
【サッカー部】挑越
今までを超えて見せる。今季のチームスローガンは「挑越」。「大学サッカーを制する」(佐藤亮主将・商4=FC東京U―18)。未だ関東の大学が成し遂げたことがない、リーグ戦・総理大臣杯・インカレの〝3冠〟を目指す。本特集はそんなサッカー部の1年を追う。
-
(20)~インカレ直前特集~ 栗田大輔監督インタビュー
サッカー 2019.12.12総理大臣杯、関東大学1部リーグ戦と2冠を果たし、堂々の関東地区第1代表として11年連続19回目の出場となるインカレ。本特集では12月7日から全7回で、4年生3組の対談、4年生マネジャー対談、主将主務対談、栗田大輔監督のインタビューをお届けします。明大の初戦である14日の前日には展望記事を掲載します。 第6回は、監督に就任して5年目のシーズンとなった栗田大輔監督のインタビューをお送り致します。(この取材は12月3日に行われたものです) ――今シーズンここまでを振り返っていかがですか。 「成績は全てタイトルを取っているから、結果だけを見れば良いでしょうけど、1年間を通じて春から右肩上がりできたかというと疑問です。例えば後期リーグは失点が9になったり、立ち上がりの失点が増えたり、そういった甘い部分が出ているから、一戦一戦振り返ったときに全て満足がいくかと言われるとそうではないですね」 ――今年の強さの秘訣を教えてください。 「1年間を通じて積み重ねをきっちりできているなと思います。レベルがしっかり上がってきていて、自分たちがやろうとしていることを一つずつプラスに積み重ねていく作業ができているのが今年です。一つの大会を優勝したから満足するのではなく、あまり一喜一憂せず浮かれないで12月最後に良いチームでいようというところにみんながそろっていると思います。あとは4年生は毎年象徴みたいなものなので、4年生が中心となって頑張るのだけれど、すごくコミュニケーションをとって良くなるための改善する作業を繰り返しているのが印象としてありますね」 ――2冠を達成して感じていることはありますか。 「まだまだ駄目だなと感じています。立ち上がりの失点が多いことや失点数が増えたこと、今日も対人練習をしたけど、ぬるくなっているな、基準が落ちているなと思います。やはりその基準を上げていく作業をやりたいですね」 ――今年の4年生はどんな学年でしょうか。 「1年生の頃にはだらしないなと思っていましたけど、みんなそれぞれに個性があって非常に個性派ぞろいです。それでもバラバラではなくてしっかり佐藤亮主将(商4=FC東京U―18)を中心に仲が良くまとまっていて、すごく良いなと思います」 ――明大サッカー部の監督になろうと思ったきっかけを教えてください。 「僕も自分で小学生や中学生のサッカーチームを見ていたり、明治の前に他の大学を手伝ったりしていました。その中で改めて母校で取り組んでいることや井澤千秋総監督と神川明彦監督が追求していることに共感できたし、学生たちが全力でやる姿勢に自分の培ってきた経験を伝えたいと思ったことがきっかけですね」 ――サッカーの指導者になろうと思ったきっかけを教えてください。 「少年サッカーを教えたりしていると子供たちはやっぱり夢を持つじゃないですか。でもなれる人は本当にごく一部だし、そこに一つのサッカーチームに対して親御さんも元気をもらったり、夢をかなえるために具体的に何をすればいいかというと、結局は一生懸命にやるしかないと思います。でもその一生懸命のやり方や環境をつくってあげたら、もしかしたらそこに近づけるかもしれないです。そういう意味では自分から何かを発信することで1人でも2人でも笑顔や元気、夢に向かっていく勇気、その周りの家族の笑顔、地域の活性に貢献したいなと思ったのがきっかけですね」 ――指導者を始めてから印象に残っている思い出はありますか。 「それはやはり一番初めに僕がFCパルピターレというクラブを創った時ですね。全て自分で財を投げ売って、街の学校予定地に何度も頭を下げに行って草刈りを毎日して、犬のフンを毎日拾って、チラシを自分で作って3万枚毎日ポスティングして、そうやってクラブをゼロから立ち上げたことは印象的です。そこからどこの馬の骨か分からないような自分に、サッカーを学びたいと自分のお子さんを預けてくれた親御さんや笑顔で来てくれた子供たちとの思い出は今でも忘れられないですね」 ――やりがいを感じる瞬間はどんなときでしょうか。 「なかなか最近は指導という現場は非常に難しくて、どちらかというと丸く収めようとか波が立たないようにする世の中じゃないですか。でも僕は指導は違うと思っていて、その人間が成長するために、本人が見えていない可能性は指導者や周りの人には見えていると思います。それを打ち破っていく作業が指導の役割だと思っていて、当然気付く瞬間は自分のプライドや殻を破っていく訳だから、負荷もかかるし、嫌なことも言われますよね。でもそれを選手のために言えるかどうか、妥協なく伝えられるかが指導のポイントなのかなと思います。それができなくなったら指導はやめた方がいいですね。何かの軋轢(あつれき)に負けたり、誰かに気を使ったりしたら本人のためにならないから、そこは偏ってはいけないと思います。色んな尺度を俯瞰的に見たり、物事を斜めから上から横から見る見方を自分が持っていないとそれは偏った思想になってしまうから、自分の趣味に人を巻き込むことは全く違うと思います。でもその人の可能性を伸ばすためには、その人が将来活躍できる道筋を広げてあげる作業です。それが世の中のためになったり、誰が見ても気持ちのいいものであったり、そこに対して良いか悪いかを明確にすることだと思います」 ――栗田監督にとってサッカーとはどんな存在ですか。 「正直なところ未だに分からないですが、好きだからやっている訳で、小さい頃からサッカーをやったり、見たりしてきました。そこからサッカーの魅力や全員でする面白さ、楽しさから得るものは大きいので、本当に自分の生活の中でずっと横にいるような存在です」 ――インカレへの思いを教えてください。 「監督になってリーグ戦も、アミノバイタルカップも、総理大臣杯も、Iリーグも、東京都トーナメントも、新たな記録も作って実績を上げてきた訳ですが、インカレだけは取っていません。個人的にインカレに対して強い思いはあるし、2016年に総理大臣杯とリーグ戦を取ってインカレはベスト8で負けてしまいました。あの時は筑波さんが優勝して、終わってみれば周りが『今年は筑波大だったな』という空気で終わったことが、すごく印象に残っています。やっぱり最後の締めくくりを優勝して終わることは大事だと思いました。いくら強くても最後にインカレで負けたら、そのまま4年生は卒業してくので、後味が悪いです。そこはきっちりと最後に結果を出して、送り出してあげたいなと思います」 ――明大サッカー部を応援してくれる方にメッセージをお願いします。「総理大臣杯にしても天皇杯してもリーグ戦も、表ながら陰ながら支えてくれている人たちが本当にたくさんいます。それを常に感じながら僕らはやっているし、『我々ができることは何だろう』と考えたときに、本当に全力でやる姿勢や気持ちよく学生らしく行動することで、見ている人や応援してくれる人が何か響いてくれたり、元気をもらったり、明日につながる一歩になることが、僕らの恩返しだと思います。いつも感謝しているし、見ていてスカッとするような面白い試合を見せたいと思います。明大サッカー部はOBも含めて支えてくれている人たちあって活動ができているので、スタッフも学生も感謝しながら活動しています」 ――ありがとうございました。 次回はインカレの展望記事をお送りします。更新は明日12月13日です。お楽しみに! インカレ初戦まであと2日! [木田諒一朗]READ MORE -
(19)~インカレ直前特集~ 主将主務対談(佐藤亮・芹澤)
