

(75)特別編 早大突撃インタビュー!大田尾竜彦監督「明治は大学屈指のチーム」
本連載では早大監督、注目選手のインタビューを全3回にわたってお届けする。第1回は昨年度早大監督に就任した大田尾竜彦監督。就任2年目を迎える大田尾監督に昨年度の振り返り、今年度のチームの特徴、そして明早戦への思いを伺った。(この取材は11月11日にオンラインで行われたものです)。
――就任1年目だった昨年度の振り返りをお願いします。
「昨年度でいうとスクラムのところが大きなポイントになって思い描いていたようなゲーム運びができなかったです。(明早戦では)点数を取れるときに取れたチームがそれぞれ勝ったと思います。そのため今年はミスに対して厳しくいくこととあとは選手一人一人の意識のところにこだわっています。100回に1回くらいしか起きないようなこともゲームでは起きてしまうので細部にこだわることが大事だよという話はしています。最後まで手を抜かないことや練習中からトライを取り切ることにこだわるとかそういうことです」
――今年度スクラムをどのように強化していますか。
「フルタイムコーチの招へいや体を大きくすることなど、今年はスクラムのために時間をかけて準備しました。非常に戦える状態になっていますし、多くの試合でそこがストロングポイントになっているので、かなりステップアップしていると思います。帝京大戦でもスクラムで崩されて試合が崩壊することがなかったので去年よりも違う形ですし、次だったらこうするということも選手たちも感じていますし、まずまずといったところです」
――相良昌彦主将(社学4)はどのような主将ですか。
「言葉がすごくストレートですし、あまり周りくどく話すタイプではないです。FWの主将らしいなと思います。(昨年度主将だった)長田智希(令4スポ卒・現埼玉パナソニックワイルドナイツ)は鉄人で図抜けた存在だったので、長田が右と言ったらみんなが右に行っていました。相良については右といっても本当に右でいいのかと相良に対して助言しやすいタイプかなと思います。下級生も意見を言える空気はありますし、そこはいい雰囲気だと思います」
――佐藤健次(スポ2)選手のフッカー転向への経緯を教えてください。
「彼は高校から大学に上がるときにすでにフッカーへの転向の意思はあったのですが、環境の変化プラスポジションの変化を僕が少し心配していたところもありましたし、ナンバーエイトいう慣れ親しんだポジションでまず大学でも通用するというレベルに達してそこから転向でも遅くはないのではと話して1年過ごしました。1年後また転向について話してフィジカルをその時強化していたので転向だろうなと思って決断しました。(転向後のプレーは)十分やってくれていると思います。スクラム、ラインアウト共に毎試合ごとにいろいろな経験を積んでいるので日に日にステップアップしていると思います」
――選手全員と面談を行っていると伺いました。
「目標の共有のために行っています。大所帯なので一人一人と時間を取らないと話せないですし、そういうときに近況などを話しています。選手のことを知る、選手からしたら監督を知るということが目的です。去年もずっとやっていましたし、今年はもうすでに2回目に入っています」
――今年度の明大をどのように見ていますか。
「毎年ですがタレントがすごく多いですし、セットプレーが安定しているのがポイントですね。(明大の強みは)安定したボールを供給したあとの伊藤(耕太郎・商3=国学院栃木)選手の判断力です。また廣瀬(雄也・商3=東福岡)選手のキック力、ベースには強いフォワード、これも明治の強みだと思います」
――石田吉平主将(文4=常翔学園)についてはいかがですか。
「本当に人間的にも素晴らしいですし、ああいう選手がいたらいいなと思うくらいの切り札ですね」
――今年度9年ぶりに明早戦が国立競技場で開催されますが、国立での思い出はございますか。
「国立は立った時に単純に大きいなと思うんですよね。そういう中でグラウンドだけぽつんと浮いているような感覚があるので、いつもと違う空間でラグビーをしているなという思い出があります。国立はビックマッチがあるので僕が3年次に優勝したときの関東学院大戦もそうですし、全ての試合が思い出になると思います」
――最後に明早戦に向けた意気込みを教えてください。
「早明戦は本当に分厚い壁なのですが、早明戦があることで早稲田が強くなれると思っていて、そういう意味ではありがたい試合です、そこでいい試合をしてチームとして成長していって大学選手権を取りたいと思います。明治は気合の入る相手ですし大学屈指のチームなのでそこは集中して試合に臨みたいと思います」
――ありがとうございました。
[牛嶋淳太郎]
◆大田尾 竜彦(おおたお・たつひこ)監督
現役時代はスタンドオフとして活躍。早大卒業後は当時のヤマハ発動機ジュビロ(現静岡ブルーレヴズ)に所属し、トップリーグ通算150試合以上に出場。現役引退後はヤマハ発動機ジュビロでコーチを務め、昨年度より早大ラグビー部監督に就任した。
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