【スケート部(フィギュア部門)】Kiss&Cry
やっぱり明治がナンバーワン!今年度、新たに樋口新葉(商1=開智日本橋学園)や山隈太一朗(営1=芦屋国際中等教育)を加え、パワーアップした明大スケート部(フィギュア部門)。氷上でファンを魅了する選手たち。しかし中々氷上外での選手たちの一面を知ることはできない。本企画ではそんな選手たちの裏の顔や声をお伝えしていく。
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(23)ルーキー特集 第2弾 ~山隈太一朗編Ⅲ~「ジュニアからシニアへ」
フィギュアスケート 2019.04.24毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。2人目は兵庫県から上京を果たした山隈太一朗(営1=芦屋国際)。今年度は全日本選手権で最終グループ入りを目指し、飛躍が期待される。(この取材は3月11日に行われたものです) ――高校2年次の全日本ジュニア選手権をきっかけに奮起したのですか。「あの全日本ジュニアがあったからと言われれば確かにそうです。あれがなければと思うことがあるのですけど、それ以上に転機となった試合は全日本ジュニアではなく、自分の中では今年あった近畿ブロックです。今年シニアに初めてあがったのですけど、変なプライドを持ち続けていたので、いつも惜しいところで負けていました。シニアに上がって初めての近畿ブロックで、それまでは結構ミスをしてもジュニアの世界では2位とかだったんですけど、近畿ブロックではボロボロで7位だったんです。近畿ブロックで7位って、人生でとったことがなくてすごくショックでした。人生で感じたことのない危機感を覚えて、このままじゃ本当に選手として終わってしまうと本気で思った試合でした。」 ――ジュニアからシニアにあがるのに不安はなかったですか。「正直自分では考えてなかったのですが、林祐輔先生が初めて僕に上がらないかと言ってくれて、その時にはっきりと思ってたわけではないですけど、ジュニアの世界が自分にとって息苦しくなったので、そろそろ世界を変えなきゃいけないというタイミングだったかなとは思います」 ――どんなところが息苦しかったのでしょうか。「自分が一番上になって、一番上になったのに成績で下の子たちに負けていて、下の子に勝たなきゃという狭い世界での窮屈なプライドがすごく大きかったと思います」 ――今年シニアにあがって、そのようなことは考えなくなりましたか。「すごく楽でした。シニアの世界が楽しくて仕方ないです」 ――今シーズン印象に残っている試合はございますか。「近畿ブロックが一番悪かったという印象ではあるのですが、いい印象の試合は全日本選手権ですね。全日本選手権はもう一生忘れないだろうなと思います」 ――どのようなところが印象に残っていますか。「自分の目標の順位が取れたし、何せ自分がずっと憧れてきて届きそうでずっと届かなかった試合だったので、やはり6分間練習とかリンクサイドに行く時に感動した覚えがあります。あんなに楽しい試合はなかったなという印象です」――目標は何位でしたか。「10位です。トップ10に入ることだったので、ぴったりでした。危なかったです」 ――ジュニアの試合とシニアの試合で違うところはありましたか。「シニアの試合は、誰にも勝てないと言ったら言い方がおかしいですが、みんな自分よりうまいのでそこが違います。あとシニアの試合に来た時の更衣室の中の雰囲気とかが、みんないろんな修羅場を潜り抜けてきた人たちの更衣室だなと。みんなシニアになると、それぞれがそれぞれ自分のものをもっていて、勝敗のようなものだけに囚われないじゃないですけど、そういうものがシニアの世界にあるなと思いました。ジュニアの世界では逆にみんなまだ荒削りだけど、ジャンプがやっぱりジュニアのみんなの強みだし、そういう強みがジュニアとシニアでは違うかなと思います」――全日本選手権までは遠かったですか。「遠かったです。一生出られないんじゃないかと思う日もありました」 [中澤美月]◆山隈 太一朗(やまくま・たいちろう)営1、芦屋国際、177センチ、67キロ ※山隈選手が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧くださいREAD MORE -
(22)ルーキー特集 第2弾 ~山隈太一朗編Ⅱ~「苦しかった高校時代」
