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(33)千葉汐凱 悔しさを力に変えて 憧れの舞台で誓う成長

硬式野球 2021.09.15

 伸びのある直球で打者を翻弄(ほんろう)するのは千葉汐凱投手(営1=千葉黎明)。今春フレッシュトーナメントで初出場を果たしたサウスポーは、さらなる進化を求める。憧れの舞台で憧れの背中に追いつくため、激しい投手陣の争いに果敢に挑戦する。

 

悔しさの向こう

 誰よりも、1球の重みを、痛いほど味わってきた。年の離れた2人の兄を持つ千葉。歩くのもおぼつかない頃から、手にはボールが握られていた。兄の姿に憧れ、幼稚園の頃から本格的に野球を始めた。「千葉県選抜に入りたい」。憧れを叶えるため、硬式野球には進まず、公立での軟式野球を選択。見事選ばれた千葉県選抜では、全国優勝の栄冠をつかみ、充実した中学時代を過ごした。高校は悩んだ末、千葉黎明高へ。そんな高校時代、千葉は転機を迎える。2年秋の県大会、相手は名門・習志野高。8回までを順調に抑えていた千葉は、勝利を目前にして、かつての千葉県選抜のチームメイトに適時打を浴び、敗戦。「何かを変えなければ」。そこからの千葉は変わった。春に向け、今一度気を引き締めて練習をした。迎えた独自大会、八千代松陰高との試合。この試合は、千葉にとって忘れることのできない一戦となった。9回まで3点をリードし、先頭を抑えた。「これで勝った」。そんな千葉のわずかな心のほころびを、勝利の女神は見逃さなかった。満塁のピンチを招くと、左翼線に飛んだ打球は無情にもスタンドへ。練習で心掛けていた気持ちの部分で緩みが出た自分が悔しかった。もう悔しい思いをしない。苦しい思い出は成長への糧になっている。〝全力投球〟そうしたためた文字に、千葉の決意が見える。

 

追い続ける背中

 憧れはいつしか原動力となった。千葉には高校時代からずっと追いかけている背中がある。渡部翔太郎投手(総合3=千葉黎明)だ。初めてその姿を見た千葉は、「この人には追い付けない」。その練習量とエースとしての実力に、衝撃を受けた。「お前も明治に来いよ」。先に明大へ進学していた渡部の誘いもあり、明大へ進学。「全部で成長が必要」。そう語った千葉の次なる目標は秋季リーグ戦への出場。レベルの高い選手に囲まれ、どう目立てるか。必死でもがいている最中だ。しかしそんな千葉の前には、いつだって大きな道しるべがある。追いかけて追いかけて、いつか追いかけられる存在になってみせる。


[栗村咲良]

 

◆千葉 汐凱(ちば・ゆうが)営1、千葉黎明、177センチ、81キロ、左投左打ち、投手 

千葉には試合前に必ず聴く〝勝負曲〟がある。SPYAIRの「STRONG」だ。特に響く歌詞は「ドシャブリの今日を信じるんだMy self」。


※写真は硬式野球部提供


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