【ラグビー部】真価
〝真価〟が試される1年だ。昨シーズン、22年ぶりに日本一へ返り咲いたラグビー部。武井日向主将(商4=国学院栃木)の下、新たに掲げたスローガンは〝真価〟。チャンピオンの重圧をはねのけ〝真価〟を証明してみせる。本企画では連覇を狙う武井組の軌跡を追っていく。
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(61)~FINAL CHALLENGE~ 山村知也「紫紺はたくさんの人の期待が詰まっている」
ラグビー 2019.11.29「真価が問われる代」。武井日向主将(商4=国学院栃木)は今年の最上級生についてこう語る。苛烈極まる対抗戦、そして連覇の懸かる大学選手権へ。激戦のさなか、4年生一人一人に今シーズンに懸ける思いについてうかがった。 第20回は山村知也(営4=報徳学園)のインタビューをお送りします。(この取材は11月21日に行われたものです) ――手首のケガの調子はいかがですか。 「2か月ほど試合から離れていましたが、慶応戦にリザーブで出場しました。(トライシーンは)勇登(森・政経3=東福岡)が良い形でパスを放ってくれたので、後は走り切るだけでした。手応えではないですが、トライを取り切る感覚がつかめたと思います。手首のケガだったので、アジリティーや体力的なところで特に問題はありません。調子は戻ってきています」 ――早大戦に向ける思いを教えてください。 「試合の大切さは、全試合を通じて変わりませんが、伝統の一戦ということもあり、明早戦はメディアや周りの注目もまた違うものになってくると思います。その中で自分たちの代で勝ち切れるように、しっかり良い準備していきたいです」 ――今年度で4年連続の明早戦出場です。 「スタメンで4年間立ち続けることは本当に光栄です。幸せなことですし、そこに対して、常にベストパフォーマンス、コンディションで持っていくことが大切だと感じています。小さい頃からテレビで見ていた憧れの舞台ですし、懸ける思いは、また他と少し違ったものがあります。今年もケガ、病気なく迎えたいです」 ――紫紺を背負うことに関してどうお考えですか。 「今部員がいる中で、選ばれた23人しか着られないジャージーです。そこに対する部員の思いや、築き上げられてきた長い歴史の伝統を背負って臨みたいです。明治のラグビー部は全国にファンがいて、小さい子からご年配の方まで、たくさんの人の期待が詰まったジャージーなので、重みは感じています」 ――私生活の面で具体的に心掛けていることは何ですか。 「例えば、トイレットペーパーの芯を変えていない部員に気が付いたら、注意するようにしています。それでも注意しきれない部分もたくさんあるので、そこは自分が直すことが多いです。寮生活で気付いたところがあれば率先して動きますし、周りに呼び掛けるなどしています。他にも食事の時間を厳守させるなど、常に気を張って動いています。個人的にはこの文化を来年以降も引き継いでいってほしいです」 ――私生活とラグビーにはどのような関係がありますか。 「細かなところに気づいたり、ちょっとしたところで動けたりすることは、絶対ラグビーにつながってくると思います。気持ちの面でおろそかにすると、それがラグビーにも出てきてしまうので、私生活の部分でもこだわりを持ってやっていきたいです」 ――大学選手権の決勝が新国立競技場で行われます。 「入学した時に、4年生の明早戦が国立でできるということが言われていたのですが、実現するとは思っていませんでした。決勝の舞台で用意されたので、その舞台に立って優勝したいという思いは強くなりました」 ――今季を振り返っていかがですか。 「春は良い形でAチームは終えることができました。夏に慶応に負けてしまった時は、自信がなくなったりしていました。しかし、そこから何がダメだったのかを改善して、そこでチームがまた1つにまとまりました。対抗戦前に一度負けを味わえたことが、プラスにつながっていると思います」 ――ありがとうございます。 [高智琉大朗] ◆山村 知也(やまむら・ともや)営4、報徳学園、175センチ・77キロ将来は「ワールドカップやオリンピックに日の丸を背負ってプレーできる選手になりたい」。次回は武井日向主将のインタビューをお届けします。READ MORE -
(60)山﨑×山村 4年生ウイング対談
ラグビー 2019.11.29本連載では主力選手の対談を全4回に渡ってお届けする。第4回は山﨑洋之(法4=筑紫)、山村知也(営4=報徳学園)の最上級生コンビ。下級生から出場を重ねる対抗戦屈指の両ウイングだ。4年生となった今年度は山﨑がBKリーダー、山村が副将を務める。チームを引っ張る二人に今季の振り返りやお互いの印象について語ってもらった。(この取材は10月24日に行ったものです) ――武井組始動時から今までの振り返りをお願いします。山村「今年は私生活の方にも目を向けようとスタートしました。今もできているかと言われたらできていないこともあるんですけど、4年生がそれに対する気持ちがちょっとずつ変わってきたのかなと思います。チーム全体としてちょっとずつ心掛けたりするところは変わってきたと思います」 山﨑「私生活の部分はずっと言ってきたんですけど、今年ほど意識した代はあまりなかったんじゃないかなと思います。リーダーミーティングとかもあるんですけど、ラグビーの事だけじゃなくて私生活の所も良く話をします。オフプレー中の自分たちの振る舞いにも目を向けている代だということが印象的です」 ――昨年度の決勝(天理大戦)の率直なご感想をお願いします。山﨑「知也(山村)が腰を痛めて、腰が治ったと同時くらいに体調不良になっちゃって、それで長期離脱していました。その所に僕が入ったというだけなので、僕としては運が良かったとしか言いようが無いです。そういった中でチームやファンは知也のクオリテイーを僕に求めていたと思うので、自分の責任を果たすじゃないですけど、そこをやれるように頑張りました」 山村「ヒロ(山﨑)も言っている通り、シーズンを通してパフォーマンスをしっかり彼は残していました。僕はケガをしたんですけど、決勝に関してはあの舞台に優勝したというのはうれしかったですけど、そこでスタメンではなかった部分は悔しかったです。パフォーマンスを常に出し続けるっていうのと体調管理、ケガの管理はしっかりしないといけないと痛感させられました」 ――相手になり切って自己紹介をお願いします。山村「山﨑洋之です。普段はゲームが好きなので、することが多いです。最近は週末あまりどこかに言ったりはしないのですが、もともとみんなと楽しんだりお酒を飲むことが好きなので、たまに息抜きしています。