東京六大学野球 2018~秋~
9月8日、東京六大学秋季リーグ戦が開幕。今春は3カード連取から立て続けに勝ち点を落とし、3位に終わった明大。夏を経て成長したチームが目指すは、40度目となるリーグ戦優勝だ。本特集はインタビュー記事を中心にお届け。恒例の目玉企画には、他5大学への取材や瓦版の掲載も。〝奪冠〟を掲げるナインの秋を追います。
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(6)法大戦事前インタビュー① 青木監督
硬式野球 2018.09.12 初戦の相手は第1週で早大から勝ち点を奪取している法大だ。経験豊富な上級生を中心にチームがまとまっており、投打に抜け目がない。4季ぶり40度目のリーグ優勝を目指す明大にとって重要な一戦。1カード目から高い集中力で臨むことが必要となる。 (この取材は8月15日に行われたものです) 青木久典監督 ――昨季の振り返りをお願いします。「5位という残念な結果に終わってしまったんですけど、接戦のゲームが多かったのでそこをモノにできなかったのが残念ですね」 ――最終カードの明大戦は連勝でした。 「あの形を序盤でやっていかなければいけなかったんですけどね。少しチームがまとまるのが遅かったのかなっていう気がします。粘り強い、ああいうゲームができるってことは選手たちにも言ったんですけど『優勝できる力はあるんじゃないか』ってね。それを最初からできるかどうかだと思います」 ――開幕前は優勝候補の筆頭に挙げられていましたが。 「そうやって言っていただけたのはとてもありがたかったですけどね。プレッシャーというよりは力不足、実力不足だったのではないでしょうか。下級生の頃から試合に出ていた選手はたくさんいるんですけど、優勝からずっと遠ざかっていたので、優勝の仕方といいますか、リーグ戦の乗り切り方だったり戦い方の経験不足が、こういう春の結果として表れてしまったんじゃないですかね」 ――チームづくりで心掛けている点を教えてください。 「チームスローガンの『結束』というのを春のリーグ戦終わってから約3カ月間、うるさくミーティングでも話してきました」 ――昨季で一番印象に残っている試合は。 「良いところだけとってしまうと、最終カードの明治さんとの試合ですかね。力のある明治さん相手に連勝して勝ち点を取れたっていうのはインパクトのある試合だったのではないでしょうかね」 ――期待以上に活躍したと感じる選手を教えてください。 「ピッチャーの三浦(銀二)という1年生がしっかりと投げてくれてね。大事な場面で抑えてくれたっていうのは結構インパクトありましたね。明治さんとの2回戦でもいい投球してくれてね。本来はあそこまで長いイニング投げさせるつもりはなかったんですけど、調子が良かったっていうのと、連投できるピッチャーなので投げさせたって感じですかね。(信頼感は)1年生なんですけど、マウンドで動じないということもありますし、甲子園でも連投、連投で延長まで投げたりだとかクレバーなピッチングができるので、そういう意味ではルーキーだとは思っていないですけどね」 ――投手陣は青木監督の目にどのように映っていましたか。 「エースの菅野(秀哉)が最低5勝くらいしてくれれば良かったんだけどね。それができなかったがために若い1、2年生がカバーしたという感じだったのでね。下級生にとってはいい経験だったのかなって思うんですけど、私としては複雑な感じかな(笑)」 ――野手では捕手の中村浩人選手が首位打者を獲得されました。 「まさかそこまで打つとは思っていなかったのでね。よく打ってくれたなっていう感じです。(開幕で中村浩を使った意図は)もう一人鎌倉(航)という経験のあるキャッチャーもいたんですけど、最終的には肩の強さで決めましたね。ピッチャーがまだまだなので、そこで安心して投げられるようになるためには走者を背負ってもキャッチャーがしっかりと刺してくれるっていう安心感があるだけでも違うのかなと。盗塁阻止率で中村浩に決めました」 ――この夏の取り組みを教えてください。 「戦術的なことでいえば犠牲打でしょうかね。どう自分が犠牲心を払ってチームのために役割を全うできるかっていうのは追求してきたところですね」 ――明大で警戒している選手はいらっしゃいますか。 「全員ですね。今は上級生中心ですけど、下級生だったり新しい顔ぶれが出てきても違和感がないのでね。全選手警戒です」 ――この秋キーマンになりそうな選手は。 「3年生の福田(光輝)がどれくらい機能するかっていうところじゃないでしょうか。あとは、うちは1、2番がカギとなるので誰がここを打つかが重要なんじゃないですかね。春は1番が固定できなかったというか機能しなかったのでね。誰かは分かりませんが、そこを打つ人がキーマンです」 ――最後に意気込みをお願いします。 「まずは一戦必勝、チームが結束しながら戦っていきたいと思います」 ――ありがとうございました。 [桐山雄希]READ MORE -
