特集記事
SPECIAL

中瀬亮誠 I’m on my way

ラグビー 2023.09.28

 前への推進力を意識したボールキャリーが武器のセンター中瀬亮誠 (文1=桐蔭学園)。高校時代の監督の教えである〝考えること〟を胸に、ケガを乗り越えてきた。大学でも思考を止めない中瀬は、未来を切り拓くために日々努力を続ける。

 

考えるラグビー

幼い頃から神奈川県でラグビーをしていたため、高校も神奈川県の強豪・桐蔭学園高へと進学する。文武両道に力を入れていたため「電車の中で勉強をし、家では寝るだけでいいようにしていた」と長い通学時間を有効活用。どうすれば勉強とラグビーを両立できるかを考え工夫してきた。その〝考える〟ということは、勉強だけでなくラグビー面においても、中瀬にとって重要な要素となっている。中学までは感覚でプレーをすることが多かったが、高校で監督から一つ一つのプレーの意図を問われたことが、〝考える〟ラグビーの下地になっている。例えば、ボールをもらってから10メートルを誰にも負けないようにするために考え、ソリに30キロの重りをつけて引く練習をしていた。誰よりもとにかく〝考える〟ことが中瀬の強さを形成している。

 

スタメンとケガ

そんな中瀬が最も思い出に残っている試合は、2年次の関東大会神奈川県予選決勝での東海大相模高戦だ。「集中力が高くすごくいいプレーができた」。この試合からスタメンの位置を徐々に確かなものにし、その年の全国高校大会では見事3位に輝く。順調かと思われた高校ラグビー生活だったが、2年次の全国高等学校選抜大会で前十字靭帯を切断。リハビリ中は早く復帰をしなくてはと焦る気持ちと、ケガが再発するのではないかという気持ちの、矛盾した思いに悩まされた。ケガによるつらい挫折の中で、リハビリをする原動力になったのは「試合に出たい」「ラグビーをしたい」という思い。この強い思いを胸に、中瀬はケガという大きな試練を乗り越えることができた。

 

目標に向かって

挫折を乗り越えた今、次なる目標はスタメンの定着。そのためには、同じポジションの選手とどう差別化できるかがカギとなる。「足の速い人に足で勝負しても勝てない」。そのため、強みである縦への推進力をさらに強化し、仲間を動かすセンターを目指してキックの練習もしている。様々な人からのアドバイスを生かし、自分の目指す理想の選手像へ。日々〝考える〟ことをやめず突き進む中瀬から目が離せない。


[保坂啓太郎]

 

中瀬 亮誠 (なかせ・りょうせい)文1、桐蔭学園高。ラグビー部の寮にはKPOP好きが多いと聞きワクワクしていたが、あまりおらず残念だったそう。180センチ・84キロ。

 

 

 

 

 


関連記事 RELATED ENTRIES