(31)立大戦事前インタビュー② 沖政宗投手、戸丸秦吾捕手

硬式野球
2023.05.19

(この取材は4月1日、8日に行われました)

 

沖政宗投手

――昨季は中継ぎとして投手陣を支えました。

 「多くの経験をさせていただいた春に比べ、やはり昨季はやや下降気味だったという印象があり、自分の中で納得いく投球を続けることができませんでした。シーズンを通じてチームに貢献できたとは言い切れないので、悔しいシーズンでした」

 

――中継ぎとして登板を重ねる中で感じたことをお聞かせください。

 「主役となるボジションではないかもしれませんが、試合の流れを変える重要な役割があると思っています。登板の際は、自分が目立つというよりは、自分が試合の流れをつくってそれを野手陣に還元するようなイメージでチームを支えるということを意識していました。自分たちのチームは継投に関してはかなり自由で、試合前にはある程度の順番のみを伝えられるだけです。試合中は自己判断で肩をつくるという方法で戦っています」

 

――ご自身のアピールポイントを教えてください。

 「自分は公立高出身で技術に自信があるわけではないのですが、レベルの高い選手に食らいつく気持ちは見せていきたいと思います。制球力と緩急を生かした投球というのが武器だと思っているので、東京六大学リーグで通用する投球ができるように頑張ります」

 

――高校時代のチームメートである弊部の菅波陸哉(情コミ2=磐城)からは技術的な部分だけでなく、人間的にも優れた選手だと伺いました。

 「そのように言ってくれてうれしいです。菅波は本当に優しいので、僕のいいところだけ伝えてくれたんだと思います(笑)」

 

――得意な球種を教えてください。

 「横のスライダーです。基本の球種である直球とスライダーには自信があるので、この二つを基本として投球を組み立てていくのが自分のスタイルです」

 

――逆に課題としていることはございますか。

 「直球の強さです。制球が自分の特徴だと思っていますが、レベルの高い相手に対してはそれだけではどうにもならないのだと痛感しています。特に昨春、明大の蓑尾海斗選手(令5文卒・現Honda熊本)に優勝を決める犠飛を打たれた際は球威不足を強く感じました」

 

――昨季はベンチとの意思疎通の関係でファールラインを跨いだことで登板せざるを得なくなった場面がありました。

 「実はルール的には問題なかったようで、審判団から後日謝罪の連絡をいただきました。アンツーカーに入らなければ交代する必要はなかったようです。自分も投げたい気持ちがはやり、溝口監督が手を挙げたので自分の登板かと勘違いをしてしまいました。結果的に抑えることができたのでそこは良かったです」

 

――立大で今季の活躍が期待できる選手を教えてください。

 「キャプテンの晋太郎さん(西川主将)やキャッチャーの戸丸(秦吾捕手)はかなりバットが振れていて状態が良いなと感じます」

 

――今年の立大投手陣はいかがでしょうか。

 「力のある昨年度の4年生が卒業して、昨季から投手陣の中心として登板した投手は池田さん(陽佑投手)のみです。その中で経験の浅い投手含めて、どれだけリーグ戦で通用する投球ができるかというのがカギになると思います。その意味では継投が重要で、全員が任されたイニングを全力で抑えて後ろにつなぐ意識を持つ必要があると思います」

 

――ありがとうございました。

 

戸丸秦吾捕手

――春季キャンプではどのようなことに取り組まれましたか。

 「キャンプでは守備を中心に練習しました。前チーム正捕手の黒岩さん(陽介選手・現日立製作所)と比べると自分はそのレベルに到達しておらず、守備面で全体的なレベルアップが必要だと感じたので重点的に取り組みました」

 

――昨季はスタメン出場も増えました。

 「自分が出場したのが明治戦と東大戦なのですが、負けてはならないというプレッシャーを感じて緊張したことを覚えています。その中で神宮球場という舞台で応援を受けながらプレーするという体験は自分にとっていい経験になりました」

――長所・武器を教えてください。

 「肩が強いと言われることもありますが、明治の飯森選手(太慈外野手・政経3=佼成学園)の盗塁を防ぐことができていないので、あまり自信を持って言うことはできません。負けん気があることくらいですかね」

 

――プロ注目の池田陽佑投手をリードします。

 「普段はとても面白くて、試合の時は頼りがいのあるかっこいい先輩です。今季は投手陣のリーダーとして後輩にアドバイスをされていますし、エースとして活躍してくれると思います」

 

――今季の目標を教えてください。

 「打撃面では犠打も含め、場面に応じて自分がやるべきことをするという意識を持てばそこまで悪い数字にはならないと思います。捕手というのはチームを勝たせなければ評価されないポジションだと思うので、強い相手に対して勝ちにつながる守備をするというのも目標です」

 

――明大に対してはどのようなイメージがございますか。

 「今の東京六大学のトップのチームだと思いますし、自分たちはあくまでチャレンジャーとして全力で戦おうと考えています。村田さん(賢一投手・商4=春日部共栄)や蒔田さん(稔投手・商4=九州学院)はじめ、いい投手が多い印象です」

 

――大学日本代表のコーチも務める溝口智成監督(立大)からは普段どのような指導をされているのでしょうか。

 「『明治や慶應でも今のポジションでレギュラーを取ることができるかが基準だ』と自分はよく言われます。ですから各大学の捕手と自分を比べて、自分に足りないものは何かということを常に考えて毎日練習しています」

 

――最後に今季の意気込みをお願いします。

 「正直に言って、自分たちは強いチームではありません。ですが例え弱くとも勝つことはできるということを示したいと思っています。応援してくださる方の力もお借りして、神宮球場で自分たちの力を発揮したいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[上瀬拓海]

(戸丸選手の写真は「立教スポーツ」編集部提供)