兼本翔安 12年目の水球愛

水泳(水球)
2022.10.11

 水球を始めて12年。兼本翔安(文1=修道)は大きな体を武器に頼もしくゴールを守る期待のルーキーだ。6月に開催された関東学生リーグ戦でも活躍。部内では数少ない明大中野高出身でない選手だ。水球を愛し、水球に愛された男が明大に新たな風を吹かせる。


水球との出会い

 幼少期から様々な習い事を経験してきた兼本。姉が始めたことをきっかけに、小学2年次に水球の世界に足を踏み入れた。持ち前の運動能力の高さから他にも選択肢があった中で、水球という競技を12年も続けている理由は「単純に好きだから。もう自分の一部みたいな感じ」。

 当初は守備だけでなく攻撃も担うフィルダーとしてプレーしていたものの、小学3年次に代わりに入ったGKのポジションが「より活躍できたと言うか、自分に合っていた」。それからどんどん水球にのめり込んでいった。 


高校で得たもの

 今までで1番記憶に残っている試合は高校1年次のインターハイ予選。兼本はスタメンで出場していた。ここで勝てばインターハイに進めるという大一番。岡山の関西高校相手にチーム一丸となって攻防するも、ロースコアの試合展開が続く。最後まで白熱した試合を繰り広げ、念願のインターハイを目前に惜しくも敗退。その差はわずか3点。勝機が見えていただけに悔しさも一層強かった。「先輩も自分もとにかく泣いた」。小学校時代は全国大会にも出場していたこともあり、高校での全国の壁の高さに打ちひしがれる。その後はコロナ禍で練習のできない期間が長く続いた高校時代を過ごした。


12年、その先へ

 大学でも水球を続けたいと強く望んで進学した明大。「みんなで攻めてみんなで守る、仲間の絆が不可欠なところが水球の魅力」。水泳部水球部門は明大中野高出身の選手がほとんどを占めるが、今ではすっかり冗談も言い合える仲に。大学水球は高校とは比べ物にならないほどのパワー勝負だ。「力で押し負けてしまうのが課題」。熾烈な力のぶつかり合いに勝ち抜くため水曜日以外は練習があるが、あくまで学業が優先というのが監督の方針だ。「しっかりと勉強もして、水球でもいい成績を残したい」。大学生活はまだまだ始まったばかり。新たな仲間と共にさらなる高みを目指す。


[増田杏]


◆兼本 翔安(かねもと・しおん)文1、修道高。キャンパス内でお気に入りの場所は図書館。178㌢・73㌔。