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ラグビーまみれの1年

明大スポーツ新聞 2022.02.02

 元日、私は八幡山グラウンドにいた。初詣に行くよりも先に。これが2年目の正月取材だった。思えばクリスマスも八幡山にいた。まあクリスマスに過ごす相手はいないが(泣)

 今年度の明大ラグビー部は年越しさえも危ないのではと思われていた。関東大学対抗戦の中盤こそ昨年度苦戦した筑波大戦、慶大戦と快勝。これはもしやいけるのでは。だが期待はここまでだった。帝京大戦、早大戦で敗戦。いずれも7点しか取れず。ゴール前でミスが連発する試合にいらだち、失望した。頑張って新聞も作ったのに。その結果、全国大学選手権(以下、選手権)も死のロード。年内終戦が現実味を帯び早くも来年度どうしようかなと考える自分がいた。

 だが、迎えた選手権で明大は私の予想を覆した。初戦、昨年度王者天理大戦に勝利。久々の勝利にまずは安堵(あんど)した。そして迎えた明早戦。カメラを片手に初めて秩父宮のピッチに立つ。試合は前半リードされるも後半に逆転。最後の5分は緊張感でカメラを構えるのを忘れた。興奮で震える手を抑えて選手たちの歓喜をカメラに収める。グラウンドレベルで見た選手の気迫、そして試合後の涙を見て私は人生で初めてスポーツで泣きそうになった。

 昨年度のチームはそこまで思い入れがなかった。取材も少なかったし何より秋入部の私にとっては急だった。そのため正月取材は面倒だった。ただ今年度は春からじっくり取材を重ねた。そして何より選手権で感じた興奮。正月の取材はあまり苦痛に感じなかった。

 決勝で惜しくも帝京大に敗れ準優勝。ただ選手たちの姿に感動を覚えた。年越しさえも危ぶまれたチームが成長し決勝まで来たことに心の底からすごいと思った。だからこそ来年こそは優勝してほしい。そして国立のピッチで歓喜とうれし涙を流す選手を写真に収めてみたい。


[牛嶋淳太郎](執筆日:1月9日)


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