どこかでぶらぶらするのもあまり嫌いではないし、道にも精通しています。ラグビーの面では、本当何でも任してという感じなので、苦手なプレーも特になく、全てハイクオリティーでこなしていきます。山﨑洋之でした。」 山﨑「山村知也です。僕はすごい外に出るのが好きで、よくカフェに行って午後の時間を優雅に過ごしています。ゲームはあまりしないんですけど、大阪で育ったのですごいお笑い番組を見るのが大好きです。みんなと楽しむのが好きなんでたまに飲みに行ったりもしますし、一人で静かにするときもあります。ラグビー面に関しては僕がボールを持ったらトライなので、僕に回してくれれば絶対ゲインは100パーセントします。あとディフェンスでは3人くらいなら止められるので、僕に任してください。ただ僕方向感覚が全然ないので、方向感覚の優れている山﨑にいつも連れて行ってもらっています」 ――お互いを一言で表してください。山﨑「トムソンガゼルじゃないですか。アフリカにいる動物なんですけどめちゃくちゃ足が速いんですよ。よくチーターと追いかけっこするんですけど、スピード、あとは重心の低さもありますし、それが知也にそっくりだなと思いますね」 山村「おらんもんなぁ(笑)」 山﨑「なんでもいいよ」 山村「ウナギステップで(笑)。それに体幹兼ね備えているみたいな。するする抜けるけど、つかまってからも強いからな、じゃあオールラウンダーで(笑)」 山﨑「もうメガホンでいいやん(笑)」 山村「じゃあ、オールラウンダー(メガホン)で。メガホンの方は自分で言ったということにしてください(笑)」 ――お二人にとってウイングとはなんですか。山村「トライはすべてじゃないですけど、やっぱりフィニッシャーなのでトライを取り切るっていうのが仕事かなと思っています」 山﨑「明治のウイングは競争率の激しさですね。毎年僕が1年生の頃から良い先輩方がめっちゃいましたし、同期は知也がいました。僕が先輩になっても後輩に石川(貴大・政経3=報徳学園)とか3年になっても高比良(隼輝・政経=長崎北)とか入ってきましたし、そういった中でFWと同じようにウイングも層の厚さが一番強みです」 ――残りのシーズンへの意気込みを教えてください。山村「特にこれといって変わることは無いです。自分がバイスキャプテンであるということ、ウイングであることの二つを意識してチームにとってしっかり貢献できるように、パフォーマンスとリーダーシップを張ってやっていきたいと思います」 山﨑「自分もリーダーにつかせてもらっているので、リーダーとしてチームにおける精神的な支柱では無いですが、安心できるような存在になりたいなと思います。プレーヤーとしては責任を果たすだけなので、ウイングとして一人のプレーヤーとしてチームに貢献できればと思います」 ――ファンに向けて一言お願いします山村「今年も日本一取るので、最後までご声援よろしくお願いします」 山﨑「今年も日本一目指すので、ファンのみなさんと僕ら全員でワンチームになって声援とプレーで日本一を取りましょう」 ――ありがとうございました。 [高智琉大朗、中村奈々] ◆山﨑 洋之(やまさき・ひろゆき)法4、筑紫、175センチ・82キロ ◆山村 知也(やまむら・ともや)営4、報徳学園、174センチ・79キロ ☆お二人の対談の模様は11月28日発行の『明大スポーツ第501号 ラグビー特集号』にも掲載しています。12月1日に秩父宮ラグビー場にて今年も配布を行うのでぜひお手に取ってご覧ください☆READ MORE -
(59)明早戦直前 早大突撃インタビュー! 齋藤直人主将「全ての試合に勝って、優勝することしか考えていない」
ラグビー 2019.11.27本連載では早大監督、注目選手のインタビューを全4回にわたってお届けする。第4回はスクラムハーフ齋藤直人主将(スポ4=桐蔭学園)。数々の世代別代表を経験し、26日に発表されたスーパーラグビー・サンウルブズのスコッドに名を連ねた。世代を代表するスクラムハーフに早大の強みや明大戦の意気込みについて伺った。(この取材は10月31日に行われたものです)――今年度はどういうチームですか。「今の4年生の代が1年生の頃から試合に出ているメンバーが多く、経験値という点では他のチームよりも多いと思います。昨年も1、2、3年生が中心となって試合に出ていたので、経験値が大きいと思います。昨年に引き続き動き続けるラグビーというところで、自分たちの粘り強いディフェンスからリズムをつくって、強みのアタックにつなげるというラグビーを目指しています」――BK中心のチームでしょうか。「そう言われることが多いですが、最後点をとるのがBKなだけであって、実際BKが生きているのはFWの地道なブレークダウンであったり、FWもすごく頑張ってくれています。今年1年かけてセットプレーを重視していて、すごくやりこんでいるのは自分たちも知っていますし、秋になってから試合とかでも成果として現れているので、そういったところではFWに支えられてのBKだと思います」――FWで頼れる選手は誰ですか。「特に丸尾は攻守ともにキープレーヤーでもありますし、FWの統率、まとめ役なんかも3年生ながらになってくれていて、FWの中でも重要な人物だと思います。幸重は特にディフェンス面で先頭にたって体を張ってくれていますし、チーム全体を見ての発言もしてくれるので助かっています」――筑波大戦はディフェンスが機能しました。「あの試合は点数にも現れていましたし、やっている感じとしても抜かれる感じもしませんでした。それでもレビューミーティングでは、結局点は取られていないけれど、自分たちの目指すディフェンスとはほど遠かったというレビューがあって、まだまだそこは伸ばさなきゃいけないと思いましたし、その筑波戦から6週間たって、確実に伸びてはいると思います」――W杯期間で強化したのはどこですか。「この6週間で特別何かに取り組んだということはないのですが、春先からやってきたシステムとかを再確認して、そこの細かいところ精度にこだわってやってきました」――昨年のチームとの違いは何ですか。「コーチが変わりました。練習面ではないところで言えば、グラウンド外の規律の部分は昨年よりうるさく言っています。提出物であったり当たり前と思われがちなところもできていないのが現状だったので、そこをやると4年生で決めました。そこは継続して色々と対策を考えながらやっています」――スローガン『for one』について教えて下さい。「人それぞれ考え方は違いますし、一つの意見に囚われずに色んな人の意見や考え方を取り入れられるスローガンだと思います。考えようによっては明確じゃない分難しいかもしれないですが、自分はすごい良いスローガンだと思います。人によっても、置かれた状況によっても(捉え方は)違います。