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大人の階段

明大スポーツ新聞 2022.01.12

 「彼女できた?」や、「彼女いるの?」など、大学生になってからこの類いの質問は耳が腐るほど聞いてきた。僕の答えはいつも決まって「いや、いないよ(笑)」。そもそも自分は好きな人ができたことがあるのか。そのような疑問を感じざるを得ない出来事があった。

 それは部室掃除を行っていた時であった。謎のビンゴマシンが見つかり、せっかくだからやってみようという話に。その際に自分の番号を決めるのだが「過去の好きな人で番号付けよう」となった。例えば、ナコさんなら75番、ナオさんなら70番。こんなにきれいにはまらないので当て付けのように決めた。一緒にやっていた先輩は淡々と数字を決めていたのだが、自分は過去をいくら掘り返っても頭に誰も浮かんでこない。焦ったあげくTWICEのミナと言って、37番を自分の番号にした。

 今まで生きてきた中で好きな人がいないというのは大した問題ではなかった。今振り返ると修学旅行の恋バナでは自分はとてもつまらないことを言っていたのかもしれないが。しかし、大学生になるとそれは大きな問題となった。周りは当たり前のように付き合って、大人の階段を登り始めているのだ。その中で自分は付き合うどころか好きな人すら記憶にない。この話を友人にすると「まだ子供なんだよ」と一蹴される。

 物事は何事も自分なりのペースで。とはよく聞くものの、やはり焦る気持ちはもちろんある。しかし、僕は身体の成長が人よりも遅かった。心の成長も人より遅いだけだと割り切って、自分なりのペースで、まずは人を好きになってみよう。

 [中村謙吾](執筆日:12月13日)


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