(5)開幕前インタビュー 渡辺佳明
硬式野球 2018.09.12逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。 (この取材は9月2日に行われたものです) 渡辺佳明内野手(政経4=横浜) ――春のシーズンを振り返っていただけますか。 「チームとしては1点差の試合が6試合あって、そこを勝ち切れなかったのは悔しいです。個人としては初めてのショートでシーズンを戦えてベストナインも取れたので、充実したシーズンでした」 ――7月の1カ月間は、大学日本代表としての海外遠征が続きました。「他のチームの主力選手とプレーして、試合外での振る舞いとか野球以外のことでも学ぶことは多かったです。途中出場の選手もずっと試合のために準備をしていて、見習わなきゃと思いました」 ――代表戦では二塁手起用が主でした。 「自分がセカンドをして、別の人がショートをやっているのを見て、自分よりも周囲への声掛けができていたり、先輩の自分にも臆せず何でも言ってくれて、セカンドから見て『自分もショートに戻ったら真似しよう』と思っていました。個人としては、なかなか結果が出せなかったので、悔しい1カ月間でした」 ――帰国し合流したチームの雰囲気はいかがでしたか。「主力が抜けている中で、みんなが主導的にチームを引っ張っていて『お、違うな』と思いましたね」 ――4年生になって、スカウトの目などもありますが。 「3割は残せましたが、自分としてはいつもの打撃はできていませんし、余計なことを考えてしまって、というのは少なからずあったと思います。今振り返ると、結果を残しにいこうとして当てにいって、フォームが小さくなったりしていました」――8月末には神宮球場で高校日本代表との試合もありました。 「後輩の板川(佳矢・横浜高)から打てなかったのは悔しかったですけど、すごく良いボールを投げていましたし、対戦できて楽しかったですね。大学生は代表としての最後の試合だったので、伸び伸び楽しもうと言っていました」 ――高校生側の応援はいかがでしたか。「観客の応援も吹奏楽もすごくて、球場の雰囲気全てが高校生側だなと思いました。一つ一つのプレーで観客が沸くのは、やっぱり気持ちが上がりますね」 ――改めて、ご自身の打撃の強みを教えてください。「勝負強い打撃だと思っています。春はここぞの場面で打てなかったので、秋はそこにこだわりを持ってやっていきたいです」 ――夏季オープン戦は2番機用がほとんどでした。 「そうですね、監督からも『2番で行く』と言われています。でも、個人的には打順はあまり関係ないですね」――夏の期間にご自身のプレーで改善したことは。 「まずはボールを強くたたくこと、フォームが縮こまる癖から脱却するために大振りをするように、できるだけファウルを打つという三つを意識していました。最近は少しずつ手応えも感じているので、やってきてよかったかなと思っています。調子は良くなってきています」 ――ラストシーズンに特別な思いはありますか。 「もう卒業なので、下に何か少しでも残せるようにとは、常に考えています。内野手も4年生がみんなレギュラーを占めているんですけど、一人でも多く下級生に出てきてほしいなと思います」 ――秋の目標を聞かせてください。 「結果というより、悔いを残さずにシーズンを終えるというのが目標です。個人タイトルも取れるなら取りたいですけど、それは二の次ですね。チームとしては優勝して、日本一を目指します」 ――最後に応援していただいているファンの方々にメッセージをお願いします。 「2年間優勝から遠ざかっているので、今季は10連勝してダントツで優勝したいと思っています。最後のシーズンになりますが、熱いご声援をよろしくお願いします」 ――ありがとうございました。[谷山美海]READ MORE -
(4)開幕前インタビュー 森下智之