最終的には日本一につなげるのが大事です」――全寮制ではない中で難しさはありますか。「まとめるのは難しいですし、練習も一緒にはできないので難しいです。まずは3、4年中心の委員というリーダーみたいなグループがあるのですが、寮生中心ではありますが寮に入っていないメンバーもいます。そういったメンバーとコミュニケーションをとるようにしています」――4年生はどんな学年ですか。「自分を持っている選手が多いかなと。仲も良いです。ぶつかることもあったりましたが、仲は割と良いです。学年会とかやったりするのですが、他の学年では大体何人か来れないことは多いですが、全員そろったりしています。また、割と練習後に自主練していたり、ウエイトを残ってやっているメンバーが自分たちの代はすごく多いなと感じていました。上のチームでも下のチームでもみんなやっていて、向上心というのは昔からあった代だと思います。スタッフ、トレーナーであったりマネジャーであったりが多い代なのですが、そういったメンバーも外から見た意見であったりを遠慮無くずばっと言ってくれます」――学生スタッフの重要性を教えて下さい。「自分たちの見えないところはあって、そういうときに気付いたことは伝えてくれますし、大人に言いづらい相談も学生トレーナーには聞いてもらえたりとか。これっていうのはないですが、助かっているのは事実です」――相良監督はどのような方ですか。「あんまり口数は多くないですが、要所要所で的確なことを言われて、気付かされます。あとは監督も学生時代にキャプテンをやっていたということもあって、そのときに自分が経験したこと、こうしておけばよかったみたいな話をたまにしてくれます。そういうのはためになります。自分がキャプテンになりたての頃に、相良さんがキャプテンをやっていた時代は周りのことに気を配ろうとばかりしていて、自分のプレーがおろそかになってしまったのが後悔だったと話をされていました。まずは自分がベストなパフォーマンスを出すこと、姿勢もそうですし、ベストなパフォーマンスで、プレーでチームを引っ張ることに集中すれば、一番のリーダーシップにつながるのではないかと。最初の頃は色々これでいいのかなとか考えてしまうのですが、それを聞いて少し楽になりました。まずは今まで通り自分がチームのためにベストなプレーが出来るように準備をするというのを意識していました。余裕が生まれてきたら、そこから色々考えるようにしました」――試合中にどんな言葉をよくかけますか。「『きつい時間帯にどれだけチームのために走れるか、体を張れるか』というのは良く言います。自分自身きつくなったときにどこかで弱い自分が出そうになりますが、仲間のハードワークをみて自分も動き続けられるので、周りもそう捉えてもらえれば。周りがきついときに自分がハードワークをしている姿を見て、他のメンバーも頑張ってもらえればと思います」――明大のイメージはいかがですか。「印象は変わらず、タレント揃いで。そこに昨年の優勝という経験であったりがあるなと。あと、個人的には山村知也(営4=報徳学園)と仲良くて、中学校のときから試合もしてきて、二人で会ったときには通算対戦成績みたいな話をしています。中高と試合して、大学でも試合してるので、勝ちたいですね。明治に勝って通算対戦成績を1勝積み重ねたいです」――明早戦への意気込みをお願いします。「全ての試合に勝って、優勝することしか考えていません。そんな甘いことでもないので、準備を怠らず、毎試合毎練習重ねるごとに成長できるように。個人としてもですし、チームとしても成長しなければなりません。チームの成長を考えて、キャプテンとして行動していきたいと思います」――ありがとうございました。[清水康佑]◆齋藤 直人(さいとう・なおと)スポ4、桐蔭学園 165センチ・73キロ早大の頼れる主将。プレーでは常にチームの中心にいるが「学年でイベントをやるときは自分が中心ではないです(笑)」READ MORE -
(58)明早戦直前 早大突撃インタビュー! 岸岡智樹「早明戦はBKで上回ることが絶対条件」
ラグビー 2019.11.26本連載では早大監督、注目選手のインタビューを全4回にわたってお届けする。第3回はスタンドオフ岸岡智樹(教4=東海大仰星)。ルーキーイヤーから出場を続けるチームのゲームメーカーだ。現在、明大・山﨑洋之(法4=筑紫)、雲山弘貴(政経4=報徳学園)と並び、対抗戦通算9トライのトップタイ。クレバーな司令塔に早大の強みや明大戦の意気込みについて伺った。(この取材は10月31日に行われたものです) ――今年の早稲田はどんなチームですか。 「強みはいろいろな記者さんたちも記事に書いている通り、タレントぞろいのBKです。逆に春シーズンは『FWがダメだったね』という声を多くいただきました。そうした中でFWも強化してきて、BK、FW共にリンクしてきています。一番のモットーとしては幅広くグラウンドを使ってボールを動かして展開したいというのがあるので、強みの部分の大黒柱が逆にFWなのかなと思います。取り切れる部分としてBKが華やかなプレー、ビッグプレーができたらいいなと思っています」 ――FWも夏以降成長したイメージが強いです。 「春シーズンはセットプレーで自分たちの思うようなプレーができなかったというのが振り返りとして挙がりました。そうした中で夏に天理さん帝京さんとの練習試合が決まっていたので、そうしたセットプレーが強いチームに対してFWがしっかりとアプローチしていくというマインドを持っていました。特にFWとBKが分かれる練習の時間を多くとり、FWはスクラムとラインアウトを徹底的にやっていました。やっていたことがしっかりと結果として出たなと言う印象はありました」 ――ご自身のプレースタイルを教えてください。 「嫌らしいとプレーヤーだと思われたいなと僕は思ってプレーをしています。僕の強みとしては引き出しを他の人より持っていることです。逆にそういうプレーヤーであろうといつも思っています。スタンドオフはゲームをつくらないといけないっていう責任感を持つ中で、駆け引きをする相手が嫌だなと思うことをし続けたら勝てると思います。エリアの部分は僕も意識している部分です。ペナ(ペナルティー)をもらって普通はタッチ蹴る場面でもいきなりタップしてはじめたりですとか、相手の弱みに自分の強みをぶつけることをできるような工夫をしています」 ――中高を通してさまざまなポジションを経験しているからこそ引き出しの増加につながりましたか。 「それは大きいですね。やっぱりスタンドをやっていてもウイングのことがわからないと意味がないです。いろんなポジションを経験した中で僕はスタンドに一番合っているなとは思いました。