(9)大会後インタビュー④ 中島隼人/全日本学生選手権大学対抗戦
全員で戦い、全員で優勝をつかみ取った。1年間の集大成である全日本学生選手権大学対抗戦(以下、団体戦)。3月12日〜13日に、和歌山セーリングセンターで開催された。日本一の大学を決める今大会で、明大は創部史上初の4連覇を達成。団体戦メンバーとしてレースに出場した5人の選手にインタビューを行った。
第4回は中島隼人(商4=暁星)です。(この取材は3月18日に行われました)
――4連覇を果たしての今の気持ちを教えてください。
「この4連覇は大学1年の時に始まって、そこから自分が4年の代に優勝するということを目標に憧れの先輩を目標に日々練習してきました。それが報われたというのが一番大きくて、今は純粋にとてもうれしいです」
――4連覇に対するプレッシャーはありましたか。
「OBの方も4連覇だから頑張れというのはなかったと思うのですが、現役の自分たちは先輩たちのつないできたバトンを次の代に引き継がなければいけないという思いがありました。特に自分たち4年生はその思いがあったので、そういう部分ではかなりプレッシャーがありました」
――大会に向けてどのような練習に力を入れてきましたか。
「団体戦ということで、チームでまとまって戦略的に走ること、1人がかなり走るというよりも、チームとして結果を出すという練習をかなりしてきました」
――延期の影響はありましたか。
「4年生の自分としては、引退として決まっていたラインがどんどん延びていってしまったので、少しモチベーションを維持するところで、難しいところがありました。しかし、3年生の田中(翔・政経3=駒場)やメンバーにならなかった選手がその2週間でとても成長しました。そこでの底上げが、チームを最終的に押し上げたと思います。そういう意味では、いい2週間だったのではないかなと振り返って思います」
――5人全員が出場しました。
「今年は、始まる前から3人目がかなり重要と思っていました。3人目の候補となる選手の風域がかなりばらばらだったので、主将の三浦はかなり選ぶのが難しかったと思います。その中で、1番ベストな人選ができて、選ばれた人がしっかり走れたことが、優勝につながったなと思います。そういう意味で、今までのどの年よりも総力戦だったと振り返って思います」
――初日の走りを見て、いかがでしたか。
「初日は風がなくて、1レースしかできませんでしたが、明治の順位としては、6位となり、良くありませんでした。少しメンバーも不安な要素もあったのですが、次の日の風の予報などを見て、明日4レースやれば確実に逆転できるなとメンバーは感じていました。そのため、逆に1日目が終わった時点で、落ち込んでいるとかではなくて、明日6位から逆転した方がかっこいいよねと、雰囲気的には落ちておらず、むしろ2日目の大逆転につながったというイメージです」
――出場した5レース目を振り返っていかがですか。
「他の2人が確実に前を走ってくれると思っていたので、自分の役目は2位だった関東学大との差を少しでも縮ませないところだと思っていました。そのため、自分が圧倒的に走るというよりは、少し沖に行って、関東学大の3人目を抑えるような走りになりましたが、最終的には3人目を抑えることができて、チームのポイントも維持できたので、自分の役割は果たせたかなと思っています」
――4年間の最後のレースを終えていかがですか。
「フィニッシュした後に、自分は涙があふれてしまって、最後の下っているときに、4年間の思い、仲間に応援された思い出、みんなの顔などが浮かんできて、本当に充実した4年間だったなという思いでした。最後フィニッシュすることができたので、悔いの残らないラストレースになって良かったなと心から思っています」
――ありがとうございました。
[金井遥香]
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