【スケート部(フィギュア部門)】Kiss&Cry
やっぱり明治がナンバーワン!今年度、新たに堀見華那(商1=愛知みずほ大学瑞穂)や大島光翔(政経1=立教新座)を加え、パワーアップした明大スケート部(フィギュア部門)。氷上でファンを魅了する選手たち。しかし、なかなか氷上外での選手たちの一面を知ることはできない。本企画ではそんな選手たちの裏の顔や声をお伝えしていく。
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(19)全日本ジュニア選手権直前インタビュー 大島光翔
フィギュアスケート 2021.11.18(この取材は11月16日に行われたものです)大島光翔(政経1=立教新座)――東京選手権と東日本選手権の演技を改めて振り返ってみてどのように評価されますか。 「昨シーズンに比べて、東京ブロックも東日本も点数が大幅に上がっていて、今のところはいい感じに進めているので、全日本ジュニアもこのままいければなと思います」 ――東日本後、どのような練習をされましたか。 「東日本は緊張していたので、終わった後はリラックスして練習していました。ですが、西日本選手権を見てスイッチが入って、そこからジャンプの確率を上げて失敗しない演技につながる練習をしました。曲かけの練習を重点的にやっていました」 ――体力面の強化は曲かけ練習を通じてつくり上げるのですか。 「そうですね。動きの慣れもありますし、ジャンプをいかに失敗せず、失敗したとしても立て直せるように、あらゆる状況に対応できるように、曲かけ練習をたくさんしています」 ――先生からはどのようなアドバイスをもらっているのですか。 「自分的にも今シーズンは練習を頑張っていて、やることはやっていると思うので『あとはもう一生懸命に自信持ってやればいいだけだよ』といったことですね」 ――4回転は練習の段階でどのような仕上がりですか。 「練習でも回転が良くなってきて、あとは本番で降りるだけといった状態なので、本番でいちかばちか、本番でどんなことができるのか自分でも分からないです。今の自分はそれを良い方向に持っていくことしかできませんが頑張ります」 ――4回転以外のジャンプは安定していますか。 「そうですね。4回転は集中力と体力のどちらも負担のかかるジャンプで、それを失敗しても、その後はノーミスできるような動きができるようになってきたので、そこは練習の成果がでているなと思います」 ――SP(ショートプログラム)とFS(フリースケーティング)それぞれで良くなったところを挙げていただけますか。 「SPは、最初は速いテンポの動きに苦戦していた部分もありましたが、曲かけ練習をこなしていくことで、体も順応していくようになって、うまい具合に力が抜けて踊れるようになってきたと思います。FSは、最初ぼろぼろだったのが、高確率でジャンプが入るようになって、プログラムとしても完成に近づいてきているのでそこは良くなっていると思います」 ――FSには投げキッスから一連の振り付けがありますが、ご自身で発案されたのですか。 「いや、先生に『やります』と言われて(笑)」 ――本番まで数日となりましたが、仕上げていきたいところはどこですか。 「仕上げの段階に差し掛かっているので、ジャンプを降りた後の姿勢やスピンの姿勢を良くすることなど、細かいところを意識できるかどうかが勝負だと思っているので、見ていて直接的には分からないけど、全体的に見たときに『ここを気を付けているな』というのが分かるような、そういったところを意識して練習します」 ――ジュニアとして最後の全日本ジュニアが近づいてきましたが、どのような心境ですか。 「自分的にはかなりたくさん練習していて、ここまでやることはやってきました。今のところ点数も伸びてきていますし、本当に自信を持って思い切り演技するだけだと思っているので、最後だからといって縮こまらず、全日本ジュニアという大舞台で自分の実力を発揮して、そしたら点数もついてきてくれると思います。緊張というよりはわくわくの方が強いです」 ――過去のシーズンと今シーズンのご自身を比べてみて違いはありますか。 「今まで自分に自信を持って演技することがなかなかできなかったのですが、去年から成績が伴ってくるようになって自信もついてきていますし、メンタル面が一番成長したと感じています。自分に自信が持てるようになったので、思い切りいろいろなことに挑戦して、前は自分を良く見せようとしか思っていなかったのを、何でも自分が一番うまいといったくらいの気持ちでいろいろなことができるようになったので、それによってプログラムの表現にも恥ずかしさがなくなって、とにかく思い切りできるようになりました」 ――全日本ジュニアに出場される選手の中で注目している選手はいますか。 「壷井達也(神戸大)ですね。西日本選手権で優勝していて、同い年でノービスの時から切磋琢磨(せっさたくま)していて、彼は昔からとても上手で、自分が成績を出せていなかった時も全日本ジュニアで一度優勝していて、世界ジュニアにも出ている選手なので、そんな彼とまた勝負できる実力を持って、全日本ジュニアという大きな舞台で戦えるのは楽しみですし、感慨深いものがあります。少しでも彼に近づければいいなと思います」 ――息抜きはしていますか。 「僕は普段から練習漬けみたいなタイプではなくて、オンとオフは自分の中でも区切りをつけようと思っているので、氷にいるときは集中して、帰ったらゲームしてみたいな感じです」 ――最近はまっていることはありますか。 「サウナに行って、あとはゲームをしています。それが自分的にも落ち着くといった感じです。人と接していることが好きなので、友達と通話しながらゲームしたり、友達とサウナに行ったりするのが一番の息抜きになっています」 ――全日本ジュニアは有観客での開催ですが、いかがですか。 「自分はお客さんがいてくださる中で踊るのが好きなので、その点に関してはわくわくしかないですし、お客さんが会場で実際にどのような反応をしてくださるのかも気になっているところなので、とても楽しみです」 ――公式練習は朝早くにありますが、朝は苦手ですか。 「苦手ですね。でも、得意な人はいないと思うのでそこはフェアかなと思います(笑)」 ――改めてSP、FSそれぞれの見どころを教えていただけますか。 「SPは一番盛り上がるステップ、速いテンポの曲なのでステップもなかなか暴れると思うので見ていて楽しいのではないかと思います。FSは、高難度のジャンプがそろっているので、表現の緩急も楽しんでいただきながらダイナミックなジャンプも見ていただけたらなと思います」 ――意気込みをお願いします。 「全日本ジュニアだからといってこれといった意気込みはないのですが、いつも通り今自分が持っている実力を発揮して、1人でも多くのお客さんに楽しんで帰ってもらえればいいなという気持ちで思い切り演技したいです」 ――フィギュアスケートのファンの皆さまに向けてメッセージをお願いします。 「自粛もあってファンの方々も会場で見ることがなかなかできず、お客さんも久々の観戦になると思いますし、久々に見に行って『見に来てよかったな』と思ってもらえるような演技を選手は目指すので、お客さんも手拍子などで楽しんでもらえたらなと思います」 ――ご自身のファンに向けてメッセージをお願いします。 「僕のファンがいるのか分からないのですが、皆さんの目の前で演技をするのは初めてなので、気を張る必要はないと思いますが、緊張せずに楽しんで見てもらえれば僕は十分なので、よろしくお願いします」 ――ありがとうございました。 [守屋沙弥香] READ MORE -