いろいろ経験したからこそそのポジションの強みや弱みが理解できました。その人柄にあったプレー、『あいつはこうだからこういうプレーが苦手だろうな』とか『逆に自分のチームはここが強いからここを生かした方がいいかな』という感じです。ポジションも自分から選んでいるわけではないです。昨年度の春もハーフをやったりですとかフルバックにもチャレンジしました。それも面白いなと思っています。やれって言われたことに対して文句言っても仕方ないので、FWやれって言われたら困りますけど(笑)。自分の可能性を広げられるチャンスだと思ったので、その機会を与えてくれた人には感謝しています。結果としてプラスになっていると思います」 ――明大のスタンドオフ山沢京平選手(政経3=深谷)の印象を教えてください。 「あの代のスーパープレーヤーですね。今年まさかスタンドで来るんだというのは春に感じました。率直に嫌だなと思いました。もともとはフルバックをやっていたので一番はランが強みの選手かなと思います。スタンドって一辺倒になりがちな部分が大きいです。パスの人はパスの人、ランの人はランの人って感じなんですけど彼は全部できる選手です。判断もいいですし、自分で仕掛けることもできるし、周りを使うこともできる。そこはフルバックとスタンドの似た部分で、彼の強みの部分だと思います」 --山沢選手、雲山弘貴(政経2=報徳学園)のキック、エリア取りの対策はありますか。 「その2人はかなりのロングキッカーなので、W杯でもキックが主流になる中でそこの使い方、使い分けをできないと苦戦します。明治はバックスにもタレントが多いのでそこはスタンドとしてエリア取り、ゲームコントロールの部分では注意しないといけないなとは思います」 ――早明戦はどういった試合になるでしょうか。 「明治はFWに自信を持っているチームなので、そこに負けないようにしたいです。早稲田もFWが良い時は強いので早明戦はFW勝負になるかなと思います。その中でBKで上回ることが絶対条件になってきます。そこが勝負の分け目になるかなと思っています。自分たちが振り返った時にいい試合ができるように、良い試合ができれば必ず結果はついてくるので自分たちのやってきたことを信じてやるだけかなと思っています」 ――ありがとうございました。 [清水康佑]◆岸岡 智樹(きしおか・ともき)教4、東海大仰星、173センチ、85キロSNSを通じた競技の認知、普及活動にも取り組む。「大学生でも2部や3、高校生なら花園に出れないようなチームの人たちに響くような内容を届けたい」次回は齋藤直人主将(スポ4=桐蔭学園)のインタビューをお届けします。READ MORE -
(57)明早戦直前 早大突撃インタビュー! 小林賢太「FWで勝たないと、試合に勝てない」
ラグビー 2019.11.25本連載では早大監督、注目選手のインタビューを全4回にわたってお届けする。第2回は右プロップ小林賢太選手(スポ2=東福岡)。昨年度は1年生ながらスタメンとして、関東大学対抗戦優勝に貢献。今年度はFWの中心として、活躍中。来る12月1日に明大と雌雄を決する早大の注目選手にFWの強み、明早戦の意気込みについてお話を伺った。(この取材は10月24日に行われたものです)――ご自身の強みは何ですか。 「プロップなのでスクラムとかが強みである方がいいと思いますが、自分的にはフィールドプレーが強みかなと思っています。スクラムよりかはそっちの方が強みです」――1年生として昨シーズンを経験していかがでしたか。 「昨年はいっぱいいっぱいじゃないですけど、目の前のことに精一杯でした。1試合1試合がすぐ過ぎ去っていくようなシーズンでした。3番の層が薄い時に入学して、自分の実力を買って頂いて、タイミングがよかったのかなとも思っています」――昨年度の結果についてどう思いますか。 「対抗戦で勝って、早明戦で勝てたことは良かったですけど、大学選手権という経験したことない重圧の中で負けてしまいました。1回勝っていた相手だったので、僕たちも勝つチャンスはあったので、素直に悔しいという気持ちはありました。最後のブレークダウンで自分がボールをクリーンアウトしていれば、継続できていたし、そのプレーを何回試合を見返しても悔いに残るシーンです」――昨年度の敗戦を受けて、チームで話したことはありますか。 「キャプテンの齋藤直人(スポ4=桐蔭学園)さんに、試合後メンバーが集められて、この試合のことを忘れないで、来年引っ張って行こうと言われました。本当にその通りだなというのは覚えていています。そこから本当に明治には負けたくないという思いがあります。天理大さんに勝って優勝したときに、チャンスが僕らにもあったなと思った時はとすごい悔しかったです」――2年目になり意識していることはありますか。 「フィールドプレーもセットプレーもいっぱいいっぱいだったんですけど、今年に入って自分で試合ごとにテーマを持って出来るようになりました。そういう意味で余裕はできてきたと思います。自分は昨年度の経験があるので、自分の経験を伝えながら試合に臨めればいいなと思っています。引っ張れるかどうかはわからないですけど、自分の経験したことをチームに共有できたらなと思います」――3番として意識することはありますか。 「スクラム組むときに安選手(安昌豪・営4=大阪朝鮮)とマッチアップするときは昨年もすごいプレッシャーを受けました。やっぱそこに対してスクラムは3番から勢いを持たないと押せないので、どれだけ自分が対抗できるかを試したいです」――春の時点のフォワードの出来はどうでしたか。 「自分は出てないですが、本当にダメダメという感じでした。そこから修正してきたのはスクラムです。昨年も押すスクラムというよりは、ボールをキープして、耐えるというマインドのスクラムを組んでいたので、スクラムを修正しないといけません。まず、マインドの部分では、どの大学相手でも押し返すくらいのマインドでやっていこうという風にみんなが思っていて、フォワード8人がスクラムファーストという言葉を持ちながらやっています」――現時点での早稲田の出来はどうですか。 「休止期間からいろいろ練習してきて、細かい精度の部分を突き詰めてこれていると思います。確信があるわけではないですが、自分たちがやっていることを出せば勝てるんじゃないかと思っています」――チームの強みを教えてください。 「FWは昨年と比べると、セットプレーに対する思い、ほかの大学よりもスクラムに考えを持っています。全体では、どこからでもアタックできるというのが強みで、FWだからという言い訳はなしで、FW、BKが一体となってアタックできるのが今年の早稲田の強みだと思います」――チームの中でのFWの役割は何ですか。 「早稲田はバックスがタレントぞろいで、その中で自分たちができることはたくさんあると思うので、一つ一つのプレーをセットプレーだけでなく、バックスを引っ張っていけるくらいのプレーをしていきたいと思っています。FWで勝たないとラグビーは試合勝てないので、FWで勝ちたいで。」――明早戦に対する意気込みをお願いします。 「昨年の準決勝を経験するメンバーが残っている中で、選手権で優勝を目指すことのできるチームだと思います。最終戦になるので、自分たちのやることを明確にするのが1番大事なので、自分の役割を明確にして大事にしたいです」――ありがとうございます。[田中佑太]◆小林 賢太(こばやし・けんた) スポ2、東福岡高、181センチ・115キロ。小学生の頃に明早戦を観て、早大へ憧れ始めた。次回は早大のゲームメーカー 岸岡智樹選手のインタビューをお届けします。READ MORE -
