齋藤偉颯 地元愛をつなぎ明大のエースへ

ホッケー
2022.10.09

 栃木のホッケー名門高校出身の齋藤偉颯(法1=今市)。努力を惜しまずひたむきで真面目な性格が持ち味。結果はおのずと結びつき、全日本大学王座決定戦(以下、王座)・関大戦で大学初ゴールを決めた。偉大な今市高の先輩を追いかけながら、明大の絶対的守護神へと駆け上がる。

 

地元と共に成長

 齋藤がホッケーを始めたのは小学3年次。地元・日光市は『ホッケーのまち日光市』と掲げ、地域一体となって交流している。その環境の中で小中学校のホッケー部に所属。当初、高校でもホッケーを続ける気はなかった。しかし、中学3年次の全国大会県予選で敗退した悔しさが、高校でもプレーする原動力になった。そして、県下ナンバーワンの強さを誇る今市高へ進学を決める。

壁を乗り越えて

 高校入学直後、木村浩一郎監督に「DFにいった方が伸びる」と助言されFWからDFに転向。慣れないプレースタイルに苦しみ、試合に出られない期間が続いた。壁にぶつかっても負けずに越えるのが齋藤。逆境をチャンスに変え、居残り練習や、オフでもトレーニングを重ね、ストイックに鍛え上げた。「試合に出たいというよりもただ、自分のやるべきことを意識してプレーした」と振り返る。すると、高校2年次の夏には安定して試合に出場できるように。そして迎えた最後の全国高等学校選抜大会。チームは3位で表彰台に上がり、個人では優秀選手に選出。まさに、努力が結実した瞬間だった。

より高い次元へ

 文武両道を掲げる齋藤に明大はぴったりだった。当初は大学ホッケーの実力に「このままでは通用しないと思った」と衝撃を受けた。それでも、コート外から多くの学びを得て、プレーの向上に余念がない。迎えた王座・関大戦。「同期の長谷川拓真(法1=石動)が打ったボールを、死んでも触りにいくという勢いで走った」と、高ぶる熱意がシュートを生んだ。秋季リーグでは「苦手なドリブルを克服し、たくさん走り、1点でも多く勝ちに貢献する」と既に前を向いている。ゆくゆくは中高の先輩・小林弘人主将(政経4=今市)のような絶対的守護神へ。チーム全体で勝ちに行く〝つなぐホッケー〟の姿勢を継承し、全日本学生選手権優勝へ勝利をつなげ。

 

[杉田凜]

 

齋藤 偉颯(さいとう・いぶき)法1、今市高。好きな歌は民謡「栃木県民の歌」。180㌢、72㌔。