(18)試合後インタビュー 男子/東京選手権
フィギュアスケート 2021.10.14(この取材は10月10日~11日に行われたものです)山隈太一朗(営3=芦屋国際)――今大会を振り返ってみていかがでしたか。 「試合の準備の段階から難しい感じだったので、よくこの状況の中でやり切ったなと思います。ミスが少し増えてしまったのは残念というか、全て決めたかったので悔しいです。でも、最初のトリプルアクセルを決め切れたことは収穫かなと思うので、課題もあり、収穫もあり、という感じですね」――どういったところが難しいと感じていましたか。 「準備段階から完成させられなかったというか、本当に自信を持って『絶対にできる』とまでは言えなかったし、新しい靴に変えてからまだなじみ切れていないというのもあって。なじみ切っていないというのが一番大きいかな、それがあるから全くの練習通りにできるという確証がなかったです」 ――前回靴を変えたのはいつごろですか。 「ちょうど今の靴に変えて2週間たっていないくらいかな。もともと(靴を変える)タイミングとして、9月にユニバーシアードの選考会があったので、しっかり前のなじんだ靴でやろうと思って。ただ、前のなじんでいる靴は既に半年くらい使っていたため、とてもじゃないけどシーズンの最後まではもたないだろうということで、最初からブロック予選が厳しいものになるかもしれないけど、一番大事な12月のユニバーシアードを考えたときに、3カ月前の今変えるのがちょうどいいと考えてこのタイミングで変えました」――東日本学生選手権(以下東インカレ)までにどのような練習を行いますか。 「ジャンプ自体は崩れていなかったので、跳び方や気を付けるべき点は継続していきつつ、もう少し連続で跳ぶ練習をしようかなと思います。練習の時に単発で跳ぶのはだいぶ跳べるようになってきて、今日(取材実施日:10月10日)の6分間練習はすごく良くて単発ではほとんどミスをしない程度には持っていけているのですが、プログラムのように連続で跳ぶとなると一つ次元が上がるというか、難易度が少し上がって、そこまで僕は対応できていなかったからこの試合で失敗したので。そこの連続で跳ぶという練習をもう少しして、その連続した状態の中でもブレずに跳ぶことができればなと思います」堀義正(商2=新渡戸文化)――今大会を振り返ってみていかがでしたか。 「思ったより点数が出たな、という印象です。FS(フリースケーティング)では75点出ればいい方かなと思っていたのですが、90点も出たので『お〜なかなか出たなあ』とか思いながら点数発表を聞いていました(笑)。トーループとサルコウという3回転の中で最も点数が低いジャンプ2種類をプログラムに入れて、というかそれしか今3回転を戻せていないので、その2種類を失敗しないように堅実にいこうと話し合っていました。また、FSの直前に後半の3回転をどうしようかとコーチと話し合っていて、体力に余裕がありそうだったので入れることになったのですが、それも見事成功できたので90点につながったのかなと思います。今まで自分の中で苦手意識があったスピンのレベルやステップなども今回の試合ではまあまあ克服できて、スピンのレベルは今まで1や2だったのですが、今回の試合では2日間通して3や4を取れるようになっていたのも、自分の予想していた点数を上回った要因の一つかなと思います」――東インカレに向けてどのような練習をなさいますか。 「東インカレがFSだけのはずなので、今までは『1日目をなんとかしないと』ということでSP(ショートプログラム)を多めに練習していたのですが、この1週間はFSをみっちりかけまくって、いったんSPは忘れてもう少し点数が伸びるような工夫をしながらFSの練習ができたらいいかなと思っています」――ご自身の予想より点数は高めに出たとのことでしたが、具体的にどのような工夫をなさいますか。 「3回転トーループ、3回転サルコウを今は堅実な構成にするために前半に入れていたのですが、基礎点の加点を狙って後半に多く3回転を入れられればもう何点か点数は伸びると思いますし、スピンというところでも、今回レベルは取れても加点が伸びなかったんですよ。スピンの途中で動いてしまったりとか、回転がぎりぎりだったりとか曲に合っていなかったとか、いろいろな原因が重なって加点が伸びなかったと思うので、この1週間はスピンも曲に合わせて回れるようにとか余裕を持ってとか回転スピードを上げてとかで、もっと加点をもらえるようにしたいです。ジャンプの種類はサルコウとトーループだけではあるのですが、しっかりやれば100点を超えられるイメージができたので、100点は超えたいかなと思っています」松井努夢(政経2=関西)――今大会を振り返ってみていかがでしたか。 「SPは数日前に足を肉離れしていて練習もあまりできなくて不安でしたが、思った以上にしっかり演技ができました。細かいスピンのレベルやステップは落としてしまいましたが、ジャンプは最初のジャンプがきれいに跳べたし、2本目のジャンプもこけてしまったけど、一応締めることはできました。欲を言えばそこできちんと降りておけば順位的にももっと上に上がれたなと悔しい気持ちもありますが、今自分ができる演技はできたかなと思いました。FSは、順位を下げずに上げることが目標でしたが、最初の3連続のジャンプがとてもきれいに、自分でも満足するくらいのジャンプが跳べて、他の3回転ジャンプも、もう一つのサルコウ、コンビネーションジャンプも跳べたし、アクセルも一応決められて、まずまずなんとかまとめられた演技をしたなと思っています。ただ今回のFSは高難度のジャンプをたくさん入れるより、安定した、まとまった演技をしようと思って、3回転の代わりに入れていた2回転ジャンプで失敗してしまったことが悔しいです。普段あまり跳ばないジャンプだったので力が入ってしまい、逆にタイミングが合わなくて、ズレて、着氷が乱れてしまったりしたことが悔しかったです。詰めが甘かったので、そこを今週末の東インカレではしっかり決めるところを決めて、安定した演技をしたいなと思っています」 ――順位はどちらも7位でしたが、どのように捉えていますか。 「順位的には正直まだまだ上に上がれるなと思ったし、全然満足していませんが、点数的には自分の今までの試合で出してきた点数の中では一番高かったので、内容的には可もなく不可もなくという感じです。この調子でこれからの試合をどんどん上げていけたらいいなと思い、前向きに捉えています」――コーチが代わったことは何か影響がありましたか。 「自分の個性や、スケーティングにおいて大きい滑りを見せるというのが樋口先生と合っているなと実感しています。