(56)明早戦直前 早大突撃インタビュー! 相良南海夫監督「早明戦はお互いのカラーを出し合うゲーム」
ラグビー 2019.11.24本連載では早大監督、注目選手のインタビューを全4回にわたってお届けする。第1回は相良南海夫監督。昨年度は就任1年目で関東大学対抗戦の優勝監督となった手腕家。就任2年目となる今年度はAチームを夏合宿以降無敗と強力に仕上げた。来る12月1日に明大と雌雄を決する早大指揮官にチームの持ち味や明早戦の意気込みについてお話を伺った。(この取材は10月24日に行われたものです) ――今年度の早大はどんなチームですか。 「去年から僕がやり始めている中で、まずはディフェンスからチームをつくろうということでやってきました。マインドセットも含めてそうしたチームを目指す雰囲気にはなってきているのかなと思います」 ――齋藤直人選手(スポ4=桐蔭学園)が主将になったきっかけは監督のご推薦でしょうか。「早稲田は卒業していく4年の推薦と部員たちで決める流れがあります。そうした中で齋藤の名前が挙がってきて、何人か(候補は)いたんですけど、最終的に私の方で決めたというプロセスになります。齋藤は勝ちたい気持ちが誰よりも強い部分があります。プレーでも引っ張れる人間だと思いますし、ただ引っ張っていっているだけではなくてスキルも備えています。どんなにきつい時にも走れる男なので、そういった部分が一番かなと思います」 ――最上級生には下級生から活躍を見せてきた選手が多いです。 「齋藤や岸岡(智樹・教4=東海大仰星)、中野(将伍・スポ4=東筑)あたりは最初に〝スーパー1年生〟という感じで台頭してきました。それからずっと活躍していると思いますし、彼らも伸び悩むことはあまりなく、一年一年成長していると思います。その他にも下級生から出ている三浦(駿平・スポ4=秋田中央)だとか地味ながら中山(匠・教4=成城学園)といったメンバーもそれぞれの個性があってリーダーシップを発揮しながら、着実に成長していると思います。そういった選手たちも去年とは違う一面をみんな見せてくれていると思います。最上級生になってプレーが変わった人間もいれば言動が変わった人間もいます」 ――監督ご自身は去年から〝主体性〟を心がけているというお話を伺っております。 「(今年も)全く変わらないです。僕もOBとしても監督としていい成績を残したいという思い、日本一を取りたいという思いはありますが、究極は僕の名誉のために取るわけではないです。学生たちがそれを手に入れたいかどうかというところなので、そういう部分が一番大事です。そうした思いが日々の行動にもつながってくると思うのでそういった意味で主体性を重視しています」 ――昨年度のチームとの違いについて教えてください。 「下級生から出ているメンバーが多く残っている部分ではそれなりに自信があると思います。このチームが始まるときからFWがウィークポイントになるだろうということで、FWの成長がチームの成長につながっていると思っています。FWはセットプレーの部分で上のチームと優勝を争う、一つでも上に行くためにはFWが戦えないとその壁を突き抜けられないので、FWに関してはセットプレーと近場のアタックを伸ばしていかないといけないなと考えています。(FWの春からの成長は)夏の天理と帝京との試合もFWの成長を図る試合だったと思っています。ある意味そこがゲームの結果として現れた部分ではありますし、内容的にもそこを見ることができたので良かったと思います」 ――明大の印象を教えてください。 「タレントぞろいですし、我々からしたらFWが強いチームと思っています。FWが強いのもさることながらBKにもタレントぞろいで非常にバランスの取れたいいチーム、強いチームだと思います。いい人材だけではなくて、ベースの部分がしっかりしているチームです。そういった部分で上回っていけないと勝てないなと考えています」 ――大学ラグビーの注目度も上がっています。最後にファンに見てほしい部分を教えてください。 「早明戦はお互いのカラーを出し合うゲームです。昔は縦の明治、揺さぶりの早稲田みたいなのが形容されていましたけど、お互いに今年の明治の強みと早稲田の強みがぶつかり合うような試合を見せられたらいいなと思います。そういった意味ではキャプテン対決にもなります。良いランナーたちが明治さんに対して脅威になれるようにボールを動かして走ってと言うゲームができればいい試合になると思います」 ――ありがとうございました。 [清水康佑] ◆相良 南海夫(さがら・なみお)早大では4年時に主将。卒業後は三菱重工相模原に進んだ。その温和な人柄について「オフの場面では優しいお父さんのような感じの人」(岸岡)と選手も話した。 次回はスクラムの中核 小林賢太選手のインタビューをお届けします。READ MORE -
(55)関東大学対抗戦・帝京大戦 試合後インタビュー
