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(6)ルーキー特集⑥/吉川響

競走 2022.04.05

 明大競走部に新たな風が吹く。関東学生対校選手権(通称、関東インカレ)で1部昇格を果たし、3部門それぞれで活躍を見せた昨年度。一方で箱根駅伝は予選会からと、試練も待ち受けている。これからの競走部に欠かせないルーキーたちは、どのような思いで明大の門をたたいたのか。新進気鋭の紫紺15人を紹介する。

 

 第6回は長距離部門・吉川響(文1=世羅)のインタビューです。(この取材は3月9日にオンラインで行われたものです)

 

――世羅高で全国高校駅伝(以下、都大路)連覇を達成されましたが、どのような心境ですか。

 「優勝できたのは本当にうれしかったのですが、2年生と3年生の時は大会新記録を達成できるのではないかというぐらいのチームで挑みました。ただ惜しくも届かず終わってしまったので、大会新記録がいかにすごかったのかというのを感じました」

 

――3年次の都大路では、終盤の苦しい表情の中でも粘りの走りは印象的でした。レースを振り返っていただけますか。

 「走る前日のミーティングで監督からアドバイスの言葉をいただいたりして、自分の中でもある程度のレース展開を予想していたので、そこまで焦りが出ることなく走れたのは自分でも今でも覚えています。追い付かれた分最後は引き離さないといけないなと走っていて思ったので、最後のあえてきついところのラスト2キロでスパートをして少しでも離すようにというのを意識したのを覚えています」

 

――3年次の主将の塩出選手(青学大)とは長い付き合いですが、どんなふうに切磋琢磨(せっさたくま)してきましたか。

 「直接話すとかは正直あまりなかったのですが、どこかでお互いを意識しているのは分かっていて、声を掛け合わない中でもそういうライバル関係があったと思うので、それが今の結果につながっていました。実際、都大路当日に彼が走れないというのを聞いて正直かなり戦力としてはダウンしてしまったので不安もありました。その中で最後の最後までチームをまとめてくれた自分たちの代のキャプテンだったので、キャプテンの分までしっかり走って必ず優勝しようというのが、今回走った7人のメンバーの中で結束されていたのが、(優勝の)大きな要因だったかなと思います」

 

――明大を選んだ理由は何でしょうか。

 「明大を卒業した鎧坂哲哉選手(平24営卒・現旭化成)が世羅高から明大に上がって、明大をすごく強くしてくれた存在だったので憧れを持っていて、やはり鎧坂選手のようになりたいというのもありますし、鎧坂選手の記録を超えたいというのもあります。明大の競走部の練習は自主性を取り入れているというのもお聞きして、世羅高で自主性を取り入れた練習を行って自分もタイムが伸びていったので、こういう練習のやり方が自分には合っているのではないかと思って明大を選択しました」

 

――吉川選手自身が考える強み、長けていることは何でしょうか。

 「自分は結構後輩から話しかけられたりすることが多かったので、相談役みたいなものを結構できるのかなと思いますし、競技では高校や中学の中では確実にメンバーに入らしていただいているので、そういう監督とかコーチとかの信頼とかも高かったのかなと思います」

 

――競技人生の中で大切にしていることはありますか。

 「周りの人に感謝の気持ちを持つというのは本当に大切にしなければいけないなというのをやはり感じています。高校で支えてもらうことの大切さや、自分たちはそれの支えに対して走りで恩返ししなくてはいけないというのを改めて実感することができたので、しっかり大学でもその感謝の気持ちは持っていきたいなと思っています」

 

――4年間での目標はありますか。

 「しっかりと記録を残していきたいというふうに思っていますし、明大の1万メートルの記録を鎧坂選手が27分44秒で持っていたと思うのですが、しっかりそれも超えていきたいなと思っています」

 

――ありがとうございました。

 

[桑原涼也]

 

※写真は本人提供


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