
【ラグビー部】真価
〝真価〟が試される1年だ。昨シーズン、22年ぶりに日本一へ返り咲いたラグビー部。武井日向主将(商4=国学院栃木)の下、新たに掲げたスローガンは〝真価〟。チャンピオンの重圧をはねのけ〝真価〟を証明してみせる。本企画では連覇を狙う武井組の軌跡を追っていく。
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(8)「細部までこだわった行動を」佐藤諒 新体制インタビュー
ラグビー 2019.04.03連覇を懸けたシーズンが幕を開ける。22年ぶり日本一を成し遂げてから早2カ月。武井日向新主将(商4=国学院栃木)の下、再スタートを切った新生・ラグビー部。新体制の幹部に今シーズンの意気込みを伺った。第7回はFWリーダー佐藤諒(政経4=国学院久我山)のインタビューをお送りします。(この取材は3月13日に行われたものです)――最上級生となって今の心境を教えてください。 「昨年度、一昨年度から勝つ文化や勝者にふさわしいチームづくりを先輩方から残していただきました。自分たちがその伝統を継承しながら、満足することなく日々成長して、明治史上一番強いチーム、一番良いチームをつくっていけたらなと思っています」――リーダーとしてどういう行動を心掛けていきたいですか。 「私自身、2年次、3年次は学年リーダーを務めてきて、皆をまとめるというのは日頃からしてきました。4年生になって変わったところはグラウンドでも私生活でも下級生からの目っていうのがあるので、リーダーにふさわしい行動や、細部までこだわった行動をして、後輩からの信頼を得て組織をしっかり回したいなと思います」――学年リーダーを務めてきて、学年の良いところはどこだと思いますか。 「僕らの代の良いところは、仲の良いところだと思います。でも、4年生になってから腹を割って話す機会もあって、そういう機会になればおのおのが思っていることを言えるので、仲良しこよしではなく、絆のある代だと思います」――昨年度から引き継ぎたいこと、改善したいことはありますか。 「昨年度のチームは優勝できましたが、僕ら自身も含め完璧だったかというとそうではなくて、まだまだラグビーでも私生活でも細かいところを追求できるところがあると思います。ラグビーだけが強くてもダメなので、私生活や人間的なところから、胸を張って日本一だと言えるチームにしたいです」――昨シーズンは佐藤選手にとってどのようなシーズンでしたか。 「春のシーズンが始まる前に眼窩底(がんかてい)骨折をしてしまって、春は1試合くらいしか出ていない状況でした。スタートで出遅れてしまって、最後までAチームでは試合には出られませんでした。昨シーズン自体は、自分の置かれている立場というのを理解して、チームが日本一になるために今自分ができることをひたすらやってきたシーズンでした。今シーズンはリーダーにもなり、最上級生にもなったので、Aチームで試合に出て、最前線で体を張ってチームの勝利に貢献したいです」――春シーズンはどのようなことに取り組みたいですか。 「器用な選手ではないので、ブレークダウンや体を張るところ、ボールキャリー、タックル、ジャッカルなど、コンタクトシーンでチームの勝利の歯車となれるように、しっかり強化していきたいです」――同期の選手にはポジションを争う3列の選手も多いと思います。 「僕の代のバックローは惇朗(辻・政経4=常翔学園)も洋介(石井・情コミ4=桐蔭学園)、坂(和樹・政経4=明大中野八王子)も皆180センチ超えで、体重も100キロ近くある大柄な選手が多く、コンタクトも強いです。僕は177センチで身長もなくて、体重も100キロありません。そういう差を埋めるために、コンタクトにいくスピードというのはこれまで磨いてきました。そこは誰にも負けません」――春シーズンの課題は何ですか。 「春シーズンは個のレベルアップが求められています。今の練習もフィットネスなど個のスキルの練習は多いので、個のレベルアップをしつつ、チームにもコミットして春シーズンを戦っていければ、春シーズンも良い結果になると思います」――今シーズンへの意気込みをお願いします。 「第一の目標は日本一です。でも、そこだけに焦点を置くわけではなくて、自分たちが引退したときに『このチームづくりをして良かったな』と思えるチームづくりをしていけたらと思います」――ありがとうございました。[藤里陽]◆佐藤 諒(さとう・りょう)政経4、国学院久我山、177センチ・95キロ 昨秋はBチームの主力として、ジュニア選手権優勝に貢献。持ち前のハードワークで今シーズンこそAチーム定着を狙うREAD MORE -
