(4)4年生引退インタビュー チーフマネジャー・佐藤渚
今年度、競技面、生活面とあらゆるところでチームを引っ張ってきた4年生。それぞれの立場は異なるが、スローガン『貫徹』を掲げ共に一年を駆け抜けてきた。本インタビューでは、中心となってチームを支えた主将、副将、チーフマネジャーの声をお届けする。
第3回は佐藤渚チーフマネジャー(理工4=穎明館)のインタビューをお届けします。
(この取材は12月8日に行われたものです)
――マネジャーになったきっかけは何ですか。
「ヨット部のマネジャーが理系でも両立できることと、学生の今でしかできないことだと感じたからです」
――他の体育会のマネジャーと迷ったりはしましたか。
「理系でもできるという点で結構絞られました。その中でヨット部は葉山に合宿所があり共同生活をしながら練習をしていて、ご飯を作ったり金銭関係のことをやったり、船舶免許を取って一緒に海に出たりします。やることの幅が広く一番やりがいがありそうだなと思ったのが決め手です」
――普段の活動内容を教えてください。
「主な仕事としては三つあります。一つ目が合宿所で全員分のご飯を作ること、二つ目が練習の際にサポートボートを出して練習の手伝いをすることで、三つ目は部のお金の管理や外部の方とのやり取りなどがあります。基本的には当番制にして三つの仕事を均等にできるように協力してやっていました」
――大会の日の活動を教えてください。
「大会の日は一緒にボートで出てサポートをしたり、会場にいる人が記録を打って順位を作って、陸にいるマネジャーに伝えて、それをエクセルで表にして常に明大は何位なのかというのを把握できるようにしたりしていました。あとはS N Sに上げて応援してくださっている方たちになるべく早く伝えることができるようにしていました」
――4年間を振り返っていかがですか。
「やって良かったというのが一番にあります。ヨット部に決めた理由でもある幅の広さというのを感じましたし、いろいろな経験をさせていただけたなと思っていて、後悔はしていないです」
――一番やりがいを感じた部分はどこですか。
「いっぱいありすぎて選べないですね(笑)。いいのか悪いのか分かりませんが、マネジャーがいないと部が回らない体制になっています。マネジャーがいるからこそ選手が練習に時間を割くことができていて、そのことによって選手がいい結果を収めてくれているのを感じたときです」
――マネジャーとして心がけていたことはありますか。
「部活ということで最終的な目標は勝つことなので、自分は直接試合に出て結果を残すことはできないのですが、その結果以外の部分で部を強くするにはどうすればいいのかを考えて生活をしていました」
――選手とはどのようにコミュニケーションを取っていましたか。
「立場が違うからこそお互いに見える景色や感じる部分が違うと思うのですが、それを常にお互いで共有しながら、より部のためになることはなんだろうというのを意識しながら話すようにはしていました」
――競技としてのヨットの魅力を教えてください。
「ヨットはマイナーな競技というのもありますし、スポーツ推薦の人ももちろんいますがそういう環境の中で大学から始めた人でも全国の舞台に立てる競技であるというのがいいなと思っています」
――明大ヨット部の魅力を教えてください。
「関東の大学は全国的にもレベルが高いです。しかし明大はスポーツ推薦の人の割合が少ない中で、スポーツ推薦の人を中心に大学から始めた人が融合した上で強豪校とも戦っていけるのが魅力だと思います」
――チームの雰囲気はいかがでしたか。
「最後の1年は自分たちの代が後輩たちに絡みにいく人が多かったので、1年生から4年生まで仲良くやっているなと思います」
――部員同士の仲がいいというのは合宿所で一緒に過ごしているのが大きいですか。
「朝起きてから夜寝るまで同じ建物にいて、その中で1年生から4年生、男子も女子も一緒にいるので自然と一緒にいる時間が長くなって、もちろん大変なこともありましたが楽しいこともいっぱいあって、そういう環境で良かったなと思います」
――苦労した点はありますか。
「最後の1年ですが、男子マネジャーが一気に3人増えて今までにない形になったのでそれをどううまくやっていくか考えるのが大変でした」
――マネジャー同士でのコミュニケーションはどのように取っていましたか。
「4年生は自分しかいなくて下の代の子達が多かったので、全員に平等に接するように意識していました」
――先輩から学んだことで印象に残っていることはありますか。
「マネジャーは部の中で少数派ですが、選手だけでなく監督やコーチ、O B、O Gの方など関わる人が多いです。普通に過ごしていたら周りに分かってもらえないことも多いのでどのようなことを考えながらやっているのかというのをしっかり言葉にすることが大切だと教えてもらいました」
――この4年間で一番成長できた部分はどこですか。
「人とのコミュニケーション能力が一番上がったと思っています。自分は人前に立つことや積極的に話に行くことが苦手だったのですが、合宿所生活ということで強制的にというか、自然と他人と話すことになり、学年が上がっていくにつれて最終的にチーフマネジャーという役職をもらえたりもしたので、そのような経験をさせていただいたおかげで今まで苦手だったことに対する抵抗がなくなったなと思います」
――コロナ禍で一番大変だったことはなんですか。
「大会が延期になったりなくなってしまったりしたことは大変だったなと思います」
――モチベーションの維持などはどのようにしていましたか。
「一番大変だった時は先輩方を中心に定期的にZ O O Mなどを中心に連絡を取り合い、班を作って、常にコミュニケーションを取るようにしたり全体でミーティングを開いたりしていました。そのおかげでヨット部から意識が離れることなく自粛期間を乗り越えることができたかなと思います」
――今後も継続してもらいたいことはありますか。
「周りの方との関わりを今後も大切にしていってほしいなと思っています。コロナも落ち着いてきたこともあって、自分たちの代から周りの方と連絡を頻繁に取ってレースの時に来ていただくということを結構してきました。コミュニケーションを取り続けることによって実際に見ていただいたり支援していただいたりすることにつながり、部を強くする上で絶対に必要なことなので今後も継続してほしいなと思います」
――来年度以降へ向けて改善してもらいたいことはありますか。
「やってみたいと思ったり言ったりすることはあるのですがそれを実際に行動に移す人が少なかったと感じていたので、失敗してもいいと思うので行動に移してみてほしいなと思います」
――後輩たちに期待していることはありますか。
「明大ヨット部の性質上全国大会に出場しても下級生全員は連れていってあげられなかったので、部全体で全日本学生選手権という舞台への意識の統一ができていなかったと感じています。先輩方からもチーム全体での意識というのを大事にしなさいというのを自分たちも言われていたので、そこをやってもらいたいなと思います」
――後輩たちにメッセージをお願いします。
「明大ヨット部はたくさんの人に支えてもらって成り立っているものなのでそれを忘れないでほしいというのと、環境自体も恵まれているのでその環境を最大限に活用して頑張ってもらいたいですし、いろいろな経験をしてもらいたいなと思います」
――監督やコーチの方々にメッセージをお願いします。
「ヨット部自体が学生主体で、いい意味で監督やコーチからの指示などはなかったのですが困った時に助けてくださったりしていただいて心強かったですし、会うと気さくに話しかけてくださりました。監督やコーチがいなかったら4年間続けることができなかったと思うので感謝の気持ちでいっぱいです」
――同期の仲間たちへメッセージをお願いします。
「自分たちの代は個性が強くてその中でも自分は同期にマネジャーがいない中でやってくることができたのはみんながコミュニケーションを取りながらやってくれたおかげだと思っています。ありがとう!」
――ありがとうございました。
[冨川航平]
※写真はヨット部提供
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