(103)箱根駅伝事後インタビュー①/鈴木聖人駅伝主将

競走
2022.01.03

 箱根駅伝(以下、箱根)は、残酷だ。わずか26秒に泣きシード権を落とした昨年度。再起を誓って臨んだ今大会だったが、結果は総合14位。またも箱根は明大の前に立ちはだかった。今回は、悔しさをにじませる選手たちのコメントをお届けする。

 

今回は2区を走った鈴木聖人駅伝主将(政経4=水城)のインタビューです。(この取材は1月2日に電話で行われたものです)

 

――率直な感想をお聞かせください。

「手嶋(杏丞・情コミ4=宮崎日大)が流れを崩さずに持ってきてくれて、自分もその流れを落とさないでキープして少しでも前で見える位置で渡そうと思ってスタートしました。最初の10キロまで他校のエースたちは突っ込む走りをしてきてハイペースになるのは分かっていました。自分の今の力だとハイペースで突っ込むと2回ある上りを登り切れないと思っていて、自分のペースで刻んで上りでそれを崩さずに刻んでいけば突っ込んだ選手やきつくなった選手が離れて落ちてくるのを食っていこうと思っていました。そのような頭の中で走っていましたが、箱根の2区はそんなに甘くなくて、突っ込んでからの粘りが2区の選手たちの走りでした。自分の考えの甘さと自分の力のなさを改めて感じました」

 

――監督車から言われたことで印象に残っている言葉はありますか。

「前半は自分の走りを後ろから『OKだよ。お前の強さは上りだからこのペースで刻んで、前半突っ込んでいる選手が多いから、後半落ちてくるからそこをお前が上りでどんどん詰めていこう』と言われていました。前半抑えたのにそんなに後半上がっていなくて、残り5キロになっても区間下位の方で走っていて監督から『4年間の最後が区間15番で終わるわけにはいかないから最後5キロ上りとか気にしないでとりあえず30〜40秒縮めれば区間10番まで上がるからとりあえず考えずに飛ばせ』と言われたのはすごく印象的でした。自分もそれは分かっていたので、刺さったというか、やらないといけないなって思っていましたが、どうしても力がなかったというか、自分の弱さが出てしまったと思います」

 

――この区間順位はどう受け止めていますか。

「2区は区間順位よりタイムが大事だと思っていました。1時間7分30秒で15番だったら自分的にはそんなに悪くはないなと思っていましたが、正直1時間9分かかってしまったのが、すごく情けないし、最低でも1時間8分30秒以内でまとめないといけなかったので、本当に最低限のラインもクリアできず、ひどい走りをしてしまったと思っています」

 

――最後の箱根が悔しい結果になりました。

「本当に2区の厳しさを感じ、そして留学生や他大のエースの強さが自分には足りてなかったというのを、感じさせられました。この箱根に向けて努力はしましたし、4年間の中で一番考え出したというか努力した中でこの結果で終わってしまったことの悔しさがあります。やはり練習を一生懸命やったとしても結果が出なかった時は意味がない、評価にならないので、最後4年生として笑顔で襷を渡せなかったのは悔しいです」

 

――3、4、5区はどんな思いで見ていましたか。

「自分も日体大に抜かれてしまったり、早稲田とか神大とかに負けてしまったのですが、児玉(真輝・文2=鎌倉学園)の力があれば見えない距離でもなかったので、2人が活躍していることを願って見ていました。やはり自分が刺激を与える走りができなかったのが児玉の力みにつながってしまいました。小澤(大輝・政経3=韮山)はしっかり順位を上げてくれて本当にチームにプラスになる走りをしてくれて本当に感謝しているんですけれども、昨年度と同様に流れを断ち切ることができなかったのが、分かっていたにもかかわらず同じ流れになってしまった悔しさや申し訳なさがあります。あとは5区を走った下條(乃將・情コミ3=東京実)には本当に悔しい思いをさせてしまったというのがあります。2区を走らせていただいたことは本当にうれしかったですけれども、下條の5区の走りを見ていて、たらればになってしまうんですけれども、これを自分と下條置き換えた時にチームにプラスになる走りをできたのではないかと考えたりしてしまいました。自分が情けないなと感じてしまいました。本当に後悔したくなかったんですけれども、情けないし、後輩に流れをつくれませんでした」

 

――紫紺のユニホームを着る最後の大会でした。

「今回でこのユニホームを着ることができる最後で、その中の23キロと思えば今まできついことがたくさんあったと思ったので、こんなきつさはずっとやってきたことに比べたらきつくないだろうと言い聞かせていました。紫紺を着て後輩たちと走る最後の機会だったにもかかわらず、もっと出し切れるというか、もっと自分を鼓舞できたのではないかと思ってしまう後悔というか、たらればもあります。振り返るとそのような言い訳になってしまうことが多いので、最後の紫紺でいい流れで終えられなかったことが悔しいです」

 

――ありがとうございました。

 

[大橋直輝]