのポリシーです。これだけの有数の選手がそろうところなので、そのライバルに対して打ち勝ちたいという強い心もです。レギュラーにすごい選手ばかりだから試合に出られる大学の方がいいなと思うような選手ではなく、この環境を楽しめるような選手を積極的に取りたいというところで、今年の1年生は幸いにも非常にいい選手たちが集まってくれました。その多くの選手たちがやはりレギュラーになれると信じてきている選手たちなので、そのような意味での競争力には期待したいところですね」 ――1年生に伝えたいことはありますか。 「まずはここの生活に慣れること。これが一番です。ラグビー選手という部分で本当に気合いが入って、やる気があることは非常にいいことですが、ラグビー選手である前に一人の学生でもありますし、まだまだ親元を離れて慣れない生活もあります。まずはこの生活の基盤をしっかり作って、慣れることが大事だと学生たちには伝えています。その上で、どんな状況であれ、一貫性を持ってトレーニングをし続ける強い気持ちを養ってほしいなというのは一番のメッセージですね。当然ながら、みんなエースで4番のような子が集まっていますが、明大に来て初めて試合に出られなくなる選手たちもたくさんいます。その状況の中で、どのようなマインドやアチチュードで自分をドロップしていくのか、そこで上がっていくのか、本当に本人次第になります。あまり目に見えた状況だけに緊張するのではなく、明大ラグビー部を選んだ時の気持ちや動機をしっかり持ってほしいです」 ――最後に今年度の目標を教えてください。 「目標は一つしかないです。特にこの100周年という年に、我々だけではなく、この明大ラグビー部に関わる全ての方々に今回のスローガン『ONE MEIJI』であるように過去に関わってくれた方、現在も関わっている方、強いては今後未来に関わるかもしれない明大を憧れる子どもたちも含めて、全ての方にハッピーになれるような瞬間をつくるのが一番の目標です。それはすなわち優勝しかない。優勝というのは、一つの結果です。我々としては関わる全ての人が幸せになれる瞬間をつくるのは優勝だということを学生たちに伝えながら1年間努力していきたいなと思います」 ――ありがとうございました。 [安室帆海、井垣友希] ◆神鳥 裕之(かみとり・ひろゆき)平9営卒2013年度より、リコーブラックラムズ(現リコーブラックラムズ東京)で8年間指揮を執る。2021年6月1日より明大ラグビー部の監督に就任。一昨年度は監督1年目でチームを選手権準優勝へと導く。大学時代にはナンバーエイトとして活躍し、大学1、3、4年次に選手権優勝に貢献した。READ MORE