ジャンプだけではなくジャンプとジャンプの間のスケーティング、踊りで魅せるところも、一つ一つの手の動きや姿勢に、より気を付けるようになりました。今回の試合も自分で見てみると、前よりも姿勢が良くなった気がしたし、滑りに落ち着きがあるというか、安定した滑りができているなと思いました」大島光翔(政経1=立教新座)――今大会を振り返ってみていかがでしたか。 「SP、FSどちらも大きなミスがなく、最低限今自分ができることをしっかり演技としてまとめてできたのかなと思います。SPでは、ジャンプが3つという少ない中で2つミスしてしまったのは良くないことだと反省しているのが一番大きいです。FSでは、体力面が弱いなと改めて実感して、それが2本目のトリプルアクセルの失敗につながってしまったと思っています。最後のステップの転倒も自分の体力面の弱さが顕著に現れてしまったと思います」 ――SPの衣装は、実際に着てみていかがでしたか。 「恥ずかしくはありました(笑)。面白くてかっこいい衣装を目指したくて、そこで奇抜なシマウマの柄のズボンを提案していただきました。MIYAVIさんのバンドが実際にタトゥーを入れていらっしゃるので、それも再現して腕の方に文字を入れました。試合の直前に衣装が届いて、完成形を見たのはそのときが初めてでした」 ――今回の結果について率直な感想をお願いします。 「去年の自分より高い点数を出していきたいと思っていて、去年の関東選手権の点数と比べた時に20点くらい高い点数を出せていたので、そこは満足している点です。初戦からこの点数を出せたことは自信につながったので、悔しいというよりかはいい試合だったのかなと思います」――次の試合に向けてどのようなところを改善していきたいですか。 「東インカレが控えていて、そこではシニアのカテゴリーなので、今回滑った3分半よりも長い4分のプログラムになり、より体力面での弱さが出てしまうところではあるので、体力面を意識しながら練習していきたいと思います」――ありがとうございました。[フィギュアスケート担当一同]READ MORE -
(17)試合後インタビュー 女子(2)/東京選手権
フィギュアスケート 2021.10.14(この取材は10月10日~11日に行われたものです)佐藤伊吹(政経3=駒場学園)――今大会を振り返っていかがですか。 「今回はSP(ショートプログラム)もFS(フリースケーティング)も練習通りのことができなくて、これまでで一番というくらい悪い試合だったので、東日本選手権に本当に行けないと思っていました。それでもぎりぎり通ることができたので、東日本まであと三週間ですが、やれることをやるだけだと思っています」 ――SP、FSをそれぞれ振り返っていかがですか。 「SPは練習でも最初の3―3は悪くなかったので、そこは決めたかったというのが一番です。そこで3―2になってしまったことで、次のフリップまでミスを引きずってしまったことが良くなかったと思うので、そこはいったん自分の中で切り替えられるようにならないといけないなと思いました。これまでの練習でSPを重視していて、練習の割合的にもSPをたくさんやっていたので、FSは、調子は良くてもSPに比べると足りないなという部分が出てしまいました。そこで不安に思わずにFSはFSだと切り替えられたら良かったなと思います」 ――東日本に向けて意気込みをお願いします。 「SPとFSで練習通りのことを発揮するのが一番の目標で、全日本選手権に行くためには自分の実力を全て発揮することが大事だと思うので、そこを一番重視してSPとFSでノーミスの演技がしたいです」 岡部季枝(法2=新渡戸文化)――SPとFSを振り返っていかがですか。 「SPもFSも全然駄目だったのですが、SPでは何とかループを降りられたこととアクセルを跳べたことは良かったです。ただ、1週間くらいフリップの練習をしていて足首をひねってしまい練習ができなかったので練習不足かなと思います。FSでも練習不足を痛感しました。やはり体力がないとFSはできないので、練習が必要だと思っています」 ――ケガを考えて構成を変えましたか。 「FSはフリップだった予定をループに変更して少し落としましたが、それでも全くダメでしたね」 ――今大会で感じたことや反省点はございますか。 「やはりケガをしたことが一番悔しいです。今までも練習で腰を痛めたりすることが多く全くできない時期もあったのですが、ケガをしっかり治して次の試合に向けて練習をしていきたいです。また、体力が足りないかなと思ったので、体力を付けてSPもFSも最後まで踊り切れるようにしたいと思います」 ――県民総合体育大会への意気込みをお願いします。 「ループは比較的得意なので、ループを完璧に跳べるように練習し、最後までスピードを落とさずジャンプも入れていけるように体力を付けていきたいです」 [フィギュアスケート担当一同] READ MORE -
(16)試合後インタビュー 女子(1)/東京選手権
フィギュアスケート 2021.10.14(この取材は10月10日に行われたものです)松原星(商3=武蔵野学院)――今大会を振り返っていかがですか。 「SP(ショートプログラム)で、ほぼ全く失敗しないサルコウを失敗してしまって本当に悔しかったのですが、正直そこから切り替えるのがかなり難しかったです。2021年の中で一番ショックで、その日の夜はだいぶなえたのですが、FS(フリースケーティング)は切り替えて頑張らなければいけないと思って、しっかり立て直せたので良かったなと思っています。基本、自分のやるべきことをやったときに初めて結果が出ると思っているので、SPが5位だったときに順位はあまり気にしなかったのですが、競技が終わり3位でびっくりしましたし、宮原知子選手(木下アカデミー)と同じ並びに立っていたのがすごくうれしかったです」 ――FSは振り返ってみていかがですか。 「少し前の選考会でもミスがあって、去年の全日本選手権でもミスしてしまっていたこともあり、全く自信がない状態でした。練習でも全くうまくいかずいらいらしてしまう日々が続いたので、自信がない中で演技したのですが、もう逆にいつも練習で失敗してしまうところはあまり気にせずに、いつも跳べる後半の部分をしっかり朝から練習して、そこを決めようという思いでやっていたので、最初にルッツを決められたときはうれしかったです。自分なりにかなりまとめられたかなと思っているので、演技後は無事に終わって良かったなと思っていました」 ――次の試合までにどのようなところを改善していきたいですか 。 「SPとFS両方ともジャンプでミスしないことはもちろんですが、もし失敗してしまったとしてもスピンやステップでカバーして、それらのレベルを絶対に取りこぼさず点をたくさんもらえるように練習をもっと積んでいきたいと思います」 井上千尋(商4=椙山女学院)――SPとFSを振り返っていかがでしたか。 「最近は良い練習ができていたので、ジャンプを失敗したのはもったいなかったなと思っています。あとはスピンで取りこぼしがあったりしたので、もう少し磨いていけるというか、課題はあるかなという感じです。