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明大スポーツ新聞 2021.12.15

 学校前の階段を降り、校門の前でタッチパネルに生徒証をかざす。学校の敷地内に足を踏み入れたとき、急に目に止まった。『ワンサ』。「なんだこれ」。率直に疑問を抱いた。その文字はどっしりとした趣でトラックに佇んでいる。見てから数秒後、頭が文字を認識した。『サンワ』。「あっ、なるほど」。謎が解けた私は、すっきりした気持ちで授業の教室へと向かった。

 あの時私がすぐに理解できなかった理由は明白だ。それは文字を左から右に読んだから。通常、横文字は左から右に読む。だが、時にトラックの文字には右から左に読まないと理解できない逆向き表記で書かれているものがある。理由は走行するトラックを進行方向から見たときに読みやすくするため。私が学校でトラックの文字を見たときは、すぐにそのことに気付かなかったので理解が遅れてしまった。

 ある一つの視点から物事を見て意味がわからなくても、違う視点から見てみると意味を理解できることはよくある。これはスポーツにおいても当てはまると思う。例えば選手の一つの行為。試合を見ているときには不可解な行動も、取材をしてその選手のバックグラウンドを知ると理解できることがたくさんある。なぜあのときあんな表情をしていたのか。なぜあの時あのプレーをしようと選択したのか。

 明スポに入って半年以上が経過し、一度で自分が見たものが全てではないことに気が付いた。選手の心情、選手の持つ過去、それを知って初めて理解できることがある。そのことをわかったうえで、選手や競技について発信ができていたらうれしいなと思う、今日この頃だ。


[安室帆海](執筆日:11月17日)


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