サッカー 2019.12.11総理大臣杯、関東大学1部リーグ戦と2冠を果たし、堂々の関東地区第1代表として11年連続19回目の出場となるインカレ。本特集では12月7日から全7回で、4年生3組の対談、4年生マネジャー対談、主将主務対談、栗田大輔監督のインタビューをお届けします。明大の初戦である14日の前日には展望記事を掲載します。 第5回は、佐藤亮主将(商4=FC東京U―18)、芹澤徹郎主務(営4=鎌倉)の主将主務対談をお送り致します。(この取材は12月4日に行われたものです) ――今シーズンここまでを振り返っていかがですか。芹澤:シンプルによく勝つなと思います。自分は視点が選手と違って、どうやったらこの選手がいい状態で持ってけるかなということを考えています。日によって状態が違うときや今日アップ微妙だったなという日でも結果終わったら勝ってるということがあります。みんながいろんな状況の中で最善を尽くしているからいい結果が出ているのかなと思います。外から見るのと中から見るのでは全然印象が違うと思いうので、ギリギリで力を発揮してるなと思います佐藤亮:成長したと率直に思います。シーズンの最初は4年生としても役職柄としてもうまくいかない時期もありました。勝っているからこそ表に出ない部分かもしれないですけど、その中でも試行錯誤を重ねながらここまできたので、チームとしてまた一つ二つ大きくなってここまで来られたと思います ――2冠という結果について心境をお願いします。芹澤:うれしいです。本当にうれしいです。こうしようとは思っていましたが、ここまでうまくいくとは思っていなかったので、思ってもみなかったですね。ずっと怖いなとは思っていました。どこで崩れるのだろう思っていました。でもインカレ前まできてしまったので、もうただやるだけ。崩れるも何もないから、やるだけですね佐藤亮:優勝した瞬間は一安心しました。肩の荷が下りて解放されたみたいな感じでした。明治のサッカー部は大学の中では優勝候補筆頭で、それは明治のこの選手この選手がいるから優勝候補ではなくて、明治のサッカー部だから優勝候補みたいな感じです。今でこそプロが6人決まっていますが『誰が出ているから優勝候補だよね』ではなくて、明治として見られています。それに対する責任というか、それも先輩たちが作り上げてくれたものなので、それを崩さないように、むしろ上積みしていかなければいけないというところの責任感を持っていました。それを積み重ねるも崩すも最後は僕の責任になるので、それを背負いながら、例えば総理大臣杯で史上初5年連続決勝進出とか2連覇を達成するとか、世間から注目されがちな年だったので、それを達成できたときは本当に一安心して、うれしいというよりかはホッとしました。良かった、安心した、先輩に顔向けができるという思いの方が大きかったと思います ――大学4年間を振り返っていかがでしょうか。芹澤:僕は正直悔しいの一言ですね。自分にとっての今の時間はインカレの追加登録3枠を争う時間なので、自分がその3枠に入る可能性が低いというのも実感しています。諦めてはいないですけど。諦めてないというのを口に出すからといって、ピッチの中でやることは何も変わらないです。それで、その時間に何かを見出すために、セカンドにいる同期と話し合うことは結構ありますが、どちらかというとセカンドにいる人間は現実を見たときに敗者だなと、この組織の中で勝ち残れなかったメンバーなので、きれいごとで終わらせるつもりはないです。自分個人で4年間を振り返ると、ああしとけばということはないですが、自分の実力が足りなかったなというところに尽きます。なので、この悔しさをバネにではないですが、みんなのことを応援しながら自分が社会人のときにどう生きていくかというところにつながっていくと信じて、あと明治がもっと良くなるために4年生の責任があるので、この時間はそれをやりながら、その悔しさと向き合っていきたいです佐藤亮:つらかったことの方が多かったですね。今季こそ試合に出れて結果を出せています。しかし今季の入りはどうだったかというと、自分は今季の入りで試合に出れていませんでした。ましてやキャプテンという役職を持ちながら試合に出ないという、恥ずかしいというか悔しいというか、不甲斐ないというか、みんなにどう顔を合わせたらいいのかわからないですし、週末の試合でまたスタメンではないのかって思ったときに悔しかったです。それは今季の始めにかかわらず、2年生でケガしたときもそうですし、3年生のここぞというときに病気にかかってしまったし、1年のときもトップを経験したからこそ言われる言葉もひどかったです。それはスタッフからも先輩からもそうですし、見られる目が厳しかったのは良いことですが、その分心にグサッと刺さるような言葉をかなり言われてきたので、つらい時期の方が多かったです。それでもやはりこの大学だから味わえたことですし、他の大学だったらもっとスムーズに試合に出られたとか、こんなに厳しい環境で仕事をさせられたりすることもなかったからこそ、充実感みたいなものも半減していたと思います。そういうのを考えると明治に来て良かったと思いますし、それは今だから言えることですが、当時を振り返ったら絶対にそんなこと思わないですし、もう一回やれと言われてもやりたくないです。でも過ぎたからこそ言えることなので、本当に充実して同期で絆を深め合い、総じて楽しかった4年間だと思います。結果的に楽しかったよね芹澤:楽しかった ――佐藤亮主将の人柄を教えてください。芹澤:本当に人当たりが良くて誰とでも合わせられます。1個と言われたらそこです。だから、僕たちの中で主将を決めるというときに、本当は佐藤亮ともう1人挙がっていましたが、僕は最初から佐藤亮で、佐藤亮以外絶対ないだろと思うくらいでした。僕たちの代は個性が強かったので、そうなってくると全員と平等に深いコミュニケーション取れるやつって佐藤亮しかいなくて、しかも人前に立ったときに話せるというのは主将として大事なところだと思います。もう一つ自分の期待を超えてきたのはここまで結果を残すかっていうことです。期待値の部分だったので、人とコミュニケーションがとれて、期待を上回ってくるという感じですね。褒めすぎ?(笑)佐藤亮:いや、うれしいですよ。泣きそうだよ芹澤:あといじられるのがうまいです。いじるのはそんなにうまくないかな(笑) ――芹澤主務の人柄を教えてください。佐藤亮:他の57人は知らないと思うけど、一番この1年間苦労しているし、大変な思いをしてきて、多分今年一番怒られているのは彼だと思います。それだけ期待されているし、重要な役割だと思いますが、サッカーに集中したいだろうし、ピッチに入って躍動するというが一番やりたいことだと思います。それでも裏方に回って、なおかつサッカーもしながら、これだけチームを円滑に回してくれるのは彼でなければできなかったことです。他の選手は『もっとこうしろ』と言うと思うんですけど、『じゃあお前がやってみろよ』と僕は結構思います。『芹澤がどれだけ大変なことをやっているか分かっているか』と、見えないところで大きな仕事をしているので、今年もちょっとミスをしたけど、それも含めて彼だなって思います。完璧な人なんていないし、そこに対して向き合おうとする姿をどれだけの後輩が見てくれたかなと同じチームの一番上の立場から思っていたので、僕から見たら一番感謝しなければいけない存在です。このチームがこうして勝っているのも彼がチームを円滑に回してくれているからであって、試合のときも彼が事細かに時間を配分してくれて、リスク管理もしてくれるし、その上での2冠があるので、僕はもう一番彼に感謝したいです。彼の仕事ぶりが人間性を示しています。言葉はいらないくらいのすごい人です ――勝ち続けることの難しさをどう考えていますか。芹澤:勝ち続けても、何が勝ち続けている要因なのかというのを『明確にこれ!』と、それに頼り切ったらお終いなので。勝ち続けているのに、勝ち続けている要因にはならないというのは感じました佐藤亮:勝てば勝つだけ不安になってくるのはあります。自信がつくというのもありますが、勝てば勝つだけ不安になる。その不安になるのを取り除くのを僕がやればいいのですが、例えばアマチュアや大学サッカーはスキが生まれたり、甘さが出たりってなりがちだと思いますが、そういうところにどれだけ気づいて、どれだけ目を向けて、しっかりとした矢印をずらすことなくやり続けるというのはやはり難しいです。どれだけ研究された中でも勝ち続けられるかというのも、勝てば勝つほど研究されるし、難しくなっていくので、その中でも打開できるだけの個の能力であったり、チームのスキルを磨き続けなければ、年間勝ち続けられないと思うので、そこは勝つことの難しさという意味で考えられると思います ――最後に、インカレへの意気込みをお願いします。佐藤亮:4年間お世話になって、苦楽を共にした同期がいて、家族には散々迷惑をかけましたし、スタッフにもいろんな指導をいただいて、この4年間で出会えた人というのは計り知れないです。陰にいろんな応援してくれる人がいて、その数を足したら大応援団になってしまうくらいの方々に支えてもらいながら生きてきました。最後に頑張ったよねと言われるよりも、優勝して素晴らしいねと思ってくれる、その感情にさせるのが恩返しだと思います。だから僕がやれることは、プレーもそうだし結果もそうですが引っ張って、チームが苦しいときに自分が一番頑張ってつらい顔を見せずに最後まで諦めない姿勢や、勝ってたとしても最後まで全力で戦い抜くとか、そういうところに自分はフォーカスを当てて、今年最後にもっと応援してもらえるような選手やチームになりたいと思います。『この年はあの人がこれだけ頑張っていて、本当に私は感動した!』とか、『こういうチームをもっと応援したい!』とか、『こういう選手をもっと応援して見続けたい!』と思ってもらえるくらい最後の大会で自分の今までの生き様を残していけたら、それが大学4年間に対する恩返しだと思います芹澤:まずは追加登録3枠を目指すために、練習を日々全力でやるというのと、自分が主務としてやれることは限られていて、それを完全にミスなく遂行する任務というか、責任があるので、それをやった上で優勝したいです。自分は優勝した瞬間にピッチに立っている確率は低いと思いますが、見てくれている方に結果が情報として届いて、高校生の人が『明治に来たい』と言ってくれたり、プロのファンの人たちが『明治ってめちゃくちゃ強いらしいよ』と知ってもらえたり、大学が結果を聞いて『もっとサッカー部を応援しよう』となってくれたらそれ以上のことはないです。優勝したいです ――ありがとうございました。 ◆佐藤 亮(さとう・りょう) 商4、FC東京U―18、170センチ・63キロ◆芹澤 徹郎(せりざわ・てつろう) 営4、鎌倉、167センチ・63キロ 次回は栗田大輔監督のインタビューをお送りします。更新は明日12月12日です。お楽しみに! インカレ初戦まであと3日! [佐々木崚太、高野順平]READ MORE -