FSは、自分の中でしっかりとやろうと決めていて、しっかりできたらいいなということだけを考えていたので、ループがSPもFSも決まらなかったので悔しいのですが、演技自体は良い演技ができたのではないかなと思っています」 ――総合7位という結果を率直にどう受け止めていらっしゃいますか。 「点数もいつも以上に出て、良かったのではないかなと思います。内容的には自分ではもう少し頑張りたいなと思うところがあるので、納得いくような演技が次の試合でできたらいいなと思っています。FSは跳べたジャンプは良かったと思うのですが、ループは練習でもあまり失敗していなくて跳ばないといけないジャンプだなというのは自分の中であったので、跳びたかったなという気持ちはあります」 ――事前取材では、質にこだわって練習しているとおっしゃっていましたが、その成果は出ましたか。 「出たと思います。ジャンプの失敗はSPとFSの両方でありましたが、構成点はそれなりに点数をもらうことができたので、やってきたことは間違ってなかったかなと思っています。東日本選手権とかまでこれからも続けられるように頑張りたいです」 ――東日本への意気込みをお願いします。 「本当に最後の大事な試合が迫ってきているので、SPもFSも後悔なくやり切ったと心から思えるように集中して練習できたらいいなと思います。それで本番で成果が出せたらいいなと思っています」 堀見華那(商1=愛知みずほ大瑞穂)――FSを振り返っていかがですか。 「FSは今までの練習してきた中でもかなり良い感じの方で、全く練習では跳べていなかったジャンプも跳べたりしました。あとは3回転の予定だったところを2回転にして少し守りに入ったというか、確実に(東日本を)狙いました。今回は東日本に行くことが目標だったので、あまり大きい失敗がない方がいいかなと思って変えたりしたのもあります。前半がいつもよりは良かったのですが、後半がやはり疲れてしまっていつも跳べているジャンプが跳べなかったりしたので、後半はもう少し練習が必要かなと思います」 ――課題は見つかりましたか。 「FSの後半が疲れてくるとプログラムの振りの動きが小さくなってしまったり、ジャンプのタイミングがずれてしまったりしました。最後まで最初の動きと同じぐらい、疲れているということが分からないぐらいの演技をしたいです。しっかり最後のジャンプまで集中して跳べようにするということが課題だと思います」 ――東日本学生選手権に出られることが決まった時の気持ちはいかがでしたか。 「今補欠の状態で申し込んでいるのですが、出られると決まったのは単純にうれしかったです。しかし学校が良い順位に入れるように貢献しなければいけないなと思うので、インターハイの時みたいにかなり緊張する気がしています。貢献できるように頑張ります」 ――東日本に向けて意気込みをお願いします。 「今回の課題と学んだことを生かしてあと3週間ぐらい練習して、自分の自己ベストの演技をしたいです。しないと恐らく全日本には届かないと思うのでもう少し構成も上げて、ノーミスの演技ができるようにしたいです。そして全日本に進めたらいいなと思います」 ――ありがとうございました。 [フィギュアスケート担当一同]READ MORE -
(15)シーズン直前インタビュー 井上千尋
フィギュアスケート 2021.10.06昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で大会が中止や無観客開催になるなど、異例のシーズンとなった。なおも続く厳しい状況の中、新たなシーズン開幕を迎える選手たちの思いに迫る。(この取材は9月17日に行われたものです) 第9回は井上千尋(商4=椙山女学院)のインタビューです。 ――昨シーズンを振り返っていかがでしたか。 「昨シーズンは本当に思うようにいかなくて、何も納得のいくことができないままシーズンが終わってしまい、悔しい1年だったかなと思います。練習はものすごくしていましたが、ただ練習量だけが増えて追い込むだけ追い込まれてしまって、いい練習ができていなかったことが反省点です」 ――4年生になって心境の変化などございますか。 「本当に今年が最後なので、今まで全てをかけてきて、家族にもたくさん迷惑をかけて過ごしてきたので、中途半端に終われないなという気持ちがすごくあります。自分でも後悔しないように、そして今まで支えてくれた人に感謝を伝えられる演技ができたら1番いいなと思っています」 ――今シーズンはどのようなプログラムで臨みますか。「S P(ショートプログラム)は『白夜を行く』、F S(フリースケーティング)は『美女と野獣』で滑ります。『白夜を行く』は去年引退された永井優香選手が踊っていたのが素敵で、自分も優香ちゃんみたいに滑れたらいいなと思って選びました。F Sは、結果も大事にしたいですが、4年間の最後なので、楽しく滑れるようにと『美女と野獣』を選びました」 ――プログラムへのこだわりはありますか。 「見る人の心に刺さる演技ができたらいいなと思っていたので、魅せ方にこだわりました。衣装も、F Sは『美女と野獣』なので黄色の衣装を着ます。少し恥ずかしかったのですが、せっかくだからしっかり映画に寄せようかなと思って、まねしました」 ――現段階での仕上がりはいかがですか。 「2月と5月にケガをしてしまって、半年くらいまともに練習できませんでした。苦しい時間もありましたが、今はやっと戻って来られて、試合に向けていい練習ができているかなと思います」 ――最近の練習で意識していることは何ですか。 「1回1回の練習を大切にするということを心がけています。1回の練習に集中して取り組みます。数をたくさんこなすというより、三本跳ぶと決めたらそれだけに集中するという練習をよくします。ジャンプだけとかスピンだけではなくて、つなげていいものにしたいと思っています。だから完成曲かけの練習の時はジャンプなどの技術にこだわりすぎずに、全てが綺麗にできるように、と心掛けています」 ――ここまでの練習状況はいかがですか。 「最近はいい練習ができていて技術的にはそんなに問題もなくなってきているかなと感じています。そこから先、あと一歩どれだけ進んでいけるか、あともう一歩乗り越えられるかというところが大切かなと思っています」 ――ラストシーズンに懸ける思いをお願いします。 「悔いなく終わることが1番の目標です。そして私はそんなにいい成績を残してきた選手ではなかったのですが、みんなの記憶に残るような、心に刺さるような演技をしたいなと思います」 ――就活とスケートの両立は難しかったですか。 「難しかったです。練習しながらの就活だったので慣れなくて大変だったのですが、説明会や面接がオンラインだったところもあったので、急いでスーツに着替えて出掛けなければいけないということはなかったので、そこだけは良かったかなと思います」 ――スケートから離れているときはどのように過ごされていますか。 「最近は映画やドラマを見るのにハマっています。ディズニーの映画や韓ドラなどいろいろ見て楽しんでいます」 ――今シーズンの目標を教えてください。 「インカレと全日本に出られたらいいなと思っています」 ――ありがとうございました。 [新村百華]READ MORE -
