わずか2失点の堅守光る 大学日本一

サッカー
2010.01.20

 聖地・国立競技場で紫紺のユニホームが躍動した。悔しい結果も歴史に残る快挙も、すべてを力に変えてきた今シーズン。その最後に半世紀以上ぶりの全国制覇という最高の結果が待っていた。

堅守で大学日本一
 
 「この日のためにやってきた」(山本(紘)・政経3)。夏の全国大会覇者・福岡大相手に押し込まれる場面も多かった決勝戦。「(前の試合を見て)かなり強いと思った」(神川監督)と言う通り、一筋縄ではいかない相手だった。しかし準決勝までPK以外の失点が0という堅い守備が光った明大。どんなに押し込まれてもゴールだけは決めさせない。終了間際、福岡大のセットプレーから何度も訪れる失点の危機を、チーム全員が体を投げ出し守った。「いつも通り粘り強くできていた」(高木・文2)。厳しい試合展開の中でもそこまで冷静にプレーできるようになったことが優勝への足掛かりとなった。

「有終の美」を飾る

 大学勢として初めてJ1チームに勝利した天皇杯。当たりの激しいプロにも負けない強さや、ゲーム終盤でも切らさない集中力を身に付けた。厳しい戦いを勝ち抜いたことが「自信になっている」(神川監督)ゴ「天皇杯での経験を生かして日本一になりたい」(山本(紘))と選手たちの大きな糧になっていた。一方リーグ戦では全体のワースト3の失点で優勝を逃す結果に。守備の重要性を再確認した。 

 「リーグ3位で終わった悔しさがあったし天皇杯との両立で力の足りなさを感じた」(神川監督)。それまでの反省や経験すべてを生かし、総力戦で戦ったインカレ。決勝戦の後、選手たちが見せたのはすがすがしい笑顔だった。喜びの言葉は「うれしい、の一言」(都丸・政経4)サ多くの言葉で表すことはできない。その一言が、51年ぶりの優勝という快挙を成し遂げた重さを物語っていた。

<4人が個人賞受賞>

 優勝チームとして4名の個人賞を受賞した本学。中でも最優秀選手賞に選ばれた小林(裕・政経3)は大会を通じて安定感あるプレーを披露。主力をケガで欠く中で、好守の要となった。

 また田中(政)主将(営4)は試合に出られず苦しんだ時期もあった。それでも今大会は誰よりも必死にボールを追い、主将としてチームをけん引。最高の形で幕を閉じた1年を「みんなに感謝したい」と振り返った。