硬式野球 2018.09.12逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。(この取材は9月2日に行われたものです)森下智之内野手(文4=米子東)――昨季の振り返りをお願いします。 「まだ上はあるのですが、自分としては思っていたよりいい成績が出ました。初めは緊張もあったのですが、リーグ戦を通して出場したことでそれも慣れました。ただ、チームとしては3位という結果になってしまって、優勝が1番なので、悔いが残っています」――オープン戦の手応えはいかがですか。 「バットは振れているのですが、あまりヒットが出なくて。強く振ることを意識しすぎるあまり、確実性が下がってしまったのかなと思います。強く振ることは大事ですけど、ヒットを打つ、打率をあげるという確実性みたいなものがあまりなかったので残りの期間で修正したいです。ただ、チームとしては今までのオープン戦に比べて勝つことができているので、かなりいい雰囲気です」――昨季の終了後「弱点を攻められ苦しんだ」とのお話がありました。 「その弱点に関しては、この夏意識して打撃練習に取り組むことで、改善したつもりです。終盤の慶大戦、法大戦では結構攻められた印象があります」――チーム全体でのこの夏の取り組みを教えてください。 「悪いこともいい事も、お互い言い合えるようにしていくことを吉田(有輝主将・商4=履正社)中心に徹底してきました。自分たちの中では、やっているつもりだったのですが、昨季の結果を踏まえると足りていなかったのかなと思います。最近はそういう雰囲気ができてきました」――高森キャンプを振り返っていただけますか。 「今年は試合が多かったのでチームの底上げということで3年生が多く出ていて。そういう意味ではチーム力が上がったのかなと思います。(伸びてきた3年生)内山(竣外野手・商3=静岡)と北本(一樹内野手・文3=二松学舎大付)ですね」――7月の六大学選抜では世界一になりました。 「国際大会で優勝できたことは人生においてもなかなか無いことなのでとてもいい経験でした。本当に選ばれて良かったです。(自身の成績は)良くもなく悪くもなくみたいな(笑)。ただ、越智(達矢外野手・営4=丹原)や(吉田)有輝はすごく打っていて明大の中では劣っていたのでそこは悔しかったです」――チームの雰囲気はいかがでしたか。 「法大の中山(翔太)と立大の松﨑(健造)がすごく盛り上げてくれて。それに周りが乗っかっていい感じの雰囲気でした。急造チームとは思えないくらい仲が良かったので、そういう雰囲気も世界一になれた要因の一つかなと思います」――台湾での思い出を教えてください。 「食事に困りました(笑)。食べられるという人もいたんですけど、自分はちょっと味付けが苦手で。ホテルの外でピザとかマックとか食べていました」――開幕から法大、慶大と続く厳しい日程になりました。 「実力的には全然劣っていないですし、負けないために明大らしさを出していきたいです。 (明大らしさとは)粘りです。しつこく相手が疲れるくらい、打撃にしても守備にしても粘っていくしかないと思います」――他大で警戒している投手はいらっしゃいますか。 「自分は慶大の菊地(恭志郎)が打てなかったので今シーズンは打ちたいなと思っていますし、もちろん早大の小島(和哉)も立大の田中(誠也)もいい投手なので、しっかりデータをとって打てるように準備したいです」――秋への意気込みをお願いします。 「優勝して監督を胴上げして、日本一になりたいと思います!」――ありがとうございました。[小野原琢真]READ MORE -
(3)開幕前インタビュー 越智達矢
硬式野球 2018.09.11逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。(この取材は9月2日に行われたものです)越智達矢外野手(営4=丹原)――現在の調子はいかがですか。 「まだつかみきれてはいないのですが、良い形で打ててはいるのかなと思います。理想の打ち方に近づいてきたことで好不調の波も少なくなってきました。今はどの形で打てば一番良い打球が飛ぶのか試行錯誤しながら打撃練習に取り組んでいます」――オープン戦では4番での起用が続きました。 「自分が4番を打たなきゃいけないなとは思っていますし、監督もそういう考えで使ってくれているとは思うので、秋はずっと4番を打つつもりでやっていかなければいけないと思っています。(本塁打の量産について)狙って打ったときもあるんですけど、あとはたまたまです(笑)。自分の形できれいに打てれば飛んでいくっていう感覚なので」――7月の六大学選抜を振り返って。 「自分自身初の日本代表だったので、優勝できたことが一番だったかなと思います。首位打者にもなることができ、何か自分の中で打撃が良くなるきっかけになる大会でした」――チームの雰囲気はいかがでしたか。 「各チームの主将や中心選手が集まっていたことで明大にはない雰囲気っていうのもあって。特に試合前の練習がすごくいい雰囲気で、これは明大にも広めないといけないなと思いました。(中心となっていたのは)慶大の河合(大樹)だったり、立教の松﨑(健造)だったり。主将たちが声を出して盛り上げてくれていました」――夏の高森キャンプも今年が最後となりました。 