フィギュアスケート 2019.04.23毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。2人目は兵庫県から上京を果たした山隈太一朗(営1=芦屋国際)。今年度は全日本選手権で最終グループ入りを目指し、飛躍が期待される。(この取材は3月11日に行われたものです) ――高校時代を振り返ってみるといかがでしたか。「やはりつらかったなと思います。高校3年間のうち、3年の時は自分の中で初めて人生で初めて納得できるシーズンを送れたのですけど、高1高2は本当に惨めでした。スケートをやっていて、すごく恥ずかしかったです」 ――どのようなところがつらかったですか。「中学3年生の時に全中で優勝したので、その時のプライドがずっとしがらみのようにありました。『俺は全中で優勝して結果残したのに、また試合で失敗しちゃった。それで成績もこんなで…』とずっと負の感情しか生まれなかったです」 ――高校1、2年生でうまくいかなかったのはどのようなところですか。「練習ですね。練習内容が全然ダメだったので」――どのような練習ですか。「ミスが多かったです。高校2年生のときに1回海外に一人で武者修行に行ったのですが、その武者修行しているタイミングは全然失敗せず、質もすごく高かったですしそのあとすぐに臨んだ試合は良かったです。しかしその後また自分のペースにどんどん落ちていってまたダメになって、練習がやはり悪いペースを作っている原因かなと思います」 ――武者修行はどこへ行かれましたか。「アメリカです」 ――高校3年生になるにあたって練習は変えましたか。「大きく変わりましたね。高校3年生になった時に新しい筋トレをトレーナーさんと始めて、その筋トレがすごくいい方向に向いて、靴の種類も変えました。そうするといい方向に少しずつ向いて行って、夏前くらいにすごく昨年の自分からしたらだいぶ良くなったなと感じるタイミングだったのですけど、そこから1回怪我をしてしまいました。夏休みの間に本当にスケーティングをたくさんして、ジャンプの練習ができなかったので、合宿とかでも周りのみんなが跳んでいるなか、自分だけスケーティングをしていたので、そういうところで基礎的なものが少しずつ上がっていったのかなと思います」 ――高校生の間で心が折れそうになったことはありますか。「あります。僕は全然泣かないんですよ。涙が全然出ない人なのですけど、初めて試合で悔し泣きをしました。高校2年生の全日本ジュニア選手権の時です。ちょうどその時は初めてトリプルアクセルをもって試合に行ったシーズンだったので、それまではトリプルアクセルを跳んでいる人に全然勝てなかったのですけど、初めて自分のトリプルアクセルをモノにして、シーズンに望みました。そのシーズンはトリプルアクセルだけ調子良かったです。僕はそれまで全日本選手権に全日本ジュニア選手権から出られたことがなくて、初めて全日本選手権に今年は出られるかもしれないと周りの人からも言われたし、自分でも行けると思ったし、すごく自信があったシーズンに、実際はトリプルアクセル以外を失敗して、6位まで全日本に行けるのですけど、結果は2点差とかで8位だったんです。ちゃんとやっていれば行けただろという点で負けたので、目の前で全日本に行く人たちを見て、何をしてきたのだろうと。本当につらい試合でした」[中澤美月] ◆山隈 太一朗(やまくま・たいちろう)営1、芦屋国際、177センチ、67キロ ※山隈選手が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧くださいREAD MORE -
(21)ルーキー特集 第2弾 ~山隈太一朗編Ⅰ~「新しいことに挑戦したい」
フィギュアスケート 2019.04.22毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。2人目は兵庫県から上京を果たした山隈太一朗(営1=芦屋国際)。今年度は全日本選手権で最終グループ入りを目指し、飛躍が期待される。(この取材は3月11日に行われたものです) ――フィギュアスケートはいつ始めましたか。 「幼稚園のころから少しずつ滑っていて、本格的に始めたのは小学1年生です」 ――きっかけは何でしょうか。「双子の姉が最初にスケートをやりたいと言いだして、それについて行くかたちで始めて、そこからだんだん夢中になっていきました」 ――なぜ明大に入学しようと思いましたか。「一番大きいのは、どんなに長くスケートを続けても、人生その先の方が長いので、自分がスケート人生を終わった後に、明大に入って厳しい環境でやるということは、やはり自分の次の人生において大きな経験です。新しいことに挑戦できる機会が来たので、新しいことにトライしてみようというところがあります」――コーチが変わることに対して不安はありませんか。「そこは不安が全くないかと言われるとあるにはあるのですけど、新しい先生とも話し合いをして、すごく良い印象を受けています。