
【ラグビー部】One by One
王座奪還を懸けた戦いが幕を開ける。10点に泣いた国立での大学選手権決勝からおよそ2ヶ月、箸本龍雅主将(商4=東福岡)の下、今年度掲げたスローガンは〝One by One〟。「一人一人、一つ一つ」をモットーにジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠を目指す。
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(10)ポジション徹底分析 セカンドロー・バックロー編①
ラグビー 2020.05.08計5回にわたってお送りする企画は「ポジション徹底分析」。本紙ラグビー担当が記録した過去のデータを基に、学生記者独自の視点からポジションごとの注目選手を特集していく。第2回はセカンドロー(ロック)、バックロー(フランカー、ナンバーエイト)編をお送りします。 <ロック>190センチ超えが5選手とサイズのある選手たちがそろう学年名前出身校身長・体重4年片倉康瑛明大中野190㌢・101㌔ 箸本龍雅東福岡188㌢・107㌔3年臼田湧人国学院久我山182㌢・99㌔2年武内慎石見智翠館191㌢・108㌔ 吉澤拓海熊谷工194㌢・94㌔1年亀井茜風長崎北陽台193㌢・98㌔ 松本光貴明大中野八王子189㌢・97㌔ 山本嶺二郎京都成章191㌢・103㌔(引用:明治大学ラグビー部公式サイト 5月8日現在)◆片倉康瑛(法4=明大中野)◆片倉康瑛データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2019関東大学春季大会4269分12019関東大学対抗戦7520分42019全国大学選手権3240分0昨年だけを見ても、出場時間は他を圧倒。武器のラインアウトに加え、フィジカルの強さとスタミナでチームを活気づけた。今季は副将としてもFW陣、チームを引っ張る。 ◆臼田湧人(情コミ3=国学院久我山)◆臼田湧人データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2019関東大学春季大会117分12019関東大学ジュニア選手権180分02019関東大学対抗戦113分0ロックに属する選手の中だと決して長身ではないが、ガッツを持ち合わせた選手。サイズが大きい下級生には負けないガッツを武器に戦い抜く。◆武内慎(商2=石見智翠館)◆武内慎データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2019関東大学春季大会117分12019関東大学ジュニア選手権180分02019関東大学対抗戦113分0昨年は1年生ながら春から招待試合を含め、7試合連続でAチームの公式戦に出場。しかし、秋シーズン関東大学対抗戦出場はかなわず。悔しさを糧に、スタメン争いに割って入れるか。<フランカー>攻守万能、ハードワークが求められる明治のフランカー 学年名前出身校身長・体重4年川上海北条183㌢・96㌔ 繁松哲大札幌山の手178㌢・93㌔ 柴大河国学院久我山180㌢・90㌔ 髙橋広大桐蔭学園184㌢・100㌔ 中辻厳毅京都成章178㌢・93㌔ 山本龍亮桐蔭学園179㌢・94㌔3年小澤翔桐蔭学園175㌢・93㌔ 野口裕太明大中野170㌢・82㌔ 渡辺寅明大中野八王子170㌢・89㌔2年楢崎海人筑紫183㌢・97㌔ 古庄竜也中部大春日丘185㌢・92㌔1年尾白大吉近大和歌山176㌢・103㌔ 角田竜彦明大中野173㌢・80㌔ 住吉一晟国学院久我山182㌢・93㌔ 森山雄太東福岡182㌢・93㌔(引用:明治大学ラグビー部公式サイト 5月8日現在)◆繁松哲大(政経4=札幌山の手)◆繁松哲大データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2019関東大学春季大会3220分12019関東大学対抗戦6462分12019全国大学選手権3177分0昨年は対抗戦からスタメンに定着し、フランカー陣では出場時間はダントツのトップ。今季の目標「HARD TACKLE」で相手のアタックをなぎ倒す。 ◆柴大河(法4=国学院久我山)◆柴大河データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2019関東大学ジュニア選手権4320分12019関東大学対抗戦446分12019 全国大学選手権391分0対抗戦の青学大戦からリザーブメンバー入り。大学選手権準決勝・東海大戦では負傷交代の選手に代わり、前半から緊急出場。チームの窮地を救った。◆髙橋広大(情コミ4=桐蔭学園)◆髙橋広大データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2019関東大学ジュニア選手権3151分12019関東大学対抗戦464分02019 全国大学選手権39分0ジュニア選手権、対抗戦ともに出場し、多くの試合を経験。対抗戦では柴同様、青学大戦からリザーブメンバーに起用された。ロック、フランカーのどちらもこなす髙橋。どちらに主軸を置いてプレーするのか目が離せない。ナンバーエイト、総評は こちら からREAD MORE -
(9)ポジション徹底分析 フロントロー編
ラグビー 2020.05.05計5回にわたってお送りする企画は「ポジション徹底分析」。本紙ラグビー担当が記録した過去のデータを基に、学生記者独自の視点からポジションごとの注目選手を特集する。第1回はフロントロー(プロップ、フッカー)編をお送りします。 <プロップ>4学年合わせて16人が所属する激戦区学年名前出身校身長・体重4年遠藤孝一国学院栃木181㌢・110㌔ 辻龍哉流経大柏183㌢・107㌔ 藤涼雅常翔学園173㌢・109㌔3年田中隼斗大分舞鶴180㌢・102㌔ 宮崎航瑠札幌山の手180㌢・106㌔ 村上慎法政二181㌢・112㌔ 山本耕生桐蔭学園173㌢・102㌔2年大賀宗志報徳学園179㌢・106㌔ 葛西拓斗流経大柏184㌢・105㌔ 倉田真京都成章178㌢・103㌔ 鈴木玲央黒沢尻北185㌢・110㌔ 中村公星国学院栃木183㌢・112㌔1年為房慶次朗常翔学園180㌢・115㌔ 床田淳貴桐蔭学園178㌢・110㌔ 中山律希天理169㌢・105㌔ 古田空明大中野178㌢・110㌔(引用:明治大学ラグビー部公式サイト 5月4日現在)◆山本耕生(商3=桐蔭学園)◆山本耕生データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2018関東大学春季大会115分02018関東大学ジュニア選手権4241分02018関東大学対抗戦450分02019関東大学春季大会4158分02019関東大学ジュニア選手権4254分12019関東大学対抗戦7162分12019全国大学選手権210分01年次、スクラムハーフ飯沼蓮(営3=日川)と並んで紫紺最速デビュー。