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言葉選び

明大スポーツ新聞 2021.10.13

 大学生になって初めての夏休み。だらだら過ごしてしまう私だから、何か有意義なことに使いたい。そんな理由で「タイ短期オンライン留学」に申し込んだ。政治経済学部主催のこのプログラム。タイの政治経済について英語で講義を受け、ディスカッションをする。情報コミュニケーション学部1年生の私には難しい部分も多かった。参加者は多様なバックグラウンドを持ち、私のような他学部生もいれば、韓国からの留学生も参加していた。それぞれの立場や知見から新鮮な意見が聞ける貴重な機会であった。

 中でも印象に残っている意見がある。話題は最近報じられているアフガンの政権についてであった。「メディアは『空爆』と報道するが、これは攻撃する立場の言葉であって、攻撃される側からすると『空襲』なのではないだろうか。日本は無意識のうちに攻撃する側に立っているのではないか」という指摘だった。「空爆」と「空襲」の言葉の違いについて調べてみたが、諸説あるものの、定義自体に明確な違いはないようだ。しかし、伝わるニュアンスに違いがあるのは事実である。

 言葉選びが受け取られ方に影響を与える事例は少なくない。炎上事件の後に「そういう意図はなかった」という文言もよく聞く。基本的なことだが、「様々な人の立場に立って考える」ということを忘れてはならない。昨今の炎上事件もその意識に欠けているがゆえのものばかりだ。不特定多数の読者がいる新聞を作るにあたってはより厳しく意識を持たなければならない。誰が読んでも楽しめる新聞のために、改めて言葉選びが大切だと気付かされた出来事だった。


[春木花穂] (執筆日:9月12日)


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