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原田真聡 自己と向き合い、短距離のエースへ

競走 2023.10.03

 球技が苦手で陸上競技を始めた少年。その名は原田真聡(文1=東農大二)。彼は明大入学後100メートル、200 メートル、300 メートル、400 メートルで次々と自己ベストを更新。その中でも400メートルでは明大歴代1位の記録を打ち立てた。長距離時代から鍛えた根性で明大の新たな歴史を切り開く。

 

運命の出会い

 3人兄弟の長男である原田。彼の小学生時代は意外にもスポーツをやっておらず、鬼ごっこなど外遊びばかりする少年だった。中学で陸上を始めると、当初は長距離種目の1500メートルや3000 メートルに出場していた。しかし、思うように結果が出ない日々。顧問に勧められ中学2年次で800 メートル、中学3年次で初めて400 メートルに出場。そこで才能が開花する。400 メートルで県総体の決勝の舞台まで駆け上がったのだ。「400メートルは800 メートルを軸にやっていたので、僕にとって、おまけみたいな感じでやれたのでうれしい誤算」と県大会の決勝の舞台で初優勝を成し遂げる。

 

気持ちの変化

 高校は名門・東農大二高校に入学。選んだ理由は中学と練習メニューが似ていたからだった。入学してから2年次までケガで大会に出場することすらもかなわず苦しい毎日を過ごす。「やる気が出ないなと思うことが本当にあった。それじゃまずいと考えて、練習の内容を一から変更した」ラダーを使った足の回転速度を上げるアップや走り込みなどによって後半の失速を減らすことに成功。また速い足のさばき方なども自分のフォームに取り入れ弱点である序盤のスピードを克服していった。さらに補強などにも力を入れ着実にレースでの安定感が増した。その結果、インターハイという大舞台にもかかわらず、400メートルで47秒台を3本連続記録した。

 

好成績の要因

 彼が明治を選んだ理由は自分でメニューを決められる環境があったからであった。4月時点での目標としていた46秒台を突破した彼の新たな目標は「日本学生対抗選手権大会で優勝し、日本のトップレベルの選手になること」この好成績の裏には競走部の仲間ともに練習に励み、自分の弱点にあったメニューを組み込める環境があった。これまで、自分にあった種目を探し、ケガで思うような練習も出来なかった。そんな時期を乗り越え、全てを克服し明大記録を塗り替えた彼の成長にますます期待がかかる。

 

[大橋英晃]

 

◆原田 真聡(はらだ・まさと)文1、東農大二高。今は明大記録の400 メートル 46秒61を記録しているが、中学校では自分より速い子がいたそう。171センチ・57キロ。


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