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呪いの言葉

明大スポーツ新聞 2022.02.02

 菊地の記事は面白くないね。5月の中旬だろうか。一度送った記事の添削に青い字で書いてあった。続きには「もっといろいろな表現を使ってみよう」と書いてあり、表現の参考にすべき先輩の名前が羅列してあった。

 記事が面白くないとは、どういうことなのだろうか。自分が主に書いているのはWEBの観戦記事だ。紙面の記事や、コラムでもない。その日の試合の顛末を端的に伝えることに徹した方が読みやすいのではないか。大体毎試合毎試合面白さを求めて書いていては疲れるし、狙いに行っているようにも見えてしまう。自分の担当部の都合上、取材や記事の作成が多いので、機械的になってしまっていることは否めない。しかし、「面白い記事って、何?」。普段は作業的に直すだけの青色の文章が、酷く心に引っかかった。

 自分の記事は、面白くない。何となくそう思いながら半年以上過ごしてきた。代交代も見えてきたし、周りを見れば次のステップに向けて進み出している人たちばかり。それなのに自分は、一番初歩的な記事の書き方で悩んでいる。これがまた自分を焦らせている。この1年間、自分は現地取材がメインであり、記事はその成果物のはずだ。目に見える結果のはずだ。それが「面白くない」。このしこりはいつになったら取れるのだろうか。

 結局、分からないまま新年を迎えた。解決方法も分からなければ、あの1文を忘れることもできない。来年度も、取材に行って記事を書く度に、呪いの言葉と戦っていくことになるのだろう。

 余談だが、「いろいろな表現を使ってみよう」と言うのなら、「面白くない」ももう少しマイルドな表現にしてほしかったと思っている。あ、愚痴じゃないですよ?あくまで改善点を述べただけですので。


[菊地秋斗] (執筆日:1月9日)


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