現フロントローの中では、公式戦出場数、出場時間ともに群を抜いている。 ◆村上慎(商3=法政二)◆村上慎データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2018関東大学ジュニア選手権290分22019関東大学ジュニア選手権4233分02019関東大学対抗戦4158分0昨年のジュニア選手権では、全4試合にスタメンで出場。関東大学対抗戦では、成蹊大、日体大、青学大戦で先発出場を果たすなど4試合に出場した。 ◆大賀宗志(営2=報徳学園)◆大賀宗志データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2019関東大学ジュニア選手権487分12019関東大学対抗戦451分02019全国大学選手権26分0ジュニア選手権最終戦・早大戦では逆転決勝トライを演出。1年生ながら大学選手権のピッチも経験した。また、世代別の日本代表ジュニアジャパンに選出され、3月に行われたパシフィックチャレンジ2020トンガ戦でトライを決めた。 <フッカー>武井日向前主将(令2商卒・現リコーブラックラムズ)の後継学年名前出身校身長・体重4年三好優作松山聖陵174㌢・97㌔3年田森海音長崎北陽台180㌢・100㌔ 福田陸人国学院栃木174㌢・97㌔2年紀伊遼平桐蔭学園173㌢・101㌔1年松下潤一郎筑紫172㌢・93㌔ 渡邊元隆筑紫丘175㌢・95㌔(引用:明治大学ラグビー部公式サイト 5月4日現在)◆三好優作(文4=松山聖陵)◆三好優作データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2017関東大学ジュニア選手権117分12018関東大学ジュニア選手権5111分22019関東大学春季大会295分22019関東大学ジュニア選手権4100分02019関東大学対抗戦140分0フッカー唯一の4年生。昨年は武井、松岡賢太選手(令2商卒・現神戸製鋼コベルコスティーラーズ)に次ぐフッカーとして存在感を発揮。ジュニア戦を中心に長いプレー時間を経験している。 ◆福田陸人(法3=国学院栃木)◆福田陸人データベース◆大会名試合数出場時間トライ数2018関東大学ジュニア選手権381分0公式戦経験こそ浅いがフランカー、ナンバーエイトもこなす逸材。坂和樹選手(令2政経卒・現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)が次期ナンバーエイト候補として箸本龍雅主将(商4=東福岡)の次に名前を挙げた。 ◆紀伊遼平(営2=桐蔭学園)公式戦記録なし 石井洋介選手(令2情コミ卒・現栗田工業ウォーターガッシュ)が「頭が回る」と期待。12月に行われた練習試合の法大戦では40分間で2トライの活躍。2019年度のTIDキャンプU-20(20歳以下)に選出。 ≪総評≫ 田中澄憲監督が「今年の明治の課題」と位置付けるフロントローのレギュラー争い。「今まで隠れていた選手が出てくる可能性は十分にある」(田中監督)。今季紫紺を背負うのは経験豊富な上級生か、それとも早咲きの新米ルーキーか。新生〝重戦車の核〟お披露目は、まだ少し時間がかかりそうだ。 [髙智琉大朗] 次回は8日(金)セカンドロー(ロック)、バックロー(フランカー、ナンバーエイト)編です。お楽しみに!READ MORE -
(8)「BKは自分が引っ張る」森勇登 新体制インタビュー
ラグビー 2020.04.153年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。 第8回は森勇登(政経4=東福岡)のインタビューをお送りします。(この取材は3月12日に行われたものです) ※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。 ーーリーダーに選ばれた心境を教えてください。 「1年生から試合に出ていて、昨年もずっと試合に出続けました。自分の学年ではずっと出ていた人が少ないですし、その経験があるので、自分が引っ張っていく意識を持っています。練習中も、昨シーズンは自分から声を出すというより4年生に付いていったので、今年は自分が引っ張っていくように意識しています。元はリーダーとしてコミュニケーションでチームを引っ張るのは得意ではないですけど、春シーズンでみんなフラットな状態で練習できているので、そこでリーダーシップを発揮できるように新しくチャレンジしている状態です」 ーー今年のポジションは決まっていますか。 「まだわからないですね。自分的には12番の方が早くボールを触れるので良いかなと思いますね。(13番は)誰が来てもやれると思っていますが、良い選手がたくさんいるので楽しみですね」 ーー改めて早大との大学選手権決勝の振り返りをお願いします。 「対抗戦では簡単に勝てました。しかし、選手権では早大の方が本気で勝つ気持ちで向かってきて、最初から気持ちで負けていました。そこが、前半に大差をつけられた理由だと思います。歓声が大きかったこともあって、横とのコミュニケーションを取れてなかった部分など、普段みんなできているプレー、自分も普段できていたプレーができずにミスが多くて、そこが良くなかったです」 ーーチームスローガンについて教えてください。 「龍雅が考えたんですけど、〝一つ一つ〟という意味があって、他にも一人一人がするべきことをするとか、一つ一つ超えていくという意味があります。早大戦とかは一つ一つのプレーが出来ていなかったので、そこを改善したいです」 ーーチームにはどのように貢献していきますか。 「FWは龍雅と片倉(康瑛・法4=明大中野)が引っ張ってくれるので、BKは自分が引っ張って、FWとBKの連携を良くするために、ラグビーのことでもっとコミュニケーションを取って、より連携が取れたらいいと思います」 ーー今シーズンの目標をお願いします。 「自分が1番引っ張っていかなきゃいけない立場です。特に春シーズンは試合経験が少ない人も多いので、そこで引っ張っていきます。また、昨年は準優勝という結果で終わってしまったので、今年は今年で切り替えて、優勝できるチーム作りをします」 ――ありがとうございました。 [田中佑太] ◆森 勇登(もり・ゆうと)政経4、東福岡高、173センチ、83キロ オフの期間は、地元福岡でひたすらドライブ。「運転しすぎて飽きてしまった(笑)」。 READ MORE -
