(35)第7回パラ大学祭に参戦! 参加団体数は過去最多に、大にぎわいを見せる

明大スポーツ新聞
2022.10.07

 10月2日、7回目の開催を迎えたパラ大学祭。前回大会3位からさらなる飛躍に期待がかかる明大は初めて2チームで参加。ルーキーからベテランが一丸となって表彰台を狙うも、結果は惨敗。実力不足を突きつけられる結果となったが、〝誰もが楽しめる〟パラスポーツの奥深さに魅了された一日となった。


◆10・2 第7回パラ大学祭@関東(新豊洲Brilliaランニングスタジアム)

 明大B――7位

 明大A――13位


 今大会は明スポから2チームが出場。大会はオリジナルルールを交えた車いすバスケで幕を開けた。車いすを操作する技術と味方との連携が勝敗のカギを握る競技だ。「ボールに人が集まって密集しやすかったのでスペースを見つけてそこに走り込んでパスをもらうことを意識していた」(末吉祐貴・営1=東京都私立城北)。各チーム2試合。明スポAは両試合とも苦戦を強いられる。特に第2試合では相手のマンマークに苦しみ、攻撃の形を作れず惨敗。一方の明スポBは、経験者で競技人生ラストイヤーとなった田中佑太学生名誉監督(法4=本郷)の活躍もあって開幕2連勝を飾り、優勝に向けて好スタートを切った。


 第2種目はオリジナル競技・目隠しで繋げ!✕の字サッカー。目隠しをした選手が伴走者と共にプレーするブラインドゾーンと、目隠しをせずにプレーするアシストゾーンに分けられた陣地で、より多く敵陣のゴールラインにボールを運んだチームが勝利する。ブラインドゾーンでの声掛けによる協力が欠かせない競技だ。明スポAはアシストを務めた井澤怜音(文2=横浜市立東)を中心に安定した守りを見せたが、得点は生まれず。スコアレスドローに終わった。一方の明スポBは、目隠しをした状態に苦戦した。後半に相手に一瞬のスキを突かれ失点を許し、痛恨の敗北。大会制覇に暗雲が立ち込めた。


 3つ目の競技はボッチャ。ボッチャ東京カップ2022で2位に輝いた渡辺悠志郎(情コミ2=渋谷教育学園渋谷)を擁する明スポはこの競技の強豪として名をはせている。そんな渡辺がエースとして3試合に挑んだ明スポA。「杏林大ボッチャ部と因縁の対決をして、白熱した試合を繰り広げることができた」(渡辺)。しかし、因縁の相手を前に勝ち切ることができず、今回の戦績は2勝1分。決着は次の機会に先延ばしとなった。一方〝MEIJI PRIDE〟を体現する田中名誉学生監督擁する明スポBは、1戦目でまさかの黒星。負けて終われないとチーム一丸となって戦略を練り、その後の2試合は死闘を制した。どのコートでも盛り上がりを見せ、誰もが楽しめるスポーツとしての真価を発揮した。


 迎えた最終種目は、パラ大学祭恒例の車いすリレー。日ごろから車いすに乗り慣れていない明スポ部員にとって例年苦戦を強いられている種目だ。前回大会ではくしくも最下位に沈んだ明大であったがBチームが快進撃を見せる。1走・田中名誉学生監督、2走・佐藤慶世(政経3=芝)が快速を飛ばし序盤からリードを作ると、その後も全員が安定した走りを見せバトンは再び最終走者の田中名誉学生監督に。「今日の大会に向けてトレーニングを重ねてきた」(田中名誉学生監督)と熟練の走行テクニックを披露し、現役最後となるレースを見事1位で駆け抜けた。惜しくも決勝へは進めなかったものの課題となる車いすリレーで好成績を収めたことは大きな収穫となった。Aチームも結果こそ振るわなかったものの会場中から寄せられる声援を背に諦めることなく最後まで走り抜いた。


 明スポAは最初の車いすバスケ2敗が響き、全15チーム中13位に。対して明スポBは最後のリレーで予選タイム上位4チームで行われる決勝に進むことができず、7位で終えた。今大会で引退する田中名誉学生監督は「明治は勝つことが当たり前。やはり明治がナンバーワンなので、次の大会こそは優勝してほしい」。熱い背中を見せ、新たな世代に優勝を託した。


