(42)シーズン後インタビュー 堀見華那

フィギュアスケート
2023.03.22

 掲げた目標の達成を目指して、今シーズンをひたむきに戦い抜いた。今年度の日本学生氷上競技選手権では20年ぶりにアベック優勝を果たし、チームとしても目覚ましい結果を残した。その中でも、近い将来を見据えながら歩み続ける選手もいれば、今シーズンでスケート競技から引退した選手もいる。それぞれが感じる思いを、選手の言葉を通じてお届けする。 

 

(この取材は3月15日に行われたものです)

 

第12回は堀見華那(商2=愛知みずほ大瑞穂)のインタビューです。

 

――今シーズンを振り返っていかがですか。

 「今シーズンはシーズン序盤から足が痛いこともあり、なかなか調子を合わせることができず、ブロック(東京選手権)が始まる時に全然調子が上がってない状態でシーズンに入ってしまいました。なかなかうまくいかなかったのですが、足が少しずつ治ってきて動けるようになると東日本選手権(以下、東日本)では、少しだけですがブロックよりはいい演技ができました。自分の体の状態がうまくいかないことが多いシーズンだったなと思います」

 

――体の状態が悪かった理由はございますか。

 「我慢強いというか、少し痛くてもジャンプが跳べたら練習をしてしまっていて、完全に治っていない5月の時点で練習をしていました。その時に休んでもう少しいろいろな治療法をやっていればよかったかなとか思います。休まずにそのままきてしまったのが良くなかったと思います」

 

――今の状態はいかがですか。

 「シーズンの後半ぐらいからは痛いところもなくやれていて、今も全然痛いところはありません。今シーズンは今まで跳んでいた自分のジャンプの感覚がなくなってしまい、どうやってジャンプを跳んだらいいのか分からなくなってしまっていた時もあったのですが、毎日練習はやめないでやっていて、最近はけっこう良くなってきています。今シーズンの反省を生かして来シーズンに向けてやっているところです」

 

――今はどんな練習をしていますか。

 「今は前と同じように5種類の3回転ジャンプを跳べるように練習しています。今は3種類くらいが限度なので5種類に戻せるようにジャンプを重点的に練習しています」

 

――今シーズンで一番良かった試合はありますか。

 「ないですね」

 

――こういうシーズンは今までにありましたか。

 「うまくいかないことばかりで、すごくできたという試合が今シーズンは特にないです。練習ではできているのに試合ではできないとかではなく、練習でもできていない状態で試合に挑んでいました。これまで練習ではできるけど、試合で緊張してしまってということはあったのですが、練習でもできてないので逆に割り切ってやることを覚えました。東日本のSP(ショートプログラム)で1本目のループが跳べたのですが、試合の4日前ぐらいに少しループが飛べるようになって曲でもあまり入っていなかっのですが、もうここでやるしかないという気持ちでやったら跳べたので、それは良かったところです」

 

――今シーズン成長した点を教えてください。

 「スケーティングやステップを毎朝やっているのですが、滑りがつなげられるようになったというか、一個一個の動きが途切れずにつながってできるようになりました。あとスケーティングが滑るようになり、スケーティングの面ではけっこう成長したかなと自分で滑っていて思います。(ジャンプができない分スケーティングやったのでしょうか)そうですね、スケーティングにジャンプがついてくると、これまで跳べていた時よりももっといい風になるのではないかと今は前向きな気持ちでやっています」

 

――来シーズンへの課題はございますか。

 「一番は体が痛くならないようにすることと、ジャンプの確率を上げて自信を持って試合に挑めるようにすることです」

 

――来シーズンのプログラムは決まっていますでしょうか。

 「SPはそのままでFS(フリースケーティング)は変えます。曲は決まっていますが、振り付けはまだです」

 

――SPを変えない理由はございますか。

 「今の曲を表現するのが難しくて、動きの緩急が最初は全然うまくいかなくて、先生にもっと真面目に踊るというよりは、少し抜け感がほしいと言われてそこが難しかったです。シーズン後半になって滑り込んでくると、少しうまくなってきたので今シーズンあまり表現できなかった部分を来シーズンもう1回やっていいものにしたいなと思いそのままにしました」

