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大川虎拓郎 感謝と経験を胸に チームを栄光へ導く

ラグビー 2023.10.03

 豊富な運動量とタックルでチームに貢献し続けるフランカー大川虎拓郎(法1=東福岡)。東福岡高校で高校3年次に主将として花園優勝を果たし、高校日本代表の主将としても活躍した。その統率力と経験を生かし、明大を勝利に導くために鍛錬を続ける。

 

「感謝」の気持ちを胸に

 キャプテンとしてチームを引っ張る姿が印象的な大川だが、中学生までは表に出るのが好きではなかった。そんな当時の大川を変えたのは、中学校の担任だった田中先生と今熊先生の言葉。「お前は絶対に前に出るべきだ」。この言葉を糧にして、いろいろな場面でキャプテンシーを発揮するようになる。今でも応援し続けてくれる先生たちの存在は心の支えとなっている。自分自身の努力だけではなく、多くの人の支えがあって、今の大川が築かれた。そして、常に支えてくれた方への感謝の気持ちを忘れない。そういうところから大川の人間性、キャプテンに任命される理由がある。

 

「組織力」へのこだわり

 高校3年次、東福岡高校の主将に選ばれた大川。目指すチーム像は「組織力で勝つチーム」だ。そのために、同級生だけでなく下級生とのコミュニケーションも積極的に行った。組織力によりこだわったきっかけは、 花園予選決勝・筑紫高校戦。東福岡が圧勝し、花園への切符をつかんだ。だが、無失点に抑えることができず、内容が良くなかった。ディフェンスにスキが生じたことから「1年間積み上げてきたことが一気に崩れかけた気がした」。原点に立ち返り、基礎練習に励んだ。花園では勝利を重ね、迎えた決勝・報徳学園戦。「自分たちがやってきたことは無駄ではないことを示したかった」と、チーム一丸で挑み見事栄冠を勝ち取る。大川の努力とチームに懸ける思いが形となった最高の瞬間だった。

 

さらなる高みを目指して

 春シーズンから紫紺をまとった大川は、プレー面、精神面ともに成長した。しかし明大ラグビー部のフランカーやナンバーエイトの層は非常に厚い。大川が特にライバル視しているのは、高校時代のチームメートの藤井達哉(政経1=東福岡)。「藤井には絶対に負けられない」。藤井の存在は、大川の対抗心を燃やす要因になっている。そして目指すは「あいつがいないと勝てない」と言われる選手。大川が不動のスタメンとして体を張り、チームを勝利に導く姿に期待が膨らむばかりだ。

 

[晴山赳生]

 

◆大川 虎拓郎(おおかわ・こたろう)法1、東福岡高。スクール時代は人数の関係でBKとしてプレー。 186センチ・97キロ。


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