
#NoBagForMe
コンビニでアルバイト中、生理用品がレジに並んだ時は当たり前のように茶色の紙袋に入れてお渡しする。本当に隠す必要はあるのかと思いながらも「生理は隠すもの」。そんなふうに生理の話をタブー視する文化に、謎が深まっていく。
中学時代の思い出はただ一つ。「生理に苦しめられた3年間だった」。コミュニケーションに難があった当時、学校にも家の中にも自分の居場所はなかった。生理は4カ月以上も来ず、いざ来るとあまりの鈍痛に何度も死んでしまいたくなった。だけど、相談できる人もいない。やっと手に入れたスマホで、助けを求めた検索エンジンに表示された言葉は「体が未熟なうちは、生理が異常なことがよくあります」。つまり、今は諦めろというのか。私は、この痛みから救ってほしかっただけなのに。
大学生になっても状況は改善しなかった。さすがにもう病院に行っても許されるのではと、電車に乗って、あえて遠くの婦人科へ。恐る恐る説明し、低用量ピルを処方してもらった。説明書には「月経困難症の方へ」という言葉。私のこの苦しみに、ついに名前が付いたんだ。この痛みは、当たり前じゃなかったんだ。やっと解放された気がして、帰りの電車の中で涙ぐんだ。
「私の体はおかしい」と、もっと早く気が付いていたら……。生理は成長の過程で訪れる生理現象であり、決して忌むべきものではない。症状の程度は人それぞれだが、異常な生理を放置すると病気や不妊症につながってしまう。本人も、その周囲ももっと知識を蓄えるべきだ。なのに、いまだにその話題には「言いにくさ」「理解されにくさ」が付きまとう。長年染み付いた「隠す文化」を突然オープンにするのはとても難しいことだが、もしあなたがそのような相談を受けたら、決して否定せず、親身になって寄り添ってあげてほしい。
[金井遥香] (執筆日:12月12日)
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