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高橋響生 成長止まらぬ努力家

卓球 2022.10.10

 最強の努力家は歩みを止めない。「挑戦者の気持ちで挑むことができた」。今年度5月に行われた関東学生新人選手権でシングルスベスト8入りを果たした高橋響生(商1=鶴岡東)。しかし、ここに至るまでにさまざまな苦難があった。苦しみを乗り越え、見えた景色は輝いていた。

 

成長誓い山形へ

 兄と卓球経験者の父の影響を受けて始めた卓球。元々運動が好きではなかったため、当時は嫌々練習に参加していた。しかし「努力してできるようになるのが楽しい」と徐々に卓球にのめり込んでいき、全国中学校大会に出場する程のプレーヤーに成長。ここで「厳しい学校に行って自分を強くしたい」と考え地元・滋賀県から遠く離れた山形県の鶴岡東高に進学を決意した。

 

新スタイル確立

 こうして始まった寮生活。高校1年次から団体戦のメンバー入りを果たし、順風満帆に見えたが、2年次に二つの大きな困難に直面することに。一つ目は新型コロナウイルスの感染拡大により多くの大会が中止になったことだ。目標がなくなりモチベーションが下がる時期もあったが「嘆いていても変わらない」と、部内戦の機会をうまく生かそうと決心。自分の頭で考える経験を積み重ねていった。しかし秋頃、さらなる困難が彼を襲う。あと一歩のところで全国高校大会出場を逃す。「練習をたくさんしているのにどうして報われないのだろう」。それから数ヵ月、結果が出ない時期が続いた。しかし、このスランプが卓球スタイルを見直すきっかけとなった。「次の動きに素早くつなげるための下半身強化が必要」。ウエートトレーニングやスクワットを行い、太ももの裏と尻の表層部に刺激を与えた。これにより体の踏ん張りが効き、次の動作を素早く行うことが可能に。その後の全国高校選抜大会では「今までで一番調子の良い状態でプレーができた」。新たなプレースタイルが実を結んだ瞬間だった。

 

夢見た最強軍団

 世界で活躍する選手を数多く輩出している明大卓球部。「自分も強い選手の一員になりたい」と憧れを抱き最強軍団の仲間入りを果たした。高校時代に学んだ「自分で考え練習の質を高める」という教訓。「新しい技術を試行錯誤しながら」さらなる成長を目指す。大学4年間の目標を「リーグ戦に出場し優勝に貢献する」と掲げる彼がトロフィーを笑顔で持っている未来はそう遠くはない。

 

[七海千紗]

 

高橋 響生(たかはし・ひびき)商1、鶴岡東高。パンケーキが好きで中学時代はよくお菓子を作っていた。猫が大好きで将来飼いたいと思っている。身長173・57キロ


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