(7)「誰よりも声を出して」梅川太我 新体制インタビュー
ラグビー 2020.04.133年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。 第7回は梅川太我(営4=石見智翠館)のインタビューをお送りします。(この取材は3月12日に行われたものです) ※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。 ――新幹部のリーダーに選出されました。 「リーダーという位置付けにはなっていますが、感覚としては6人中の1人。勇登(森・政経4=東福岡)はバックスを主に引っ張っていくので、(僕は)全体を仕切る感じ。他のリーダーとは違って、(試合に)出ていないので、経験値は少ないですが、僕にしかできないことがあると思います。エナジーの部分や信頼の部分でしっかり勝ち取って、そこでカバーしていきたいです」 ――今年度通して意識していくことはありますか。 「(チームとしては)新スローガンの下、一試合一試合、ワンプレーワンプレーを精度高くやるということを掲げています。どんな時でも‶One by One〟と声を掛け合って、スキのないチーム作りを目指していきたいです。(個人としては)明治は才能のある集団、一人一人のスキルが高いので、そこに競り勝っていくためにも誰よりも声を出して、チームを引っ張っていきたいです」 ――スクラムハーフのポジション争いに関してどうお考えですか。 「今は蓮(飯沼・営3=日川)がずっとスタメンで出ている状況ですが、それも信頼があってこそだと思います。最上級生としての信頼を勝ち取って『僕がいないといけない』という存在になりたい。そうすれば自ずと試合に出られるチャンスが出てくると思います」 ――現在練習で重点的に取り組んでいることは何ですか。 「フィットネスやタックルの部分は自信があるので、最近はずっとパススピードにこだわりを持ってやっています。個人的に一番課題とする部分です。(全体では)この5週間はずっとファンダメンタル、基礎の部分に重点を置いてやっています」 ――今年度のチームと昨年度のチームで変化した部分はありますか。 「去年はリーダーズグループというものがあり、ペガサスとルビコンの間に差がありました。今年はもっと上下関係の仲を深めたいです。僕自身、今年はイベント長も兼任しているので、チームビルディングの部分にフォーカスしていきます。今年であれば、部内対抗の運動会を企画しています。他にも食事の時、土日の昼はスクランブル食堂という全学年が混ざってコミュニケーションを取れる機会を設けています。4年生から率先してそういった仕掛けを作っていきたいです」 ――春休み期間中のオフの日はどう過ごされましたか。 「毎年であればリフレッシュをしますが、今年は決勝で負けて『あの会場には信頼されているプレーヤーでないと出られない』ということを痛感しました。選手権後は、ラグビーをやりたい欲がすごかったので、めちゃめちゃ動きました。ウエイト、ランニングはもちろん、地元のクラブチームに参加させてもらって練習もしました。とにかく差を縮めたいという一心でやっていました」 ――最後に春シーズンの意気込みをお願いします。 「まずはしっかり試合に出ること。基礎の安定性を高めて、波のない選手になりたいです。(春は)自分にベクトルを向けてやっていきたいと思います。僕にしかできない仕事、役割があると思うので、残り1年強い覚悟をもって頑張りたいです」 ――ありがとうございました。 [髙智琉大朗] ◆梅川 太我(うめかわ・たいが)、営4、石見智翠館高、162センチ・69キロ昨年度の4月から毎日欠かさず日記を書いている。昨年度恥骨炎等のケガで苦しんだこともあり、自分を見つめ直す意味でも大切にしている習慣だ 次回は森勇登(政経4=東福岡)のインタビューをお送りします。お楽しみに!READ MORE -
(6)「僕が私生活を統率できるかでチームは決まる」髙橋広大 新体制インタビュー
ラグビー 2020.04.113年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。 第6回は髙橋広大(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は3月12日に行われたものです) ※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。 ――昨年は副寮長、そして今年は寮長に就任しました。 「昨年の寮長の(射場)大輔(令2政経卒・現NTTドコモレッドハリケーンズ)さんを見て、自分はどうしていかないといけないかというのは頭の中にありました。寮長が私生活の統率をとれるかとれないか次第でしっかりとしたチームになるかということが決まると思っています。自分にも厳しく、他人にも厳しく接するようには心掛けています。昨年副寮長を任せてもらえたのは先輩にも同期にも後輩にも間違っている、おかしいところは指摘できるタイプだからだと思います。言いづらい人はいませんし、周りにも厳しく言えるという要素は寮長にとって大事なことだと思います。今年の副寮長の江藤(良・文3=報徳学園)と協力してやっています。月に1度、ミーティングをしたりして、かなり話し合っています」 ――今年変えようと思っていることはありますか。 「今年のチームは昨年以上に上下関係なく言い合えるチームを目指しています。無駄な上下関係はないですし、下級生でも意見を言いやすい関係づくりというのを僕が中心となって、私生活から構築できればいいと思います。ラグビーにもつながることだと思いますし、昨年のチームはリーダー陣のコミュニケーションはかなり取れていたのですが、それが全体まであまり広まっていないなと感じることがあったので、僕らは上から下の学年までチームとしての統一性を持たせて、コミュニケーションを密に取れる環境を作っていきたいと思います」 ――昨年は対抗戦、大学選手権ともに出場されました。 