(7)「寮長として自分が見本に」射場大輔 新体制インタビュー
ラグビー 2019.04.01連覇を懸けたシーズンが幕を開ける。22年ぶり日本一を成し遂げてから早2カ月。武井日向新主将(商4=国学院栃木)の下、再スタートを切った新生・ラグビー部。新体制の幹部に今シーズンの意気込みを伺った。第6回は寮長、BKリーダーを務める射場大輔(政経4=常翔学園)のインタビューをお送りします。(この取材は3月13日に行われたものです)――最上級生となって今の心境を教えてください。 「寂しい気持ちと、やっと自分たちの代になったなという気持ちの半分半分です」――寮長とBKリーダーに就任されました。 「昨年度から副寮長をやってきました。一つ上の先輩を見てきて、優勝はしたんですけど、私生活ではまだまだ足りない部分もあると思うので、それを自分が1番上になったからには、自分からいろいろ共有して改善していけたらと思います。寮長だけではなくて、リーダーとしてもグラウンドでも自分が引っ張っていけたら良いなと思います」――私生活の足りない部分とは何ですか。 「洗濯の落とし物とか忘れ物とかが、寮だから返ってきて当たり前みたいになっているので、恵まれている環境にいるということをもう一度感じなきゃいけないと思います」――昨シーズンは射場選手にとってどんなシーズンでしたか。 「対抗戦は良い試合も悪い試合もあり、帝京大に勝ったり、慶応、早稲田には負けたりして、二面性のあるチームだと言われてきましたが、4年生が結束して強くなった感じでした。4年生の雰囲気が一番大事だと感じました。4年生がしっかりまとまれば昨年度のようにチームも良い方向にいくと思います」――印象に残った試合は何ですか。 「選手権準決勝の早稲田戦が一番印象に残っています。トライできたのもうれしかったですし、超満員の中で早稲田にリベンジができて、それもうれしかったです」――スタンドオフの忽那鐘太(平31文卒・現栗田工業)選手、松尾将太郎(平31商卒4・現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)選手のお二人が卒業しましたが、引き続きセンターで出場するのでしょうか。 「特には言われていません。一応、自主練でキックの練習はしていますし、これまでとやることは変わりません。いつ『スタンドオフで出て』と言われても、自分なりに準備はしているつもりです」――昨年度から引き継いでいきたい部分は何ですか。 「全員が日本一になりたいという気持ちを持って練習することです。勝ちへのこだわりというか、部員全員が日本一になりたいという気持ちがあったからこそ、日本一になれたと思います。ルビコンとペガサスで分かれてしまいますが、ルビコンにいる4年生がしっかり下のチームを引っ張っていくことが大事だと思います」――キックオフミーティングではどんなことを話していましたか。 「基本的にラグビーの面でも私生活の面でも変わるところはあまりありません。明治大学ラグビー部としてのありかたというか、明治大学ラグビー部としてどうあるべきかという行動や言動が大事だよと昨年から言われていて、今年も寮長として自分が見本となっていけたらと思います」――春季大会はBグループで戦うことになりました。 「どんな形になるかわからないですが、外国人選手がいるチームも多いので、上のチームでも外国人選手はいるので、フィジカルで負けないことであったり、相手に合わせて試合をしないことであったりが大事だと思います」――今シーズンへの目標と意気込みをお願いします。 「自分自身、1、2年生の時はあまり試合に出られていなくて、昨年度から出られるようになったのですが、そこで満足しないで、もっとウエイトでも練習でもスキルでも上達していきたいです。また、下級生には自分の知っている知識を私生活でもラグビーでも教えていけたらと思います。連覇できるようにラグビーと私生活で自分が見本となって、リーダーシップを発揮していけるように頑張ります」――ありがとうございました。[藤里陽]◆射場 大輔(いば・だいすけ)政経4、常翔学園、176センチ・90キロ 昨秋の青学大戦で対抗戦デビューを果たし、シーズンを通してAチームに定着。選手権準決勝・早稲田戦では決勝点となるトライを挙げたREAD MORE -
(6)「勝つ文化を引き継ぎたい」石井洋介 新体制インタビュー