(18)~インカレ直前特集~ 4年生マネジャー対談
サッカー 2019.12.10総理大臣杯、関東大学1部リーグ戦と2冠を果たし、堂々の関東地区第1代表として11年連続19回目の出場となるインカレ。本特集では12月7日から全7回で、4年生3組の対談、4年生マネジャー対談、主将主務対談、栗田大輔監督のインタビューをお届けします。明大の初戦である14日の前日には展望記事を掲載します。 第4回は、佐藤帆奈美(商4=小平)、渡邉さくら(営4=明大中野八王子)の4年生マネジャー対談をお送り致します。(この取材は12月3日に行われたものです) ――今シーズンここまでを振り返って渡邉:あっという間でしたね。気づいたらここまで来ているという感じです佐藤帆:あっという間だったし、休みなくずっと試合があって年間を通じて勢いがあったので、早く感じたのかもしれないです ――マネジャーから見たチームの雰囲気はいかがでしょうか。渡邉:メリハリがあるなと感じます。試合前もアップが始まる前は、本当に今から試合が始まるのかなというのは言い過ぎですが、みんなリラックスしていて笑顔が見られます。それでもアップ前の栗田大輔監督からのミーティングが始まると、顔付きが急に変わって試合モードになるのがすごく印象的です。今年はこの4年間で一番メリハリのあるチームだと思います佐藤帆:例年より1、2年生がのびのびしているかなと思います。それは4年生や3年生が人を惹きつける人柄をしっかり後輩にも出してあげられていて、みんなが仲良い雰囲気はあります ――マネジャーになろうと思ったきっかけを教えてください。渡邉:私はもうずっとサッカー部のマネジャーになるのが憧れでした。中高一貫校に通っていて中学からずっとテニスをしたのですが、高校からサッカー部のマネジャーという訳にはいかなくて、絶対に大学に入ってから『サッカー部のマネジャーをやるぞ』と決めていました。なので大学に入ってからは他のサークルとかも見ずに入りました佐藤帆:私は元々家族の影響でずっとサッカーを見るのが好きでした。高校生の時に冬の選手権を見に行って、マネジャーさんが選手をサポートする姿を見て、私が学生生活でやり残していることはこれかなと思ったことが一つのきっかけです。それでも大学に入ってからやっぱり体育会は少し壁があるというか、若干入りづらくて飛び込むことに勇気がいるなと思っていました。色んな所を回ってサークルか、体同連か、体育会に入るかすごく迷っていましたが、受験生の頃から明大サッカー部の結果とか気にしていて、モチベーションビデオとかも見たりしていて、受験のモチベーションにしていていました。そこでサッカー部がすごく気になっていたところを、同期の安部柊斗(政経4=FC東京U―18)に声をかけてもらって、そこで一歩踏み出してこの世界に飛び込むことができました ――実際に入部してみていかがでしたか。渡邉:私は中学高校と女子だけの部活で、女だらけの環境にいたので、入部してまず寮を見て欠陥している部分を垣間見たり、男たちの集団に自分がいることにすごく大丈夫かなと初めは感じたりしました(笑)佐藤帆:最初の練習を見た時に2歩先くらいのピッチの中で、あんなに選手たちがバチバチとプレーしているのを見たことがなくて、初めは圧倒されました。私はサッカーがすごく好きだったので、『こんなに近くでサッカーが見られる環境超最高』と思って、すごく楽しかったです。弟もサッカーしているし、お父さんもサッカーをやっていたので、全然男臭いとか気にならなかったし、自分もバスケとかをやっていたので、そこに関しては体育会の雰囲気に壁を感じなかったので、すぐに溶け込めて楽しかったです ――つらさを感じたことはありますか。渡邉:初めの頃の朝は慣れるまでがきつかったですが、今もきついです(笑)。今もアラームが鳴っても目を閉じているみたいな感じです佐藤帆:アラーム3回目くらいじゃないと起きられないね(笑)渡邉:マネジャーは遅刻しても罰とかはないですけど、それでも遅刻したらみんなに迷惑をかけるので、起きないといけないし、みたいな気持ちで頑張って体を起こして行っています。つらさはそれくらいです(笑)佐藤帆:私も家が遠いので、今は親が車で送ってくれたりしますけど、自力で行っていた頃は3時くらいに起きてお風呂に入ってみたいな生活でした渡邉:お風呂に入るのはちょっとロスだね(笑)佐藤帆:前の日にとりあえず寝ようみたいな感じで寝てみて、起きてお風呂に入って4時すぎくらいに家を出て自転車をこいでました。最寄りからの始発だと間に合わなかったので、一番近いJR線沿いまで行ってみたいな生活をしていた時は本当にきつかったです。寝るのも2時間半くらいで池上(礼一・昨年度コーチ)さんに『睡眠じゃなくて仮眠じゃん』みたいに言われていましたね。それでも本当に迷惑をかけるから寝坊だけは絶対にしたくないと思って頑張っていました。そのうち慣れるかなと思いましたけど、全然慣れないよね(笑) ――やりがいを感じる瞬間はどんなときですか。渡邉:チームが勝ったときは、やっぱりやってきて良かったなと感じるし、こんなに近くでみんなの笑顔が見られることがすごくうれしいです。モチベーションビデオを作ったときも『ありがとう』とか、『良かったよ』とか言ってくれると作って良かったと思えますね佐藤帆:最初から見返りを求めてやっている訳ではないですけど、やっぱり選手やスタッフさんにねぎらいの言葉をかけてもらうときにやっていて良かったと思います。あとは自分たちがいるから試合に勝つとか点が決まるとはないから、難しいところではありますけど、それでもやっぱりチームの結果が出たときやセカンドの選手がトップに上がって試合に初めて出たとき、初めて点を決めたとき、ケガをしていた選手が復帰したときとかは、長く一緒にいるからこそ、自分のことのようにうれしいですね ――選手たちにここは直してほしいかなと思うところはありますか。渡邉:以前は練習が終わってダウンする時に、自分の好きなところにビブスを置いていて、みんなの後をたどっていけばビブスにたどり着く感じでした。それをスタッフさんが『なんでこんな感じなの』と言ってくださって、それからはみんな一つの場所に集めてくれるようになりましたが、強いて言えばボトルもそうしてほしいかなと思います(笑)。佐藤帆:今年の1年生はすごい気が利くよね!渡邉:うん、1年生すごい(笑)佐藤帆:去年やおととしまでは、『ちょっと頼むわ』みたいな思っていたところも、結構動いてくれて、荷物を持ってくれたり本当にありがとうみたいなことが多いです。例えば試合でピッチから少し離れた所でミーティングをする場合に、ボトルを2、3本ミーティング場所に置いていくんですけど、今年の1年生は持ってきてくれるので、しっかりしてると思います。4年生の教育が素晴らしいです(笑)。4年生はしっかり観察できる人が多いので、4年生が最初に動くからそれにつられて下級生も焦って付いていきます。それで見本を見せれば次から自発的に動ける下級生たちなので、すごく今年は特に組織としてうまく回っている気がします ――この4年間で2人のエピソードはありますか。渡邉:1年次のIリーグでの初めての給水ですね。一つ上のマネジャーさんと3人でサポートに入ったのですが、『じゃあ1年生2人で給水に行ってみよう』と言われて、私たちは普段の練習みたいに『給水で笛が鳴ったら行かなきゃ』と思って2人でグラウンドの中に一気に入っていきました。そしたら出ている選手も応援の選手も、ベンチにいるスタッフからも、『ちょっと待ってー!』と言われて(笑)。それでこっちは『えっ!?』みたいになって2人で急いで戻ったことは一生忘れられない思い出です(笑)佐藤帆:それから先輩にも言われるし、同期にもすごくいじられるので、恥ずかしかったです。タッチラインに出てはいけないことを知らなかったので(笑)渡邉:という話を一つ上の先輩方が卒業される時に泣き笑いしながら、またそのエピソードを話し出して、本当にいい思い出です ――インカレへの思いを教えてください。渡邉:絶対に勝ちたいです。さっきも電車で3年間分のインカレのマネジャー日記を見ていて、毎年悔しいなと思っていたので、絶対に優勝したいという思いがすごく強いです。1年間これだけ頑張って、最後にインカレ優勝できなかったらすごく悔しいし、インカレ優勝のためにみんなこの4年間どんなにつらくても乗り越えてきたので、12月22日に絶対にインカレ優勝して、みんなでサッカー部を笑顔で卒業したいなと思います佐藤帆:他大の方と話したり、選手の親御さんと話したり、スタッフとコミュニケーションをとる中で、本当に色んな人に支えられていると感じています。最後に結果を出すことで、自分たちが恩返ししているかは微妙な立ち位置ですが、応援してくれる人たちのためにも結果を出したい、出てほしいと思います。あとはスタッフさんたちもすごく勝ちたいと思って練習メニューを組んでいて、選手たちがどんなに泣きそうな顔で練習していても手を緩めない厳しさに気持ちを感じます。栗田さんもお仕事も忙しい中で選手のことをすごく考えてくださったり、小野(浩二コーチ)さんも潤(山口コーチ)さんもピッチ外の個人の時間、家族との時間を削ってまでサッカー部のことを考えてくれて、支えてくれている人たちのためにも結果を出してほしいと思うので、私も絶対に勝ちたいです ――ありがとうございました。 ◆佐藤 帆奈美(さとう・ほなみ) 商4、小平◆渡邉 さくら(わたなべ・さくら) 営4、明大中野八王子 次回は主将主務対談をお送りします。更新は明日12月11日です。お楽しみに! インカレ初戦まであと4日! [木田諒一朗]READ MORE -
