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(25)北京パラ直前企画 競技ガイド/バイアスロン

明大スポーツ新聞 2022.03.02

 普段は体育会を取材する明スポが3月4日から開幕する北京パラリンピックに注目!大会開幕に合わせ、全6競技の説明や見どころを紹介する。こちらのガイドをお供にぜひパラリンピック観戦を!

 

走る〝動〟と撃つ〝静〟

バイアスロンとは

 ノルディックスキーにおいて、クロスカントリースキー(以下、クロカン)と対をなす競技がバイアスロンだ。バイアスロンは、クロカンのフリー走法と射撃を組み合わせたもので、選手は走って撃つ動作を繰り返す。速く走るスキー技術と止まって正確に的を撃つ射撃技術の両方が要求される。一つの競技の中で「動」と「静」という正反対の競技スタイルを見ることができる。

 

 クロカンと同様に選手は立位、座位、視覚障害の三つのカテゴリー分けられ、男女別に各カテゴリーで競う。順位は、実走タイムに障害の程度に応じて設定されている係数を掛けた計算タイムで決まっていく。距離別にショート(6キロ)、ミドル(10キロ)、ロング(12.5キロ)の三種目があり、距離に応じて射撃数も異なる。射撃は全て伏射で、立位と座位の選手はエアライフル、視覚障害の選手は音で10メートル先の的の位置が分かるビームライフルを使用する。射撃を外した回数だけペナルティーがあるため、選手たちは満射を狙う。

 

 技術に加えて、スキーの持久力と射撃の集中力が求められる過酷な競技である。

 

注目選手

 バイアスロンには日本から、LW6クラスの阿部友里香(日立ソリューションズ)、LW8クラスの佐藤圭一(セールスフォース・ジャパン)、LW6クラスの出来島桃子(新潟県新発田市役所)の3人が出場する。3人とも上肢障害があり、立位でスキーをする選手だ。

 

 今大会で3大会連続出場となる阿部。初出場を果たしたソチパラリンピックを目指したのは中学3年生の時だった。だが卒業式前日の2011年3月11日に地元・岩手県山田町で被災。家族は全員無事だったものの自宅を失った。そんな中でもスキーへの情熱は衰えず、強豪・盛岡南高に進学。猛練習でソチ代表をつかみ、その後も成長を続けている。東北出身の次世代エースは、今大会でどのような戦いを繰り広げるのか。 

 

 佐藤は冬のパラリンピックに4大会連続で出場。トライアスロンで夏のリオデジャネイロ大会にも出場するなど、夏と冬の二刀流パラアスリートだ。東京パラリンピックを目指していたおととし、自転車の練習中に肩の骨を折る大ケガを負った。今のコンディションは「違和感はまだあるが、80%くらいのところまで体は仕上がっている」と語る。その上で「射撃をしっかり当てて、メダルを目指したい」と意気込んだ。

 

 2006年のトリノ大会から5大会連続の出場となる出来島は、47歳のベテラン。前回の平昌大会ではクロカンの混合10キロリレーに出場し、日本チームの4位入賞に貢献した。昨年は東京五輪の聖火ランナーも務め、今は市役所職員の仕事と競技の練習を両立させる生活を送る毎日。北京については「目標は入賞だが、一つでも高い順位になれるように頑張りたい」と気合十分だ。


  バイアスロンは開会式翌日の5日から競技が始まっていく。選手たちの戦いから目が離せない。
 

[渡辺悠志郎]

 

※写真/PARAPHOTO・8bitNews/佐々木 延江・井上香澄


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