ラグビー 2019.11.24フッカー武井日向主将(商4=国学院栃木)ーー試合の振り返りをお願いします。 「FW戦がキーになると話して臨みました。ラインアウト、モールそしてゲインラインバトルのフィジカルの戦いは留学生で帝京大は強いので、フィジカルで受けずにきつい場面でも前に出るディフェンスで守り切れたことが大きかったと思います」ーー早大戦のイメージを教えてください。 「負けてはならない試合です。ラグビー部同士の戦いというよりも大学同士の戦いです。歴史ある戦いで、雰囲気も他の試合とは違うので、チャレンジャーとして戦いたいです。伝統の一戦ですし、早稲田は強敵で、1つのミスで展開が変わってしまうので気をつけてやっていきたいと思います」ーー明早戦への思いをお願いします。 「小さい頃から見ていた舞台に立てるということは嬉しいことですし、すごく楽しみです。しっかりとしたプレーをして、大学ラグビーからみなさんに感動を与えられるような試合をしないといけないと思います。日本のラグビーのこれからにもつながると思うので、良い試合をしたいです。絶対負けないです」 左プロップ安昌豪(営4=大阪朝鮮)--今日の振り返りをお願いします。 「1、2年生の頃から敵わない相手という印象があったのですが、去年から勝てる自信もありますし、今日の試合では今まで積み上げてきたものを全面に出してプレーできたのでよかったです。スクラム、セットプレーと相手のペナルティーも誘えたので全体的にいい試合でした。先週の練習からジュニアのチームに帝京大がどうスクラムを組んでくるかを研究して対策していたので、Aチームのスクラムもよかったです。練習相手をしてくれた下のチームがあったから今日いいスクラムを組めたと思います。感謝したいです」 --前半ノートライで抑えました。 「今日の試合のテーマが〝コンプリートビクトリー〟だったので、ディフェンスでもアタックでも自分たちがしっかり主導権を握ることを意識していました。相手の強いボールキャリーに対してダブルタックルに入ったりする練習を2週間徹底してやってこられたのが試合に活かせました」 ーー課題はありますか。 「後半の入り10分位は相手にいいアタックをさせてしまい、自分たちのペナルティーからのミスで流れを持っていかれそうになったので、スキを無くしたいです。自分としてもチームにいい雰囲気にできる声かけやプレーをできたら、後半の入りもよくなると思うのでそこをもっと徹底したいです」 ーー早大戦に向けて抱負をお願いします。 「早稲田はディフェンスがとても良いですが、自分たちは逆にフィジカルに自信を持っています。フォワードの我慢比べでしっかり前に出ることができれば絶対にいいアタックにつながると思いますし、バックスが取り切ってくれると信じます。自分たちはフォワードとの我慢で優位に立ちたいです」 左ウイング山﨑洋之(法4=筑紫)ーー帝京大相手に40得点で快勝です。 「僕らが成長しているのを示せたのじゃないかなと思います。帝京大はフィジカルが強いんですけど、そこから40得点取れたのは僕らがフィジカルで勝ったことを証明できたんじゃないかなと思います。試合中の悪い流れもありましたが、悪い流れをすぐに立ち切れました」ーーBKはいかがでしたか。 「外にボールを振ったときにバックスへすごくプレッシャーをかけてくるチームで、今試合でバックスの肝になると話していました。練習からも意識しましたし、それに見合った練習もしてきたのが結果につながりました」右ロック箸本龍雅(商3=東福岡)ーー試合の振り返りをお願いします。 「大体80点ぐらいです。80点の理由は、前半調子良く試合に入ることができたのですが、後半に入るとフィジカルに苦戦してしまって、徐々に体力的なところで厳しくなっていきました。後半まで戦い抜くことができなかったという面で80点ですかね」 ーー後半の入りはどうでしょうか。 「先に主導権を握って流れをつかもうという話をハーフの時にしていました。相手キックオフだったと思うのですが、少し入りが受け身になってしまって微妙な流れになってしまったので、あそこはもっとチャレンジして前に前に攻撃するべきだったと思いますね。前後半通して、相手陣営でプレーすることが大事だと思います」ーー勝因についてどう考えているでしょうか。 「敵陣でディフェンスできたことが大きいと思います。向こうはイレギュラーなところで強さを出してくるチームなので、しっかりそういうところで慌てず守るというのを大事に試合を進めていきました。試合中も何度も何度もコミュニュケーションを重ねてパニックにならないように努めていました。数本抜かれたところもあったのですがとにかく慌てずにプレーを続けました」 右センター森勇登(政経3=東福岡)ーー自身の出来はどうでしたか。 「センターとしてはディフェンスもアタックもコミュニケーション上手くできていたなと思っていて、後半にスタンドに入ったときには疲れていて、ポジショニングとか遅くなって、うまくテンポを作れなかったです。センターでも、もう少しボールタッチを増やしたいです」ーー明早戦に向けて意気込みをお願いします。 「慶応の時と同じ雰囲気で、同じような戦い方をしたいです。昨年負けてしまったので、今年は勝って、1位になりたいと思います」 フルバック雲山弘貴(政経2=報徳学園)ーー先制トライのシーンを振り返ってどうでしょうか。 「いいパスが安さんからきて、外にスペースがあったので、自分が起点になってウイングにパスをしようと思ったら、たまたま空いていたので、トライに結びつきました」ーー今日のディフェンスはいかがでしたか。 「インサイドからあげていくディフェンスが上手くハマったのは良かったですが、ミスで一気にトライを取られる場面があったので、そこはもっと固いプレーをしたいです」 ーー来週は明早戦です。 「昨年、あまり活躍できなかったトラウマがあるのですが、楽しんで自分らしくプレーしたいです。ずっと目標にしてきた明早戦です。頑張って勝ちたいです」 READ MORE -
(54)森×山沢 3年生バックス対談
ラグビー 2019.11.23本連載では主力選手の対談を全4回に渡ってお届けする。第3回は森勇登(政経3=東福岡)、山沢京平(政経3=深谷)。今季からスタンドオフに転向した山沢、不動のセンターとして活躍する森。3年生ながらチームの要を担っているお2人にお互いの印象、今シーズンの意気込み、そして来シーズンのことについて伺った。(この取材は10月25日に行ったものです) ――お互いの紹介をお願いします。森「京平は普段努力してないように見えて、陰でキック練習とかめちゃくちゃ努力している人です。それが試合で結果に結びついていると思います。プライベートではいつも山本龍亮(情コミ3=桐蔭学園)とウイニングイレブンをやっているので、多分趣味はウイニングイレブンだと思います(笑)。自分はウイイレは引退しました」 山沢「なんといっても体がすごくてムキムキです。試合ではディフェンスもアタックも本当に頼りになって、いつも救われます。普段は何考えているのかわかりません。勇登の世界観があって、面白いです。今はよくスマブラやっています」 ――お互いの第一印象を教えてください。森「初めて会ったのは、高2の時に菅平でやったコベルコカップです。九州選抜と関東選抜が対戦しました」 森「噂はすごく聞いていたので、プレーはずば抜けているなと思いました。あとシンプルに黒いなと思いました(笑)。今よりも黒かったですね。自分も日焼けで黒かったんですけど、自分より黒い人初めて見ました」 山沢「高校からラグビーを始めたので、埼玉県外の人とか全く知らなくて、関東の人も知らないくらいでした。