新井晴文 オールラウンダーを目指す道の途中

競走
2021.09.17

 紫紺の未来を担う新戦力・新井晴文(法1=国学院久我山)。自身の持ち味であるスピードを武器に、中距離からハーフまで通用するオールラウンダーを目指す。ポジティブに、そして真面目に陸上と向き合うランナーは、明大でさらなる飛躍を誓う。

 

陸上競技との出会い

 小学校のマラソン大会では負けなし。「自分がよりできるものをやりたい」と陸上を始めた。中学校では部活に入らずクラブチームに所属。クラブがない日にも自主的に練習に励む姿は、まさに真剣そのもの。高校はより高いレベルを追い求めて、全国高校駅伝に過去23回の出場を誇る東京都の強豪・国学院久我山高に進学した。

 

前向きに走り続ける

 高校3年生の春、新型コロナウイルスが猛威を振るい始め、多くの試合が中止となった。しかし気持ちが切れたことはない。「試合があると調整などもあり、なかなか練習ばかりというわけにはいかない」。試合がないことをプラスに捉え、継続した走り込みを行い、足づくりに励んだ。また休校期間は空いた時間を利用して1部練習を2部練習に。「いつもの春以上に練習する」と意気込み、自分でメニューを組み立て練習した。

 その自粛期間の取り組みは秋に結果となって表れる。高校3年生になって初めての試合では5000メートルの自己ベストを更新。14分11秒という予想以上のタイムには「自分でもびっくりした」。新井にとってコロナはマイナスのことばかりではなかった。前向きな姿勢がさらなる飛躍へとつながった。

 

オールラウンダーに

 大学入学後も順調に成長を続けている。今年の関東学生対校選手権とU―20日本選手権は得意とする1500メートルで出場した。しかし「大学は高校と全然違う」。どちらも予選敗退という悔しい結果に。それでも山本佑樹駅伝監督から「大学生のスピードや実力を実感する一つの経験」と言われたことで、しっかりと受け止めることができた。今後はラストの切れ味を磨き、勝負できる力を身に付ける。さらには箱根駅伝への出場も視野に入れる。「夏合宿は冬に向けてのアピールポイントであるから、しっかりと乗り越えたい」。大学4年間での目標は日本選手権の1500メートルで優勝し、箱根駅伝で区間賞を取ること。速いだけではなく勝負強い選手へ。常に前だけを見てこれからも走り続ける。

 

[萩原彩水]

 

新井 晴文(あらい・はるふみ)法1、国学院久我山高。最近はワン・ダイレクションの曲をよく聴いている。175センチ・60キロ。