ラグビー 2019.03.30連覇を懸けたシーズンが幕を開ける。22年ぶり日本一を成し遂げてから早2カ月。武井日向新主将(商3=国学院栃木)の下、再スタートを切った新生・ラグビー部。新体制の幹部に今シーズンの意気込みを伺った。第5回はFWリーダー石井洋介(情コミ3=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は3月13日に行われたものです)――最上級生となって今の心境を教えてください。 「自分たちが引っ張っていく立場になったので、昨年優勝したとか今までのことは一旦切り替えて、自分たちの代として頑張っていこうという感じです」――FWリーダーに就任されました。 「昨年の経験とかをしっかり後輩に伝えていって、チーム全体でレベルアップできるようにしたいです。4年生がしっかりやっていかなきゃいけないなというのを感じています」――昨年度は石井選手にとってどんなシーズンでしたか。 「2年生の時にひざのケガをして、1年間プレーができませんでした。3年生で復帰して、最初の方はうまくいかず、ひざをかばいながらやっていることが多かったです。秋シーズンで試合に出させていただく機会が多くて、自分の弱みだったり新たな強みであったりを見つけられた良いシーズンでした」――新たな強みとは何ですか。 「ディフェンスの部分で、今まで自分の強みだと思っていなかったのですが、昨シーズン何かつかめたのではないかなと感じました」――見つけた課題は何ですか。 「ケガをする前まではアタックのところを強みとしていましたが、ひざの影響もあってか思いきりプレーできていない部分があり、そこが弱味なのかなと感じました」――ケガをしてから変化はありましたか。 「怖さが多少あって、違和感を気にしすぎてプレーしていました。今はもう大丈夫です。ケガをしてから、ケガをしない体づくりを意識して、ウエートトレーニングであったり、食事であったりとかを意識して、体の面からもしっかり変えていこうという意識でやっています」――春季大会はBグループで戦うことになりました。 「相手どうこうよりも昨年から積み上げてきた明治のスタンダードをしっかり出すことが1番だと思います。Bグループとは言え、日大などには外国人選手がいるので、そこで外国人選手とやれるのは良い機会です。今年は『圧倒的なフィジカル』を目指して、3月、4月は個人のレベルアップをしているので、その成果をしっかり出せるように頑張っていきたいです」――今年度の対抗戦はW杯により休止期間を挟み変則日程となります。 「今年はシーズンが早まって難しいとは思いますが、目指すは日本一です。9月、10月の試合のない間は、チームとしてまとまれる良い機会だと思うので、そこは良いように捉えています」――昨年度から引き継いでいきたい部分は何ですか。 「昨年築き上げてくださったのが勝つ文化で、ラグビーに対する姿勢であったり、練習の姿勢であったり、そういうところは非常に良かったです。そこはしっかり引き継いでいきたいです」――今シーズンへの意気込みをお願いします。 「日本一を昨年度経験して、追われる立場となります。それを気にしすぎるのは良くないので、良いように捉えて、自分たちが成長できるように、連覇できるように頑張りたいと思います」――ありがとうございました。[藤里陽]◆石井 洋介(いしい・ようすけ)情コミ3、桐蔭学園、183センチ・100キロ 昨シーズンは秋からAチームに本格復帰。選手権では左フランカーとして4試合全てにスタメン出場を果たした。今シーズンも強靱(きょうじん)なフィジカルを武器に攻守の両面で存在感を放つREAD MORE -
(5)「1番としての仕事が明確に見えた」安昌豪 新体制インタビュー
ラグビー 2019.03.28連覇を懸けたシーズンが幕を開ける。22年ぶり日本一を成し遂げてから早2カ月。武井日向新主将(商3=国学院栃木)の下、再スタートを切った新生・ラグビー部。新体制の幹部に今シーズンの意気込みを伺った。第5回はFWリーダー安昌豪(営3=大阪朝鮮)のインタビューをお送りします。(この取材は3月13日に行われたものです)――1番としてのスタメン起用が多かった昨シーズンをどう振り返りますか。 「2年生の時に自分の中で課題だったスクラムの部分でシーズンを通して自信を持てました。そういった部分で1番としての仕事が明確に見えて、そのことを遂行しようという思いも出てすごくいい1年になったと思います。新しくディフェンスの部分でもすごく進歩して、タックルのスキルとかも良くなった1年間だったと思います。チームとしては対抗戦でうまくいかない時期もあったんですけど、それでもみんなはどのカテゴリーも関係なく4年生が中心となってチームを引っ張っていってくれました。