「春シーズンは膝のケガで1試合も出られませんでした。膝のケガはラグビー的にあまりよくなくて、前よりパフォーマンスが落ちると言われます。僕は絶対言われたくなくて、必死でリハビリをしました。多少焦りはあったのですが、夏に戻った時に絶対に活躍できるように準備はしていました。自分の中で決めていた予定通り紫紺を着ることができたのですが、欲を言えば、もう少し長くAの試合に出られれば良かったとは思います。それでも良いシーズンでした」 ――春シーズンのリハビリ中に鍛えたことはありますか。 「自分の体を見つめなおして、そのケガをしてから毎日日記を書くようにしました。その日の膝の調子や感情、前日にはできなかったけどできるようになったことを書きました。強化したところは体の使い方、柔軟性です。以前はあまりストレッチをしないタイプだったのですが、さまざまな人にお世話になりながら体作りができました。ケガをする前よりも今ははるかにいい調子だと感じます」 ――ポジションはどこを重点的にやるかは決まっているのでしょうか。 「今はまだ特に決まっていません。滝沢FWコーチからはロックとフランカーの両方をできるようにと言われていますし、自分の中でも特にどちらかにとらわれるプレースタイルではないので、どちらも好きです。強いて言えば、ロックはラインアウトがメインになるので、ロックの方が大変だとは思います。桐蔭学園の時は1年はフランカーで、2、3年はロックでした。どちらもできるというのがある意味強みかもしれないです」 ――どのような選手像を目指していますか。 「石井(洋介・令2情コミ卒現栗田工業ウォーターガッシュ)さんと坂(和樹・令2政経卒現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)さんの役割を目指しています。今FW陣の中では石井さんが抜けたところでジャッカルを誰が取るんだということが課題になっています。そこで僕が取れるようになれればいいと思います。また坂さんはボールを持って前に出る選手で、坂さんが抜けた分、ボールを持てる龍雅に負担がかかってしまいます。自分が坂さんみたいな役割で前に出る回数を増やすことができれば、とも思っています。その2人の役割をうまく取りつつ、自分の色を加えるということを目指しています」 ――今シーズンの意気込みをお願いします。 「私生活でもラグビーでもチームになくてはならない存在にならないといけないです。そしてチームとして掲げている三冠をとれるように一日一日大事にしたいです。優勝できる力は絶対あるので、〝One by One〟を大事にしてチームみんなで力を合わせてとにかく優勝したいです」 ――ありがとうございました。 [上松凜助] ◆髙橋 広大(たかはし・こうだい)情コミ4、桐蔭学園高、184センチ、100キロ オフは遠藤孝一(法4=国学院栃木)選手、森勇登(政経4=東福岡)選手とともに地元群馬の名湯・草津温泉へ。「夜のライトアップがきれいでした」次回は梅川太我(営4=石見智翠館)のインタビューをお送りします。お楽しみに!READ MORE -
(5)「最後にみんなが良かったと思える組織を作ることが責任」松下忠樹 新体制インタビュー
ラグビー 2020.04.093年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。 第5回は松下忠樹(営4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は3月23日に行われたものです) ※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。 ――最上級生になり、今の心境を教えてください。 「自分の場合は昨年から主務をやっていたので、最上級生になったからといって特に気負っている部分があるわけではありません。しかし、やはり昨年以上にチームのことを考えないといけない時間も増えましたし、マネジャーの業務もそうですけど、学生スタッフをまとめなければという責任は昨年以上に持っています。やっていることは変わりませんけど、昨年に比べれば密度が濃くなっているかなと思っています」 ――昨年は3年生ながら主務を経験しました。やりにくさはありませんでしたか。 「(武井)日向(令2商卒・現リコーブラックラムズ)さんは年下だからどうとか代が違うからとかは全然なかったです。それは昨年の代の素晴らしいところだったと思いますし、スタッフリーダーの井元(優吾・令2営卒)さんも自分が『何かやりたいです』と希望を伝えると『どんどんやれ』という感じだったのでまったくやりにくさはなかったです。ただ、昨年と今年で違う部分というのは、昨年は最上級生ではなかったので、責任を取るのは井元さんであったり、日向さんでした。今年は責任の部分が増してくるので、そこが今までとは違う部分になると思います」 ――昨年の反省を生かし、今年変えようと思っていることはありますか。 「昨年1番学んだのはスタッフとしてピーキングの合わせ方です。監督、コーチにもよく言われますけど、すごく勉強になったところです。学生のスポーツなので、モチベーションで結果は全く変わってしまうというところも実感できました。ピーキングの話は選手に全て共有しています。あとは個人の時間とチームの時間に時期を分けているんですけど、個人の力を強くしようという時間を例年以上に取り、チームの方はまとめて凝縮してできるんじゃないかなというような話をしています。これまで3ヵ月やってきましたけど、個人の強さ、ウエイトであったり、動きにより注力しました。そこはまず昨年と違うところだと思います。モチベーションについては何かを変えるというような話ではなくて、龍雅を中心に決めたスローガンに込めたように『一つ一つ積み上げていこう』ということだと思います。昨年の最後に敗れた経験があったからこそ、このスローガンになりましたし、学生主体で今の段階は意識付けがしっかりとできていると思います」 ――今年のチームの雰囲気はいかがですか。 「もちろん学年のキャラが学生スポーツなので色濃く出ると思います。昨年、僕はチームの決定の段階にはあまり関わっていないので、何とも言えないですけど、学生主体というところは昨年以上に色濃くなっていると思います。チームミーティングの前にプレーヤーミーティングをやっています。