(17)~インカレ直前特集~ 4年生対談③(小野寺・川上)
サッカー 2019.12.09総理大臣杯、関東大学1部リーグ戦と2冠を果たし、堂々の関東地区第1代表として11年連続19回目の出場となるインカレ。本特集では12月7日から全7回で、4年生3組の対談、4年生マネジャー対談、主将主務対談、栗田大輔監督のインタビューをお届けします。明大の初戦である14日の前日には展望記事を掲載します。 第3回は、川上優樹(政経4=矢板中央)、小野寺健也(商4=日大藤沢)の4年生対談をお送り致します。(この取材は12月8日に行われたものです) ――今シーズンここまでを振り返っていかがですか。川上:リーグ戦と大臣杯を優勝できて、アミノも取れて天皇杯は川崎フロンターレに負けましたが、コンスタントにいい結果を出し続けているので、それは非常にいい点だと思います小野寺:出ている学生の大会は全部取っているのが今の明治の現状で、ここまではチームとしてはうまく合っています。まだインカレは残っていますが、自分たちにとっていいシーズンになっていると思います ――大学4年間を総じて振り返りをお願いします。小野寺:個人として試合に出始めたのは4年からで、これまではずっとIリーグでセカンドという立ち位置でずっとサッカーをやってきました。こうやって4年になって積み重ねてやってきたことが結果にも出始めている中で、最後の年で試合に絡めていることが自分としてうれしいことです。過去をどうこう言っても変わらないですし、4年という自分たちの代になって結果が出ていることも、このタイミングで試合に出始めるようになったのもすごくうれしいです川上:自分も4年から試合に出始めて、それまでずっとセカンドでやってきました。一番最初の公式戦に出るときに不安はなかったですし、それは1、2、3年でやってきたこともあるので、そんなにビクビクしながらプレーをしていたわけではないです。こうやって4年になってその積み重ねというのが最後、インカレでどんな形でもいいので発揮できたらいいと思います ――4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。小野寺:3年次のリーグの駒大戦で始めてサブに入って、最後2-0の状況で入ったのですが、そこから2-2に追いつかれて引き分けで終わったという試合です。自分としては初めての公式戦出場で、駒大の特徴から自分がサブに入ると言われていたので、準備していましたが、そこで力を発揮できず、そこからセカンドへまた戻されました。戻された週に栗田大輔監督からこういう駄目な状況が成長するチャンスと言われたのが一番響きました。あの一戦があっての今があるので、その試合が自分として心に残った試合だと思います川上:専大戦です。自分はベンチスタートでしたが、最後にFWでパワープレーとして出してもらいました。出るときに栗田監督から1点取れと指示が出たので、最後の最後に点を決めて逆転で勝てたというのは良かったと印象に残っています ――今の4年生はどのような代でしょうか。川上:ノリと勢いがすごいです小野寺:基本明治はそうですね川上:安部(柊斗・政経4=FC東京U―18)、森下(龍矢・文4=ジュビロ磐田U―18)、中川(諒真・農4=浜松開誠館)を筆頭にノリと勢いがあって、基本的にみんな明るいです。あまりネガティブな人はいないです。いや、いけるっしょみたいなって感じです小野寺:できるかできないかの五分五分でもこれはいけるみたいな(笑)川上:ポジティブな考えが多いです。明るいです ――同期の中で推したい部員はいますか。小野寺:東山(亮・営4=東京ヴェルディユース)と森下ですかね。森下は訳のわからない不意の森下の世界があります。森下の世界観がよくわからないですが、それが面白いですね(笑)。東山は、4年の何人かでよみうりランドに行ったんですよ。そのときに東山が絶叫に乗れなくて、他にも乗れない人が何人かいたんですけど、どうせ来たなら乗ろうってなって、結局乗ることになりました。それで結構並んでいて、残り自分たちの目の前ってところで東山がやっぱやめるわって下に降りていったんですよ。そのときにみんな、は?って(笑)。お前寮長なのにそんなに弱いのってなりました(笑)川上:びっくりした。そんなことで寮を守れるのかお前は?って(笑)小野寺:そこで東山の本当の弱さを知っておもしろかったです川上:中村帆高(法4=日大藤沢)です。同じニーハイ族なので(笑)小野寺:(選手としては)安部ですね。彼が試合で一緒にやっていると安心感あるし、普段とは計り知れないほどのギャップがあって、オンオフがしっかりしています。プレーもしっかりやってくれますし、一番そこは信頼できるプレーヤーの一人だと思っています川上:(選手としては)自分は瀬古(樹・政経4=三菱養和SCユース)です。自分らがボールを持っているときに、どんなに苦しい状況になっても絶対瀬古が顔出してくれたりしてくれるので、そこは自分が一番瀬古に頼っていると思います ――今季の守備を総じて振り返りをお願いします。小野寺:守備はチームとしてやるものですし、最後ゴールの前で体を張ったりするのは自分たちの役目です。チーム全体としてそれぞれが守備意識を持って運動量であったり、立ち位置であったりみんなが理解しているからこそ継続的な3―2―3―2というフォーメーションをできているのが今季です。守備の理解度がないと難しいフォーメーションなので、それぞれの選手が考えたり走ったりという部分でやっているからこそできたのかなと思います。自分たちが最後にボールを奪うことも、その前の選手の頑張りもありますし、全てが自分のおかげではないですし、みんなが頑張ってくれたからこそできたのだと思っています川上:前が走ってくれているからこそ取れるので、ディフェンスだけで守っているというのはこのチームは誰も思っていないと思うので、全員の頑張りがあったからこその結果なのではないかと思います ――最後に、インカレへの意気込みをお願いします。小野寺:近年、インカレを取れていないので、絶対インカレを取りたいです。今季こういう結果が出ていて、最後にどこかの大学が出てきて自分たちが負けたら、その大学が終わり良ければ全て良しみたいな感じになるので、自分たちが何もの残らないという感じが一番嫌です。今年は全大会を明治の年にしたいと思っているので、インカレは絶対に取りたいです川上:過密日程なので総力戦になると思います。今までやってきたことを全員が発揮して今年は明治の時代だったという感じで終わらせられるように頑張りたいです ――ありがとうございました。 ◆川上 優樹(かわかみ・ゆうき) 政経4、矢板中央、184センチ・72キロ◆小野寺 健也(おのでら・けんや) 商4、日大藤沢、184センチ・77キロ 次回は4年生マネジャーの対談をお送りします。更新は明日12月10日です。お楽しみに! インカレ初戦まであと5日! [佐々木崚太]READ MORE -
(16)~インカレ直前特集~ 4年生対談②(瀬古・中村健・安部)