そのおかげで立て直すことができ、対抗戦は4位だったんですけどチーム全員で一試合一試合を戦えたので優勝という結果につながったのではないかなと思います」――今シーズン、プレーで心掛けていきたい部分はありますか。 「スクラムが良くなったといっても天理大などにはボールを取られるところもまだまだあると思います。FWが掲げているクォリティーボールといいう目標をシーズンを通して遂行して、100パーセントボールを供給できるように春から積み上げていってシーズンに入ってもいいスクラムを組めるようにしたいです」――同期の1列の選手、プロップの選手についてはどんな印象をお持ちですか。 「笹川(大五・政経3=明大中野)もリーダーに立候補した内の一人なんですけど、彼もフロントローを引っ張るなら僕に任せてくれたので、そこは僕だけの責任じゃなくて笹川も新妻(汰一・政経3=佐野日大)もスクラム以外のことに関してもたくさんコミュニケーションを取ってくれるので僕としてもすごくやりやすいし、4年生としての自覚が芽生えてきているんだなと感じます」――リーダーに選出された経緯を教えてください。 「もともとから決まっていたリーダーが5人くらいいたんですけど、僕はその中に入っていませんでした。学年で話し合って『もう少しリーダーを増やそう』ってなったときに僕が立候補しました。立候補メンバーの中からは僕と辻(惇朗・政経3=常翔学園)と松岡(賢太・商3=京都成章)がみんなの意見とかを聞きながら、リーダーに決定したという感じです」――リーダーとしての意気込みはありますか。 「今年はラグビーの面だけではなく私生活の面でも徹底してやっていこうという話をすごくしています。寮生活であったり、寮以外の外に出た場面でも僕が見本となれるように。例えば落ちているゴミを拾うとかあいさつをしっかりするとか、困っている人がいたら助けるとかの細かいところ、人として人間として成長することができたら技術にもつながってくると思うので私生活の面からみんなの見本になれるようなリーダーになりたいです」――新4年生はどういう代ですか。 「誰と誰がとかはあんまりなくて、全体的にまんべんなく仲のいい代だと思います。みんなでチームを盛り上げられる部分もあるんですけど、いい方向に行けばすごく良くて、悪い方向にいけばそのまま流されてしまうような傾向があると思います。そこをうまくコントロールできるように全員が意識してやっていけるようになれば、4年生の力でチームを引っ張っていけるんじゃないかなと思います。そこをリーダーでコントロールしていきたいと思っています」――新スローガンは〝真価〟になりました。 「今回の優勝が久しぶりで優勝した次の年っていうのはあまり僕らも経験のない部分ではありました。優勝してチャンピオンとしての自覚を持つんですけど、奢らずに明治大学ラグビー部としての品格を持って私生活も含めて徹底してやっていこうというところ、〝人間味〟がラグビーというスポーツには出てくると思い、人間としての〝価値〟を高めていこうということで〝真価〟にしました」――今シーズンの意気込みをお願いします。 「優勝の後の年なので優勝したいです。その気持ちももちろん強いんですけど、みんなが〝今年のチーム〟を勝たせてやりたいと思えるようなチームが理想だと思うのでそういうチームをつくっていけるように4年生が見本となってやっていきたいです」――ありがとうございました。[清水康佑]◆安 昌豪(あん・ちゃんほ)営3、大阪朝鮮、178センチ、112キロ 最近の出来事について「パスポート更新に行ったら更新センターが閉まっていて無駄な電車賃を使ってしまいました」READ MORE -
(4)古川満選手・福田健太選手 卒業記念対談
ラグビー 2019.03.26本日発行の『明大スポーツ 卒業記念号』において古川満前主将(平30商卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)と福田健太主将(法4=茗渓学園)の対談を特集しました。今回は紙面の都合上、お届けできなかったインタビューの中から武井日向新主将(商3=国学院栃木)率いる新チームへの思いなどをお送りします。(この取材は3月6日に行われたものです)――武井新主将はどんな選手ですか。福田:日向(武井)は下級生なりにチームを勝たせようと努力していた選手です。シーズンを通して良いパフォーマンスをしてくれて、決勝でも日向がダメ押しのトライをしてくれました。