教え方とかは違うので、今までと違うところは絶対あるのですが、そこに自分がどれだけ適応できるかで、コーチと二人三脚で一番いい道を探せていけたらいいと思っています。不安は少しありますけど、それよりどうなるかという期待の方が大きいです」 ――どこで練習する予定ですか。「東伏見のダイドードリンコアイスアリーナです」 ――普段の練習などで重点的にやっていたり、意識していることはありますか。「今はちょうどオフに入ったので、このオフの間はスケーティングに結構時間を多く割いていて、そっちの練習に重きを置いてやっています」――シーズン中の練習はいかがですか。 「シーズン中はまず試合に向けて練習して、その後試合でここがダメだったなというところを直します。シーズン中は大きく何かを変えなきゃということはあまり意識してないです」――他の人にはない自分の強みやアピールポイントはありますか。「自分の世界観を出す表現は自分のストロングポイントだと思います。あとは他の人にはない身体の大きさを使った表現ですね」 ――身長が高いとハンデはありますか。「結構ハンデがあると言われる競技なので、他の小さい子たちと同じ動きをしても、遅く見えてしまいます。どうしても素早さという面に関しては劣るかもしれないのですけど、僕が大きくなって感じたのは、全然デメリットはほとんどないと思います。やはり見せる競技なので、大きいとダイナミックな動きになるし、見栄えがあると思うし、何をしても小さい人より見栄えがあるのでメリットが大きいと思います」――意識してやっていることはありますか。「練習から、その曲になりきるというか、その曲の世界観をとにかく自分の中で毎日毎日噛み砕いて、どういう表現が一番あっているのかとか、そういうのが毎日変わるので、その中で、どういう風にしようというのを意識してやっています」 ――曲の解釈をされてますか。「僕は映画音楽を使うことが多いのでその映画を見たり、あとは曲を聴いて単純に何がイメージできるかをしたりしています」――反対に、弱点はありますか。「弱点はジャンプですかね。自分が弱点と言える弱点を今まであまり考えていなかったのですけど、4回転が飛べないのはこの先行き詰まることになると思うので、4回転を飛ばないといけないなというところはあります。」 [中澤美月] ◆山隈 太一朗(やまくま・たいちろう)営1、芦屋国際、177センチ、67キロ ※山隈選手が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧くださいREAD MORE -
(20)ルーキー特集 第1弾 ~樋口新葉編Ⅴ~「インカレに出て貢献したい」
フィギュアスケート 2019.04.19毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。1人目は世界選手権2位などの実績を持ち、世界でも活躍する樋口新葉(商1=開智日本橋学園)を取り上げる。新星たちの4年間に注目だ。 (この取材は3月11日に行われたものです)――大学生活がもうすぐ始まりますが、楽しみなことは何ですか。「新しい友達ができるのがとても楽しみですし、その中でも体育会でいろいろな競技の人たちと知り合うことができて、いい刺激がもらえるのが楽しみです。あとは不安なことばかりですけれど、今は単位を落とさないということだけを頑張りたいなと思います」――学校が始まったら1日のサイクルはどうなりますか。「朝6時から練習して9時から学校に行って昼過ぎに帰ってきて、トレーニングをして少し昼寝して夜練習するという感じだと思います」――休日のリフレッシュは何をしますか。「銭湯に行くのが好きなので、休みの日ではなくても空いた時間を見つけてお湯に癒しを求めています。家でも入浴剤をよく使ったりします」――見本とする選手はいますか。「いろいろな選手がいますけれど、今1番よく見るのはアイスダンスのテッサバーチュ、スコットモイア組です」――どういったところが魅力的ですか。「アイスダンスは基本的なスケートの部分を極める競技なのですけれど、ジャンプやスピンがない中でも、スケーティングだけで人を魅了できるというのがすごいなと思います」――明大のイメージや雰囲気はつかめましたか。「自分が大学生になるということがまだ信じられないですけれど、学校全体が一つになる瞬間がこれから見られると思うので、勉強以外にも楽しそうなことが多いなと思いました」――明大スケート部の雰囲気はどうですか。「みんな一生懸命頑張っていて、インカレで優勝するという目標に向かっていてスケート部全員がその目標に向かっている姿を見ていてとても尊敬していますし、自分もインカレに出て貢献したいなと思います」――在学中に果たしたい目標はありますか。「たくさんあります。インカレ優勝と全日本優勝と世界選手権優勝と五輪出場が在学中の大きな目標です」――大学1年目への意気込みをお願いします。「学校、勉強の部分とスケートの部分を分けて、オンとオフをはっきりさせたいなと思います」――今後の大学生活に向けて。「スケートと勉強の両立が難しいと思いますけれど、しっかり両立させて、あとはそれ以外の時間で自分が楽しんでいけるようにやっていきたいです」[中野拓土]♥樋口 新葉(ひぐち・わかば)商1、開智日本橋学園、152センチ※樋口選手が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧くださいREAD MORE -
