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小林育斗 〝粘りの明治〟の影の立役者へ

ホッケー 2023.09.28

  「優勝は経験していきたい」。全国高等学校選抜大会準優勝などでは惜しくも優勝を逃した小林育斗(法1=岐阜総合学園)はこう目標を掲げる。強豪・岐阜総合学園ではキャプテンを務め、冷静で安定したプレーが強みだ。DFとして明大の大黒柱を目指し、尽力を続ける。


仲間との成長

 8歳差の兄に憧れ、ホッケーに興味を持ち始めたのは小学3年次の時だった。夏休みに地元のスポーツ少年団で友達とホッケーを体験し、そのまま所属。中学時代は部活動で1年次、3年次には全国大会に出場するなど、成果を残していく小林育。また、岐阜県代表として選ばれた国民体育大会(以下、国体)では「クラブチームの子とも試合をすることができたので楽しかった」。高校時代の国体でもスポーツ少年団時代の仲間とプレーし、3位。このように同郷の仲間との関わり合いは続き、お互いに切磋琢磨しあう関係へと成長を遂げる。


勝利への過程

 素晴らしい舞台での活躍の裏には地道な努力があった。高校1年次には週2回だったランニングトレーニングを、顧問が代わった2年次には毎日に。「岐阜総合はいつも走っているイメージ。だから日本一走っていると思う」と、トレーニング量を自負している。努力が実り、2年次に全国高等学校選抜大会で2位の成績を収める。4試合中3試合は逆転勝利であり、勝利の要因はランニングトレーニングで身につけた忍耐力が発揮された走り勝ちであった。一方で、小林にとって2位という悔しさの残る大会でもあった。この年の開催地は地元・岐阜。地元が開催地であるからこそ、優勝への思いはひとしおだった。   

   高校3年次、国体ではキャプテンを務めあげ、チームメイト同士の仲を深めることに力を注いだ。また、チームの士気を下げないためにまず自分が声を出すことを意識し続けた。「DFはコート全体を後ろから見えるため後ろからの声がとても大事。昔から『DFの声は神の声』と教えられ、それだけ重要」と肝に銘じている。


勝ち切る粘り

 大学ホッケーは、今までとは変わりハイレベルな仲間が多く、とても頼もしく、楽しい。全日本大学王座決定戦の3位決定戦で対戦した朝日大は「一緒にやってきた人もいるので、負けたくない思いは強かった」と仲間との再会に喜びつつも、今後はチームメイトから好敵手に変わる。彼らはホッケーを通し研鑽しあうのだ。高校時代に培った忍耐力と安定したプレーを武器に〝粘りの明治〟の一人として、優勝に向かって走り続ける。

 

[熊谷実夏]


◆小林 育斗(こばやし・いくと)法1、岐阜総合学園高。推しは永野芽郁。インスタライブを必ずチェックするほど好き。170センチ・60キロ。


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