パフォーマンスに関しては体を張るので問題ないと思いますが、チームを引っ張って行く上ではパフォーマンスだけでは優勝できないです。キャプテンになりたての時期は未知の世界で、日向自身も分からないことがあると思います。そこは周りの人間に頼ってみるのが、1年間を通して重要だなと思いました。周りの人間に頼りながら日向の良さを消さずに1年間で日向の色にチームを持っていけば、連覇につながると思うので頑張ってほしいです古川:すごく良いプレーヤーですし、1年の時から試合に出て活躍もしています。その分ミスもしてきましたが、ミスをミスで終わらせる選手じゃないなと、とても感じていていました。試合で大きなミスをしても次の日には一番早くレビューをしっかりして、僕のところにも『ラインアウトがこうでした』とか話をしに来てくれて、自分に対する厳しさを持っている選手です。プレーの面では福田も言った通りすごい選手です。キャプテンとしてメンタルの部分では大変な部分もあると思うので、そこは周りの力を使いながらやってくれたら良いと思います――新4年生はどんな学年ですか。福田:オフの日もみんなで遊びに行ったり、ご飯に行ったりしているイメージがすごく強いので仲が良いのだなと思います。仲が良い分、チームが良い方向にいったらまとまりの強いチームになると思うけれど、士気の低い人間が多くなるとそっちに引きずり込まれる人間も多いと思います。仲良し軍団で終わるか、チームを勝たせる厳しい集団になれるかのどちらかです。そこは日向を中心に良い方向に持って行くようにしていければと思います古川:日向とか石井洋介(情コミ3=桐蔭学園)とか山村(知也・営3=報徳学園)とかとは、僕らが4年の時から梶(梶村祐介選手・平30政経卒・現サントリーサンゴリアス)とかを交えてそういう話をしていました。『心の底から優勝したいと思っている人間がどれだけいるのか』『本当に全員がAチームを目指してやっているのか』と正直なところ思ったこともあったし、彼ら自身も思ったことだと思います。(この2年間で)僕らの代の4年生が下のグレードでもしっかり引っ張ってきているのを見てきて、健太たちの代がそれを継承してもっと良くやってくれたと思います。それを見てどう変わっているのか、そこで変われているかというところが一つ大きなポイントで、良い結果が出るか出ないかの境目になると思います――後輩たちにエールをお願いします。福田:満(古川)さんの代で19年ぶりに決勝に出て殻を破ってくれて、僕らの代で優勝できて、良かった年の2年間を見られたということ。そして日向が1年生だった頃はどちらかというと悪い結果だったと思うので、良かった時と悪かった時を両方見ているからこそ、自分たちの代がどうあるべきかを考えるのが大事だと思います。また、今年は22年ぶりの連覇に向けてプレッシャーもあると思いますが、この明治大学ラグビー部で経験できることもなかなかないと思うので、そのプレッシャーを楽しんでほしいです。そのプレッシャーは大変なものだと思うし、彼らにしか分からないことだと思いますが、そこは一つにまとまって連覇してくれたら僕らとしてもうれしいです古川:終わった後に悔いが残らないように一日一日を大切にして、毎日をベストな状態でステップアップしていければ良いと思います。連覇につながらなかったとしても4年生のつながりやまとまりというのは本当に一生のものだと思いますし、ずっと続いていく人生の一部です。一日一日を悔いなくやってくれたら、明治に入ってよかったと最後に言えると思います――ありがとうございました。[清水康佑・藤里陽]◆古川 満(ふるかわ・みつる)平30商卒、現トヨタ自動車ヴェルブリッツ、186センチ・112キロ2017年度主将。ポジションはロック。4年次にはチームを19年ぶり全国大学選手権決勝進出へと導いた◆福田 健太(ふくだ・けんた)法4、茗渓学園、173センチ・80キロ2018年度主将。ポジションはスクラムハーフ。プレーと言動の両面で絶対的な存在感を放ち、22年ぶり日本一の立役者となったREAD MORE -
(3)「ラグビーも私生活も日本一」山村知也 新体制インタビュー