(14)シーズン直前インタビュー 樋口新葉(2)
フィギュアスケート 2021.10.05昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で大会が中止や無観客開催になるなど、異例のシーズンとなった。なおも続く厳しい状況の中、新たなシーズン開幕を迎える選手たちの思いに迫る。(この取材は9月22日に行われたものです) 第8回は樋口新葉(商3=開智日本橋学園)のインタビューです。(1)の続きとなります。 ――コロナ禍での練習は2年目になりますが、慣れてきましたか。 「2年目になっていろいろ対策がされてきて、周りの人がたくさん動いてくれて自分が練習できている状況ですが、制限はいまだにたくさんあります。マスクをしなければいけなかったり、人数制限で貸切の時間が足りなかったり。それでも自分は練習時間が取れている側なのであまり問題はないのかなとは思っているのですが、日々気を付けながら過ごしていかなければいけないのは身に見えないストレスかなと思います」 ――昨年度のコロナ禍での経験は今年度に生きていると感じますか。 「無観客の試合が多かったり2か月間練習できなかったりしたからこそ、練習に対するモチベーションが高くなっているというのと、あとは観客がいる試合は本当に楽しいし、やはり全く違うなと思っています。あとはアイスショーにたくさん出場させていただいたりしたので、昨年度とは全く違うなと思います」 ――観客の皆さんがいることや応援に対する感謝の気持ちは強くなってきていますか。 「そうですね。無観客の中で関係者のみがいる環境で、拍手も応援の声もないという中で試合をするのは難しくて。やはりお客さんがいると、自分が誰にどういうことを伝えたくて、どういう感情で演技をするのかということが全く違ってくるので、そういった意味でとても感謝しています」 ――昨年度は自粛期間でいろいろなことにハマっている姿が印象的でした。今年度は何かございますか。 「今年は時間がなくて…。昼寝ですかね(笑)。朝練習して、トレーニングして練習して、昼過ぎに家に帰って、夜練まで3時間くらいあるので、その間に寝ることくらいしかないですね(笑)。あとは家に帰って録画したドラマを見たりしています。あ!ハマっていることありました。銭湯にハマっています!(それはなぜでしょうか)体の疲れが取れますし、大体1人で行くのですが、自分の考え事だったり、悩んでいることを考えずにただゆっくりできたり、逆に考えるために行くときもありますね。頭が整理される感じが好きでよく行きます」 ――明大に入ってから身の回りに紫のものが増えてきていると思いますが、新たに追加したものはございますか。 「いや、ないですね(笑)。追加したものは特にないのですが、ファンの方々に紫のものをもらったり、パッと手に取ったものが紫だったりします(笑)。でも去年紫のものが増えて、そこから紫すぎるかなと思い始めて、最近は紫以外のものを選ぶようになってきています(笑)」 ――学業との両立は大変ですね。 「大変です。でも他の部活の人もよくやるなと思うくらい忙しいと思うので、みんな同じ状況の中で助け合って頑張っていると思います。私も今は対面授業はないのですが、今後増えてきたら厳しいかなと思うので、みんなで協力して頑張るしかないなと思います」 ――最後に今シーズンの目標をお願いします。 「今シーズンは五輪シーズンなので五輪が一番優先で考えていますが、そのためには全日本選手権で結果を残さなければいけなくて。とにかく表彰台に乗ることが一番の目標です。グランプリシリーズなどいろいろな大会がありますが、そこは置いておいて、とにかく全日本で表彰台に乗れるようにミスのない練習を積み重ねていきたいです」 ――ありがとうございました。 [加川遥稀]READ MORE -
(13)シーズン直前インタビュー 樋口新葉(1)
フィギュアスケート 2021.10.05昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で大会が中止や無観客開催になるなど、異例のシーズンとなった。なおも続く厳しい状況の中、新たなシーズン開幕を迎える選手たちの思いに迫る。(この取材は9月22日に行われたものです) 第8回は樋口新葉(商3=開智日本橋学園)のインタビューです。 ――最近の調子はいかがですか。 「最近はプログラムを変えて、アイスショーや試合で何回か滑っていて、アクセルや他のジャンプでも安定してきたかなという感じです」 ――昨シーズンを振り返っていかがですか。 「昨シーズンはたくさんアクセルに挑戦して、気持ち的にも試合で跳べるという感覚になってきました。今シーズンは勝負の1年だと思っているので、そこでしっかり決められるようにという気持ちで昨シーズンやってきて、良い方向に向かってきているなと思っています。あとは、アクセルを跳べても跳べなくても最後までやって、大きな失敗がなく演技するというのが今の目標なので、全体的に成長できた1年だったなと思います」 ――昨シーズンの経験は今の自信につながっているんですね。 「そうですね。アクセルもそうですが、スピンやステップもしっかりレベルが取れていると思います。さらに今年はアイスショーにたくさん出させていただいているので、本番で滑る機会が多くて良かったなと思っています」 ――クリーンな着氷に向けて、現在は具体的にどんな課題がございますか。 「やはり少し恐怖心があって、思い切り跳べなくなるときがあると失敗しやすくて。そういう恐怖心や気負いみたいなものが減ってくれば、だんだん確率も上がっていくのかなと思います。(技術面よりはメンタル面ですね)そうですね。もう跳べるときは良いジャンプが跳べるので、気持ちで持っていけるかどうかという点をもう少し考えていきたいです」 ――確率的にも安定してきている状態ですか。 「そうですね。去年よりも良いジャンプが何本も跳べていると思います。練習でも自信がつくような練習ができているので、そこをもう少しレベルを上げて練習していきたいです」 ――SP(ショートプログラム)『ユア・ソング』について、改めて選曲した理由と込める思いを教えてください。 「7月に新しくして、それまでは全く違う曲を滑っていたのですが、しっくりこなくてずっと悩んでいて。とても大事なシーズンになってくるので、自分が滑っていて滑りやすいものを選びたくて、それを相談して変えることになって。今は歌詞もあるのでとても分かりやすいですし、伝えやすいので、自分の中でしっかり理解してどういう風に滑りたいかを考えながらできていて、そこはとても良かったです。あとは、歌詞の内容とは全く違って、自分の解釈ではあるのですが『スケートができて楽しい』という気持ちがこのSPでは出せたらいいなと思っています」 ――FS(フリースケーティング)『ライオンキング』についてはいかがですか。 「ずっと滑りたい曲だったのですが、映画のイメージが野生的な感じだと自分の中では思っていて。