サッカー 2019.12.08総理大臣杯、関東大学1部リーグ戦と2冠を果たし、堂々の関東地区第1代表として11年連続19回目の出場となるインカレ。本特集では12月7日から全7回で、4年生3組の対談、4年生マネジャー対談、主将主務対談、栗田大輔監督のインタビューをお届けします。明大の初戦である14日の前日には展望記事を掲載します。 第2回は、瀬古樹(政経4=三菱養和SCユース)、中村健人(政経4=東福岡)、安部柊斗(政経4=FC東京U―18)の4年生対談をお送り致します。(この取材は12月4日に行われたものです) ――今シーズンここまでを振り返っていかがですか。瀬古:外から見れば強いチームと捉えていただいていると思うのですが、簡単な試合というものはなかったです。リーグ戦も大臣杯も、厳しい試合をモノにしてきたという印象です。そこで勝ち切ることができたのがいい結果につながっているのかなと思います中村健:樹も言った通り、周りからはいいイメージがあると思いますが、練習から実戦しての繰り返しでここまで来る事ができました。日頃からの練習のこだわりというのが結果に出ていると思います安部:例年より結果が出ていて、要因として新しくフォーメーションを変えたのがチームにフィットしたこともやはり大きいです。なおかつ、それで勝ち切れているので、いい状況だと思います ――中盤の3人から見て、フォーメーションの変化はチームにどのような効果をもたらしたと考えていますか。瀬古:個人としては、中盤に厚みができたかなと思います。パスコースも増えましたし、ボランチの目線からするとやりやすいです中村健:今まで4―4―2でやってきて、今年はどうなるのだろうなと去年から言っていたのですが、中盤3枚を生かしたいということで色々考えて、実際にやりやすかったです。今までになかった色の明大のサッカーができていると思います安部:トップ下がいることが個人的にはやりやすいです。樹も言ったようにパスコースが横にも前にもあるので、攻撃面でも守備面でもパターンが多くなったと思います ――4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。瀬古:今年からトップの試合に出させていただいて、その中で選ぶなら大臣杯の決勝かなと思います。自分がピッチに立ってつかんだ優勝というのはやはり印象に残っています。あとは天皇杯予選の東京武蔵野シティFC戦ですね。今年はJ1を倒すという目標を立てた中で、理屈じゃないというか、サッカーの本質をついて学生らしい勢いのある逆転勝利ができたのはとても印象に残っています中村健:楽しかったのは今年の総理大臣杯準決勝の関大戦です。今年はフォーメーションを変えたり新しいことにチャレンジしてきた中で、3―2―3―2の良さが一番出た試合だったかなと思います。いい思いができたという観点なら、やっぱりピッチに立って優勝をつかんだ今年の大臣杯の決勝も入ってきます。どちらも本当にいい試合でした安部:印象に残っているのはやっぱり点を取った試合です。2年生の時の後期の慶大戦です。健人のコーナーキックから自分がダイレクトでボレーシュートを決めたのですが、あれが多分4年間で一番いいゴールでした。自分の大学初ゴールでもあったので、うれしかったです ――今季で言うならば、7月3日の天皇杯・川崎フロンターレ戦もチームとしては大きかったのではないでしょうか。瀬古:やっぱり悔しかったです。ユニバ組がいなかったとか、色々言われることもありましたが、明大として臨んだ中で今シーズン数少ない負け試合の中で一番悔しかった試合です中村健:自分たちも準備して万全の状態で挑んで、でも実際戦ってみれば、思うようなプレーをできていた人はいないんのではと思います。終わった後にスッキリしないというか、もっとできたのではという悔しさもありましたけど、フロンターレの選手もとてもうまくて、そこから学ぶことも多かったです。この試合があったからこそ大臣杯でも一つ上のレベルでプレーできたと思います安部:健人が言った通りに、自分たちのサッカーができませんでした。フロンターレ相手でもハイプレスで行こうと臨んだのですが、みんな動きが固くてプレスに行けなくて、フロンターレの選手のコメントを見ても「あまりプレスが来なかった」と言われていて、まだまだだなと思いました。でも、あそこでフロンターレと試合ができたことに意味があると思っています。プロはどういうものかと自分自身も知れましたし、負けてはしまいましたが、得るものも大きかったです ――明大での4年間を振り返って、改めて思い浮かぶことはありますか。瀬古:色々な面で成長させていただいたと思います。サッカーだったら守備、運動量、ここに来た時には持っていなかったものを身に付けることができました。私生活の面でも、寮での生活を通して、人として大きくなれたかなと思います中村健:自分も樹と同じで、自分になかったものが身に付いたと思います。高校の時はパスが主体だったのですが、自分で仕掛ける面だったりというものを手に入れることができました安部:練習がきつかったです。これまでサッカーをやってきた中で一番、本当に厳しい練習を知ることができました。自分は前の2人とは逆で、自分の持っている強みをより強くできたという印象が大きいです ――そんな明大でサッカーをするのも残り1カ月です。この場所に残したいものを教えてください。瀬古:4年間ここで育って、大きくしてもらいました。その分、結果で恩返しをしたいです。歴史を変えるじゃないですけど、この代で3冠というものを残していきたいです中村健:もちろんインカレで優勝して、最後に笑って終わるという目標もありますが、あと4試合ある中で後輩たちに何を感じてもらうか、どういうプレーを見せられるかも大事だと思っています。卒業した後も、結果だったり色々な部分で自分の名前は残ると思うので、引き続き明大の看板を背負って頑張りたいです安部:もうインカレしかないので、そこを取ることが一番の恩返しだと思っています。何年後かに、あの代すごいなとか思ってもらえるようになりたいですし、なります ――最後に、インカレへの意気込みをお願いします。瀬古:ここまで僕たちが残してきた成績に対して、全大学が対抗してくると思います。それに対して僕達も受け身にならず、1試合1試合チャレンジしていきます中村健:あと1週間で、自分たちが100パーセント優勝できると確信を持てるくらいの準備をしていきます安部:このチームでやれるのもラストです。終わり方も大事だと思うので、全員でまとまって強い明大を全力で体現します ――ありがとうございました。 ◆瀬古 樹(せこ・たつき) 政経4、三菱養和SCユース、175センチ・69キロ◆中村 健人(なかむら・けんと) 政経4、東福岡、171センチ・65キロ◆安部 柊斗(あべ・しゅうと) 政経4、FC東京U―18、171センチ・67キロ 次回は4年生2選手の対談をお送りします。更新は明日12月9日です。お楽しみに! インカレ初戦まであと6日! [高野順平] READ MORE -
(15)~インカレ直前特集~ 4年生対談①(加藤大・中川・森下)
サッカー 2019.12.07総理大臣杯、関東大学1部リーグ戦と2冠を果たし、堂々の関東地区第1代表として11年連続19回目の出場となるインカレ。本特集では12月7日から全7回で、4年生3組の対談、4年生マネジャー対談、主将主務対談、栗田大輔監督のインタビューをお届けします。明大の初戦である14日の前日には展望記事を掲載します。 第1回は、加藤大智(商4=名古屋グランパスU―18)、中川諒真(農4=浜松開誠館)、森下龍矢(文4=ジュビロ磐田U―18)の4年生対談をお送り致します。(この取材は11月29日に行われたものです) ――今シーズンここまでを振り返っていかがですか。中川:総理大臣杯とリーグ戦を取れたことは良かったです。近年はインカレを取れていないことが多く、出来は良くても結局最後悪かったら何の意味もないと思うので、インカレに向けてやらないといけないと思います森下:自分の感想になりますが、夢を見ているような感覚でこんなにうまくいくなんて1年生の頃には思ってもいなかったので、本当にここまでは最高のシーズンを過ごしていると思います。川崎フロンターレ戦は1年生の頃には想像もつかなった大舞台でプレーしましたし、僕たちはユニバーシアードに行って本当にみんなが良い経験をしているので、それをインカレ優勝にどう持っていくかが重要だと思います加藤大:自分もほぼ完璧だと思っていて、天皇杯以外は全てのタイトルを取っているので、結果としても出ています。サッカーの内容も例年に比べて質が高いので、サッカー面に関しては非常に良いシーズンだと思います。私生活では4年生を中心にこれまでのあり方を変えたりしていますが、まだまだそこは発展途上でここからまた後輩たちが良い形にしてくれればと思います ――リーグ戦を終えて感じていることはありますか。中川:優勝が決まった後の試合で勝ち切れていない試合が多いので、そこが自分たちの甘さだと感じています。優勝までうまくいって良かったですが、その後に緩くなった部分がありました。3年前も優勝が決まって負け始めてしまったので、それをしないようにと話していましたけど、やはり結果が伴わなかったので、自分たちの甘さかなと思います森下:僕は結構ポジティブ思考なので、総じて良かったというか嬉しい思い出しかないと思っています。最初は1-0とかや1点差で勝つことが多くて、すごく難しい試合が多かったですけど、段々積み重ねることで勝ち方まで意識できるようになったところは、勝つだけに甘んじるのではなく、追求するところを明大に感じました。僕たちも成長しながらこのリーグ戦を乗り越えてきたと思います。でも最後の方は駄目になってきてしまったので、そこはしっかりリフレッシュしながら最後にビシッと決めてインカレ勝ちたいと思います加藤大:前期が始まってから本当に簡単な試合はなくて、途中から勝てるという自信がついた時にさらに上のサッカーを目指せたのは、リーグ戦のおかげでした。勝っていく中で成長できたと思いますが、後期に関しては明大対策でうちの良さを消してくることが増えました。