(19)ルーキー特集 第1弾 ~樋口新葉編Ⅳ~「ジャンプ以外で見せることができるのが強み」
フィギュアスケート 2019.04.18毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。1人目は世界選手権2位などの実績を持ち、世界でも活躍する樋口新葉(商1=開智日本橋学園)を取り上げる。新星たちの4年間に注目だ。(この取材は3月11日に行われたものです)――明治大学に進学したのはなぜですか。「友毬ちゃん(西野友毬・平28政経卒)など先輩たちが積み上げてきたものがあって、それを監督からも聞きましたし、自分もずっと見てきました。特に同じリンクで練習していて、明代に進んで全日本で活躍している方もいたので、自分もそのようになりたいと思いました」――神宮のリンクの良さはどのような部分にありますか。「自分の家から一番近いのはシチズンプラザのリンクだったですけれど、自分が始めた時から今まで見てもらっている岡島功治コーチが神宮にいたことが1番大きいです」――岡島コーチの良さはどのようなところでしょうか。「小さい時は小学校の先生が小さい子に怒る感じで厳しくされましたけれど、だんだん自分も成長していくとともに、先生の教え方や話し方など、自分に対しての対応が変わってきました。自分も成長していると思いますし、先生も自分と関わることで考え方が変わり、成長している部分があると思うので、すごく充実した競技生活を送れていると思います」――岡島コーチからの言葉で印象に残っている言葉はありますか。「昨年の平昌五輪に出られなかった時に、良いところとダメなところをしっかり見つけて、良いところはもっと良くして、ダメなところは克服できるように努力をすることも必要だし、しっかり心と体を休めることも大切ということを言われました」――切り替えはうまくできる方だと思いますか。「落ち込んでしまった時は自分で頑張ろうと思っていても、なかなか体がついてこなかったりしますけれど、試合の期間中だとある意味一つのことに集中している中で、ある意味客観的に自分を見られるので切り替えはできるかなと思います」――練習は好きですか。「好きな時もありますし嫌な時もあります。長時間練習しすぎると体も心も疲れてしまって良くないなと感じます。1番自分が効率いいと思うのは1、2時間集中して頑張って、あとは他のダンスやバレエのトレーニングといったところから頑張るというのが1番いいのかなと思っています」――練習時間や頻度はどれくらいですか。 「週7日で、1日に2~3時間です。小さい時からこの練習方法でやってきたので何とも言えないのですけれど、心も体も成長してきて段々疲れもたまってくる歳になってくるので、オフを1週間に1回とることや練習方法、ケアの頻度とかも段々変えていかないといけないなと思います」――ご自身の強みは何ですか。「スケーティングなど、ジャンプ以外のところでうまく見せることができるのかなと思います」――ジャンプに対するこだわりはありますか。「ルッツとフリップに関してはエッジの使い分けがあるので、同じように見えてもエッジが外だったり内だったりすることがあり、とても難しいので、注意深く練習しています」 ――トリプルアクセルや4回転への試みはありますか。「もちろん跳ばなければならなくなると思いますけれど、できないことを一からやるのも必要だし、今できることもまだ完成ではないので、もっと磨いていくのとどちらを優先すべきかとても迷っているというのが今の状況です」――さらなる挑戦にコーチはどのような意見ですか。「頑張って挑戦しようよといつも言われているのですけれど、自分は長く続けてやっと跳べるものだと思っているので、どれくらいかかるか分からないですし、リスクが高いのかなとも思います」――来シーズンに向けて構想は考えていますか。「新しいルールになってからどのように点を取っていくかというのが自分ではわかっていなかったのですけれど、昨年のようなプログラムではダメですし、もっとジャンプの前にステップを入れ、失敗しないプログラムにしていくことが大事だなと思います」[中野拓土]♥樋口 新葉(ひぐち・わかば)商1、開智日本橋学園、152センチ※樋口選手が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧くださいREAD MORE -
