平松克樹 明大を担う司令塔へ

バスケットボール(男子)
2021.09.13

 明大に期待の司令塔がやってきた。バスケットボールにおいて、ポイントガードは〝司令塔〟と呼ばれ、試合をコントロールする役割を持つ。3Pとドライブを武器とする平松克樹(情コミ1=福岡大大濠)のプレーはまさしくコート内の監督だ

 

貴重な経験

 5歳からバスケを始めた平松。中学3年次には全国優勝、アンダーカテゴリでのプレーを経験する。〝敵ながらもあっぱれ〟。中学時代から対戦し、憧れていた土屋大輝(早大)を追いかけ、全国屈指の強豪校・福岡大大濠高へと進学した。「挫折はほとんどしていない」。順調にキャリアを重ね、高校2年次のウィンターカップ決勝戦では、2年生としてただ1人、最後までコートに立ち続けた。この貴重な経験を糧に、キャプテンとしての高校最後の1年が幕を開ける。

 

最後の1年

 「一つ一つの試合で勝ちへの貪欲さを追求してきた」。強豪校のキャプテンとしての覚悟を決めた。すべては前年果たせなかった優勝という結果で先輩に恩返しをするため。平松が追い求める目標は大きい。

期待に胸を躍らせ、新チームが始動するもつかの間、コロナ禍で活動停止。さらに追い打ちをかけるようにインターハイ中止が知らされる。それでも決して下を向くことはなかった。「大会があるかないかに関係なくバスケができることに感謝していた」。感謝することを忘れず、自分で考えて行動に移す。その日々の積み重ねが平松を成長させてきた。

 そして迎えたウィンターカップの結果は、ベスト16止まり。65-94で東山高に敗北を喫し、あっけなく日本一への挑戦を終えることとなった。新チーム開始当初から大事にしてきた自分たちらしいバスケ。改めて、大濠の〝考えるバスケ〟を体現することの難しさを実感した。

 

一番の成長

 「思考は現実化する」。平松が高校時代、監督によく言われた言葉だ。この言葉は今でも平松を支えている。高校3年次、コロナ禍で練習に制限が出たことが逆に「バスケに対する考え方を学ぶきっかけになった」。現在は、同じポジションでキャプテンの常田耕平(政経4=正智深谷)の練習への真摯(しんし)な姿勢に「自分も意識を変えていく必要がある」と向上心を忘れない。チームを勝たせる司令塔に。高校時代に果たせなかった〝日本一〟の夢をかけた挑戦がいま始まる。

 

[小原愛]

 

◆平松 克樹(ひらまつ・かつき)情コミ1、福岡大大濠高。明大入学後は、先輩と共に練習や試合前にどら焼きを食べるようになった。173センチ・70キロ。

 

(写真は本人提供)