(102)昨年度の雪辱晴らす 2年ぶりシード復権へ/箱根駅伝展望

競走
2022.01.01

 新年の訪れを告げる学生たちの足音が、まもなく大手町に鳴り響く。昨年度の箱根駅伝(以下、箱根)では優勝候補に挙げられながらも11位に沈んだ明大。その悔しさをバネにして、これまで練習に励んできた。その努力の成果が表れたのは今年度の箱根駅伝予選会(以下、予選会)。この大会で堂々の1位通過を果たすと、2週間後に行われた全日本大学駅伝(以下、全日本)ではシード権を獲得した。いよいよ待ちわびた勝負の一戦へ。1年間の集大成を見せつける。

 

 チームの浮沈を担う1区。任されたのは手嶋杏丞(情コミ4=宮崎日大)だ。全日本では1区区間9位と不完全燃焼に終わり、最後の箱根に懸ける思いは強くなっている。「自分の持ち味である積極的な走りで区間賞を取りたい」(手嶋)。エースの走りでチームにいい流れをもたらしたい。

 準エース区間の4区には小澤大輝(政経3=韮山)。1、2年次はケガで苦しむ時期も多かったが、今年度は着実に結果を残してきた。MARCH対抗戦では学内トップの走りを見せるなどチームの主力にまで成長し、指揮官からの期待値も高い。自身初の箱根では区間賞を目標に掲げ、2年間の悔しさをぶつける。

 

 チームの総合力が試される復路。8区は櫛田佳希(政経3=学校法人石川)がエントリー。予選会では個人18位と好走したが、全日本はケガの影響で回避した。得意のアップダウンを生かし、復活をアピールしたいところ。1年次も走った8区でチームの勢いをさらに加速させる。

 そして、アンカーには橋本大輝(営4=須磨学園)。一般入部ながら努力を積み重ね、今年度ついに急成長を果たした。全日本ではエース格の選手がそろう7区で区間4位と好走。最初で最後の箱根は「笑顔でゴールテープを切りたい」(橋本)。チームにシード権をもたらし、有終の美を飾りたい。

 

 その他にも駅伝主将の鈴木聖人(政経4=水城)や予選会日本人2位の加藤大誠(営3=鹿児島実)などエース級の選手は補欠に回っており、当日変更が予想されている。山本佑樹駅伝監督の采配にも注目だ。

 わずか26秒差に泣いた昨年度。悔し涙を嬉し涙に変えるため1年間走り込んできた。今年度手に入れた強さを見せつけ、5位以内でシード権返り咲きへ。歓喜の瞬間は、もう目の前だ。                                                                                           

 

[萩原彩水]

 

箱根駅伝まで、あと1日。