(18)ルーキー特集 第1弾 ~樋口新葉編Ⅲ~「もどかしかったリハビリ期間」
フィギュアスケート 2019.04.17毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。1人目は世界選手権2位などの実績を持ち、世界でも活躍する樋口新葉(商1=開智日本橋学園)を取り上げる。新星たちの4年間に注目だ。(この取材は3月11日に行われたものです)――プログラムを考える中でこだわりはありますか。「まずは点数の取りやすいようなプログラムにします。ジャンプの前に多くのステップを入れ、あとは見ている人が面白いと思え、もう終わってしまったのだと思ってもらえるようなプログラムを作ってもらうようにしています」――毎年、納得したプログラムで滑れていますか。「昨年度はいろいろと忙しかったので、感情移入してプログラムを自分で分析して滑ることができなかったかなと思います。それまでのシーズンはどういう気持ちで滑れば良いのかを考えながら滑れていたかなと思います」――特に思い入れのあるプログラムはありますか。「平昌五輪シーズンの『007』は自分も滑っていて楽しかったですし、すごくいい評価をもらったプログラムなので思い出に残っています」――特にこだわった部分はどこですか。「まずキムヨナさんが使っていた曲で、自分も使いたいなと思っていました。物語がある曲だと自分も感情を入れやすく、分かりやすいと思うのでそのようなことを考えながら振り付けしてもらいました」――昨シーズンはトータルとしてどうでしたか。「ケガがあり結果を出せなかったのですけれど、それも経験です。無駄にはなっていないと思うので、どんどんプラスに捉えていきたいと思います。もうケガをしないようにするために自分の体と向き合って、少しでも異変があったりしたら言うようになりました」――ケガの影響は大きかったですか。「ケガの期間はできることが少ないですけれど、逆に捉えたらできることが少ない中でもそのことだけに集中できるといういい機会でもあるので、スケート以外からスケートがうまくいくようにすること、トレーニングやリハビリなどを頑張りました」――ケガの期間はどのような練習をしていましたか。「ジャンプ以外の練習です。スピンやステップの練習、スケーティングを頑張って、あとは体力が落ちないように曲かけをしてやってきました」――もどかしさは感じましたか。「周りがジャンプなどをたくさん跳んでいる中で、自分だけ跳べないというのがもどかしかったです。元気な状態で全部できている状態だったら、疲れた!となりますけれど、できないときは地味な練習が続くので、ジャンプを跳びたいなと思っていました」――昨シーズンの選曲の理由は何でしょうか。「ショートプログラム(SP)に関しては自分が今までやったことのないジャンルで踊ってみたいのが1番で、フリースケーティング(FS)に関しては(北京五輪までの)4年の中の最初の1年だったので、新しい気持ちで自分が滑れるような曲にしてほしいというように振付師の方に頼みました。ただ、1回曲を変えてまた全日本までに頑張ってきたのですけれど、シーズンの途中に曲を変えてしまうことの大変さを初めて知ってもう2度とこんなことはしたくないなと感じました」――どういった点で苦労を感じましたか。「わざわざ海外に行って振り付けをしなければならないので、その期間がシーズン中にもう1回初めからとなると体力も落ちてしまいますし、自分の体の動きも全然違うのでそれがとても大変でした」――海外遠征は大変ですか。「時差ボケと飛行機の時間が1番きついです。到着して2、3日は寝れないですし、早く眠くなってしまったりします。飛行機にずっと乗っているので体のむくみだったりだるさが残って練習は動きづらいと思います」――疲労ケアアイテムはありますか。「疲労ケアいうほどではないですけれど、加湿器は毎回持っていくようにしています。あとは飛行機の中を散歩したりストレッチしたりしています」[中野拓土]♥樋口 新葉(ひぐち・わかば)商1、開智日本橋学園、152センチ※樋口選手が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧くださいREAD MORE -
(17)ルーキー特集 第1弾 ~樋口新葉編Ⅱ~「頑張ってよかったと思える瞬間が活力になる」
