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出産拒否

明大スポーツ新聞 2021.11.10

 少子化の話をしていた途中「私は子供を産まないと思います」と言ってしまった。お年寄りが私に理由を聞いて、私は「今の社会では、子供を産んで幸せに生きていけるか分からないからです」と答えた。

 私も家庭を築き、子供を産みたくないわけではない。しかし、今の社会はその幸せを容易には許さない。育児は時間を投資することである。おむつを取り替え、泣く子をあやす。寝かせるには、誰かがそばにいなければならない。これは、単に数日間やることではなく、数年間続けなければならない仕事である。当然、自分の夢はしばらく譲らなければならない。この犠牲は、これまで女性が自然に担当してきたのだ。

 誰かの犠牲がなければ、子供を育てるのは容易なことではない。私は養育を理由に誰かが仕事を辞めなければならない状況を強要したくもないし、迫られたくもない。近の親たちは金を与えて育児を代わりにやってくれる施設や人を探す。子供たちが保育園や幼稚園などを転々としなければならない理由がここにある。親は子供を預けるお金を稼ぐためにもっと熱心に働かなければならず、子供と一緒にいる時間がどんどん減っていく。親も不幸で子供も不幸になる悪循環だ。だからといって、福祉が増えるわけでもない。口先だけの出産奨励に腹を立てるしかない。

 男性はお金を稼ぎ、女性は育児を担当するのが一般的な家庭の姿だと考えられる。時代が変わったとしても、出産によって女性が仕事を諦めることは少なくない。私はこの不平等な状況に置かれたくない。口先だけで出産を奨励するのではなく、政府から子どもを育てやすい社会を見せてこそ「出産を拒否する」という人々の心を変化させることができるのではないかと思う。


[ジン セウン](執筆日:10月17日)


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