リーダーで議題を決めて、学生のみで話をするんですけど、例えば『長期オフに入るから、長期オフはどのように過ごすのがいいんだろう』といったテーマをみんなで話しています。こういった機会は増えたので、雰囲気ではないですけど、学生からやろうというところは昨年以上に強くなっていると思います」 ――箸本主将をはじめとしたリーダー陣の存在についてはいかがですか。 「龍雅はラグビーだけでなく、ミーティングなど何かを話す機会での存在感がとても大きいです。高校日本代表を率いて、高校でも日本一になって、下級生のころから試合に出てという存在感は本当に頼りになります。副将の2人は、山沢(京平・政経4=深谷)に関しては今年1番変わったかなという気がします。これまでは彼なりに考えてはいたと思うんですけど、あまり発信はしてきませんでした。ただ今年は自分からアドバイスを多くしてくれたり、チームを思って発信してくれています。片倉(康瑛・法4=明大中野)は元々熱いタイプなので、龍雅、京平とはまた少し違う立ち位置でいてくれています。入ってきてすぐの1年生は箸本や山沢といったら少し存在が大きすぎると思うんですけど、そういうところに片倉や梅川(太我・営4=石見智翠館)などが上手くコミュニケーションを取ってやってくれています」 ――今シーズンの意気込みをお願いします。 「目標は日本一です。終わって今シーズン良かったなと思えたら、自ずと結果は付いてきていると思います。そのような組織づくりをしなければいけないポジションにいるので、最後ですし、楽しんでやれればなと思います」 ――ありがとうございました。 [上松凜助] ◆松下 忠樹(まつした・ただき)営4、明大中野高 頼れる主務はオフ期間もラグビー三昧。トップリーグなどさまざまなチームに修行に行き、剣さんを積んだ。3月末のオフは海外旅行の予定が中止。「映像を使ってラグビーの勉強をしようと思います」次回は髙橋広大(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。お楽しみに!READ MORE -
(4)「プレーでチームを引っ張っていきたい」山沢京平 新体制インタビュー
ラグビー 2020.04.073年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。 第4回は山沢京平のインタビューをお送りします。(この取材は3月12日に行われたものです) ※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。 ーー改めて国立での早大戦を振り返っていかがですか。 「単純に悔しいです。自分の実力不足を本当に痛感して、先輩たちにとっては最後の試合を良い結果で終わることができなくて申し訳ないというのが大きかったです。実力不足というのも、特に前半、点差がついた場面ではすでに遅いと考えていて、点差がつく前の場面でもっと自分がスタンドオフとしてできることをやって、チームをコントロールしなければならなかったと考えています。自分が違う動きをすれば前半の流れも変わっていたと思うので、本当に悔しいです。早稲田は想像以上の準備をしてきて攻撃も多彩でした。一本取られたという感じです。自分たちの代では絶対に早稲田に勝ちたいと思います」 ーー副将抜てきの心境はいかがでしょうか。 「役職を持つのがほぼ初めてなので、まずはびっくりしました。なったからには、しっかりと(箸本)龍雅(主将・商4=東福岡)を支えるということが大事になってくると思うので精一杯頑張りたいです」 ーー副将として意識していきたいところはありますか。 「今年のチームではなんでも言い合えるチームというのを目標にしています。新しい意見を発信できる場を積極的に作りたいと思っています。自分はあまり多くは喋らないタイプではありますが、できる限りグラウンド内のプレーで引っ張っていきたいです。チームを引っ張っていく役職というのは今後の自分にもプラスの影響を与えてくれると思っているので、自分の成長のためにも、精一杯やりたいです。後輩たちを見る立場にもなったので、グラウンドでプレーしながら後輩に教えたり、コミュニュケーションを取っていきたいです」 ーー副将をともに務める片倉(康瑛・法4=明大中野)選手の印象はいかがでしょうか。 「彼は結構はっきり物を言えるタイプだと思います。プレー面でも体を張ってみんなを引っ張っていくこともできる。副将抜てきは当然だと思います」 ーーサンウルブズに合流した選手もいますがいかがでしょうか。 「龍雅はいつも向上心を持ち合わせて、なんでもやってみたいという感じなので、サンウルブズに引き抜かれたってことは当然だと思いますし、羨ましいなと思います。先々、実力が伴えば自分もサンウルブズに挑戦したいです」 ーー今シーズンの目標をお願いします。 「今、ケガをしていて練習に参加できていない状態です。春シーズンは試合に出場できるか分からないので、とにかく今はケガを治すことに専念したいです。1年生でもサイズの大きな選手が入ってきて、自分も油断していられません。自分にとって最後の大学ラグビーとなるのでケガを早く治し、チームに復帰して、〝One by One〟のスローガンのもと対抗戦、大学選手権ともに優勝を果たしたいです」 ーーオフはどう過ごされましたか。 「ケガを治すのとリフレッシュをしていました。熊谷に帰って、中高時代の友達にも会って、とても楽しくリラックスできたと思います。お兄ちゃん(山沢拓也選手・パナソニックワイルドナイツ)とも久しぶりに会いました。ゲームメイクなどについても話せたので良かったです。お兄ちゃんに言われてずっと意識していることがあって、スタンドオフは試合を勝たせることが大事。自分のミスなどを極力減らして、試合を勝たせることがスタンドオフの仕事だということを兄からいつも言われているので、そういったところを意識しながらこれからラグビーしていきたいと思います」 ーーありがとうございました。 [内山嶺] ◆山沢 京平(やまさわ・きょうへい)政経4、深谷、176センチ、84キロ オフの期間で熊谷に帰ったときはいつも「あじとら」のラーメンを食べる。 次回は松下忠樹(営4=明大中野)のインタビューをお送りします。お楽しみに!READ MORE -
(3)「慢心せず最後まで」片倉康瑛 新体制インタビュー