それでも勝てていましたが、良い形での勝ち方ではなくて、インカレでまた明大対策をされてきたときにしっかり試合の中で修正できるかだと思います。後期は失点が多かったので、前期5失点で折り返した中で後期9失点は少しいただけないかなと思います ――4年間で印象に残っている出来事はありますか。森下:出来事なんて200個くらいあるね(笑)中川:大臣杯の優勝後のやつは?加藤大:今年の大臣杯の決勝の次の日に4年生全員で熱海に行くみたいな話を大臣杯が始まる前からしていました(笑)中川:決勝に行って優勝することを見込んで熱海のコテージを1カ月前くらいから予約していましたね(笑)加藤大:大臣杯優勝した夜だけ大阪のホテルで寝て、次の日出発みたいな。そのまま熱海に行きました中川:なのでもしどこかで負けたらキャンセル料がかかるので、それがちょっとしたモチベーションになりましたし、有言実行できたので今年だとそれが印象に残りました。他にも仕事とかだったらいっぱいあるよね加藤大:坊主とか(笑)森下:楽しかったな坊主。全員でバリカン使って坊主にしましたね。みんなでサッカー部の倉庫に集まってバリカン2台で刈り合いました。東山亮(営4=東京ヴェルディユース)の髪が固すぎてバリカンが全然進まなくて坊主にするのに何時間かかるんだっていう思い出が楽しかったですね(笑) ――4年間で印象に残っている試合は何ですか。森下:天皇杯予選準決勝の東京武蔵野シティFCですね。ラスト3分くらいで2点取りましたけど、あれはすごくうれしかったですね。実際に天皇杯終わったわみたいに思っていたので、まさか逆転勝利できると思わなかったです中川:今年の大臣杯優勝もうれしかったですけど、それより個人的には去年の大臣杯優勝の方が印象深いですね。自分は試合も出ていなくて、メンバーが当日発表された時に外れて結局バックアップでしたけど、自分が試合に出ていなくても本気で喜べたので、印象深い試合かなと思います加藤大:去年のIリーグのチャンピオンシップの中大戦で全国大会を決めた試合です。その時に自分がPKを止めたので、4年生を全国大会に連れてきたみたいな試合だったので印象に残っています ――インカレへの意気込みをお願い致します。中川:学生最後の大会で明大としても最後になるので、自分が出る出ない関係なしに出たら全力でやります。出られなくても自分のやっている姿勢を後輩が見て何か感じてくれたら自分は本当に明大で4年間やってきて良かったなと感じられると思うので、いつ後輩が見ても恥じないように普段の私生活も練習からもしっかりやりたいです。一緒にやってきた同期と出る最後の大会なので熱い思いを持って最後に笑って終われるような大会にしたいと思います森下:インカレを優勝することは大前提になってくると思います。そしたら僕たちの心が揺れるのは当たり前だと思いますけど、試合を見に来てくれたり応援してくれたりする人たち全員の心を震わせられるゲームを12月22日に見せたいです。もう一つは後輩たちに僕らの背中を見てもらって本当に明大はすごいと感じてもらえれば最高の終わり方になるなと思うので、絶対に優勝したいと思います加藤大:3冠はまだ明大は成し遂げたことがないので、歴史を塗り替えるという意味でも本当に全力で取りにいきたいと思います。後輩にも最後まで勝ち続けられるチームはこういうチームだということをしっかり示して卒業していきたいと思います ――ありがとうございました。 ◆加藤 大智(かとう・たいち) 商4、名古屋グランパスU−18、180センチ・70キロ◆中川 諒真(なかがわ・りょうま) 農4、浜松開誠館、180センチ・70キロ◆森下龍矢(もりした・りょうや) 文4、磐田西、ジュビロ磐田U―18、170センチ・66キロ 次回も4年生3選手の対談をお送りします。更新は明日12月8日です。お楽しみに! インカレ初戦まであと7日! [木田諒一朗]READ MORE -
(14)栗田大輔監督によるコメント/Jリーグ加入内定選手合同記者会見
サッカー 2019.11.28Jリーグ加入内定選手合同記者会見(内定選手のコメントはこちら)での栗田大輔監督のコメントです。 以下、栗田監督のコメント 「明治大学体育会サッカー部監督の栗田です。まずもって、本年も6名のプロサッカー選手が誕生しまして、このように素晴らしい記者会見を用意していただきました学校関係者の皆様、誠にありがとうございます。そして、日々会場に足を運んで明大の選手を見ていただいたプロのチームの皆様、本当にありがとうございます。そして、学生の部員たち。学生、マネージャー全員が日々全力で取り組んでいる結果が全てです。その成果がプロの選手の誕生につながっていると思います。なので、彼らの日々の頑張りには本当に感謝しています。 本年の活動について改めて報告させていただきます。まず、天皇杯の予選となります東京都サッカートーナメント。これで優勝いたしまして天皇杯への出場をかなえました。本戦では1回戦でJ3・ブラウブリッツ秋田に3ー0で勝ちまして、2回戦、J1・川崎フロンターレに0ー1と、ここで敗退となりました。そして、夏の全国大会となります総理大臣杯の予選、アミノバイタルカップ。そちらでもトーナメントを勝ち抜いて優勝することができました。関東1位で全国大会に乗り込みまして、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでは、5年連続決勝進出という大会新記録を樹立することができました。また、2年連続3度目の優勝を飾ることができました。 年間を通じて行われた関東大学1部リーグ戦におきましては、18勝2敗2分と勝ち点56ということで、2017年に筑波大が樹立した勝ち点54という記録を更新し、大会新記録とともに優勝を勝ち取ることができました。2016年以来、5度目の優勝となります。この後になりますが、12月に控えています全日本大学選手権(以下、インカレ)に向かってチームは今進んでいます。近年、明大はインカレが本当に苦手で、早いタイミングにカウンターでやられてしまうということが続いています。とにかく足下をしっかりと固めて、一戦一戦を全力で取り組んで勝ち上がっていきたいと思います。 このように6名の選手が内定することができましたが、まだ4年生の中には、リーグ戦でMVPを獲得しました佐藤亮主将(商4=FC東京U−18)、DFで出続けた小野寺(健也・商4=日大藤沢)や川上(優樹・政経4=矢板中央)もまだ夢を追って活動を続けています。残された時間の中で切磋琢磨して、1人でも多く夢をつかんでほしいと思います。 そして現在、明大出身の選手は長友佑都選手(平21政経卒・現ガラタサライ)を筆頭に50名近くがプロフットボーラーとして戦っています。そんな中でも、しっかり謙虚に初心を忘れずにプロの道を歩んでいってほしいなと思います。いい時も悪い時も自分と向き合ってチームに貢献できる人間であってほしいと思います。そして、道を切り開ける個人であってほしいです。それぞれに個性があるのが明大の特徴なので、その個性というものを生かして、今チームの中でするべきことや求められているもの、自分というものを知って、しっかりと道を切り開く。そこの向き合い方が明大の選手の特徴だと思うので、努力を怠らず頑張ってほしいと思います。 また、ここまで育ってきた中で、最後の育成機関は明大ではありますが、小学校のコーチや中学校、高校の指導者の方々がそれぞれに強い思いを持って彼らを育ててきたことと思います。なので、全ての方の力添えがあって今があることを絶対忘れずに、感謝の気持ちを持って努力の道を歩んでいってほしいと思っています」[サッカー担一同] ★内定選手のコメントはこちらREAD MORE -
(13)内定選手によるコメント/Jリーグ加入内定選手合同記者会見
サッカー 2019.11.28駿河台キャンパスでJリーグ加入内定選手合同記者会見が開催された。プロへの加入が内定している、GK加藤大智(商4=名古屋グランパスU―18)、DF中村帆高(法4=日大藤沢)、MF瀬古樹(政経4=三菱養和SCユース)、MF安部柊斗(政経4=FC東京U―18)、MF中村健人(政経4=東福岡)、MF森下龍矢(文4=ジュビロ磐田U―18)の6選手が会見に臨んだ。明大からのJリーガー誕生は、10年連続だ。 以下、各選手のコメント加藤大 「4年間の思い出として、天皇杯の川崎フロンターレ戦が一番印象に残っています。1年生から3年生まで本戦に参加できずにいて、4年生となった今季は必ず本戦に出たい思いが強かったです。その本戦に出場できて、自分も自信につながるプレーができましたので、川崎フロンターレ戦が一番の思い出に残る試合です。総理大臣杯のように勢いが大事になってくるトーナメント戦でも勝てましたし、リーグ戦のような長いスパンでの積み上げてきたものが発揮される大会でも勝てました。この二つの大会が取れたことはこのチームの良さだと思います。最後インカレをしっかり取って悔いなくやり切って、プロの道に進んでも活躍していきたいです」★プロ内定発表時のインタビュー記事「加藤大がJ2・愛媛FCへ来季新入団内定!」も併せてご覧ください。 