そういう風な感じだと、いざ自分が滑るとなると違うなと思っていて、使うのかを迷っていたのですが、少しイメージを変えて映画の物語に沿って、自分の気持ちや経験を乗せながら『自分が強くなって戻ってきた』ということをイメージして滑りたかったので、それを伝えられるように編曲してもらって、衣装も野生っぽくならないようにしてもらったので、それが伝わったらいいなと思います」 ――「滑りやすさ」というのはどのような感覚なのでしょうか。 「とても難しいのですが、ストーリー性がないものはその人によって解釈が違って。観客が見ているときも、どういう風に見たらいいか分からないというか、自分が何を伝えたくて、どう伝わっているかということがごちゃごちゃになってしまっている気がしていて。練習で滑っているときも、この振り付けに対してどういう気持ちで滑っているかということが全く分からなくて変えました。変えてからは歌詞もあって、どういう気持ちでその歌を作ってということが理解できているので滑りやすかったですし、見ている人にも伝わりやすいのではないかなと思います」 ――今年のテーマはどのようなものになりますか。 「もちろん安定感は課題ではあるのですが、リスクの高いジャンプや技を入れていくにあたって、他のジャンプで抜くところは抜くというか、全てのジャンプに力を入れて跳んでいると疲れますしうまく力を分散できないので、前から跳べるジャンプや跳べて当たり前のジャンプはほぼステップだと思って跳ぶというか。そういう軽い気持ちで跳べた方が、3―3やアクセルに集中できるかなと思うので。そういう意味でも安定感というのは大事なことだと思います。それを踏まえてステップアップできたらいいなと思います」 ――アクセルに挑戦し始めたことで当たり前の基準が上がってきたというイメージでしょうか。 「単発のジャンプだったり、スピンやステップでミスを少なくするというか、ミスを絶対しないくらいの自信を持ってできるようになったと思います。やはり基本的なことができていないと、大きな技にも挑戦できないので。そこのスキルが大技に挑戦することによって身に付いてきたというか、元々持っているもののレベルが勝手に上がってきているので、そこが去年から挑戦して良かったことかなと思っています」 ――東京五輪を観戦して五輪に対する思いに変化はございましたか。 「他の競技の選手たちの心境を全て知っているわけではないのですが、根本的に自分もスポーツ選手ですし、どういった気持ちで五輪シーズンに向かっていって、どうして五輪に出たいのかということは一緒だと思います。そういった気持ちを自分が持っている中で夏の五輪を見て、若い選手からベテランの選手までたくさん出ていたと思うのですが、やはりそれぞれメンタル的なものが全く違う中でそれぞれ強い気持ちでそのシーズンに臨んで、大事な試合で勝って五輪に行くというところはとても大事で、そこを自分は強く感じて。やはり大事なところで勝っていかないと五輪には行けないですし、自分の中でもスケートをやっている中で一番の目標が五輪に出ることなので、絶対に達成したい目標だなということを改めて強く思いました」 ――改めて五輪にこだわる理由を教えてください。 「『スケートをやっているのにそういうところを考えているんだ』と思う人もいると思うのですが、自分的にはスケートをやっている期間よりも、これからスケートをやめた後の方が長くて、その人生を充実させるため、より良くするためには五輪に出ていろいろな経験を積んだ方がこのまま真っすぐ進むよりも充実した人生を送れると思っているので、五輪に出場したいです。ここまで頑張ってきているなら出たいと思いますし、今までやってきた練習時間などが無駄になるのが嫌なので、そういった意味でも絶対に出たいなと思います」 ――五輪シーズンでプレッシャーや楽しみな気持ちなどいろいろとあると思いますが、今はどのような気持ちでしょうか。 「まだ自分が完璧なスケーターだという自信は本当にないのですが、これからも選手を引退してプロのスケーターになっても完璧と思う人はいないのかなとか、今はそういう気持ちでいて。前回の五輪選考の時にいろいろと選考基準が出されて、たくさん考えて目標を設定して、その中で頑張っていたのですが、やはり知らないことが多かったですし経験もなかったので、当たって砕けるみたいな気持ちでやっていて。うまくいったのですが、結局大事なところでピークが合わないという経験があったので、そこで次の年からいろいろなことを考えながら試合に出るようになって。その中で新しい経験を積んで今シーズンまで来れたので、ここまでの4年間の経験はとても大事なことだったと思いますし、まだまだ足りていないことはあるのですが、その経験があったからいろいろなことに対応できるようになったので、そこに自信を持って今シーズン頑張りたいなと思っています」 ――どちらかと言うと自信を持って臨めている感じですね。 「というわけでもないんです(笑)やはりいろいろな選手がいて、その選手たちと戦わなければいけないですし、自分の今のレベルは(五輪に)出られるか出られないかというレベルだと思うので。一つ良かったことと言えば、3枠あることだったり、あとは自分が追う側なのは頑張れるので良かったかなと思います」 ――ありがとうございました。 [加川遥稀] (2)に続きます。READ MORE -
(12)シーズン直前インタビュー 山隈太一朗(2)
フィギュアスケート 2021.10.04昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で大会が中止や無観客開催になるなど、異例のシーズンとなった。なおも続く厳しい状況の中、新たなシーズン開幕を迎える選手たちの思いに迫る。(この取材は9月21日に行われたものです) 第7回は山隈太一朗(営3=芦屋国際)のインタビューです。(1)の続きとなります。 ――プログラムは昨シーズンから変更しましたか。 「SP(ショートプログラム)もFS(フリースケーティング)も全部変えました。どちらも2年以上、SPに関しては3年間同じものを使っていて、大体僕は2年に1回変えるんですね。でも昨年度はコロナということで振り付けにも行けず、動き出そうにもあまりに時期が悪かったので、どちらにせよ今年度は全部変えると決めていました」 ――新しいプログラムのこだわりを教えて下さい。 「SPはすごくハイテンポな曲で今まで僕はやったことがないのですが、かなり足さばきが軽やかでとてもテンポが速い曲なので、その辺も見てほしいですし、素早く体を動かしながら美しいポジションをとることを結構頑張っているので、SPはそこに注目して欲しいです。FSはゴッドファーザーを使うのですが、イタリアのマフィアの男らしいかっこよさをしっかり出していければと思います」 ――演技をする際に意識しているポイントはどこですか。 「早く踏むだけだったら足を早く動かせばいいだけで誰でもできるのですが、しっかりレベルを取ろうとすると正確なエッジワークが必要なので、与えられた短い時間の中でいかに正確なエッジを踏めるか、正確なターンを描けるか、ただ描く・踏むだけではなく滑りも見せなければいけないし、状態の動きとか全体のシルエットの美しさも出さなければいけないので、足さばきと一言に言っても細かい技術が大事です」 ――今の演技の完成度はどれくらいですか。 