ラグビー 2020.04.053年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。 第3回は片倉康瑛(法4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は3月12日に行われたものです) ※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。 ――副将に選ばれた心境はいかがですか。 「正直副将のようなキャラクターではないのですが、選ばれたからにはしっかり責任を果たしたいです。チームがパニックのときでも、自分は冷静に分析して的確なことを伝える、雰囲気を変えられるような存在になりたいです。なりたいというよりならなければいけないと思っていますが、チームのことをしっかり考えて全体を見ていこうと思います」 ――昨シーズンを振り返ってみるといかがですか。 「ラインアウトのところは2年生のころよりもマークされている気がしました。その中でどうやっていくかを考えて、すごく成長できたとは思います。ただボールキャリー、タックル、ブレークダウンのところはまだまだ下のレベルだと感じています。隣に龍雅という良いお手本がいるので、しっかりそれを超えられるように今年は頑張っていきたいです」 ――2年連続で大学選手権決勝のピッチに立った身として、チームに還元していきたいことはありますか。 「準備とメンタル、慢心のところです。昨年の大学選手権決勝もすごく準備はしましたが、結果的に早稲田の方が準備量は上回っていました。昨年は対抗戦で早大も慶大も帝京大も大差をつけて優勝したこともあり、周りから圧倒的と言われていました。(武井)日向さん(令2商卒・現リコーブラックラムズ)はずっと『何も成し遂げていない』と言ってはいましたが、その中に少し慢心があったのかなと思います。対抗戦を優勝して大学選手権決勝まで進むという、いい文化を継承させてもらっているので、今年はもちろん対抗戦も全勝優勝を狙います。去年負けているからといったメンタルの弱さや勝っているからといって調子に乗らずに一から積み上げて、最後までいきたいです」 ――FWの一列目の穴はどうやって埋めますか。 「ラインアウトはリフト、僕とか龍雅、哲大(繁松・政経4=札幌山の手)が残っているので、スローのタイミングが合えばという感じです。日向さんや(松岡)賢太さん(令2商卒・現神戸製鋼コベルコスティラーズ)と合わせていた2人がいなくなってしまったので、一日一日やって合わせていくしかないです。スクラムの部分は少し不安ではありますけど、フッカーの三好優作(文4=松山聖稜)を始め、フロントローがよく分かっていると思うので、春はいろいろチャレンジしたいです。うまくいかないときでも受け身にならずに、どんどんチャレンジして自分たちのスクラムを見つけていきたいです」 ――後輩の中で期待している選手はいますか。 「臼田(湧人・情コミ3=国学院久我山)もラインアウトをすごく考えるようになってきました。2年生の吉沢(拓海・政経2=熊谷工)、1年生からも何人か大きい選手が入ってきたので、そういう選手たちに僕の教えられるラインアウトは全部教えようと思っています。それで抜かされたら歯がゆいですけど、共に成長できたらなと思います」 ――今年1年間の個人的な目標を教えてください。 「一番はトップリーグで通用する選手になることです。2月のオフにトップリーグの練習に参加させてもらいましたが、自分の力が全然通用しませんでした。体の強さやブレークダウンのスキル、ボールキャリーのスピードなど、まだまだ改善できるところはたくさんあります。トップリーグに入った時に、すぐに試合に出られるような選手になりたいです」 ――「1年次の方が闘争心があった」ようにおっしゃっていましたが、それはどういうことですか。 「今はAチームで出られていますが、1年生のころが一番頑張っていたと思います。やはり試合に出られなかったので『試合に出たい。絶対俺の方がいい』みたいにずっと思っていて、努力し続けていました。去年1年間、特に夏合宿のときとかは慢心してしまっていて、筑波大戦の出来も悪かったです。自分から成長したいという気持ちに波がありました。しかし先日トップリーグの練習に参加したことで『今の(状態)で満足していても駄目だな』と感じることができたので、言葉では言い表せないですけど、頑張り続けたいという一心です」 ――FWとして意識していくことは何ですか。 「滝沢FWコーチが‶タフ・ワンステップ〟という課題を出してくださいました。常にタフにやり続ける、自分の殻から飛び出そうという意味があります。フィットネスをやるとき、最後のあと1秒を耐えられない人がいて、でもそれは気持ちの部分で変えられると思いますし、今まで(メンバーに)入れていなかった人がそこでこだわり、ワンステップ踏み込んで、しっかり入れる選手になるという意味合いがあります」 ――武井組から受け継ぎたいところはありますか。 「私生活の部分です。『スキのないチームを作ろう』といって、本当に意識がけできていました。トイレのスリッパが毎回そろっていたり、廊下に余計なものがなくてきれいだったりしたので、そこはしっかり受け継ぎたいです。ラグビーの面だと練習もすごくいい雰囲気だったのですが、少し波があるように感じました。そういうときこそ、リーダーとしてもっとチームを引っ張っていけるように努めたいです。去年のチームも質の高い練習をしていたので、今年はより一層いい練習をしていきたいです。また去年はリーダーズグループがあまりうまく活用できていなかったので、今年はリーダーズグループの仲もしっかり深めていこうと思います」 ――ありがとうございました。 [中村奈々] ◆片倉 康瑛(かたくら・やすあき)法4、明大中野高、190センチ・101キロ 春休みに楽しかったことは学年飲み。「藤(諒雅・商4=常翔学園)がパンツ一丁で変な芸をしていてみんな反応に困りました(笑)」。プライベートでも代の仲の良さが伝わってきた 次回は山沢京平(政経4=深谷)のインタビューをお送りします。お楽しみに!READ MORE -
(2)「全員が今年1年間楽しかったと思えるチームにしたい」箸本龍雅主将 新体制インタビュー