中村帆 「自分の持ち味は、一対一の守備やスピードを生かした攻撃です。大学生活一番の思い出は昨年度の総理大臣杯で優勝したことです。人生初のタイトルで、自分がそのピッチに立っていたのでとても印象に残っています。この4年間は多くの方に支えていただき、感謝しています。明治大学でサッカーできる時間も残り少なくなってきましたが、感謝の気持ちをピッチで表現して、チームのインカレ優勝に貢献します。」★プロ内定発表時のインタビュー記事「中村帆がJ1・FC東京へ来季新入団内定!」も併せてご覧ください。瀬古 「大学生活で印象に残っていることは寮生活です。僕自身初めての経験でした。8人部屋と16人部屋という素晴らしい環境の中で毎日部員と接することで、サッカーでも私生活でもチームとしてつくり上げていくところが強さの秘訣だと改めて感じています。最後にインカレが残っていますが、総理大臣杯とリーグ戦の2冠は明大の歴史として既に辿り着いているところです。自分たちが今年掲げた『超越』というスローガンは、3冠に重きを置いているので、このインカレを取ることが大事になってきます。これからの自分たちの戦いに注目してほしいです」★プロ内定発表時のインタビュー記事「瀬古がJ2・横浜FCへ来季新入団内定!」も併せてご覧ください。 安部 「自分の大学生活の思い出は、2年次の川上村合宿です。その時の練習がすごくきつくて、それが自分の一番の思い出になっています。練習中に嘔吐をしてしまうほど厳しい練習でしたが、それがあったからこそ今の自分があると思っています。今年の総理大臣杯では決勝の時にケガをしてしまい途中交代でしたが、優勝することができて、仲間に感謝しています。インカレに向けては、自分の学生生活最後の大会ですし、今年最後の明治でできる試合なので、一戦一戦を勝ち抜きたいと思います。これからはプロという厳しい道に進みますが、自分で選んだ道なので、覚悟と責任を持って日々向上していきます」★プロ内定発表時のインタビュー記事「安部が古巣のJ1・FC東京へ来季新入団内定!」も併せてご覧ください。中村健 「4年間自分なりに悩んで、少しは成長できたのかなと思います。自分は1年生の頃からトップチームに関わらせていただいたのですが、実は総理大臣杯決勝のピッチに立つのは今年が初めてでした。そういったところも含めて特別な1年になったと感じています。この4年間で一番印象に残っている部分としましては瀬古と被ってしまいますが、はじめに東京に来て、明治大学の寮を見たときが一番思い出に残っています。来季から鹿児島に行ってプレーしますが、インカレを取ってからでないと自分自身納得がいくような形でスタートできないと思うので、4年間の全てを集中して頑張ります」★プロ内定発表時のインタビュー記事「中村健がJ2・鹿児島ユナイテッドFCへ来季新入団内定!」も併せてご覧ください。 森下 「明大に来て本当に良かったです。というのも、サッカーだけではなくて就職活動を通して、自分の大切にしているものや、人に伝えることの重要さを学べたからです。印象に残っている思い出は川上村合宿です。みんなで小さな露天風呂でぎゅうぎゅうになって入りました。普段16人部屋でぎゅうぎゅうなのに、合宿でもなるんだなってみんなで痛感した出来事でした。インカレについては、僕たち自身が優勝して喜ぶのももちろんですが、明大のサッカーを見に来てくれている人の心を動かせるようにしたいです。明大は野球とラグビーが人気なのですが、やっぱり大学サッカーもいいねと言われるような試合ができればと思います」★プロ内定発表時のインタビュー記事「森下がJ1・サガン鳥栖へ来季新入団内定!」も併せてご覧ください。[サッカー担一同] ★栗田大輔監督のコメントはこちらREAD MORE -
(番外)加藤大がJ2・愛媛FCへ来季新入団内定!
サッカー 2019.11.2011月14日、GK加藤大智(商4=名古屋グランパスU−18)のJ2・愛媛FCへの来期新入団内定が発表された。明大の今季プロ入り内定は、6人目だ。 明大の守護神がプロへの扉を開いた。広い守備範囲を誇り、DF陣からの信頼も厚い加藤大。今季は早川友基(営3=桐蔭学園)とともに紫紺のゴールマウスを任され、好調なチームを支えてきた。ハイライトは7月3日の天皇杯・川崎フロンターレ戦。再三にわたって好セーブを連発し、一躍脚光を浴びた。大舞台で得た自信を胸に、プロの世界へ飛び込む。 ――プロ入りが決まった率直な感想を教えてください。 「まずはホッとしています。ここからがスタートだと思っています」 ――いつ頃からプロを意識されていましたか。 「サッカーを始めた時からずっとプロになりたいと思っていました。試合に出始めてからも、自分はプロでやっていけるなという確信もあったので、あとは流れに身を任せてオファーが来るのを待っていました」 ――プロでもやれるという確信があったのですね。 「全然できると思っていたので、過信はしてないですけど自信はありました」 ――その確信はいつ頃からありましたか。 「下級生の頃からもともとやれるとは思っていました。天皇杯も出ましたし、関東リーグなどの厳しい戦いを戦っていく上で、自分のプレーは上でも通用するという確信にいたりました。愛媛の方に練習参加させていただいた時も戦っていけるなという手応えはありました」 ――愛媛FCへの入団経緯を教えてください。 「チームのスタイルに自分のスタイルが合致したということもあります。リーグ戦、大臣杯と、今年の明大が残した成績というものと、その二つの点での評価両方が合わさってオファーをいただくことができました」 ――練習参加はいつ頃にされたのですか。 「10月に3日間だけ行きました」 ――その3日間で決断されたということですか。 「そうですね。感触も良かったですし、そこでオファーをいただいたので決めました」 ――今まで愛媛という場所に縁はありましたか。 「全くなかったです。練習参加で初めて行きました。同期の曽根が愛媛のユース出身なので少し話は聞いていましたが、とても雰囲気のいい街だなと思いました」 ――明大の先輩も多く在籍しています。 「丹羽詩音(平28文卒)さんや、その一個上の藤本佳希(平27文卒)さん、山崎浩介(平29商卒)さんがいて、特に山崎さんには良くご飯に連れていってもらってお世話になっていました。やっぱり先輩も今の明大のことを気にしていましたし、そういった話ですごく盛り上がりました」 ――プロの舞台で対戦したい選手はいますか。 「もちろん同期です。特に健人(中村・政経4=東福岡)は鹿児島で多分J2の舞台で同じになるので戦いたいです。あとユースの時の同期で、徳島にいくことが決まった吹ヶ(徳喜・阪南大)もいるので、四国ダービーで戦ってみたいです」 ――明大進学を決めた理由を教えてください。 「シンプルに明治大学が強いというのは聞いてはいたのですが、特にあまり情報は持っていませんでした。練習に参加して、やっぱりいいなという印象を受けたのでセレクションを受けました」 ――明大での4年間を振り返って得られたものはありますか。 「誰もが言っていると思いますが、明大のサッカー部は人間形成の場であると思います。そういったところはやっぱり大事なところだなと四年生になってしみじみ感じました。プレイヤーとしても、スタイルこそ変わっていないですが、もう一段階上のプレイヤーになれたと思っています。もし大学進学したいというサッカー選手がいたら明治大学を一番に推したいです(笑)」 ――加藤大さんといえば努力の人というイメージです。 「下級生の時になかなか試合に出場できていなかったからそう思われているのかもしれないですが、もしかしたらここに至る過程で努力が足らなかったから試合に出ることができなかったのかもしれないです。自分はずっと上でもやれると思っていたのですが、歴代の先輩方にも素晴らしいGKがいらっしゃったので、メンタル的なところでぶれていたのではと振り返っても思います。4年生になってそこの部分は安定してきたなと感じています。それが1年生からできていればという話だと思うので、自分は下級生にそういった部分の大切さを伝えていきたいです」 ――今季は副将を務められていますが、チームをまとめる難しさというのはありますか。 「もともとそういうチームをまとめるポジションには立ちたいと思っていたので、主将になりたいなとも思っていました。でもそこは今まで試合に出ていた亮(佐藤主将・商4=FC東京U−18)がいたので、ならば副将として後輩とコミュニケーションを取ったりというところを意識してきました。今年みたいに結果が出ていれば選手も自然とついてきてくれるので、副将が大変とかそういうことではなくて、4年生がしっかり結果を出しているというのがここまでいい状態で来れている秘訣です」 ――GKのポジションは早川さんとの激しいスタメン争いが続いています。 「どちらが絶対的にスタメンというわけではないので、練習から一つ一つ意識してやっています。自分が譲る気は無いし、勝てるとも思っています」 ――そういったライバルがいることは刺激にもなっていますか。 「同じポジションに張り合いのある選手がいないと慢心してしまう可能性もあるので、やっぱりライバルがいるというのはいいことだと思います。