「ちょうど50ですね。この前ユニバーシアードの選考会の時にジャンプがしっかり入ったんですよね。夏の試合で全部失敗していたところから選考会で失敗したのは1回だけかな。それは練習でも失敗していたところなのでしょうがないのですが、それ以外はきっちり入ったので、まずジャンプをきっちり入れたいです。その上にブラッシュアップがあるので、そのスタート地点にやっと立てたというか。見た人達からも『ジャンプは降りていたけどすごく丁寧にやっていたね』と言われて、全体を見たときに表現するところまでいっていないと思いました。とにかく全体としてしっかりまとまったものにするということに重点を置いてやっていて、そこはまずクリアできたので、ここから細かい部分や勢いなどにいきたいです。ちょうど今一番大事な部分ができたので50%くらいです」 ――今シーズンの目標をお願いします。 「勝負事うんぬんは抜きにして、自分がベストを尽くせば結果は付いてきてくれるときは付いてきてくれるでしょう!という感じであまり〇番!などは狙わずに、パーソナルベストなどを更新できれば一番良いし、とにかく毎試合自分のベストを尽くすのが目標です。 ところで光翔(大島選手)取材しました?彼のインタビュー、ノリノリなので多分面白いですよ。ビッグマウスです」 ――ビッグマウス(笑)。山隈さんは違うのですか? 「僕は違います。大きい口叩いて今まで良いことなかったので(笑)。一度ビッグマウスになってみようと思った時期があったのですが、大失敗して恥ずかしかったのでもう絶対やらないです。でも彼(大島選手)はスケートを見ていても勢いがあるので、今年も去年と同じパフォーマンスが出せれば、この先が全然変わってくると思います。一緒に練習する感じはすごく調子が良さそうで、今シーズンもかなりいいと思うので、自分と光翔とできっちり(インカレで)上の順位をとれるような演技がしたいです。男子で団体で優勝したいので、それも個々人が頑張らないといけないのですが、インカレでいい結果を残すというのは明大に恩返しできる場なのでしっかり頑張りたいです」 ――ありがとうございました。 [向井瑠風]READ MORE -
(11)シーズン直前インタビュー 山隈太一朗(1)
フィギュアスケート 2021.10.04昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で大会が中止や無観客開催になるなど、異例のシーズンとなった。なおも続く厳しい状況の中、新たなシーズン開幕を迎える選手たちの思いに迫る。(この取材は9月21日に行われたものです) 第7回は山隈太一朗(営3=芦屋国際)のインタビューです。 ――昨シーズンを振り返って感想をお願いします。 「一言で言うと最悪ですね。落ちる所まで落ちたなぁって。自分の底だと思っていたさらに下くらい。もう一度上を目指せるかどうか本気で悩むくらい結構成績も落ち込んだし、自分のメンタルもかなり落ち込んだので、何もうまくいかなかったなというのが正直な感想です。練習でうまくいっても試合は全く出なかったりとか、そういううまくいかない中で一番大事な全日本を迎えて、そこで一番良くない最悪の結果が出てしまって…昨年度は思い返してもかなりつらくなるような、最悪なシーズンでした」 ――調子が落ち込んだ理由について、思い当たる節などはありますか。 「大学1年の時に自分が持っていた自信とかそういったものがなくなったというか。大学に入ってから中々うまくいかなくて、試合で失敗を重ねていくうちに自信がどんどんなくなっていって、そこからいろいろな道を模索して、さまざまなメンタリティでやってみたりとかいろいろ変えてみたのですが、うまくいかなかったです。失敗のくせが付いていたというのは大きいし、今思い返してみるとすごく背伸びしていたなというのがあります。上で戦わないといけないという高い意識を持たないとやっていけないというか、高い意識を持たなくなった瞬間に自分のレベルが一気に落ちると思い込んでいました。自分ができなくなったことに対してもできなくなったことを認めないで、『本当はできるんだ、やらなければいけないんだ』と思い続けて、実はできていないという矛盾をひたすら繰り返すうちに失敗もおのずと増えていくしそれを改善するためのプロセスがいろいろ間違っていたなと思います。やっぱり背伸びをしすぎた、今の自分をちゃんと見られていなかった、現状把握ができていなかったというところが一番の原因だと思っています」 ――今はこのようにご自身を客観的に振り返っていますが、気持ちは切り替えられましたか。 「今年度の夏の2試合が終わってからやっと切り替えられたかな、という感じです。『意識を高く』というのはずっと一番継続してやってきたことなのですが、うまくいかないことの方が多くて。自分の中で意識を高く保てなくなったと言った方が良いのですが、結果が出なさすぎて。意識を高く保とうと背伸びしすぎたというのはそこで気づきました」 ――切り替えるためには具体的に何を行いましたか。 「はっきり言って昨年度の全日本選手権が終わった後は本当に信じられない気持ちだったし、そのときはある意味『4回転を跳べば俺は返り咲ける』と思ったんですよ。4回転を跳べばここから一気にのし上がれるって。周りの人からもすごく励ましてもらいました。『今年ここまでひどくて来年一気に良い演技をすれば、そんなにかっこいいサクセスストーリーはないよ』と、そういう励まし方をされてそれがすごく効いたので、その後モチベーションを落とすことなく試合に臨むことができました。4回転を跳ぶというのが僕にとっては相当厳しいもので、そのモチベーションでこの夏までやってきたのですが、それでもやっぱり無理で跳べなくて。でも4回転を無理矢理夏の試合で入れたんですよね。そうすると4回転につられて他のジャンプまで全部失敗するようになって、もう本当に雪崩のように全てが崩れていきました。今まではあまりそういうことがなかったのですが、夏の試合では全部失敗しました。2試合で3回演技して一つも予定通りにジャンプを跳べなかったんですよ。すごいですよね。あまりスケートでジャンプを全部跳べなかったって聞かないからなぁ(笑)シニアでは考えられないような点数を出すし、今まで負けなかった相手にも惨敗するし、昨年度の全日本が終わってからここまで頑張ってきたけど、ちょっともう無理かなと思いました。惨敗した日の夜両親と食事をしていたのですが、『まずは失敗をしないことがこのスポーツの大前提じゃないのか』『みんながボテボテ失敗したり、ノーミスが珍しいのは(スケート以外の競技では)なかなかないぞ』『失敗しないことがこの競技の大前提だから、そもそもできるかできないかのジャンプを入れている時点で間違っている』と両親に言われて。そこで『あ、自分は今までギャンブルみたいなことをしていたのか。ギャンブルをこの競技でやることは絶対に違うな』と思いました。