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高橋周平 悔しさを成長の原動力に 未来を担う新星RBの挑戦

アメリカンフットボール 2022.10.09

 グリフィンズの未来を担う期待の新星が今春、明大の門をたたいた。RB#31高橋周平(文1=足立学園)は小柄ながらも倒されない体の強さを武器に春季オープン戦から大活躍。日々進化を遂げる彼を支えているのは逆境を力に変える強靭な精神力だ。

 

かっこいいから

 「かっこいいから」。アメフトを始めたきっかけはただそれだけ。中学時代は地元のサッカークラブで活動する傍ら、中学校でアメフトの簡易版であるタッチフットボールチームを手伝っていた。手伝いを重ねるうちにアメフトの魅力に惹かれ、高校から本格的にアメフトを始めた。高橋が選んだポジションはアメフトの花形ともいえるRB。理由はもちろん「かっこいいから」。めきめきと頭角を現し、高校2年時にはチーム初の全国ベスト4に貢献した。大学でも、春季オープン戦から力強い走りを披露し専大戦では2TD(タッチダウン)。さらにKも兼任し、サッカー経験を生かした正確なキッキングはすでにチーム随一だ。

 

悔しさが原動力

 順風満帆なアメフト人生を歩んできたように思える高橋にも、忘れられない試合がある。高校3年時、秋の関東大会準決勝。主将となった高橋率いる足立学園は、第3Q終了までに持っていた15点のリードを守り切れず、延長戦の末21―28で逆転負けを喫した。「チームが負けていく姿をただ見ていることしかできなかった」。実は試合開始直後、高橋はプレー中のアクシデントにより途中交代を余儀なくされていた。「この試合が一番悔しい」。高橋にとって引退試合は苦い思い出だ。

 だが、高橋は言う。悔しさこそがスポーツの、アメフトの醍醐味だと。「悔しくて泣くこともあるが、やめたいと思ったことはない。結果が出ない悔しさはさらなる成長の原動力になる」。悔しい敗戦から立ち直ることができたのも、このメンタルあってのもの。高橋の一番の武器はその強靭な精神力にある。

 

あこがれの明大

 アメフトを始めた頃から「明治一択だった」。晴れてあこがれのグリフィンズの一員となった高橋。メンバーも環境も変わったが、日本一の夢は変わらない。この先、どんなに高い壁にぶち当たろうとも高橋は走り続ける。その経験が自分を成長させてくれると信じて。

 

【菅波陸哉】

 

◆高橋周平(たかはし・しゅうへい)文1、足立学園。オフの日はジム通い。今はまっていることは特にない。「そんな暇ないっすよ笑」。171センチ・76キロ。


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