フィギュアスケート 2019.04.16毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。1人目は世界選手権2位などの実績を持ち、世界でも活躍する樋口新葉(商1=開智日本橋学園)を取り上げる。新星たちの4年間に注目だ。 (この取材は3月11日に行われたものです)――国内と海外の試合の違いはありますか。 「国内でも小さい試合から大きい試合までありますけれど、国内の小さい試合に出るときよりも大きな試合に出るときの方が雰囲気が違いますし、モチベーションや気持ちの入り方も全然違うのでいろいろな試合に出ていることで、すごくいい経験をさせてもらっているなと感じています」――世界選手権と五輪の捉え方の違いはありますか。 「世界選手権は毎年あるので特別感が五輪よりかは少ないかなと思います。五輪は4年に1度で世界選手権よりも多くの競技の人も見ますし、世界中の人も見る大会なので自分が注目してもらうために大きな大会に出たいと思っています。特別感があるといいますか、ここまで来たからには出たい試合です」――多くの人から注目される中でプレッシャーは感じますか。 「小さい頃はメディアなどもなく、頑張りたいという気持ちだけでやってきましたけれど、成績を出すほど周りにも注目していただいて、いろいろな人に支えてもらいました。普通に考えたらありがたいことが、自分にとってはプレッシャーになっていたり、重荷になっていたりするときが多いです」――頑張れる活力は何でしょうか。 「理由はたくさんあります。自己満足ではありますが、一つは試合でいい結果を残せた時に、頑張って良かったと思えるからです。本当にその一瞬の自己満足のために頑張る時間というのはつらくて苦しかったりしますけれど、その後にその時の自分を見たりすると、どこか嬉しかったり、頑張って良かったと思える瞬間があるのが、一番の活力かなと思います」――日本を背負って戦う時はどういった気持ちで試合に臨みますか。 「何人も日本代表がいる中で自分がミスをしたら、点数が落ちてしまって負けてしまうこともあるので、そこはしっかりと頑張らないといけないという気持ちで頑張っています」 ――メンタル面はスケートにおいて重要でしょうか。 「すごく重要だと思います。例えば私以外の選手でもトップの選手になってくるとある程度のことまではできてきます。しかしそこから技を失敗しないようにできたり、さらに向上させていくことは、すぐにできないと思いますけれど、気持ちでどのようにしたらうまくいくかを考えながら演技をしたり、イメージするということが大切だと思うので、メンタルはすごく重要だと感じます」――世界選手権2位を取った時の気持ちを教えてください。 「全くの予想外でした。もちろんメダルを取りたい、表彰台に上がりたいというのは目標にありました。1日目のショートプログラム(SP)の時点で8位だったので、まずそこで目標を変えて、とにかくフリースケーティング(FS)では自分が今までやってきたことを全て出せるように、それだけを考えてどうなってもいいやくらいの気持ちで頑張りました。そしたら本当にうまくいって結果が出たので、いい意味での開き直りのような違う視点から自分を見て目標を変えることが大切だなと気付けました」――世界選手権で1位を取ることは一つの目標ですか。 「今年は全然思ったような演技ができていませんし、結果も出せていないのでまた来シーズンになって新たな目標を決めていくと思いますけれど、遠い目標ではなくて全日本優勝からまたやり直していきたいなと思っています。もちろんいつかは世界選手権で優勝したいと思いますけれど、とにかく自分に一番近い目標から目指していきたいなと思います」――惜しくも平昌五輪のメンバーに漏れてしまいました。 「もう二度と同じ思いをしたくないと思いながら今もこれからも練習したいと思っています。五輪に行けた人にはこういう経験がないのです。もちろん五輪に行けたという経験もすごいと思います。でも自分がこういうつらい苦しい経験をしたことも無駄にはなっていないと思うので、その悔しい経験から同じことを繰り返さないためにどのようなことができるのかというのを考えながら練習しています」[中野拓土]♥樋口 新葉(ひぐち・わかば)商1、開智日本橋学園、152センチ※樋口選手が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧ください。READ MORE -
(16)ルーキー特集 第1弾 ~樋口新葉編Ⅰ~「世界観が変わったノービス時代」