「自分は4年間あそこに行かせていただいたのですが、毎年何かしら収穫を持ち帰ることができました。(一番の思い出)高森といえば果物をいっぱい食べたことです。桃がおいしかったです(笑)」――開幕から法大、慶大という厳しい日程になりました。 「この2カードでほぼ優勝の決まるような戦いになると思うので、最初から飛ばしていけるように体だったり心だったりの準備をしていきたいです。向こうも打撃のいいチームで、いい選手も多いので、まずは雰囲気で負けないことが必要だと思います。点を取らないと勝てないのは分かっているので、たくさん取って投手を助けたいですね」――他大で警戒している投手はいらっしゃいますか。「慶大の投手陣はいい投手がそろっているので、そこを打ち崩せるようにしたいです。(六大学選抜の中だったら)法政の高田です。2年生なんですけど、いい投球をするので、警戒しています」――秋の目標をお願いします。 「チームはもちろん、優勝、日本一。個人的には結果というより、優勝への貢献を第一にプレーしたいです」――ありがとうございました。[小野原琢真]READ MORE -
(2)開幕前インタビュー 逢澤崚介
硬式野球 2018.09.11逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。 (この取材は9月2日に行われたものです)逢澤崚介外野手(文4=関西)――昨季の成績を振り返っていただけますか。「4年生になって『良いところを見せないと』という気持ちがあって、自分のことを優先して考えてしまいました」――善波達也監督からは「ネット裏(スカウト)と戦うな」という言葉もありました。「打たないといけないという気持ちは、確かにこれまでよりも大きかったです」――それを踏まえて、この夏に意識したことは。「チームが勝つことを最優先することが、伸び伸びとしたプレーにつながるので、そこを意識していました」 ――大学日本代表としての1カ月間はいかがでしたか。「試合に臨む姿勢や準備の段階から、みんな意識が高くて、試合外でも学ぶことは多かったです。日の丸を背負うのも海外での長期遠征も初めてでしたが、自分にとってすごくプラスになりましたし、これをチームに還元しないとなと思いました」――ハーレムベースボールウィークの最終戦・チャイニーズ・タイペイ戦では、1番を務め3安打の活躍を見せました。「打つだけが野球じゃないということを改めて感じて、ハーレムでは単打でつなぐという日本の特徴的な野球を自分が一番体現できたと思います。」――刺激を受けた選手はいらっしゃいますか。 「辰巳(涼介・立命大)はアメリカからずっと同部屋でやっていて、良い選手の生活スタイルを間近で見られて勉強になりました」――海外遠征での思い出を教えてください。「ハーレムの決勝の前に日本食のお店に首脳陣含むみんなで行ったのが思い出です。お酒も飲んで一発芸やダンスを披露して、自分は上武大の谷口監督に誘われて一緒に江南スタイルを踊りました(笑)。あとは、アメリカからオランダに移動した時は時差ボケで寝られなかったので、みんなで集まって『トランプ負けデコピン』をして遊んでいました。甲斐野(央・東洋大)がめちゃくちゃデコピン強くて、158キロ投げるだけありますね(笑)」――秋に向けて技術面で改善したことはありますか。「春は盗塁王を取ったんですけど、さらに精度を上げたいのでスタートや相手バッテリーの配球を考えたり、走塁、盗塁の意識を改善しました。スタートはすごく良くなった手応えがあるので、秋はもっと走れると思います」――打撃面ではいかがでしょうか。「長打を打つべきなのか軽打がいいのか、カウントや状況に応じて、自分の打撃スタイルを一打席の中で変えるというのを、この夏は意識してやっています」――春季は首脳陣から厳しさが足りないとの声もありました。「キャプテン中心にやるときにはやる、オフはしっかり切り替えるっていうメリハリのあるチームになってきていると思います。吉田(有輝主将・商4=履正社)も怒る時はしっかり怒りますし、春以上に主将らしくなりました」――海外遠征もあり、夏前半のチームは主力を欠いた状態でした。「日本にいる選手がしっかりと自覚を持ってやってくれていたので、状態としては良いと思います。春は控えだった選手も3年生中心に結果を残していますし、誰が出ても結果を残せると思います」――その中で注目選手はいますか。「内山(竣外野手・商3=静岡)ですね。左利きでポジションも同じで、普段からプレーについていろいろと質問してくれます。この夏のオープン戦で活躍していたので、秋は期待しています」 ――秋の目標を聞かせてください。「チームとしての目標は10連勝で優勝して、自分が2年生の時に達成した日本一をもう一度取ることです。個人としては、毎試合チームの勝ちに貢献できるプレーをすることです。首位打者とか大きなことは言わずに、チームのためにプレーします。結果は後からついてくると思うので、このチームでできる最後のリーグ戦を楽しみたいと思います」――最後にファンの方へメッセージをお願いします。「下級生の時からリーグ戦に出させていただいて、今季が最後のシーズンになるので、応援いただいているファンの方々に成長した姿を見せたいと思います。最後の秋も、熱い声援をお願いします」――ありがとうございました。[谷山美海]READ MORE -