[末吉祐貴、菅波陸哉、杉田凜、長崎昇太、増田杏]


出場選手のコメント

宮本果林明スポA主将(情コミ3=鎌倉女学院)

――今大会、初めて主将として望みましたがいかがでしたか。

 「大学1年生から毎回パラ大学祭に参加してきて、皆勤賞ペアの金井遥香(情コミ3=大船)とついに異なるチームでお互い主将として参加することには感慨深いものがありました。結果的に明スポBに負けてしまい、悔しい気持ちはありますが、今回初めて参加してくれた部員たちがみんな楽しんでいる姿をみて、うれしい気持ちの方が大きかったです!次こそは、明スポはボッチャだけと言われないように弱点克服し、〝頂戦〟したいと思います!」


金井明スポB主将

――主将として挑む初の大会でした。

 「1年生の頃からずっと一緒にパラ大学祭に参加してきた果林さんと初めて競い合う形となりました。(経験してみてどうでしたか)特にボッチャの時など『私が指示しなければ』『作戦を考えなければ』と考えすぎたあまりに足が震え、一瞬楽しむことを忘れそうになってしまいました。でも、ふと見上げれば一投球一投球に大盛り上がりする、とっても楽しそうな仲間たちや参加者の皆さんがいました。『楽しむこと、楽しんでもらうことが一番大事だ!』と思ってからは時間があっという間でしたね。あまりプレーで引っ張ることはできませんでしたが、チームの垣根を超えてみんなでたくさん応援し、たくさん笑い、たくさん飛び跳ねた一日でした」


佐藤

――今大会に向けて取り組んできたことを教えてください。

 「日頃から運動不足で、正直トレーニングを積むことはできていませんでした。それでも大会直前には、過去の自分の試合後コメントを読み、あの時の悔しい気持ちを思い出して自分自身を奮わせていたことは事実です」


新谷歩美(政経2=浦和一女子)

――全体的に振り返っていかがですか。

 「結果を見ればやはり悔しいのが本音です。新戦力も増えて気合い十分、優勝を狙いに行きましたがなかなか難しいものだと思わされました」


渡辺

――今の気持ちを教えてください。

 「まずは悔しい気持ちが大きいです。前回大会で3位になっていて、今回は2チームで優勝を狙っていました。特にBチームは活躍していただけに、今回の結果は納得がいかないですね。ですが、今大会も久しぶりにさまざまなパラスポーツをみんなで楽しく体験できて、とても充実した1日を過ごせました」


増田杏(商1=淑徳与野)

――良かった点と反省点を教えてください。

 「実力不足で改善すべき部分は多いのですが、チームの足を引っ張るような大きなミスをしなかったのは良かったと思います。欲を言えば車いすバスケットボールで1点でも得点を決めたかったですね。プレーしていて先輩方といい信頼関係が築けている実感が湧きました」


杉田凜(情コミ1=愛知県立江南)

――今大会に参加した感想をお願いします。

 「パラスポーツは障がいの有無だけでなく、年齢や熟練度関係なく平等に楽しめるスポーツであると価値観が変わりました。日常的にパラスポーツが広まっていくとより豊かな社会になっていくと思います」


菅波陸哉(情コミ1=磐城)

――印象に残ったものはありますか。

 「ボッチャです。会場に来るまでの間にYouTubeで予習してきましたが実際やってみると難しかったです。ただ非常に可能性を感じる競技でもありました。杏林大ボッチャ部に勝ちきれなかったことは非常に悔しかったですが、日本一になるためにはいずれ越えなければいけない相手だと思っているのでいつかリベンジしたいですね」


長崎昇太(商1=日大二)

――今後の意気込みについて何かありますか。

 「今日初めてボッチャをやりましたが、予想以上に難しかったので、来月のボッチャ東京カップ2023までに猛特訓が必要になると思いました。今日の経験をチーム内で共有していきたいです。一戦一戦を全力で戦っていきたいです」