ラグビー 2019.03.24連覇を懸けたシーズンが幕を開ける。22年ぶり日本一を成し遂げてから早2か月。武井日向新主将(商3=国学院栃木)の下、再スタートを切った新生・ラグビー部。新体制の幹部に今シーズンの意気込みを伺った。第3回は山村知也副将のインタビューをお送りします。(この取材は3月13日に行われたものです)――副将に選ばれました。今の心境をお願いします。 「監督からの指示ではなく、自分たちで決めました。バイスキャプテンに選んでもらったことにしっかり誇りを持って、自分から私生活やラグビー面で率先して、今年のチームを引っ張っていけるようにしたいです」――今年度のチーム方針を教えてください。 「スローガンを〝真価〟という言葉にしました。昨年度、選手権で日本一になったわけですが、僕は私生活のところでまだまだ改善できるところがあると思いました。今年度はそういった部分、ラグビー以外の面でも、こだわってやっていく。ラグビーの部分だけではないというのが、今年のチームの特色です」――チームとして徹底することは何ですか。 「〝Hungry Detail Action〟。Hungryというのは、日本一になりましたが、今年度もその貪欲な気持ち忘れず、しっかり自分から取り組めるように。Detailというのは、細部までこだわってラグビーも私生活もやっていく。Actionはしっかりそれらを行動に移そうという意味が込められています」――新チームの雰囲気はいかがですか。 「昨年度に比べて、ラグビーの時もしっかりコミュニケーションが取れていると思います。また、私生活の部分においても、4年生を中心にそれぞれが自覚を持ち始めているので、いいスタートは切れていると思います」――本日から1年生も練習に加わりました。 「今日から1年生も加わり、練習をしたわけですが、今は4年生が率先して教えている段階。まだ新2・3年生の中でも話せてない人が多くいるので、積極的にいい雰囲気を作っていきたいなと思います」――昨シーズンの自分を振り返っていかがですか。 「選手権決勝・天理戦で23番というのは、やはり悔しかったです。パフォーマンス面においても、上手くいかず、自分の中でまだまだもっと成長しなければならないという部分が見えた一年でした。今年度はしっかり、強い気持ちをもって取り組んでいきたいなと思います」――今年はラグビーイヤー。そこに関してはいかがですか。 「ラグビーしている人にとっては、必ずいい年になると思います。大学ラグビーでは、明治から盛り上げていけるように。昨年度に次いで、今年度も日本一を目指してやっていきたいです」――春季大会はBリーグです。 「形としてはBリーグになりますが、だからというのはなく、自分たちのやることをやるだけです。招待試合とかもいくつかあり、そこで強豪校とも戦える機会があるので、一戦一戦、しっかりフォーカスしてやっていきたいと思います」――これからの意気込みをお願いします。 「コミュニケーションを絶やさず取っていくことができれば、必ずチームがいい雰囲気になると思うので、副将として、自らが率先してやっていきたいと思います。また今年度もしっかり、ラグビーをとっても、私生活をとっても、日本一を誇れるチームにしていきたいと考えています」――ありがとうございました。[高智琉大朗]◆山村 知也(やまむら・ともや)営3、報徳学園、175センチ、77キロ 昨シーズンの明早戦前に患った肺炎は完治。万全な状態で春シーズンに臨むREAD MORE -
(2)「明治の価値を追求する」武井日向 新体制インタビュー
ラグビー 2019.03.22連覇を懸けたシーズンが幕を開ける。22年ぶり日本一を成し遂げてから早2カ月。武井日向新主将(商3=国学院栃木)の下、再スタートを切った新生・ラグビー部。新体制の幹部に今シーズンの意気込みを伺った。第2回は武井日向主将のインタビューをお送りします。(この取材は3月13日に行われたものです)――主将に選ばれて今の心境はいかがですか。 「去年優勝して連覇への期待やプレッシャーがかなりあると思うので、それに応えられるように頑張ります。まずは楽しむことが大事だと思うので、楽しみながらやっていきます。厳しい状況の中でも声を張れる、体を張れる、走れるというところが僕の強みだと思うので、そのような状況のなかでチームのみんながついていきたいと思えるような主将になりたいです。満さん(古川・平30商卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、健太さん(福田・法4=茗溪学園)という2人の主将を見てきているので、2人のいいところを取り入れながら、自分らしさを出していきたいです」――主将になり変えようとしていることはありますか。 「AチームからCチームまでチーム全員が喜べるような連覇をしたいと思うので、全員が最後に明治でよかったと言えるようなチームにしていきたいです。