ラグビー 2020.04.023年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。 第2回は箸本龍雅主将のインタビューをお送りします。(この取材は3月12日に行われたものです) ※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。 ーー主将に選ばれて、今の心境はいかがですか。 「変わることはないです。昨年からチームを引っ張っていくぞという気持ちがありました。それが主将となっただけでやることは変わりません。昨年の夏合宿の時に、監督と面談をして、それとなく言われていました。夏初めは自分から発信する意欲とかもなく、先輩に付いていくことが多かったです。面談してからは、来年に向けて自分のためにもなると思ったので、そういう意識を持って取り組みました」 ーー主将として意識していることはありますか。 「僕自身がこうしようというわけではなく、今までやってきたキャプテンの柄として、いろいろな人にいろいろな役割を持たせてやってきました。自分一人では見切れない部分も多いので、いろいろな人から個々に派生していくようにすることが理想です。大学や高校は最上級生のチームになってくるので、その学年がどれほどいいモチベーションを持てるか。きれい事ではないですけど、高校の時も実際それでいいチームでできていたし、メンバー外の人たちも一つになれたと思います。昨年、一昨年のチームもそうだったように、4年生がどういう態度で1年間取り組むのかがチームに大きく関わってくると思います」 ーースローガンについて教えてください。 「オフ中に4年生一人一人に言葉を考えてきてほしいと話しました。みんなが考えた中から決めました。昨年は最後の最後にチームが良い状態でしたが、先読みしすぎて結果が出ませんでした。〝one by one〟には一人一人とか一つ一つという意味があって、足元見て、いつも大切にしていることを慢心せずにやっていこうと。いろいろな意味を込めていて、一人一人がなんでも言えるチーム。個人がチームのために何をすべきなのかというのを込めて、このスローガンにしました」 ーーサンウルブズに合流して感じたことは何ですか。 「フィジカルや体の強さ。大学では通用していましたが、向こうでは通用しませんでした。改めて課題が分かったので、これからのトレーニングのモチベーションになりました。実際行ってみて楽しかったですし、みんな優しくて良かったです。高校の先輩である布巻峻介選手(パナソニックワイルドナイツ)に個人練習に呼んでもらったり、ご飯も連れていってもらえたりしてうれしかったです」 ーーコロナウイルスへの対策はしていますか。 「毎年予防注射を打ちに来てくれるドクターがいて、その方が話に来てくれて、チーム全体に共有してくれました。防ぎようがないですし、必要以上に人混みを避ける意識、そういうところです」 ーー今年のポジションはどこを考えていますか。 「言われたところをやるつもりですけど、監督と相談しながら、6番、8番とかバックローもやれるようにしていくって言われています。まだ試合も始まっていないですし、チームとしてラグビーの練習はしていません。チームで合わせるというより、個のスキルを高めるようにしています」 ーー今年のチームの雰囲気はいかがですか。 「フラットな雰囲気を作りたいので、学年関係なく積極的に話せて、私生活においても誰にでも気軽に話せるチームを目指しています。現段階では、4年生からコミュニケーションを取るように心掛けています」 ーー新入生が入ってきていかがですか。 「良い選手が多いですね。今はFW、BKの練習が多くて、日曜日の練習くらいしか一緒にやりません。まだあまりよく分からない部分もありますね。自分から、練習中に声をかけて、気にかけてはいます」 ーー春シーズンに心掛けることを教えてください。 「チームとして戦術的なことはやってきていないので、個人がやってきたことをチャレンジすることです。個々のベースアップしてきたところがどれだけ相手に通用するか。明治は強さを出して前に出ることが強みだと思うので、そこを出していけるかです。春はずっとタックル練習をしていて、相手を向こう側に倒すタックルを心掛けています。アーディー・サヴェア選手(ハリケーンズ)や姫野和樹選手(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)などを参考にしています」 ーー今シーズンの目標をお願いします。 「僕の目標は、全員が今年1年間楽しかったと思えるチームにしたいというのと、後悔のない1年間にしたいです。メンバーがどうだったとかではなくて、このチーム1年間雰囲気として好きだなと思ってもらえるようにしたいです。そうなれば、絶対良いチームになると思います」 ――ありがとうございました。 [田中佑太] ◆箸本 龍雅(はしもと・りゅうが)商4、東福岡、188センチ、107キロ オフの期間は、福岡に帰省。地元の友達と遊び、いいリフレッシュとなった。次回は片倉康瑛(法4=明大中野)のインタビューをお送りします。お楽しみに!READ MORE -
(1)「(今年のチームは)全体的に競争しながら成長していく感覚がある」田中澄憲監督 新体制インタビュー
ラグビー 2020.04.013年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。第1回は田中澄憲監督のインタビューをお送りします。(取材は3月24日のものです) ※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。 ――今年度で監督就任3年目を迎えました。 「1年目はラグビーと組織の2本の軸でやっていくことに必死だったのですが、そこで優勝という結果を出すことができました。昨年はさらに組織をどう作っていくか。将来に向けてどうやって盤石なチームを作るかというところを考えながらやりました。運営に力を入れたことで、資金繰りがすごく改善されましたし、ようやく盤石な組織ができつつあると感じています。今シーズンは自分たちの企業努力で使えるお金ができたので、それをどういう強化に使うのか。実際スポットではスピードコーチであったり、メディカルの部分でも新しいスタッフを迎えたりと組織という意味では強くなっていると思います」 ――監督の立場で大切にされていることを教えてください。 「やはりウイニングカルチャーを作ること、常に優勝争いをするチームでなければいけないということは第一にあります。それを通して学生が成長していくこと、もちろんゲームには23人しか出られませんから、試合に出られなくなったときに、チームが勝つために自分に何ができるかを考えられるような人に成長していくことが大切だと思います。