(114)箱根駅伝事後インタビュー⑫/山本佑樹駅伝監督

競走
2022.01.06

 箱根駅伝(以下、箱根)は、残酷だ。わずか26秒に泣きシード権を落とした昨年度。再起を誓って臨んだ今大会だったが、結果は総合14位。またも箱根は明大の前に立ちはだかった。

 

 今回は山本佑樹駅伝監督のインタビューです。(この取材は1月4日に電話で行われたものです)

 

――2日間を振り返っていかがでしょうか。

 「本当に5位目標で、シードは絶対取りたいという気持ちがあったので、2年連続こういう形になって悔しいなというのが感想です」

 

――負けた要因はどのように感じていますか。

 「1、2、3区が流れに乗れなかったというのはあります。また鈴木聖人(政経4=水城)駅伝主将のところが一番分かりやすいんですけど、前半抑え過ぎたのが作戦ミスというか、やはり駅伝は相手がいるので前半からハイペースで行って後半粘らなければいけないというのがあります。その辺で前半から行き切れなかったのが続いたかなとは思いますね。手嶋(杏丞・情コミ4=宮崎日大)はラストのところなんですけど、やはり2、3区はそんな感じです」

 

――昨年度と同様1区で苦しみましたがいかがでしたか。

 「そうですね。今回の箱根を通して、箱根の1区をしっかり走れるような専門的な選手を育てていかないといけないなとは感じました。力がある手嶋でいきましたが、タイムだけではない難しさも感じましたし、より強さというのが必要になると思いました」

 

――鈴木選手が駅伝で外すのは珍しいですが、監督車から見ていていかがでしたか。

 「いつもと比べると不安なところはあったと思うんですけど、やはり最初落ち着いて入って、そこからなかなか上がり切らなかったという印象です。彼自身久しぶりの前半区間を走るということで、全日本大学駅伝であったり、駅伝でそういったところを経験させておけば、また違った結果になったかなと思います」

 

――小澤(大輝・政経3=韮山)選手に来年度主将として期待することはありますか。

 「例年だと各学年で話し合いをして、主将を誰にしますとこちらに挙げてくる感じです。ただ昨日レースが終わって寮に戻ってミーティングをして、僕が話をしている中で彼を主将にするというので指名をしました。彼は本当にストイックで自分にも厳しく、他人にも厳しくことができる選手です。そういった意味で周りを巻き込んで強いチームになるには、というところの、普段の私生活から落とし込みをして引っ張ってほしいなとは思います」

 

――7区の富田選手(峻平・営3=八千代松蔭)は結果的に区間2位で良かったと思いますが、監督から見て走りはいかがでしたか。

 「彼はポテンシャルがすごく高いので、どちらかというと自分自身をコントロールするメンタルの部分で昨年度の9区とかちょっと結果が振るわない部分がありました。その部分をこの1年やってきて今回一本、形としてできたというのは彼にとってはすごいプラスになるかなと。タイプ的に阿部(弘輝・令2政経卒・現住友電工)と似ているイメージが強かったので7区の小刻みに上ったり下ったりするのが合うかなと思い、そこははまったかなと思います」

 

――昨年度は区間上位を前半走っていながら、最後粘れませんでしたが、今年度はずっと区間上位で走り切ったのは成長と感じますか。

 「そうですね。そこは成長が感じられましたし、本当に襷をもらうときにあいつが大声出して杉本(龍陽・政経3=札幌日大)を呼んでいたのが今まででは見られない光景でした。彼のやってやるぞという気持ちが表れていたので、彼自身も変われたというかそういったものがあったんじゃないかなと思います」

 

――橋本(大輝・営4=須磨学園)選手についてお伺いしたいのですが、最後すばらしい走りだったと思います。監督から見ていかがでしたか。

 「もう本当に彼の良さが全部出た走りだったかなと。前半からペースを刻んで、選手を追いかけながらトータル23キロをまとめたという部分では、本当に彼の4年間の集大成というか全てが出たレースだったと思います。非常に後ろから見ていて、たくましくなったなと思いながら見ていましたね」

 

――来季の注目選手を挙げるとしたら、1、2、3年生出走した選手関係なく誰が挙がりますか。

 「新4年生になる小澤、櫛田(佳希・政経3=学法石川)というのはやはり主力になると思うので、当然彼らには期待しています。もちろんその下の児玉(真輝・文2=鎌倉学園)がまた悔しい思いをしてどれだけ力をつけるかというのもありますし、あとはポイントとなってくるのは新3年生の杉(彩文海・文2=鳥栖工)とか高校時代結果を出した城戸(洸輝・情コミ2=宮崎日大)とかです。あとは新2年生の尾﨑(健斗・商1=浜松商)ですね。やはり誰が見てもロードで活躍してくれるだろうという選手を、この1年できちんと成長させることができれば、チームに厚みも出ますし、チームとして充実した1年を過ごしたということになると思います。今挙げた選手には、ちょっと数が多くなりましたけど、頑張ってほしいなと思います」

 

――最後応援してくれたファンと言いますか、明大関係者の方に向けて一言お願い致します。

 「本当にたくさん応援いただいて、そういった中で結果が出せなかったというのは非常に残念ではあります。また1年、学生は頑張ると思うので、また変わらず応援を頂きたいというのと、本当に来年度は期待に添える結果を出したいと思うので、本当に強い気持ちを持って頑張っていきます」

 

――ありがとうございました。

 

[入野祐太]