水谷、全日本単複4連覇

卓球
2010.01.20

 水谷隼(政経2)が史上2人目となる全日本選手権単複4連覇を果たした。4連覇はOBの斎藤清氏(昭60営卒・現埼玉工大職員)以来。25年ぶりの偉業を達成した。

やっぱり全日本!
 
 水谷の心は揺れていた。全日本選手権5日前に行われるプロツアー・グランドファイナルに出場が予定されていた。この大会はプロツアーで優れた成績を残した選手のみが出場できるもので、世界中の選手誰もがあこがれる大会。しかし、水谷は欠場を決心した。「自分にとってやっぱり全日本で優勝することの方が大事。全日本に集中したかった。4連覇できるのは一生でこのタイミングしかない」。大舞台を欠場するからには優勝のみ――全日本単複3連覇中の王者はそう強く決意し、試合に臨んだ。
 
 ダブルスは決勝で池田主将(法3)・軽部(営3)ペアに貫録のストレート勝ち。続くシングルスでは準決勝、あと一歩で負けるところから逆転勝利。その勢いのまま決勝でも吉田(個人)を4―0と完ぺきな試合運びを見せ、見事単複4連覇を果たした。この結果に斎藤氏は「わたしの記録を抜いてほしいです。世界で一番になってほしい」とエールを送った。

明治の一員として

 例年全日本前は青森で調整するのだが、今年は明治で合宿を行った。また、試合中のサポートも、苦しい試合の時に「頑張れ併水谷」と応援してくれたのも、明治だった。「優勝してくれてチームメートとしてうれしい」(平屋・政経4)。2009年は海外遠征続きでなかなかチームとともに練習ができなかった水谷。しかし、全日本の一連の流れを通して「今年は本当の意味で明治大学の一員として迎えられた大会だった」(高山監督)。水谷が全日本にこだわり続けた本当の理由、それは何度も何度も助けてくれた、チームメイトへの恩返しをしたかったからかもしれない。

 「明治、最高ですから」サシングルス優勝の瞬間、水谷はユニホームの「meiji」の文字をつかみ、チームメートに見せた。

◆水谷隼 みずたにじゅん政経2 青森山田高出 172㌢・66㌔