13年ぶりグランドスラム!!水谷吠えた!!

卓球
2011.09.28

 今年の明治は強かった。水谷(隼)主将(政経4)不在の中、8年ぶりに王座を奪回した春季リーグ戦。勢いのまま迎えたインカレでは、昨年の覇者・青森大をストレートで破り、雪辱を果たした。大学王者として迎えた秋季リーグ戦でも他大学を圧倒。全戦通して落とした試合はわずか1試合のみと、貫録の全勝優勝を飾った。全日本王者・水谷(隼)の入部から3年。「勝って当たり前」の明治が苦心の末、ようやく手にした「グランドスラム」の栄冠だった。

 水谷(隼)が跳んだ!笑った!抱き合った!青森大に昨年の雪辱を果たし、大学王者に返り咲いた明治。2年間の時を経て、ようやく勝ち取ったのは“本物の”大学日本一だった。

 今年通算13度目の優勝を果たしたインカレ。グランドスラム達成は13年ぶりだが、実は2年前もインカレは制覇している。しかしその年、過去10年間で7度の優勝を誇る学生卓球界の王者・青森大はメンバー不足で予選敗退。翌年、翌年、青森大が復帰を果たすと、あっさりその座を明け渡すこととなった。「周囲からはやはり青森がいたら優勝は無理かと言われ悔しい思いをしてきた」(高山監督)。なら青森大に勝てばいい。明治が大学日本一になるには「“強い”青森大を倒さないと意味はない」(高山監督)「今年は勝って優勝する」(松渕・文4)。打倒青森大で卓球部が固まった。インカレ決勝。相手は文句なしの青森大。


 決勝を前に水谷(隼)から下級生に一言。「俺は絶対1点取るから残り2点、何としてでも取ってほしい――」。卓球部は今年に懸けていた。相手のエース・松平は5月に行われた世界卓球で水谷(隼)と共に日本代表を務めた日本のトッププレーヤーであり「水谷不在の卓球部で勝つのは容易でない」(高山監督)。松平は4年。松平が不在の青森大では昨年敗れた“強い”青森大とは言えない。来年はメンバー不足で再び予選敗退の可能性もある。今年のインカレは卓球部にとって大きな意味を持っていた。

 試合は一方的だった。1番手は水谷(隼)と松平のエース対決。「絶対に1点取る」との言葉の通り、水谷(隼)がフルセットの末、松平を下した。1ポイント取るごとにベンチに送られたガッツポーズ。「水谷のあんなに気迫のこもったプレーはなかなか見られない」(高山監督)。続く2番手岡田(商1)も勝利をもぎ取り、迎えたダブルスは水谷(隼)・平野(商1)組と松平・上田組の対戦。「経験、実力ともに格上」(水谷(隼))の相手との勝負に苦戦するも最後は押し切った。優勝を決めた瞬間、全日本5連覇達成時も相手とさらりと握手を交わしてみせた水谷(隼)が平野と跳んで抱き合った。「本当に、うれしい」(水谷(隼))。卓球部の練習場にかかる“大学卓球界の王者たれ”の文字にたがわぬ正真正銘の大学王者となった瞬間だった。