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深尾徹 明治に懸ける大学日本一への道

アメリカンフットボール 2021.09.17

 関西から明大に頼もしい即戦力ルーキーが加入した。LB#52深尾徹(政経1=啓明学院)は徹底的な情報収集と分析で培われた正確なプレーを武器に、今シーズン初戦の慶応戦に早くも抜てき。鉄壁のディフェンスでグリフィンズを悲願の甲子園ボウル優勝に導く。

 

失敗と試行錯誤の先に

 高校時代は多くの壁にぶつかった。忘れもしない高校1年次の秋季大会兵庫県予選準決勝。全国大会への出場と3年生の引退が懸かった大事な試合でLBを任された。だが、1年生には背負い切れない重圧と責任感にのまれ、自身のミスでTD(タッチダウン)を許す。関学大高の前に16-20で敗北を喫し、全国大会への切符を逃した。  

 高校2年次には、先輩の早期引退によりチームが深刻な経験不足に陥る。しかし、この危機が競技者としての意識を変える転換点となった。「先輩が抜けたことで自分がやらなくてはという気持ちが芽生えた」と自分から情報を集め、大学生のプレーを研究するなど、アメフトに取り組む姿勢を一新。愚直な探求心という強みが彼を飛躍させた。秋の全国大会では、初戦、2回戦と深尾ら守備陣の活躍もあり、それぞれ7-6、15-13の僅差で勝ち進む。準々決勝で優勝校の立命館宇治高に敗れたものの、全国ベスト8に輝いた。

 

 幾つもの壁を乗り越え、迎えた集大成の最終学年はまたも困難の連続だった。コロナ禍により春季大会が中止に。仲間とも会えず、まともな練習もできない。また、貴重な実戦の場を失いチームがうまくまとまらない。それでも主将としてできることを模索し、過去のプレーを振り返ったり動画を見て新しい技術を蓄え、練習の質を向上させた。最後の秋季大会は全国ベスト16止まり。満足な結果を残すことはできなかったものの、コロナ禍という厳しい状況に立たされたチームを先頭で引っ張り続けた経験が、彼自身を成長させた。

 

さらなる成長のために

 啓明学院高では継続校推薦によって関学大に進学するのが一般的。しかし「自分にとって関西はやりやすい環境ではあるが、それでも高校時代1回も勝てなかった関学大に進学するのは悔しい」と、自身の成長のため、あえて親元を離れ、明大に進学することを決意。今春グリフィンズの門をたたくと、大事なシーズン初戦、第3Qに、早速出番は回ってくる。個人のスキルや体の強度はまだ大学レベルの選手とは差があることを肌で感じたが、チームプレーによってその差を埋め、攻撃を止められたことに確かな手応えをつかんだ。

 

 深尾が目標として掲げるのは甲子園ボウルでの優勝。〝西の絶対王者〟関学大ではなく、明大で成し遂げるからこそ得られるものがあると信じて、チームと共に一歩一歩成長を続ける。集大成の4年間を全力で駆け抜けたその先に、打倒関学大、そして明大の日本一という青写真が描かれていく。


[澤尚希]

 

◆深尾 徹(ふかお・あきら)政経1、啓明学院高。趣味は何も考えずごろごろすること。167センチ・84キロ


(写真は本人提供)


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