(67)インカレ事前インタビュー⑫/木村卓斗
林組の集大成だ。12月8日より全日本大学選手権大会(以下、インカレ)が開幕する。創部101年目を迎えた今季は、2年ぶりに関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)で優勝。勢いそのままにインカレ制覇を目指す。関東王者として挑む明大の戦いは11日、九産大と仙台大の勝者との2回戦から幕を開ける。元日に国立競技場で行われる決勝の舞台へ。日本一を懸けた戦いが始まる。
今回はMF木村卓斗(政経4=横浜F・マリノスユース)のインタビューをお届けします。
――リーグ戦優勝、そしてベストイレブンにも選ばれましたがいかがですか。
「今年度が始まる時に昨年度の最終節流経大戦の悔しさを晴らすということと、昨年度までは自分たちの代がなかなかトップチームに絡むことができていなかった中で、自分が中心になり優勝させるという強い気持ちで臨んだので、その目標をつかむことができ、さらにその姿勢を評価してもらいベストイレブンにも選ばれたので良かったなと思います」
――終盤戦はチームから木村選手のためにというような雰囲気も感じましたがいかがでしたか。
「自分が手術をして離れている時もみんなが気にかけてくれましたし、寮に帰った時もできるだけ自分が落ち込まないように接してくれてすごく頼もしかったです」
――4年間での思い出を教えてください。
「やはり今年度のリーグ優勝ですね。自分たちは昨年度までトップチームでプレーする選手が少なく、下級生の選手が試合に絡んでいたので不安もありました。そのため『自分たちの代で必ず優勝しよう』と話し合ってきており、懸ける思いも強かったので、優勝できたことが本当にうれしかったです」
――明大での4年間で学んだことを教えてください。
「サッカー面はもちろんですが、自分は人間性の部分をすごく学びました。何事に対しても深く考えて高校生の頃とは全く違った視点で取り組むことができているので、人間性という部分が一番成長したなと感じています」
――栗田大輔監督に対する思いをお願いします。
「もし自分が栗田監督に出会わずに社会に出ていたらと考えることがあるのですが、きっと今とは全く違う、中身の薄い自分になってしまっていたと思います。明治では栗田監督が人間性を高める環境づくりをしており、直接指導を受けることで考え方や視点が大きく変わることが多々あったので、栗田監督のもとで4年間指導を受けることができて本当に感謝しています。だからこそ栗田監督を国立で胴上げできるように頑張っていきたいです」
――同期への思いをお願いします。
「自分たちの代は比較的おとなしく真面目なのですが、実直にベクトルをそろえて明治で求めているところを自分たちらしく取り組めるのがいいところです。そんな同期と4年間過ごすことができたのは一生の宝です。自分はピッチに立てなくても、同期のみんなが優勝する姿を見られるようにサポートしていきたいですし、最後は笑って終わろうということを伝えたいです」
――4年間を過ごした明大は木村選手にとってどのような場所ですか。
「自分を変えてくれた場所ですね。全てにおいて人間的に大きく成長できた場所なので、人生を変えてくれた存在です」
――卒業後は横浜F・マリノスへと進みますが、J1王者へ加入する意気込みをお願いします。
「自分が入って連覇できなかったと言われるのは嫌ですし、Jリーグだけでなく全てのタイトルを取るという強い気持ちで取り組みたいです。日本トップクラスの選手たちとプレーすることになりますが、自分らしく明治でやってきたことを出して、レギュラーをつかめるように取り組んでいきたいなと思います」
――これからの明大を担う後輩たちへのメッセージをお願いします。
「後輩たちは力がある選手が多く、自分も刺激を受けてきました。目指しているものは自分たちと同じだと思うので、根幹の部分は変わらずそれぞれの代で自分たちの色を出しつつ、これからも明治の強さを絶やさずに守っていってほしいです。あとは栗田監督を一回でも多く胴上げできるように頑張ってほしいです」
――目標としている元日国立にたどり着くためにカギとなるのはどのような部分ですか。
「自分たちのサッカーを信じてやり続けることができるかが大事だと思います。目標はもちろん決勝ですが、決勝にとらわれすぎず、相手ではなく自分たちに向き合い続けて、昨日よりも今日、今日よりも明日というように一つ一つ良くなるようにしていけば優勝できる力があると思います。優勝できるだけの努力を1年間してきたと信じていますし、トーナメント戦ですがブレずに明治でやってきたことを90分間出し続けることが大事だと思います」
――インカレに向けて意気込みをお願いします。
「個人的には、夏の総理大臣杯全日本大学トーナメントの大院大戦でPKを与えてしまい、自分で取り返すPKのチャンスを外して終わらせてしまったという申し訳ない気持ちがあります。その借りを返そうとリーグ戦でやってきましたが、このようにケガという形でピッチに戻ることが厳しい状態でもどかしい気持ちがあります。しかし、この状況でもチームを優勝に導くためにできることがあると思いますし、最後は笑って終わりたいなと思っています」
――ありがとうございました。
[井澤怜音]
◆木村 卓斗(きむら・たくと)政経4、横浜F・マリノスユース、170センチ・69キロ
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