セレクションで一緒になって、本当に上手いと思いました。パスも、ランの緩急も全部すごかったです。誰が明治に行くとかは全然知らなくて、高校ジャパンの時に知りました。『えぐっ。やばい人ばっかりじゃん』という感じでした」 ――お互いのプレーの印象を教えてください。森「1年の最初の時期、早い段階から京平は上で出ていて、1年だけど堂々と自信を持ったプレーをしているのを見てすごく刺激を受けました。最近僕もスタンドオフに入ることがあったんですけど、京平がやる相手のタイミングをずらすパスや、スペースへのキックは改めてすごいと思いました。僕にはできません」 山沢「練習を見て、当時のAチームのセンター陣に負けないくらい強かった印象を受けました。ディフェンスが特に良いと思います。どんな大きい相手が来ても、一発で仕留めます。アタックでもボールを持ってからの動きが軽いというか、全然相手に触られないで抜けていきます」 ――山沢選手がスタンドオフに転向しました。森「去年まで彼はフルバックだったんですけど、フルバックは外なので、ボールとのタッチ回数がスタンドオフと比べれば少なくなります。京平はやはり明治のキープレーヤーだと思うので、スタンドオフになってボールタッチの回数も多くなると、相手も嫌だろうし、京平から外にいる走れるウイングにパスが供給されるのは相手も的が絞りにくくなると思います」 山沢「勇登は頼りになります。自分がまだまだスタンドオフのことが分かっていなかったときも相手のディフェンスを見て、こうした方がいいとアドバイスをくれるので、それを聞いて、自分も考えたりしました。いつも支えてくれます」 ――今の3年生の代はどういう代ですか。山沢「1人1人のキャラが濃いです。お調子者ばっかりです。みんな個が強いので、大変ですね(笑)。引っ張っていく存在という面では少し怖いです。僕たちの代は。引っ張っていく人が少ないと思います。特に(箸本)龍雅(商3=東福岡)、片倉(康瑛・法3=明大中野)はFWの誰よりも動いて、ディフェンスでもボールキャリーでも前に出てくれます。いつも体を張ってくれるので、頼りになります」 森「リーダー的存在は龍雅ですかね。龍雅に関しては中学校の時から一緒にラグビーをやっているんですけど、近くで見ていてもどんどん成長しているなと感じます。しかもここ最近より一層凄みが出てきたなと思います」 ――森選手(東福岡高出身)、山沢選手(深谷高出身)の花園での思い出を教えてください。森「東福岡出身なんですけど、2年生はベスト4で東海大仰星に負けて悔しい思いをしました。3年生で最後、その東海大仰星に勝って優勝できたので、悔しい気持ちを晴らして未練なく花園を終われたので良かったと思います」 山沢「負けた思い出しかありません。ですが、少しでも通用した部分があったので、それはチームとして嬉しかった記憶があります」 ――お2人ともご兄弟がラグビー選手です。森「この前の同志社大戦の時、後半少しスタンドオフをやったんですけど、弟もスタンドオフをやっていて、弟の方がちゃんとやっているので『もっとFWのライン入った方がいいよ』というようなアドバイスを受けました。『それはもちろん分かっているよ』という感じだったんですけど、ありがたかったです。ラグビーのことで話したりします」 山沢「いつも刺激になっています。ちょくちょく気になったことがあった時に、兄に連絡します。相談することがほとんどです」 ――休日は何をしますか。森「最近は水泳にはまっていて、結構ガチで泳ぎます。ラグビー部の中で『水泳部』というのを作っていて、龍亮とか小幡(将己・文3=石見智翠館)、辻(龍哉・政経3=流経大柏)とかと泳ぎます。週に3回くらい行っています」 山沢「ゴロゴロするか、映画見に行きます。平日の休みは外出しないです」 ――最後に今年の意気込みをお願いします。山沢「スタンドオフに転向して、上級生にもなったので、責任感というのはものすごく感じています。試合に出たくても出られない人がいるので、その人たちの分まで、頑張りたいです。自分がどんどんチームを引っ張って、チームを勝たせてあげられるようなプレーヤーになりたいと思います」 森「4年生が(武井)日向さん(商4=国学院栃木)、(山村)知也さん(営4=報徳学園)、(射場)大輔さん(政経4=常翔学園)を中心に1つになって頑張ってくださっているので、4年生たちを優勝させてあげられるように精いっぱいの力を出して頑張っていきたいと思います」 ――ありがとうございます。 [上松凜助、清水康佑、田中祐太] ◆森 勇登(もり・ゆうと)政経3、東福岡高、174センチ・83キロ ◆山沢 京平(やまさわ・きょうへい)政経3、深谷高、176センチ・86キロ 次週は山村選手、山﨑選手の対談をお届けします。READ MORE -
(53)関東大学対抗戦・帝京大戦 試合直前コメント
ラグビー 2019.11.23運命の一戦だ。明日の対抗戦6戦目は帝京大と対戦。明治が勝利すれば、両校全勝対決で明早戦を迎える。これからを占う一戦から目が離せない。 フッカー武井日向主将(商4=国学院栃木)――帝京大戦へのチームテーマを教えてください。 「〝コンプリートビクトリー〟というテーマを掲げました。追いかける立場から追われる立場に変わって、プレッシャーもありますが、しっかりと跳ね除けたいです。スキを見せずに80分間圧倒して内容にこだわって完全な試合をしたいと思います」 ――カギとなるプレーはどこでしょうか。 「セットプレーは特に重要になると思います。フォワード戦のところやブレークダウンもそうですし、スクラムやモールでもしっかりと主導権を握って戦いたいです」 ――対抗戦も終盤に入りますが、意気込みをお願いします。 「まずは一戦一戦必死に戦うことが大事なので、早稲田のことはまだ考えずにいきたいです。帝京戦でどれだけ自分たちが準備したことができるか、内容にこだわって勝ちます」 右ウイング山村知也副将(営4=報徳学園)――最後の調整でした。チームで共有したことはありますか。 「雨の中でしたが、その分しっかりコミュニケーションが取れて良い準備ができました。明日も天候が崩れそうなので、早いセット、コミュニケーションを継続します。パスの幅や細かいポジショニングなどを調整しながらミスを少なくします。グラウンドコンディションなど条件は一緒なので、しっかり対応して相手の嫌なところを突く形でやっていきます」 ――Aチームの帝京大は去年4月から全勝です。 「ネガティブなイメージから勝てるという自信に変わっている相手なので、慢心することなく、自信を持ってチャレンジしていきたいと思います」 ナンバーエイト坂和樹(政経4=明大中野八王子)――チームのディフェンス面はいかがですか。 