もう一つは明治の今の状態をどうつなげていくかです。自分はずっと続けられる訳では無いので、誰かが(監督を)やった時にまた低迷するということはもうやってはいけないことだと思います。そのための組織づくり、あとはバトンを誰に渡すかも考えながらやっています」 ――選手たちと話す時、心に置いていることはありますか。 「当たり前ですが、相手の考えを聞き出すことは大事にしています。あとは本音を言うこと。良くないのに『お前いいよ』なんて言いません。悪かったら悪いと言います。学生は特に多いと思いますが、嫌われたくないから本音を言わない。本音でいえなかったら、本当の仲間にはなれないと思います。スタッフが成長してほしいと思うから、思っていることをぶつけますし、学生にも同じです。女の子を口説くときは褒めたりしますけど、またそれとは全然違います。一生付き合っていく仲間ですし、基本的におかしいと思ったことは必ず伝えるようにはしています」 ――選手の話に関してもお聞かせください。今年度はリーダーに梅川太我(文4=石見智翠館)選手が選ばれました。 「彼はムードメーカー的な存在ですね。苦しい状況でも1人ずっと声を出してチームを鼓舞してくれる選手です。本当に練習中でも声を張って頑張っています。チームには必要不可欠なキャラクターだと思います。(スクラムハーフとして)タックルがすごくいいですよね。泥臭く、体張って、まさにフランカーのようなプレーヤーです。課題のパススピードは本人も理解してずっと取り組んでいるので、徐々に速くなっていると思います。みんなから信頼されていて(昨年の安部選手のような)近いかもしれませんね。安部をもっと熱くしたような感じですかね」 ――スクラムハーフに求めることを教えてください。 「基本的なスキル、パスのスピード、キックの精度は必要です。あとはゲームを読める力、予測、さらに駆け引きができるプレーヤー、ずる賢さのような感覚だと思います。チームを勝たせるという思考、ハーフ団としては必要不可欠です」 ――抜けたフロントローの穴に関してはどうお考えですか。 「ここは本当に今年の明治の課題です。ポジティブに捉えれば、みんなにチャンスがあるということ。実際フロントローの選手たちはこの5週間、意欲的にレギュラーを取りにいくエネルギーがあったので、全体を底上げできる感じがあります。(新入生が絡むことも)あると思います。もちろん最初は高校生上がりなので、スクラムなど難しい部分もありますけれど、今年入ってきた子たちもスクラムさえ組めるようになれば、能力が高い選手が多いので、十分チャンスはあると思います。そこに刺激を受けた3、4年生も良い競争、自分がそこに出るという空気が出ているので。今まで隠れていた選手がポッと出てくる可能性は全然あると思います」 ――リハビリ中の山沢京平(政経4=深谷)選手の穴はどのように埋めますか。 「去年何試合か出た齊藤誉哉(文2=桐生一)。彼は経験を積むチャンスだと思います。1年生でも良い選手がいて、池戸将太郎(政経1=東海大相模)や伊藤耕太郎(商1=国学院栃木)、本職はセンターですが、スタンドオフもできる廣瀬雄也(商1=東福岡)。この間の土曜日に部内マッチをやったのですが、入りたてとは思えない良いパフォーマンスしていたので。逆に言えば、齊藤誉もプレッシャーは掛かっていると思いますね。(それぞれのプレースタイル)齊藤誉はキック飛距離に魅力があって、オーソドックスにゲームを作っていくタイプだと思います。池戸も少し似ています。伊藤はそれに加えてランニングスキルもある。テンポが少し違うというか、視野も広いです。廣瀬はパススピードが速いと思います。キックの飛距離もありますし、本当に楽しみです」 ――今年度の4年生、チームの特徴を教えてください。 「一言でいうとラグビー小僧。良い意味で純粋にラグビー好きが多い。1年生の頃から残って練習するような学年です。やんちゃな面もありますけど、本当に向上心がある学年だと思います。(今年のチームは)全体的に競争しながら成長していく感覚があります。去年は何となく入れ替わることが難しい状況でした。というのも優勝した次の年でベースができていた。だから次のステップから始める、例年とは異なる進め方をしました。そうすると、ベースができていないメンバーと、経験値があるメンバーで大きな差が生まれてしまい、なかなか入れ替わりができず、競争も生まれない。そういう意味で失敗したという反省があります。今年は現在5週間やりましたが、ベースの部分しかやっていません。ラグビーはほとんどやっていないですね。フィジカルとベースを徹底しました。だから一人一人の成長が大きくなっていくかなと。それがチームになった時、大きなチームになるのではというイメージがあります」 ――最後に今年度の展望をお願いします。 「目指すところは去年取れなかったチャンピオンシップ。今シーズンは目標として3冠(ジュニア選手権、対抗戦、大学選手権)を選手たちに共有しています。これによってウイニングカルチャーというものをしっかり定着させたいなと。去年で3年連続日本一を争っていること、これは誇っていいことだと思います。20年以上優勝していない、決勝戦を争っていないチームがまた3年連続で争うということは、とても評価できることですし、ウイニングカルチャーが芽生えてきたといってもいいと思います。あとはこれを定着させること。そのためには『常に勝つんだ』という気持ちが大切だと思います。今年の新入生が4年生になったら、ラグビー部がちょうど100周年。そういう意味でも記念する年に勝つことはうれしい。連覇というのは、今年終わってみて思いましたが、難しいです。帝京大の9連覇というのは奇跡(笑)。二度とあんなチームは生まれないと思います。だから連覇はしたいですけど、それよりも常にチャンピオンシップ、トップ4争いにいることの方が大事だと思います。本音は優勝したいですよ」 ――ありがとうございました。 [髙智琉大朗] ◆田中 澄憲(たなか・きよのり)平10文卒 今年度で監督就任3年目を迎えた。在学時には監督不在の中主将を務め、チームを大学選手権準優勝に導いた。卒業後はサントリー・サンゴリアスに入社。2005年には7人制日本代表に選出され、W杯にも出場。2010年度に現役引退し、12年度からサントリーのチームディレクターに就任。18年度には監督就任1年目にして明大を22年ぶりの大学日本一に導いた。次回は箸本主将のインタビューをお送りします。お楽しみに!READ MORE