自分の最大の魅力はジャンプじゃなくてジャンプ以外の部分なのに、そこばかりに気を取られているなと両親と話しているうちに気づいて。その時スケートに対する情熱とかが正直なくなっていたので、すごくフラットな状態でそういう話を聞けて、根本的なところに気づけたという感じですね。 やっぱり人間って意識を高く保ってグワッと熱くなると一番大事なものを見失うんだなと感じました。よくよく考えたらスケートがジャンプだけじゃないというのは当たり前だし、失敗しないようにやるというのも当たり前だし、自分の魅力がわかっているのに魅力に目を向けなかったって、なんでしょう、自分のテリトリーで戦っていないなと。変な話、苦手なことで勝負するというのは、スナイパーが近距離戦をしにいくみたいなものじゃないですか(笑)(※山隈選手はシューティングゲームが好きで、堀選手と一緒にプレイしたりもするそう)。だから、そういう大事なことに『どうして2年間も気づかなかったんだろう?』と自分でもびっくりしました」 ――ということは、 今までと違いジャンプ以外に重点を置いたプログラムになっているということですか。 「作る段階では振付師さんが僕の色を全面に出してくれるしプログラム重視なのですが、実際は今まではジャンプ偏重でした。意識の差ですね。ジャンプに意識がいっているか、プログラムに意識がいっているか。でもまだプログラムに意識をしっかり持っていく段階までいけていない、というかやっと意識を持っていく段階に来れたところなので、 12月中盤のピークに向けて、それまでの3試合を通じてブラッシュアップできればなと思います」 [向井瑠風] (2)に続きます。READ MORE -
(10)シーズン直前インタビュー 佐藤伊吹
フィギュアスケート 2021.10.03昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で大会が中止や無観客開催になるなど、異例のシーズンとなった。なおも続く厳しい状況の中、新たなシーズン開幕を迎える選手たちの思いに迫る。(この取材は9月23日に行われたものです) 第6回は佐藤伊吹(政経3=駒場学園)のインタビューです。 ――昨シーズンを振り返ってみていかがですか。 「昨シーズンはコロナがあって、前半は取り戻すのに必死だったという感じでした。試合までに何とか調子は戻すことはできたのですが、本番で毎回ちょこちょこミスが出てしまって完璧な演技ができなかったので、全日本でもSP(ショートプログラム)でミスが出てしまってFS(フリースケーティング)に行けず、全体的には悔しいシーズンになりました」 ――今シーズンはどんなプログラムで挑みますか。 「SPは、やはりそこでミスをしてしまうと全日本でFSに行けなかったり、順位的にもFSで巻き返さないといけないことになってしまうので、SPが大事だなというのをすごく痛感しています。今年はプログラムは変えていないのですがSPでミスがないようにということを一番の目標にしてSPを中心に練習しています」 ――具体的にどのようなミスをしないように心掛けますか。 「もちろん転んだり、大きなミスをしたりもそうなのですが、回転不足を取られることがあるので、その部分で少しずつ引かれてしまって、大きなミスがないように見えても、思ったより点数が伸びないということがありました。そういう細かいところの積み重ねがショSPで大事だと思っているので、具体的には回転不足というのを主に直せるといいなと思っています」 ――今シーズンの自身の強みは何ですか。 「8月末にあった東京の試合でSPをやった時に、ジャンプはミスがあったのですが、それでもスピンのレベルは全部取れて、演技構成点が去年よりも上がっていたので、そこの部分はやはり2年目のプログラムというのもあって踊りの部分なども少し評価してもらえたのかなと感じました。ジャンプが失敗しても他のところで点数が取れるような、もちろんジャンプを失敗しないことが一番ですが、失敗しても点数が取れるようなプログラムにしたいなと思っています」 ――プログラムは変えてないということは、衣装も今回は同じですか。 「去年シーズン中に1回衣装を変えて、それは今年そのまま使うつもりです。結構気に入っているんです(笑)」 ――今の練習状況を教えてください。 「コロナの影響は今年はそんなに受けてはないのですが、五輪があって会場が本当に目の前だったので、3回くらい会場が閉まったり、開いたりというのを繰り返していて。9月のパラリンピックが終わった時にようやくちゃんと開いて、今はもう閉まらないでずっとできているのですが、その間は違うリンクに行ったりしていて、その移動とかも結構大変でした」 ――そういった状況は、佐藤選手自身に影響していましたか。 「練習がいつものシーズン通りできたかと言われたら、まあ少し状況は違ったかなとは思うのですが、その中でできるだけ滑れるリンクでというのは自分なりに努力はしてきました」 ――五輪で練習ができなかった時はどんなメニューを組んでいたのですか。 「昨シーズンもコロナで閉まっている時は結構走ったりしていたのですが、それを引き続きというか今シーズンのオフの時も滑れない時は陸でのトレーニングをしたり、曲をかけての練習をするのがどうしても少なくなってしまうので、その一回一回にしっかり集中するように『一回一回を大事に』というのを意識して取り組んでいました」 ――体調面はいかがですか。 「体調面はバッチリです。今のところケガもなくて。あとは技術面を意識することですね」 ――(春学期の)学校生活はいかがでしたか。 「オンラインの方が移動時間もなくて、練習に当てられるのでそっちの方が楽かなと思って(笑)ゼミは対面で結構行っていたのですが、それ以外はオンラインでやっていて。だから結構動画を見たり、日々課題には追われてたりしていたのですが、基本家でというのを選んでいました。でも友達と会えないことが一番寂しかったですね。去年会えなかったので今年こそはと思っていた部分もやはりあったので。今年はちょこっとゼミの時に会えるという程度でした」 ――去年の趣味(料理)は今も続けているのですか。 「今年は去年ほど暇になっていなくて、料理はほとんどしていないですね。今年はちょっとサイクリングにハマっていて。自転車を買ったんです。結構そこら辺、たまに都内を走ったりしています」 ――どれくらいされているのですか。 「そんなに言うほどではないですが、30〜40分くらい走りに行ったりしています」 ――今シーズンの目標と意気込みをお願いします。 「去年はやっぱり全日本でとても悔しかったので、今シーズンも結構東日本は厳しい試合になるとは思うのですが、全日本に出場してSPを通過してFSに進むというのが一番の目標です」 ――ファンの方へメッセージをお願いします。 「去年も今年もブロックは無観客になってしまって、それは私的にもすごく寂しいし、やはり皆さんの歓声とかを聞きながら滑りたいなというのは思っているのですが、動画なども配信されるということで、そこで是非見ていただいて、応援していただければなと思います。今年もよろしくお願いします!」 ――ありがとうございました。 [西脇璃緒] READ MORE