フィギュアスケート 2019.04.15毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。1人目は世界選手権2位などの実績を持ち、世界でも活躍する樋口新葉(商1=開智日本橋学園)を取り上げる。新星たちの4年間に注目だ。(この取材は3月11日に行われたものです) ――スケートを始めたきっかけは何ですか。「3人兄弟ですけれど、私が生まれる前から、母が次に生まれる子にはスケートをやらせたいと思っていたらしく、気付いた時には氷に乗っている状態でした。そこから少しずつ成績を出し始めて、自分のやりたいという気持ちで頑張るようになりました。兄と姉は全くスケートをやっていなかったです」――お母さんはなぜスケートを樋口選手にさせたかったのでしょうか?「テレビで観るのが好きみたいで、今も見ていたりします。それで自分にやらせたと思います」――ノービス時代の思い出はありますか。「ノービスより前に試合に出た時に、なめていたわけではないですけれど、簡単に1位を取れると思っていた試合が5位で、悔しい経験をしたのを時々思い出します。また、初めて海外の試合に行かせてもらって、その時に自分の中のスケートの世界観が変わりました。すごく狭い中で練習や試合をしていたと感じました。世界に出てみると人の価値観はもちろん違うし、見方が変わったかなと思います」――世界で考えが変わったのは誰かの演技を見たり話を聞いたりしたからですか。「それこそ西野さん(西野友毬・平28政経卒)と同じ海外試合に1番最初の大会で行かせてもらって、自分は1番下っ端のような感じでした。ジュニアやシニアの選手の演技を見て、自分もそうなりたいと思いましたし、自分が見たことのない技だったり、トライしたことのないことを海外の人がやっていたり、そういう意味で世界チャンピオンになったネイサン・チェン選手とかも出ていて、すごく感動して自分ももっと頑張りたいと思いました」――同世代と比べて自信があったのでしょうか。「当時、自分が自信を持っていたかは分からないですけれど、なぜかその時は簡単に1位を取れると思っていました。ですがライバルの演技を見ていて、まだまだなと思えたのも覚えていますし、小さい頃の勝ちたい気持ちや悔しい気持ちは人よりかあったと思います」――ジュニア時代に印象に残っていることはありますか。「初めて全日本ジュニアに出ていきなり優勝できたことは1番覚えています」――その大会に向けて取り組んできていたのですか。「まず自分がそこまでのレベルだと思っていませんでした。ジュニアグランプリでメダルを取って、全日本ジュニアでも自分の納得できる演技ができればいいくらいの気持ちでした。なので予想外でしたし、歳上の選手たちが多い中で一番になれたのが自分の中で自信につながりました」――その時に一位になれた理由は何だと思いますか。「それほど重圧がなかったのもありますし、運が良かったのも一つかもしれません。いろいろな理由があると思いますけれど、1番はそこまで余計なことは考えずに頑張ってきたからかなと思います」――ノービスからジュニアに上がる時は緊張するものですか。「レベルも全く違いますし、やることも全然違うので未知の世界で戦っていかなければいけない大変さをわからないのですごく緊張はありました」――ジュニアやノービス時に壁にぶつかることはありましたか。「ジュニア2年目になった時に、年下の子も入ってきて負けたくないという思いが強かったです。その気持ちに何度も負けたこともありましたし、結果も良くなかったこともありましたし、下から上がってこられるのはつらかったです」――切り替えはうまくできたのですか。「1回負けてしまった時に自分を責めて、何が良くなかったのかということばかりを考えてしまいました。悪い部分を見つめるのではなく、自分ができたりうまくいったことの方が多かったのに負けてしまったので、うまくいった部分をもっと磨いていこうと切り替えました」[中野拓土]♥樋口 新葉(ひぐち・わかば)商1、開智日本橋学園、152センチ※樋口選手が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧ください。READ MORE -
(15)リリーカップカナガワ 演技後インタビュー 鎌田詩温