山口(康平・文4=FC東京U−18)も怪我から復帰して仕上がってきていますし、自分と早川だけの勝負じゃ無いので、GK陣全員で高め合っていければと思います。最終的に出た選手がチームを勝たせることができれば、自分が出ていなくても後悔はないです」 ――7月3日の天皇杯・川崎フロンターレ戦では好セーブを連発し、大きなインパクトを残しました。 「あの時のインタビューで『人生を変える最大のチャンス』って言ったことを良く覚えています。あの場面で力を出せなかったらプロに行っても戦えないということなので、どれだけ自分の力を出すかということに集中した状態で試合に入れました。たまたまシュートがいっぱい飛んできたので活躍したみたいな感じになっていますが、チームとしてもっと川崎相手にいいサッカーをすることができなかったのを後悔しています」 ――加藤大さん自身、フロンターレ戦後から何か変わったことはありましたか。 「例えばSNSでフロンターレのサポーターの方に応援をいただいたりしました。ユースで所属していたグランパスのサポーターの方からも見てましたという声をいただいたので、いろんな方に支えられているということを実感できました」 ――振り返ってみても「人生を変える最大のチャンス」でしたか。 「法大が東京ヴェルディやガンバ大阪を倒して、プロへの道を切り開いていった選手もいるので、フロンターレさんに勝っていれば自分だけではなくてもっとたくさんの選手に選択肢が開けたのかなと思います。振り返っても人生最大のチャンスでした。本当に勝ちたかったです」 ――あの試合での活躍は改めて自信になったのではないでしょうか。 「大舞台で力を発揮できたというのは良かったですが、まだまだあれよりも強いチームがあるということを知れて、自分の能力はまだ足りないのかなと思いました。今回愛媛FCに入団させていただいたということで、愛媛をチームとしても上位に上げることもそうですし、そのためにも個人の能力を上げていきたいです」 ――加藤大さんの自信のあるプレーはどう言った部分ですか。 「ビルドアップは他よりできるかなとは思います。絶対負けないのはディフェンスの背後のボールの処理や、クロスボールに対してどれだけ広く守れるかというところの判断力だと思います。ただでさえサイズがないので、伸ばしていかなければいけない部分は練習していければと思います」 ――大学サッカー界でプレーする時間が残り少なくなってきている中で、チームに残したいものはありますか。 「今季ここまで勝ち続けてきたことでわかったことはたくさんあると思うので、インカレまでしっかり勝ち続けて、勝ち切れるチームにはこういう要素があるということを後輩に伝えていきたいです」 ――最後に、プロへの意気込みを一言でお願いします。 「自分のプレーで愛媛FCをJ1に昇格させます!」 ――ありがとうございました! [高野順平] ◆加藤 大智(かとう・たいち) 商4、名古屋グランパスU−18、180センチ・75キロREAD MORE -
(12)明早サッカー部副将対談/後期リーグ集中応援特集
サッカー 2019.11.14関東大学1部リーグ戦では、第19節に5年ぶり3度目の優勝を果たし、第20節には歴代最多勝ち点記録を塗り替えたサッカー部。20戦18勝1分1敗とまさに破竹の勢いを誇る常勝軍団の集中応援日が11月16日に迫る。相手は早大と集中応援にふさわしい伝統の〝明早戦〟だ。本特集ではサッカー部・ラグビー部主将対談、明早サッカー部副将対談の全2回のインタビューを掲載します。 第2回は、瀬古樹(政経4=三菱養和SCユース)と金田拓海(早大)の明早サッカー部副将対談をお送りいたします。(この取材は10月23日に行われたものです)――初めて応援に来る学生に伝えたい大学サッカーの魅力を教えてください。瀬古:プロになることが一番ではなくて、しっかりとした人間形成ということを重きにおいて活動しています。プレーもそうですが、応援や立ち振る舞いなどプレー外の姿も見てほしいです。金田:プレーだけを見るのであれば、正直Jリーグを見に行った方がレベルは高いと思います。大学サッカーの良さは、学生がつくり上げているところです。応援や人間性を見てもらえれば、楽しんでいただけると思います。――自校の特徴、魅力を教えてください。瀬古:「球際・切り替え・運動量」の3原則を徹底的にやっているので、そこを見てほしいです。 金田:試合に出ている選手も、出ていない選手も頑張っています。ピッチ内だけでなく、ピッチ外の選手たちも見てほしいです。――お互いのチームの印象を教えてください。瀬古:(早大は)丁寧なサッカーをしてきます。自分たちのウイークポイントを突いてくるので、そこが脅威です。金田:(明大が)大事にしている「3原則」に圧倒されてしまうとサッカーにならなくなってしまいます。昨年、今年は練習試合を含めてかなり負けているので、しっかり対策したいです。――両校とも応援は大きな魅力の一つですね。瀬古:明大の部員は、自分が出ている、出ていないに関係なく気持ちを込めて応援します。それは明大サッカー部という組織が好きだからです。現在、試合に絡んでいる選手も下級生の頃には応援をしていましたし、明大の魅力だと思います。金田:自分たちも、応援は気持ちを込めています。試合に出場する選手は勇気づけられます。そこは魅力です。――集中応援への思いを教えてください。瀬古:4年生にとっては最後の集中応援です。早大さんと協力して盛り上げ、最高の集中応援になればいいなと思っています。金田:多くのメンバーが、この集中応援を盛り上げるために活動してくれています。試合に出場する選手は見に来てくれる方々を楽しませるプレーをしなければいけないと思います。――集中応援に向けて様々な取り組みをしています。瀬古:明大では集中応援係というものがあって、その人たちが企画を考えてくれて、それに全員で協力しています。金田:早大は広報や集客をするプロモーションの部があります。そういう選手が大学サッカーを盛り上げようとか、早大を盛り上げようという活動をしています。 ――ここまで副将を務めていかがですか。瀬古:チームや主将を支えるということが副将の役目です。今年はそれがいい方向に進んでいるので、このまま気を抜かずに突き進みたいです。金田:今までサッカーだけをやっていて、チームのことはほとんど考えていない人間でした。今、チームが苦しい状況の中でこのチームのために何ができるかを考えています。すごくやりがいがあると感じます。――最後に、集中応援への意気込みをお願いします。瀬古:集中応援はリーグ戦の中でも重要な試合です。大学サッカーを知っている人も知らない人も集まりすごく注目されます。しっかり勝ち切ります。金田:もう明大には負けられません。勝ちにいきます。――ありがとうございました。(写真:左から瀬古、金田) お二方ともポジションはMFで試合中は幾度となくマッチアップをしてきたが、実はあまり会話の機会がなかったという。そこで、お互いに気になることを自由に質問して頂きました。瀬古――早大さんは、リーグ戦を優勝した次の年は難しい年になるというジンクスを聞いているのですが、それをプレッシャーだと感じることはありますか。金田:自分としては(プレッシャーに感じることは)ありませんが、周りから言われたり記事に出たりというところで、あるのかなと思います。現に結果にも出てしまっています。今年は慢心せずに、変化することを目標にやっていましたが、そこがまだですね。 金田――今年の明大の強さを教えてください。瀬古:日々の練習が一番厳しいことです。特にチーム内で行う紅白戦は、激しいです。そこの厳しさが公式戦で出ていると思います。今年の明大は特に層が厚いと言われています。誰が出ても同じようなサッカーができると言われていますが、全体のベクトルがそろっていることが今年の結果が出ている要因かなと思います。 金田――シーズン中はどのようにモチベーションを保っていますか。瀬古:目標は大きく置いていますが、まずは目先の一戦一戦にしっかり重点を置いています。今勝てているからいいやとかそういう気持ちは一切捨てて、まず目の前の一試合に勝つ、そしたら次の試合が来るという感じです。金田――寮の一部屋の人数が多いと聞きましたが、どのような感じですか。瀬古:8人部屋と16人部屋です。本当にスペースがなくて、自分のベッドだけが自分のスペースです。金田:ちょっと大変そうですね(笑)。瀬古:そうですね(笑)。でも、自分たちは全学年バラバラに部屋に入っています。だからすごく風通しが良くて、学年関係なく仲良くなっています。金田:早大も今は同期と2人部屋ですが、自分が1年生の時は、先輩と後輩の部屋でした。学年がバラバラの方が、学年で固まらなくなりますね。 チームの支柱を担う者同士、熱く語って頂きました。試合当日は、そんなお2人にも注目です。 ◆瀬古 樹(せこ・たつき)政経4、三菱養和SCユース、、175センチ・69キロ ◆金田 拓海(かねだ・たくみ)社会科学部、ヴィッセル神戸U-18、174センチ・68キロ集中応援まであと2日。お楽しみに![浅野拓磨]READ MORE