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出羽遼太郎 迷わず進む 空手道

空手 2021.09.20

 素早い拳、響く打撃音。正拳に込められたその力は、たゆまぬ鍛錬の証だ。出羽遼太郎(政経2=御殿場西)は、今年度6月の関東学生選手権で全日本出場決定戦まで上り詰めた実力者だ。持ち前の勤勉さと強いフィジカルを武器に、明大空手部を引っ張っていく。

 

挫折から成長

 出羽は小さい頃から「我が道を行くタイプだった」。中学時代は毎日5キロを走り、トレーニングを欠かさない日々を送る。空手に対するその姿勢は当時から真っすぐでストイックそのものだった。締まった雰囲気に圧倒され、地元である山梨県から静岡県の強豪・御殿場西高へ進学。1年次には新人戦で優勝を収め、成長の芽を見せる。2年次になると、ひたむきに練習をする姿勢が評価され、主将に抜てきされた。

 今まで自分だけを見て歩んできた空手の道。だが、主将となって求められたのは、部の統率と自己管理の両立だった。50人近くの部員を一つにまとめつつ、自分の実力を高めることは非常に難しい課題となった。特に、寮生活で他の部員との衝突は「人生における挫折だった」。しかし、その経験から来た学びは大きかった。「周りを見渡すこと」が道を開いた。高校3年次の団体戦では、チームでの一人一人の役割を深く理解。個人の成績も、インターハイ3位に輝いた。主将の経験を通して人間としても成長を遂げた。

 

憧れの存在

 憧れの先輩・田村仁(令和3法卒)が彼のポテンシャルを爆発させる。田村とは同じ道場で育った。強く意識し始めたのは、兄の全国選抜の応援を見に行った時だった。当時、主将としてチームを引っ張る田村の姿に憧れを抱く。高校ではその憧れから日々努力を重ねたことで、田村と同じ主将となる。さらに尊敬する先輩の後を追って同じく明大への進学を決意した。しかし予想外のことが起きてしまう。新型コロナウイルスの影響を受け、練習が大幅に制限されたのだ。組手の対面練習が禁止され、憧れの先輩との練習はほとんどできなかった。それでも「できることはある」。憧れを糧に、筋力トレーニングに専念し、歩みを止めなかった。

 

揺るがない信念 

 「迷わないこと」。出羽の現在の課題だ。自分の組手スタイルを明確にすることを意識して一戦一戦挑む。今年度6月に行われた関東学生選手権。入学後2度目の大会は「久しぶりに納得のいく試合だった」。自分の出方をその場の感覚ではなく事前に決める。単純だがこれが進歩へのカギとなる。空手と共にしてきた人生。これからもその道を迷うことなく突き進む。


[藤井直也]

 

◆出羽 遼太郎(でわ・りょうたろう)政経2、御殿場西高。趣味は筋トレ。始めたきっかけは「格好良い男になるため」。175センチ・71キロ

 


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