「10番」の伝統を継ぐエース三田

サッカー
2011.11.30

 リーグ戦後期の初め、不調だったチームを「3年だしまとめていかなきゃいけない」と危機感を持って見つめる選手がいた。三田啓貴(政経3)。今季から背番号10を背負う。

 積極的なシュートやドリブル突破に加え、今季はゲームメークという重要な役割も担う。引き立て役とし


ても活躍し、自身初のアシストランキング圏内に入っている。三田が欠場し、引き分けに終わった駒大戦後には「彼の存在が大きかったことがわかった」(神川監督)と言わしめた。

 明大での選手生活の始まりは決して順調とは言えなかった。入部後しばらく、FWでも前線から積極的な守備をすることが前提とされ、仲間を生かす明大のパスサッカーに馴染めない日々が続いた何度も何度も怒られ、部を辞めたいとさえ思った。

 だが「三田はサッカーが大好き」。仲間からも認められるその気持ちが三田を支えている。暇さえあればサッカーボールを触り、スペインに留学した。

 今季任された背番号は10。山田大記をはじめとする、そうそうたる選手がつけた番号だ。「サッカー選手としてだけでなく、人として成長する」ことを理想とする神川監督がチームの中心に据える選手として選んだ。三田は求められていることを理解し、自分なりに成長しようとしている。泥くさく走り回り、監督から「守備も攻撃も完璧にやれ!」と言われるほど期待されるようになった。それはつまり彼の人としての成長を表していた。着実な成長を続ける三田。その背中に懸かる期待は膨らむ。