(1)開幕前インタビュー 吉田有輝主将
硬式野球 2018.09.10逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。(この取材は9月2日に行われたものです)吉田有輝主将(商4=履正社)――現在の調子はいかがですか。 「調子よくここまで来ていると思います。春は三振の数が多かったので、減らそうという意識でやっています。今までは狙いの球以外も振ってしまって、積極的すぎました。練習からバッティングの状況を考えて、自分に制限をかけて打つようになって、改善してきたと思います。また下半身を強化して、下半身を使って打とうとしています」――守備への取り組みは。 「春のリーグ戦を経験して、それなりにできるかなという感触はあります。あとは確率を上げることと、よりピッチャーを助けていけるプレーをしたいです。この夏は基礎というよりは応用です。セカンドは前のシーズンが初めてでしたが、ベストナインも取れて自信はつきました」――六大学選抜に選出され、台湾で世界一になりました。 「自分でもびっくりするくらい調子がよかったですね。勝負どころでも打てて、正直自分でもびっくりしています。(印象的な試合は)決勝戦です。優勝した瞬間はすごく印象に残っています」――野球以外で台湾での思い出はありますか。 「周りの人は台湾の料理の味が濃くて食べられていませんでしたが、自分と越智(達矢外野手・営4=丹原)はパクパク食べて、太って帰ってきました(笑)。タピオカは甘すぎましたね。たくさんの量で、タピオカも一個ずつ大きくて、きつかったです」――他大の選手との交流で吸収できたものはありましたか。 「慶応が連覇しているので、慶応の雰囲気を感じたいなと思っていました。実際に慶応の選手は、自分たちで動くことに慣れているなと思いましたね。自主性がすごく育っていました。自分たちも自主性を育てようと思って、今までアップは全員で合わせてやっていましたが、フリーにする時間をつくったり、全体で合わすことだけではないように監督さんなどと相談しながら変えました」――夏の高森キャンプを振り返って。 「3年生以下でやる試合が多かったです。その中で新しく戦力として出てきた選手も多くいて、自分たちもうかうかしていられないなと思いました。特に内山(竣外野手・商3=静岡)です。高森から帰っても打っていますし、もともと能力はあったのでようやく出てきたなと。4年生は試合を見たり、体幹をしていました。(チームとしては)例年より振り込んだと思いますね。春は投手より野手の方が経験していたので、野手で投手を助けようと言っていましたが、春はピッチャー陣も経験して。それなりに投げられると思うので、お互い助け合っていきたいです」――春季リーグ終了後、善波達也監督がチームに厳しさが足りないとおっしゃっていました。 「自分たちも何とか厳しさを持ってやっています。春に比べたら徐々にそういう言葉を言ってくれている人たちは増えていますが、まだまだ厳しいことを言っていけたらいいです。自分も結構言うようにしています」――ラストシーズンを迎えます。 「まだ最後のリーグ戦という思いがないです。振り返ってみるとすごく早い3年間やったと思います。大学に入っていろいろ成長できたと思いますし、監督にも感謝しています。監督のためにも何としてでも秋優勝して日本一になって、後輩たちにもいいものを残して卒業していければと思います。春は初戦をずっと落としていたので、初戦を取れるようにしていきたいです」――個人の目標は。 「春はトリプルスリー(注:打率3割、本塁打3本、盗塁3)と言っていて達成できなかったので、秋こそは達成したいです。またホームランを神宮で打ったことがないので、打ちたいです。盗塁も増やしたいです」――ファンの方へメッセージをお願いします。 「日頃から苦しい時でも、負けている試合でも応援してくださるファンの方のおかげで、自分たちもより頑張らないといけないと思います。恩返しの意味も込めて優勝して、一緒に喜びを分かち合いたいと思います」――ありがとうございました。[浜崎結衣]READ MORE