 

――FSを変える理由はございますか。

 「もう2年やっていて、気が付いたら大学があと2年になっていて、曲を使うのもあと何個なんだろうという風に思って新しいのにしようかなと思いました」

 

――明治×法政 ON ICE 2023(以下、明法オンアイス)の運営で大変だったことはありますか。

 「まず明法オンアイスを運営したことがなかったし、昨シーズンは右も左も分からないまま出るだけで終わってしまいました。今回はそれを動かす、運営に回るということでどこから手をつけていいのか分かりませんでした。でも法政や明治の先輩が助けてくれて、一応やることができました。一番大変だったこととしてお客さんが入るということがけっこう大きかったです。昨シーズンはお客さんを入れなかったのですが、今シーズンは定員500名というお客さんを入れることになりました。先着順で受け付けて、その500名にメールを送って名簿を作ってスムーズに入場ができるように考えたり、みんなが忙しい中でも1カ月に1、2回とか集まる時間を設けて話し合ったりというのが大変でした。ですが、今思ったらいい経験になったと思うし、なかなかできないことだと思うので、これからにつながるいい経験だったと思います」

 

――運営してみていかがでしたか。

 「楽しかったです。どうやったらお客さんに楽しんでもらえるか、最後の舞台という人が多い4年生の最後にふさわしい会にどうやったらできるか、ということをすごくたくさん考えて、法政の人ともたくさん話し合ってというのは大変ではあったのですが、とても充実していて楽しかったです」

 

――グループナンバーはどこから案がきましたか。

 「『やりたいね』という話はしていたのですが、なかなかみんなで集まる時間も取りづらいし、グループナンバーのために集まってくれるかなと思っていました。来てもらう人に『どういうことをやってほしいですか、見たい企画はありますか』というようなアンケートを取りました。すると、グループナンバーや普段では見ることのできないペアの演技、コラボが見たいという声が多かったです。やっぱりそういうのを見たい人がいっぱいいるんだと思い、曲は光翔くん(大島光翔・政経2=立教新座)に相談して、どうしたらいいと思うというのをいろいろな人に相談しました。運営側がやろうという気持ちになってみんなを引っ張ってグループナンバーやりたいって気持ちにさせたら絶対やってくれると思っていました。お客さんに見てもらいたいし、みんな振り付けを覚えるのが早いし『1、2回の練習があればできると思います』と言いました。1回目の練習は夜遅い時間だったのですが、ほぼ全員が参加してくれてみんなで作り上げることができました。明法オンアイスでないと絶対にやらないことだから、個人競技としてはすごくいい時間でした」

 

――大学生活を振り返っていかがですか。

 「学校生活はすごく充実していました。あっという間に2年生が終わってしまいました。学校に行って友達と普通に授業を受けて、授業を午前と午後で分けていたのでご飯食べることはあまりなかったのですが、授業で会う友達としゃべったり、一緒に帰り道帰ったりすることが1年生の頃よりはたくさんありました。でも学校に行くと疲れてしまうので、学校とスケートをしっかりと両立させるのは難しいなと思いました」

 

――一番の思い出を教えてください。

 「ゼミ合宿が楽しかったです。ゼミは一般生の子ばかりで、でも英語が堪能な人とかいろいろな人がいて個性あふれるゼミです。その人たちと話すのも楽しいし、ゼミでたくさんプレゼンをするのですが、みんなでプレゼンを作り上げていったり、花火をやったりしたことがすごく楽しかったです」

 

――来シーズンの目標を教えてください。

 「やはり全日本選手権(以下、全日本)に行きたいという気持ちがあって、行けないと思ってもないので、調子を上げて全日本に行くっていうのが目標です。あと2年しかないので、本当に心を鬼にして自分を追い込んで練習して全日本に行きたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[堀純菜]

 

(写真は本人提供)