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(76)秋季リーグ戦後インタビュー 陶山勇軌

硬式野球 2021.11.14

(この取材は10月30日に行われました)

 

陶山勇軌外野手(商4=常総学院)

――今大会を振り返っていかがですか。

 「自分が打っていれば勝てた試合も何試合もあったので個人的にもチーム的にも悔しいシーズンになったのかなと思います」

 

――今季は春に比べ打率が落ちましたが、ご自身で何が原因だとお考えですか。

 「多少の気負いはあったのでないかと思います。春に首位打者を取って、打撃を期待されているというところからずっと肩の荷が下りない感じがあったので、それで思うような打撃ができなかったのは一つ原因として挙げられるのかなと思います」

 

――精神的に苦しい状態だったのでしょうか。

 「そうですね。打てないとかなり気にしてしまうタイプで。チームスポーツなので周りには見せたくないなと思うのですが、同級生だけでなく1年生にも気を遣われているような感じだったので、情けないなと思いながらやっていました。それでもなかなか気持ちを上げていくのは難しかったですね」

 

――今年度を振り返っていかがですか。

 「4年生での1年間は副主将という立場でやってきて、チームのことも自分のこともいろいろと考えなければいけない中で大変だったなと思います」

 

――4年生はどんな同期でしたか。

 「本当に個性派集団ですね。大人からしたら手の掛かる代なのではないかと本当に思いますね。大変だったと思います。個が強すぎるので、仲は良いのですがなかなかチームとしてまとまっていかないというのはあったので、最後は頑張ろうという気持ちでまとまったので良かったと思います」

 

――この1年間でどういったところが成長したと思いますか。

 「精神的な部分は一番成長できたと思いますね。去年までは今季くらい打てなかったら精神的に潰れて病気になっていてもおかしくなかったと思います。今年は打てても打てなくても、少しは気楽に打席に立てていたのは去年より成長した部分かなと思います」

 

――丸山和郁主将(商4=前橋育英)はどのような存在でしょうか。

 「まず1年生で入ってきた時に同部屋だったのですが、2人とも人見知りで話せないというところから始まりました(笑)丸はU―18で活躍している選手、自分は実績もないような形で入ってきたので、自分の中で『こいつには負けたくない』という気持ちでいて。あいつが2年春にスタメンで出て、日本代表にも選ばれてというところで悔しい思いもありました。本当に『丸に負けたくない』という思いで頑張っていたので、良いライバルでした。丸がいなかったらここまで成長できなかっただろうなと思うくらいの存在なので、本当に感謝しています」

 

――大学野球の4年間を振り返っていかがですか。

 「本当にあっという間でした。4年間で成長できたと思えるところは人間力であったり、技術以外の面だと思います。成長させていただいた首脳陣の方、善波さん(善波達也前監督)もそうですし、田中(武宏)監督にも本当に感謝しなければいけないなと思います」

 

――後輩たちに伝えたいことはございますか。

 「本当に一つで『優勝してくれ』ということです。自分が2年生の時に優勝して、試合にも出させていただいて、良い思い出として残っていますし、あのような良い経験をしてほしいという意味でも優勝してほしいなと思います」

 

――引退されてご家族に連絡はしましたか。

 「神宮に毎週応援しに来てくれているので、最終戦が終わった後に『学生野球はこれで終わりだけどありがとう』と伝えました。(どんな言葉を掛けられましたか)『学生野球4年間楽しませてもらってありがとう』と言われました」

 

――次の舞台は社会人野球です。プロへの思いはございますか。

 「まず自分の足りていない部分、なぜプロに行けなかったのかというところは理解しているつもりなので、自分の魅力である足という長所を伸ばしつつ、体型などの短所を克服することを重点的にやっていきたいです。正直3年生くらいまでは、この結果ではプロは難しいと思っていて誰にも言えなかった部分があったのですが、スカウトの方から声を掛けていただく機会が度々あったり、丸が指名されたということもあってプロを意識するようになりました。もっと『プロに行きたい』と口に出して言えるようになったらいいのかなと思います」

 

――退寮したら何をしたいですか。

 「とりあえず一番は母親のご飯が食べたいですね。本当においしいので、まずはそこです。コロナも少しは落ち着いてきたので多少旅行などに友達と行きたいなと思います」

 

――最後に明大への感謝の気持ちと今後に向けての意気込みをお願いします。

 「明大に入っていなかったらここまで本気で野球をやっているかわからなかったので、まず本気で野球をやらせていただいたこの環境には感謝しかないです。社会人になってからは2年でプロに行くことを一番に考えてやっていきたいなと思います。プロ野球に行くためには即戦力として使われる実力がないといけませんし、ドラフト上位を狙えるような実力をつけるためにも、この2年間は今まで以上の覚悟を持ってがむしゃらに頑張りたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[加川遥稀]



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