「前回の慶大戦も最終的にはディフェンスで粘れたのが勝因につながったと思います。そこは去年の遺産でもあり残っている部分です。アタックだけじゃなくて、ディフェンスの部分でも体を張っていけるのがチームとしても良いことだと思います」 ――明日の目標をお願いします。 「帝京大とのジュニア戦はチームの見直しであったり再構築をするいい機会でした。ジュニアチームが経験したことを生かして、最初の段階からフォワードで受けることなく前に出続けられれば大丈夫です」 スクラムハーフ飯沼蓮(営2=日川)――フォワード勝負になると予想されますが、その中でどんなゲームメークを心がけますか。 「明日は多分天気が悪いですし、フォワードもかなり(エネルギーを)消耗すると思います。帝京大はブレークダウンでも迫力があって、近場のフォワードでボールを回してアタックしてくるのが特徴です。逆にそこをしっかりディフェンスできれば、自分たちのペースをつかめるので、スクラムハーフの僕がフォワードをしっかり指示していきます。バックスもしっかりと組み立ててエリアを取り、前回のようにトライで勢いづけてフォワードを助けたいです。」 ――昨年、そして春と帝京大には勝利を挙げており、相性はいいように感じます。自信はありますか。 「全員自分たちに自信を持っているのでだれもネガティブな気持ちは持っていません。普通にいつも通り自分たちのプレーをやれば絶対勝てるのでしっかり勝ちたいです」 フルバック雲山弘貴(政経2=報徳学園)――フルバックとしてどんなプレーが求められていますか。「キックとボールを持った時のゲインです。いかにいい両ウイングを生かせるかが僕の仕事になってくと思います。明日はFW勝負になると思うので、なるべく敵陣で試合を進めるために、僕と京平(山沢・政経3=深谷)さんで、エリアをとっていかないとダメなので、キックが多くなると思います。 ――ビックマッチが2つ続きます。心境はいかがですか。「正直、僕は早稲田に一番照準を持っていっています。まずは帝京大を倒さないと始まらないです。勝っていいイメージをつけて、早稲田に臨みたいです」READ MORE -
(52)~FINAL CHALLENGE~ 井元優吾「裏方の仕事を知ることは自分のためにもなる」
ラグビー 2019.11.22「真価が問われる代」。武井日向主将(商4=国学院栃木)は今年の最上級生についてこう語る。苛烈極まる対抗戦、そして連覇の懸かる大学選手権へ。激戦のさなか、4年生一人一人に今シーズンに懸ける思いについてうかがった。 第20回は井元優吾スタッフリーダー(営4=大分舞鶴)のインタビューをお送りします。 ――ラグビーをはじめたきっかけを教えてください。 「父がラグビーをやっていました。自分の家は転勤族で、小学4年の時に埼玉に引っ越したんですけど、その時にラグビースクールが近くにあって、近くの友達もラグビーやっていたのでその子に誘われてからラグビーをはじめました。父は大学までラグビーをやっていました。そんなに強いとことじゃないんですけど、大分でやっていました」 ――大分舞鶴高に進学を決めたのはなぜですか 「推薦が来たっていうのもあるんですけど、うちのおばあちゃんが舞鶴でした。舞鶴自体もラグビーは強くて伝統がある学校だったのでそういうところは自分も楽しそうだと思いましたし、なかなか経験できないことだと思い、行ってみようかなと思いました。大分では部活帰りには温泉に行ったりもしました。そこは大分ならではなんじゃないかなと思います」 ――高校の同期には矢野湧大選手(文4=大分舞鶴)、安部耕平選手(法4=大分舞鶴)、早大・幸重天選手がいらっしゃいます 「矢野と自分が唯一の県外生でした。あいつは宮崎から来ていて、そういう面では同じ境遇っていう感じもしていたのでずっと仲良くしていました。安部は高校3年間同じクラスでした。こういう所縁のある2人と大学生で一緒になれたのはよかったですね。矢野は高校代表に入って1年目から早明戦に出ててほんとすごいなって思いました。自分も頑張らないといけないなって思いながらも、その時は行動が伴ってなかったのかなと思います。幸重はしっかりしている印象が強いです。あいつとは家が本当に徒歩5分くらいの近さだったので毎日部活帰りもそうですしオフもずっと遊んでいました。かけがえのないというか、今でもしゃべりますし、就活中とかでもお互いに情報共有していた仲でした」 ――明大進学の理由を教えてください。 「小学4年生か5年生の時にラグビーの試合につれてきてもらいました。その時はただのラグビーの試合という印象しかなかったんですけど、その中でも戦っている選手たちの姿が頭に残っていました。大学を決める時に、指定校の枠があって親に相談した時に『お前が小さい時に見たのは明治と早稲田の試合だったんだよ』と言われて、『もしそういう経験ができるならチャレンジしてみたら?』という風に言われました」 ――スポーツ推薦者が多くを占める明大でプレーを続けるのは大変なこともあったと思います。 「憧れもありました。あとは幸重のお兄ちゃんが明治で主務をやっていて1回話を聞くことがありました。その時に『卒業しても明治の経験はとてもでかいから』っていう話をしていたのでそういう経験は他の大学だったらできないと思いました。そういった面もあって明治を選びました。幸重のお兄ちゃんは僕がスタッフになったきっかけでもあります。選手だけじゃなくて裏側の仕事もやっていました。主務だったんですけど『裏方の仕事を知ることは自分のためにもなる』っていう話を聞きていたので、そういう裏方の仕事を知るきっかけになったのは幸重の兄貴の存在が大きいのかなと思います」 ――指導の際には滝沢FWコーチといらっしゃることが多いです。「自分の中では滝沢さんの存在はすごく大きいです。まだない立場の自分を受けいれて一緒にやってくれた滝沢さんは本当に自分のなかで尊敬できる人物です。滝沢さんは自分も選手の時は厳しい人なのかなって思っていました。もちろん当たり前ができてない選手には厳しいです。スキルが足りなかったら練習しないといけないですし、当たり前のことをできていない選手は怒ります。当たり前のことを当たり前にやっている人は大丈夫で、自分自身の悪いところを常に指摘してくれる方です。そういう面では怖い印象よりも頼りになる印象が強いです」 ――ありがとうございました。[清水康佑] ◆井元 優吾(いもと・ゆうご)大分舞鶴高最近成長した選手はという問いには「笹川大五(政経4=明大中野)ですね」と回答。「運動量もそうですが、考える力とかスクラムの柔軟性とかは増えたのかなって思います」スクラムの要である笹川の進化をたたえた。次回は森選手、山沢選手の対談記事をお届けします。READ MORE