結局4年生のチームになると思うので、4年生同士のコミュニケーション、そして下級生とのコミュニケーションをしっかりと取って、4年生が引っ張っていくチームにしたいです」 ――昨シーズンとは違い主将、副将を明確に設置した意図を教えてください。 「去年は主将に任せきりになっていた部分も多少あったので、しっかりと主将、副将を立ててフォワードであれば僕、バックスであれば知也(山村・営3=報徳学園)としっかりと分けました。そこをしっかりと分けたことで曖昧(あいまい)な部分がクリアになってきたように感じています」 ――王者として臨むシーズンになりますが、特別な気持ちはありますか。 「追われる立場になってもその立場でも勝ち続けることをみなさんは期待していると思うので、勝ってファンの期待に応えたいです。王者というのは去年のことでもう過去のことなので、ハングリー精神を持って、より一層チャレンジャーの気持ちで臨んでいきます」 ――キックオフミーティング、入寮式でチームに話したことを教えてください。 「今シーズンは細かいことにこだわる、その細かい積み重ねが最後に勝利を生むということを話しました。細かいところなんですけど、落ちているゴミを拾うとか、ラグビーの部分でも小さいことにこだわりたいです。僕自身が1番こだわって周りに伝えていければと思います」 ――〝真価〟というスローガンについて教えてください。 「4年生で話し合って決めました。今年はもっと強くなって連覇していくか『去年だけのチームだった』と言われるかどちらかだと思うので勝ち続けるチームとはどういうチームなのかということを僕らの代で体現したいです。それがこれからの明治の価値となって下の代にも伝わっていけばいいなと思って決めました。去年まで積み上げてきたものをさらに〝進化〟させていく。かつ、本当の価値というものを求めていきたいと思います」 ――フッカーのポジションは今年も争いは激しいです。 「お互いがお互いを高め合ってどんどん強くなっていけると思うし、それをできることが明治の強みなので、しっかりとチャレンジして、競争に負けないようにやっていきたいです。その結果としてチームのレベルも底上げできると思います」 ――春シーズンに心掛けることを教えてください。 「春季大会はBリーグになってしまったんですけど絶対に優勝することが大事です。また、招待試合で帝京大、東海大、早稲田などの強豪とも対戦ができるので、そこでしっかり自分たちのラグビーをして勝つということが大事だと思います。相手がどうこうではなく、日々の練習をしっかりと試合に出すということを意識してやっていきます」 ――今シーズンの目標を最後に教えてください。 「チームとしては選手権2連覇を成し遂げることです。しかし、ただラグビーをやって連覇をしても意味ないと思うので、私生活やラグビー以外の部分でもメリハリのある、愛されるチームにしていきたいです。一人一人が人間として成長していけるようなチームにしていければと思います。個人としては主将だからこそのプレッシャーがこれから何度も掛かってくると思うんですけど、そこで自分のプレーが出せなければそこまでの選手なので、そういった場面で期待される以上のプレーができるようにやっていきたいです」――ありがとうございました。[上松凜助]◆武井 日向(たけい・ひなた)商3、国学院栃木、170センチ、98キロ 3月下旬のオフに家族で香港に旅行予定。来るシーズンに向け、英気を養う旅に「すごく楽しみです」と語った。READ MORE -
(1)「ベストなチームの追求に終わりはない」田中澄憲監督 新体制インタビュー
ラグビー 2019.03.20連覇を懸けたシーズンが幕を開ける。22年ぶり日本一を成し遂げてから早2カ月。武井日向新主将(商3=国学院栃木)の下、再スタートを切った新生・ラグビー部。新体制の幹部に今シーズンの意気込みを伺った。第1回は田中澄憲監督のインタビューをお送りします。(この取材は2月25日に行われたものです)――改めて、昨シーズンの振り返りをお願いします。「19年ぶりに決勝へ行った満(古川・平30商卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)の代から、本気で日本一取りに行く、戦う集団に生まれ変わってきました。それが今回結果として現れたという意味ではこれからのラグビー部にとってすごく意味のある年だったと思います。選手のレベルが古川の代や福田(健太・法4=茗渓学園)の代が特別すごかったわけではなく、人材は今までもある程度いました。それが本気で戦う集団になったのが一番大きいと思います。