(15)シーズン直前インタビュー 井上千尋

フィギュアスケート
2021.10.06

 昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で大会が中止や無観客開催になるなど、異例のシーズンとなった。なおも続く厳しい状況の中、新たなシーズン開幕を迎える選手たちの思いに迫る。

(この取材は9月17日に行われたものです)

 

第9回は井上千尋(商4=椙山女学院)のインタビューです。

 

――昨シーズンを振り返っていかがでしたか。

 「昨シーズンは本当に思うようにいかなくて、何も納得のいくことができないままシーズンが終わってしまい、悔しい1年だったかなと思います。練習はものすごくしていましたが、ただ練習量だけが増えて追い込むだけ追い込まれてしまって、いい練習ができていなかったことが反省点です」

 

――4年生になって心境の変化などございますか。

 「本当に今年が最後なので、今まで全てをかけてきて、家族にもたくさん迷惑をかけて過ごしてきたので、中途半端に終われないなという気持ちがすごくあります。自分でも後悔しないように、そして今まで支えてくれた人に感謝を伝えられる演技ができたら1番いいなと思っています」

 

――今シーズンはどのようなプログラムで臨みますか。

「S P(ショートプログラム)は『白夜を行く』、F S(フリースケーティング)は『美女と野獣』で滑ります。『白夜を行く』は去年引退された永井優香選手が踊っていたのが素敵で、自分も優香ちゃんみたいに滑れたらいいなと思って選びました。F Sは、結果も大事にしたいですが、4年間の最後なので、楽しく滑れるようにと『美女と野獣』を選びました」

 

――プログラムへのこだわりはありますか。

 「見る人の心に刺さる演技ができたらいいなと思っていたので、魅せ方にこだわりました。衣装も、F Sは『美女と野獣』なので黄色の衣装を着ます。少し恥ずかしかったのですが、せっかくだからしっかり映画に寄せようかなと思って、まねしました」

 

――現段階での仕上がりはいかがですか。

 「2月と5月にケガをしてしまって、半年くらいまともに練習できませんでした。苦しい時間もありましたが、今はやっと戻って来られて、試合に向けていい練習ができているかなと思います」

 

――最近の練習で意識していることは何ですか。

 「1回1回の練習を大切にするということを心がけています。1回の練習に集中して取り組みます。数をたくさんこなすというより、三本跳ぶと決めたらそれだけに集中するという練習をよくします。ジャンプだけとかスピンだけではなくて、つなげていいものにしたいと思っています。だから完成曲かけの練習の時はジャンプなどの技術にこだわりすぎずに、全てが綺麗にできるように、と心掛けています」

 

――ここまでの練習状況はいかがですか。

 「最近はいい練習ができていて技術的にはそんなに問題もなくなってきているかなと感じています。そこから先、あと一歩どれだけ進んでいけるか、あともう一歩乗り越えられるかというところが大切かなと思っています」

 

――ラストシーズンに懸ける思いをお願いします。

 「悔いなく終わることが1番の目標です。そして私はそんなにいい成績を残してきた選手ではなかったのですが、みんなの記憶に残るような、心に刺さるような演技をしたいなと思います」

 

――就活とスケートの両立は難しかったですか。

 「難しかったです。練習しながらの就活だったので慣れなくて大変だったのですが、説明会や面接がオンラインだったところもあったので、急いでスーツに着替えて出掛けなければいけないということはなかったので、そこだけは良かったかなと思います」

 

――スケートから離れているときはどのように過ごされていますか。

 「最近は映画やドラマを見るのにハマっています。ディズニーの映画や韓ドラなどいろいろ見て楽しんでいます」

 

――今シーズンの目標を教えてください。

 「インカレと全日本に出られたらいいなと思っています」

 

――ありがとうございました。

 

[新村百華