フィギュアスケート 2019.04.15今年度からWEB企画にて試合後のインタビューを掲載させていただきます。今回は昨日行われたリリーカップカナガワ後に行った鎌田詩温(商4=札幌一)のインタビューを掲載します。――演技を振り返っていかがですか。 「後半は疲れが出てしまいましたけれど、前半は練習回数が少ない割にはいい演技ができたと思います」――良かったところはどこですか。 「最初のトリプルルッツを決めた後からは流れに乗ることができました。もう大学4年生で長いスケート人生を通してきて、自分のできることに対しての自信があったので、トリプルサルコウや、その後に続くダブルアクセルも自信を持って取り組めたと思います。あとは表現力も気持ちを込めて滑れたと思います」――仕上がり具合はいかがですか。 「昨年度と比べて良いです」――地方大会はどのような位置づけですか。 「気持ちとしては楽な感じで、背負うものがないので、正直今持っている力を試すことができます。気負いがなくやれることができるので、ブロック大会やインカレ(日本学生氷上選手権)よりは気持ち的には楽な状態で挑めています」――点数はいかがですか。 「もっともっと上を目指していかないと全日本選手権にも程遠いと思いますし、昨年度果たしたフィギュア部門優勝にも貢献できないような点数なので、シーズン入るに向けてもっと上を目指してやっていきたいと思います」――オフはどのようなことをされていますか。 「具体的には基礎的な練習を最近していて、昨シーズンから教わっている樋口豊コーチの元でスケーティングを磨くような練習をしています。前まではジャンプを磨く練習をしていましたけれど、それよりはスケーティングの基礎を改善するような練習をしています」――練習の成果は感じられていますか。 「曲全体を通して滑るようになってきたという印象はあります」――就活との兼ね合いはいかがですか。 「最近は自分が成長できる時期で、就活や4月から始まった総合主将の仕事、ゼミの卒論もあって、正直忙しいです。これからの自分にとって成長できる時期ではあるというぐらい忙しくさせてもらっています」[大西健太]READ MORE -
(14)リリーカップカナガワ 演技後インタビュー 中野耀司
フィギュアスケート 2019.04.15今年度からWEB企画にて試合後のインタビューを掲載させていただきます。今回は昨日行われたリリーカップカナガワ後に行った中野耀司主将(営4=横浜創英)のインタビューを掲載します。――演技を振り返っていかがですか。 「とりあえず乗り切れたという感じです。中々良い練習ができておらず、不安な中で迎えましたけれど、気持ち的には新プログラムで、いろいろな人に見せられる機会だと思い、少し気楽に臨めたことが、ジャンプが決まった理由だと思います」――なぜ今プログラムを選ばれましたか。 「2年生次にサンタナを選びましたけれど、その時にも今回のプログラムを使いたかったです。しかし、いろいろな事情があって使えなくなってしまってしまいました。サンタナというプログラムを2年間使って納得いく演技ができたので、今度こそは使いたいなと思いました。小さい時からずっと好きな曲だったの選びました」――練習はいつ頃から始めましたか。 「1カ月経っていないくらいです。本当に最近作った感じだったので、あまり滑り込んではいなかったプログラムだったですけれど、それでもジャンプがまとまった分、安心しています」――まだまだ完成とは程遠いですか。 「滑り込みもですし、内容も変えてまとめられる構成で挑んだので、いつまでもこうしていてはダメです。まだまだ練習しないと結果が出ないのはわかっているので、もっと練習していきたいです」――ジャンプもほぼノーミスで決まっていましたが。 「調子自体は良くなくて、朝や昼にも練習にしましたけれど、その時も全然ふわふわしているようで感覚がなかったです。本番前の6分間練習でインカレ(日本学生氷上選手権)や国体ではいい演技ができたので、その感覚を思い出してやりました」――アクセルはいかがでしたか。 「アクセルは練習でもあまり跳べておらず、安定はしていなくて、それでも6分間の時は集中してできたので、不安な気持ちなく演技ができたと思います」――点数はいかがでしたか。 「点数はジャンプも決まったので、かなり出て良かったと思います。それでもまだ低いのでもう少し出せるように頑張ります」――どのような構成を予定していますか。 「最初に4回転サルコウを組み込んで、後半にトリプルアクセルを組み込むというプログラムの構成で作っています。どうにかレベルアップした構成で次の試合は臨みたいです」――完成は見えていますか。 「滑り込んでいないのもありますけれど、4回転自体は全然まだまだ跳べない状況です。1発目に4回転にチャレンジをして、あとは普段のアクセルは跳べているので、後半にアクセルを入れるような演技を練習からしていれば良いです。サルコウを組み込んだ時にも崩れない演技ができて、安定した内容になると思います」――地方大会はどのような位置づけで臨まれていますか。 「他の試合に比べたら気楽で、何かかかっているわけではないです。気負いみたいなものはないですけれど、それでも戦っているメンバーは他の試合でも一緒のメンバーなので、そこは負けたくない気持ちがあります。そこはライバル心みたいなものはあるので、結果よりも内容の方が大事な試合だと思います」[大西健太]READ MORE