古川の時はファイティングスピリッツが主だったですが、昨年度はそれにプラスでシステムや細かい部分に着手できました」 ――就任1年目で優勝監督となりました。「前の年にヘッドコーチをやっているので、ヘッドコーチで1年間やってきたこと、積み上げてきたことを2年目に監督になった年にプラスしていけました。(コーチ時代と比べて変化は)ラグビーだけではなく、それ以外の部分もしっかりと見ないといけなくなりました。部の運営も含めて全然違うと思います。寮の環境とかも少しずつ、求めるものとはまだ全然違うし、改善するところはありますが、ラグビーとリンクさせる意識を持ち始めたと思います」――新年度の主将は指名ではなく、選手同士の話し合いでの決定となりました。「チームとしてレベルアップするために、学生の責任を大きくしていきたいと思い、シーズンが終わって新4年生で話し合いをさせて決めさせました。武井が挙がってくるという予想も難しくはなく、学生自身も満場一致だったのではないかと思います」――新主将の武井選手はどういう選手ですか。「人として良い人間だと思います。もちろん完璧ではないと思いますが、当たり前のことをできるし、取り組む姿勢や誰も文句言えないよなっていう人間性があります。普段は穏やかな感じだけど、グラウンドでは激しいプレーもできるし、泥臭いし、フィットネスもあってきっちり一個一個をやる人間です。取り組む姿勢は昔からある人間でしたが、リーダーシップの面でもだんだん自覚して変わってきたと思います」――新4年生はどのような学年でしょうか。「彼らとは3年目ですが、良くも悪くも仲の良い学年だと思います。そういう意味では下級生のときは心配していたけど、3年生の終盤くらいに『4年生がまとまらないとチームは良くならない』ということを目の当たりにしたと思うので、そういう準備はできていると思います。スタートとしてはすごくポジティブな空気が流れているし、やる気に満ちあふれていると思います」――優勝を経験した昨シーズンを踏まえて、今年度軸になってくるものは何でしょうか。「勝つことは大事だし、みんな勝ちたいけれど、勝つだけが全てではありません。チームとしてベストなものをつくることが大切です。どうしたらチームが良くなるかとか、チームをどういう風にして次の代に渡したいのかという部分、そういう空気感があるチームにしたいです。卒業してから『こいつら頑張っているな』とか『明治のラグビー部出身で誇らしい』と思えるチームになることが大切です。『明治でラグビーやっていました』と言ったら周りからも『本当に素晴らしいチームだよね』って言われるようなチームにしていきたいです。4年生が良くして受け継いで、受け継がれた下の学年がそれをさらに良くしていく。それがベストを目指すということなので、終わりはないです」――下級生は上級生にどういった態度で示すべきでしょうか。「ただ付いてくだけではなく、間違っているものは間違っていると言わないといけないし、風通しのいい組織であるべきだと思います。みんなで話し合ってもっと良くできると思ったら『こうした方がいいんじゃないですか』って言えるような関係性が大事です。その意味では今は変な上下関係はないし、今は少しずつ良い関係を築き上げていけていると思います」――春季大会はBグループですが、どのような戦い方をしますか。「Bグループでやることに関してはプラスに捉えています。いろんな選手がチャレンジできるし、招待試合でAグループの学校とやる試合もあります。昨年度とあまり変わらず、しっかりやる試合もありながら、チャレンジメンバーもできるという、いろんな意味で選手が試合に出られるチャンスがあると思います」――今シーズンの意気込みを最後にお願いします。「日本一を目指すという意味では変わらないので、連覇が一つの目標です。ただ、連覇というのを意識し過ぎないように。4年生にとっては最後の1年で、そこで本当に大学日本一を目指すなら今年もチャレンジャーだと思います。ベストなチームの追求に終わりはないので、昨年度よりも良いチームにして次の代に渡していくことが大切だと思います。大学日本一を目指すのも、勝つことだけが目的じゃなくて、勝つための努力が大切です。今はそういう努力ができるチームになってきているので、そこをもっと高めていきたいです」――ありがとうございました。[清水康佑]◆田中 澄憲(たなか・きよのり)平10文卒 監督就任2年目。在学時には監督不在の中主将を務め、チームを大学選手権準優勝に導いた。卒業後はサントリー・サンゴリアスで活躍。2016年度にはトップリーグ、日本選手権と2冠達成を支えた。READ MORE